2009年06月30日

6月の戯れ言 [2009年06月]

日々の戯れ言、UP数はこちらにまとめました。

※ ブログのリンクの調子が悪いみたいです。
 「Not Found」がよく出るのですが、リンク切れしていません。
 何度かenterまたはreturnを押してみてください。
続きを読む
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し【椎橋寛】

【椎橋 寛】 しいばし ひろし

ぬらりひょんの孫

タグ:椎橋寛
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2009年06月29日

るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- (完) 全28巻

【るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-】 全28巻  /和月 伸宏

明治11年、東京下町。神谷活心流の師範代である神谷薫と、人斬り抜刀斎騒ぎで知り合った、飛天御剣流(ひてんみつるぎりゅう)を継承する流浪人(るろうに)の緋村剣心(ひむらけんしん)。
剣心は維新時に活躍した志士だが、その後わけあって流浪人になる。薫に乞われ、そのまま神谷家に居候することに。
その実、剣心とは、緋村抜刀斎としてかつての維新時に名を轟かせた男であった。しかし人を活かす道にと殺人剣を捨て、刃が逆にある逆刃刀を帯刀し、目の前にいる守るべき人たちのため、挑んでくる相手を倒していく。
士族の身分があったが両親が亡くなりヤクザに拾われていた少年、明神弥彦(みょうじんやひこ)も剣心に救われて神谷活心流の門下生になり、赤報隊で尊敬する人を失い喧嘩屋に成り果てていた相楽佐之助らも加わる。
史実も入れて創作された壮大なファンタジー。

6巻には作者の読切デビュー作、「戦国の三日月」
北方の国の剣術指南役でめっぽう強い比古清十郎、南雲国の戦いの中で弱虫な百姓の一心太を助ける。ふたりには同じ名を持つ想い人がいた。

最終巻に短篇「メテオ・ストライク」
正義感はやたら強いがからきし弱い中学生の信矢(しんや)。ある日、登校中に隕石が頭に当たって、脳までのめり込んでしまう。
幼馴染みの智歩(ちほ)は、それにより超人的な力を持った信矢に複雑な感情を持つ。

完全版には、コミックス版に収録されなかった後日談が二作。
「弥彦の逆刃刀」
剣心から逆刃刀を継承した弥彦。神谷道場から依頼され越後まで一ヶ月の出稽古に出たが、そこで逆賊が道場の娘を人質に立て篭っていた。

「春に桜」
明治16年。剣心と薫の親子を中心に、花見の同窓会。

週刊少年ジャンプ。
ドラゴンボール」が終了して、ジャンプ暗黒時代と呼ばれた、週刊少年マガジンに売上げを越された時期に、ジャンプの看板を背負っていた作品。
90年代半ばから、5年間の連載。
かつて漫画には一切触れたことのなかった私でさえも、この作品名は知っていた。

めちゃくちゃ面白すぎる。面白すぎて、途中他の作品に手が出せない程だった。
仕事していても、続きが気になって仕方なかったのは、漫画では初めて。
読書量2100冊を越えて、やっとかつての名作たちに手を伸ばし出したところという感じか。
もしかして、その後の「NARUTO -ナルト-」や「銀魂」「BLEACH」など、帯刀モノがヒットしたのは、この作品があったお陰なのでしょうか?

当初剣心のモデルは幕末四大人斬りのひとり、河上彦斎(かわかみげんさい)だったという。佐久間象山を暗殺した人物で知られる。
小柄(150cmほど)で色白で女性的だったらしい。剣心の身長は158cm。

個人的な話をすれば、この時代のことは大筋しか知識がない。幕末から明治維新まで、なるほどなと気づかされることが多かった。
「もしも」の仮定がいくつか作中にあって考えることもあった。
私の友人たちに、作中にも登場する維新志士の子孫が何人かいるので、彼らに出会えている今、ありがたいと思うとともに、歴史の動きひとつで出会えなかった人物もいるのだなと感じる。140年くらい前だとまだまだ近しいのだ。それもあってあえて今までこの時代に触れてこなかったのだが、今はこの時代に魅せられる人たちが多いのもわかる気がする。
この国をどうしていったら良いのか、皆が本気で考えた最後の時代なのかもしれない。今はこんな熱い想いを持っていても、活かせる場所はないからだ。

