【ヤマタイカ】 全06巻 /
星野 之宣沖縄の御嶽(グスク)から古代の舟がみつかる。久高島のノロたちを中心に、アマミキヨの伝説からはじまる世直しの話。
80年代後半に描かれた、ハルマゲドン思想の話。現代にも通じるところがある。
たくさんの漫画作品に触れた後でこの本を読むと、この作者の力量のすごさを知る。
4巻の1部までは本当に面白い。歴史的なことはかなり調べてあるし、仮説も秀逸。特に、奈良と九州の地名のリンク、火山と神の関係などは読ませる。
益田勝実氏の「火山列島の思想」などからも影響を受けていると思う。
87年頃に描かれた作品なら仕方のないことなのかもしれないが、どうしてもハルマゲドンのネガティブな世紀末にひっぱられてしまうのが残念。
これを読んで思うのは、個人の信念を貫くのではなく、多くの人々の幸せが優先だということ。どんな大義があっても、いくら“正しく”ても、個人(民族を含む)の動機からのものは欲でしかない。決して暴動を起こすものではないのだ。
このあたりが、なぜか一神教的な発想。この矛盾はいかがなものだろう? 神道的なもの、アミニズムを謳っているのに。
2008/2/28
UP追記>
沖縄の御嶽は、地理的にいって、斎場御嶽(セーファウタキ)だと思う。久高も臨めるし、絵柄もそれを意識していた。
でも実はもっと調査していて、あれが玉城(タマグスク)だったらすごいよなと、ニヤニヤしながら読んでいました。
描かれてから20年。でも、あんまり調査って進んでないよね。このあたりはもっと学びたいです。
2008/7/19
【コミックセット】
【文庫版】
posted by zakuro at 11:42|
Comment(0)
|
漫画-少年青年系
|

|