2008年08月19日

フラワー・オブ・ライフ(完) 全04巻

【フラワー・オブ・ライフ】 全04巻  /よしなが ふみ

花園春太郎は白血病で一年学年が遅れるが、めげない明るい青年。三国翔太という親友も出来、真島ら強烈なキャラクターたちに囲まれて過ごす青春物語。

タイトルの「フラワー・オブ・ライフ」は、精巧なバランスを持つ幾何学文様の意味合いの方ではなく、「人生における最も輝いている、花のような時期」のこと。

秀逸な作品。笑えて考えさせられて、じんとくる。
ト書きのツッコミ最高。笑った。まさかこんなに爆笑もののコメディだとは! 
この作者さんは、どういう脳の構造をしているんだろう。何気ないことなのに、実は人生においてとても大事なことばかりが詰まっている。それを丁寧に、それぞれに合ったキャラクターで話が構築されている。

食にまっとうに向かう作者、弁当の描写も笑える。必ず料理上手が出てくるのがよしなが作品の見どころ。日々の生活をいかに丁寧に生きているかが滲み出てくる。その丁寧さは私にはないところ。見習いたい。

キャラも冴えてる。お姉ちゃん最高。姉弟愛がいい。まるまるした三国もいい。真島の学力論はめちゃ納得。私もそれだ。
漫画を描いている武田隅子は、よしながさん本人がモデルじゃなかろうか? 高校生の時に描いていたという『ベルバラ』の同人誌が、秋葉原のまんだらけで7万円近くで売られていた!

1巻おまけ、大爆笑。コミケ事情もよくわかっておかしい。ネットが蔓延してサークル事情が今のようにわかるまで、今までどうしてきたんだろう? 同人ファンのみなさんは。
それにBL解釈も考えさせられた。4巻に神田明神が出てくる。

考えさせられることが多い作品だった。
春太郎がクラスの挨拶で白血病をカミングアウトした時は、たんなる明るい正直な少年にみえる。それがすべての伏線になっているとは思わなかった。
子どもとは「生きる重み、人生の険しさを想像できない人」をいうのだ。または「勝手な自分の思い込みだけで信念を構築し、相手の立場を考えずに突っ走る人」。
大人にもそういう人はいて、壁や傷つくことで自覚し学んでいく。それを春太郎と翔太、編集者の立ち位置で描き分けたのが絶妙。
彼のような単純な正義感は私にもあるもので、それが結果、周囲に迷惑をかけることがある。正義感を振りかざす人には多くある傾向でもある。
空気を読むチカラと想像力、そしてやはり経験値だ、どれだけ体験を積み上げてモノにしているか、だ。自分の言動が相手にどう影響を与えるか。相手がどう受け取り感じ、行動にしていくのか。それをイメージする力だ。
とはいえ、相手の方にその想像力がない場合も多い。みんなが発言する土俵は同じ高さ、同じ大きさが大前提だよね。
このあたりがとても丁寧に描かれていて、それが「大人になること」で、春太郎の成長になった。いつも人生になんらかの疑問と追求する力がない限り、こんな作品は書けない。
                         2008/6/28

《こんなふうにおススメ》
よしなが作品は好きだけど、たまに「痛む」と言われます。問題点を突きつけてくるからだと思う。痛みは、きっと「若さ」。痛まなくなった時、鈍感になったか、一皮剥けたか、そのどちらかだと感じます。



ラベル:よしながふみ
posted by zakuro at 00:09| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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