面白すぎて、わくわくする。
まず、この作品の読みどころとしては、作者がとにかく勉強されていること。歴史はもちろん、人物、または風俗や民俗学的なこと、神話などが絶妙に盛り込まれていて、勉強したというよりも、今までの好きなことが大成したというべきなのかも。
それらが雑学的にところどころ登場して面白い。
“ひょっとこ”が火男で、出雲の製鉄と関係があった説は初めて知ったし(作中では、「火男をひょっとこと読む」との表記のみだが、火を吹く敵方が登場する)、赤空の最後の刀が奉納されていたのは白山神社で、そのご祭神は菊理姫なのは知られているところ。菊理姫は調停、調和の神。上手い。
登場人物は作家さんの故郷の神社などから名前を貰っているのも多いのだそう。
ちなみにまったくの余談だが弥彦神社の狛犬は、建築家の伊東忠太のデザインで知られている。本殿の再建もそうらしいのだが、狛犬が有名。明治神宮、築地本願寺や神田明神の本殿もこの方。
全部を書ききれないが、そういった部分も楽しみに華を添えた。

着物の描き方がわりかしキレイなのが嬉しい。女性の胸元あたりは萎えるけど、でも少年誌だし仕方ないのかも(これも次第に改善されて、美しい着付けになっていく)。

京都編は読み応えもあったが、内容が重量すぎて読書しててもパワーが要る。描く方も大変だったと思う。一言で言うと壮絶。
泣けたところは、鯨波兵庫との闘いでひとりでも向かう弥彦の勇気。子どもが未来を夢見るのって、やっぱ良いですね。
剣心、どれだけ薫を好きすぎる……。
剣路はよつばに似ててかわいすぎ。

そして絵、上手い。楽しい。
絵も手抜き感は一切なく、話も最後の方の佐之助の家族の話で一瞬テンションが落ちるが、これも伏線になり、盛り上がったまま進む。
絵はどんどん線がキレイになっていく。元々上手かったのが益々ってホントにすごい。

なんで女子に人気があったのか、だんだんとわかってくる自分がイヤ。
そういう見方もできるようになっちゃったんだなー、自分。
優男の主人公って大事なんですね。でも、妄想はしていない。
中性的な剣心が、どんなに強くても遠い存在に見せない、それも大きな人気のひとつだったのだろう。

コミックス版を読んでから、念のため、完全版も読む。
コミックス版は作者のキャラへの想い、その設定や生まれた理由などのコネタが面白く必見。
また完全版はカラーが生きているのが嬉しい。

その後の番外編が収められているのは、完全版のみ。
両方を観られた方が楽しいが、一気に世界観を読みたいなら完全版、ディープにその背景や物語にのめり込みたいならコミックス版をオススメします。

最後に一言、この作品に出会えて良かったです。
ありがとうございます。
                         2009/6/28

《こんなふうにおススメ》
アニメにもなり、映画にもなり。
90年代を代表する作品。
読むべし。

【コミックセット】


【コミックス】


【完全版】
後日談も収録。

タグ:和月伸宏
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わ【和月伸宏】

【和月 伸宏】 わつき のぶひろ

るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-

タグ:和月伸宏
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2009年06月25日

金色のコルダ 12巻まで

【金色のコルダ】 12巻まで  /呉 由姫(原案/ルビー・パーティー)

星奏学院の二年生、日野香穂子は音楽には無縁の普通科の女子高生。
音楽の精に見込まれて、音楽家の生徒たちとコンクールを競うことになってしまう。魔法のヴァイオリンを手にして勝負に励むが。
音楽科には、同じ二年生のサラブレッドとして育ったヴァイオリンの月森蓮、三年生に、スポーツの得意なトランベット奏者の火原和樹(ひはら)、華道の家元に育つフルート専攻の柚木梓馬(ゆのきあずま)、一年生には、マイペースなチェロの志水桂一(しみずけいいち)、クラリネットの内気な冬海笙子(ふゆうみしょうこ)らがいた。同じ普通科でピアノの名手、土浦梁太郎(りょうたろう)と、香穂子はコンクールに参加する。

のだめ」のような、内容はコメディでも音楽への取り組み方が真面目なクラシック漫画の名作があるので、なかなか難しいところはあると思う。コメディ要素もあちらの方が断然面白いし。
絵は好き。かっこいい男の子たちそろい踏み。乙女ゲーム的要素もばっちり。
しかし内容は、当初のファンタジーでは辛くなってきて、魔法が解けた先、どう話を展開させるのか。ストーリーはもたもたしているので、まあ、まったり読むのが良いんでしょうね。
                         2008/1/30

UP追記>
そういうことだったのかっ!
すみません、勉強不足でした。コミックス先行のアニメ化、ゲーム化だと思っていたのですが、元々ゲーム作品から派生したものだったのですね!
恋愛シミュレーションゲームなのだそう。ネオロマンスシリーズの三弾目がこれ、だったのだそうです。(最初が、アンジェリークシリーズ、次が「遥かなる時空の中で」)
だからだったのか、ファンタジーとスポコンが同化してて違和感たっぷりだったのだ。納得。
                         2009/6/24


10巻/
音楽コンクールが終わる巻。
香穂子はヴァイオリンに魅せられてこのまま続けることを決意する。

最初はファンタジーで始まって、途中から恋愛も絡めた音楽ものになっていく過程で作者も着地点が難しいだろう。
それぞれの回想と演奏がメインで、このまま最終巻になるのかと思った。あまり長引いても良くないんだけど。
(まだ、ゲーム原作だと知らなかった時期の感想)
                         2008/05/09

《こんな人におススメ》
クラシック音楽を知らない人の入門に。
カッコいい男子をたくさん見たい人に。

11巻〜12巻/
まったくの素人に戻ってしまった香穂子は実力をつけるべく、ヴァイオリン教室を先輩の王崎の個人レッスンを受けていた。
選抜合宿の選考に、柚木が辞退したと火原から聞いた、土浦と香穂子。
香穂子のクラスに、女生徒たちが噂するような転校生、加地葵が転校してくる。そして香穂子に言う。「君に会いに来たんだ」
加地葵が香穂子に夢中になったプロローグも。
パラレル宮廷音楽篇も入った11巻。

12巻。火原が一躍CMスターに。
柚木と火原の仲直りに香穂子も一枚関わる。
加地は土浦も香穂子に興味があるのに気づく。
土浦と香穂子の合奏。
月森への香穂子の想いに句づいた土浦は、譲れないと思いコンクールに出る決意を固める。
月森は留学を決めて……。
月森の恩師の早乙女は、香穂子に「レッスンを望むならコンクールで入賞してからにしろ」と言い放つ。それに向け、月森が個人レッスンを買って出る。

絵の上手さは抜群。キャラも魅力的。ほんとに好き。好み。
たぶん、好きな絵ではベスト10に入る。

名前で、これから大事なキャラになってくるのかわかるのがこの作品。
万物自然の何かが名前に入っているからだ。
加地葵が香穂子の手にキスしながら言った台詞……うっすらと背中が寒かったけど、これ、ゲームだと女の子たちの萌えなんでしょうねー。
鳥肌する私が異常なのか?
11巻はこの新キャラ、加地を愛でる巻。かっこ良くて親切で頭も良い……しかもヒロインに夢中という、最後の一点だけはどのキャラにもなかった強みを持って登場。

12巻の表紙はアラクレっぽい。
中味は面白さを取り戻してくる。次巻に期待したくなってきた。

今更だけど、ゲーム原作だと知って、冬海笙子のキャラが薄くなった意味がわかったなー。恋愛シミュレーションに女子、他にはいらないもんね。
元々がゲームだとわかると見方が一気に変わる。これはこれでありなんだなー。
でも、それを知らないとイマイチな作品。難しいものですね。
そもそも「のだめ」とは立ち位置が違う。比べてごめんなさい。
                         2009/6/24

【コミックセット】


【コミックス】

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2009年06月24日

となりの801ちゃん 01巻まで

【となりの801ちゃん】 01巻まで  /小島 アジコ

オタクなサラリーマンの青年が、好きになった可愛い女の子。つき合ってみて、彼女もオタクと知る。それなら話が合って楽しいと思ったのが大きな過ち?
実は彼女は、腐女子だったのだ。オタクなふたりのラブリーな日々。

腐女子ってディープなオタク女子のことだと一般には思われ、そう使われてもいるけど、もちろん、BL(ボーイズラブ/男同士の恋愛のこと)を好む女子たちのこと。
元々は、(自分が参加出来ない、異性同士の恋愛に萌えるなんて)「それって女として終わっているんじゃないか?」という差別用語から。
その腐女子に市民権を与えたのが、このブログから始まった「となりの801ちゃん」だと思う。

まだアキバ系に入っていなかった私でさえ、タイトルは知っていた。
でも、BLマーケットを研究しだした時に、これを読んでみて、実は書かれていることが「さっぱりわからない!」状態だったのだ。
今、読み直してみて、大爆笑できる自分が怖い。
ご自身のオタク度を測る為にも、おススメの作品。

これは実話に基づいている。
自分の彼女が腐女子だった驚きと発見を、絶妙なセンスで描いている。
この作者の目線がとにかく秀逸。笑わせながら、大事なポイントは外さない。その観察力とセンスの良さに脱帽。

コミケで、チベくんが、中学生がホモ同人を買っていて、日本の将来を憂いているけど、よくわかる。
中に入れば入る程、このセカイの異様さを感じる部分ってあるよね。

京都アニメーションでアニメも決まっていたのだが、発表から一週間で放映中止になったのが残念。大人の事情なのでしょうか?

おふたりはその後、ご結婚。オタク夫婦として邁進されている様子。
どうかお幸せに。

コミケでサインをいただいたことがある。
チベくん(作者)は、さっぱりとした好青年で、線が細めの格好良さ。801ちゃんは、元気いっぱい系のアイドルのような美女でかなり驚きました。
カミングアウトしなければ、どーみてもオタクには見えない。
今、こういう人たち、多いんだろうなー。
801ちゃんの逆襲の同人誌、「チベくん総受本」……もちろん、買いました。
                         2009/6/03

《こんなふうにおススメ》
自分のオタク度がわかるおススメの本。
センスの良さが抜群。
↓ おススメは、3冊目の限定バージョン。おふたりのご結婚に合わせて、大御所作家さんたちがお祝いに描き下ろした豪華競演の小冊子がついている。
(ちなみに作者を含め、そちらを“本編”と呼んでいるのに笑わせていただきました)



タグ:小島アジコ
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こ【小島アジコ】

【小島 アジコ】 こじま あじこ

となりの801ちゃん

タグ:小島アジコ
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2009年06月23日

スプラウト(完) 全07巻

【スプラウト】 全07巻  /南波 あつこ

池ノ内実紅(いけのうちみく)は高校一年生。バイト先で仲良くなった三年生の片岡先輩が彼氏。
しかし、職員室で見かけた男子にはっと気を取られる。
そして父が会社を辞めて下宿を始めると聞かされる。急に生活が変わる不安と、アメリカにいる兄がそれを先に知っていたことなど、実紅は拗ねる。
加えて彼、楢橋草平がその下宿人のひとりだったことも気にくわない。草平の彼女が、学校で人気の美少女小澤みゆきで、女子からはやっかみでウザミユとも言われているのも引っかかる。その想いが嫉妬だと気づくのに、そんなに時間はかからなかった。
下宿人は、女子大生の巨乳美女の谷山清佳、大学院生で明るいギャルゲオタクな滝川直治(なおはる)らで、始まってみれば楽しい日々。
実紅は自分の恋心と葛藤し始める。

別冊フレンド。
人気があると聞いて読む。

等身大の話で好感が持てた。
主人公が異様に格好良かったり、特殊能力系の話ばっかり読んでいた後だったから。
どこにでもいる子たちが迷いながら、自分たちの生きていく道を模索していく。

草平の心の内を、相手に投影させた描写は見事。それを本人にも気づかせたところが良い。
オザミユの独白が一切ないのも上手い、こういうの難しいのに。

実紅がいくら草平に対して一目惚れだったとしても、最初のこだわりにはあまり共感ができなかったのだ。
それが下宿人との交流の中で思い遣り、温かさを学んでいきながら、大人になっていくのは理解出来る。
人を好きになることが子どもっぽい感情でしかなかった実紅、なのだ。

見開きの構成が素晴らしかった。全体で見せようとしているのがわかる。

いいなー、こういう大きな家で合宿みたいに暮らしたい。楽しそう。
こういう作品はそういった群像劇、疑似家族的なものに流れていきやすいけど、草平と実紅の心の動きから軸がぶれないのは秀逸だった。
                         2009/6/19

《こんなふうにおススメ》
家族的コミニティは好きなので、この設定は楽しかったです。
毎巻の最後の見開きの、庭からの家の風景、好きだー。

【コミックセット】


【コミックス】


タグ:南波あつこ
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な【南波あつこ】

【南波 あつこ】 なんば あつこ

スプラウト

タグ:南波あつこ
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2009年06月22日

あ【甘詰留太】

【甘詰 留太】 あまづめ りゅうた

成人系の作品は載せていません。

ナナとカオル

タグ:甘詰留太
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2009年06月21日

僕の初恋をキミに捧ぐ(完) 全12巻

【僕の初恋をキミに捧ぐ】 全12巻  /青木 琴美

垣野内逞(かきのうちたくま)は心臓病で入退院を繰り返している。8歳の時、主治医の娘、種田繭(たねだまゆ)がいつも病室に遊びに来て、ふたりは恋に落ちた。
繭は両親が話しているのを盗み聞きして、逞が20歳まで生きられないことを知ってしまう。でも繭はそれを否定したくて、夜中に逞と四葉のクローバーを探しにいく。どうしても見つからず泣いていると、何も知らない逞に慰められる。そこで繭は将来は逞のお嫁さんになると誓う。
12歳、小学校の修学旅行先で診てもらった医師の不用意な言葉で、逞は自分の寿命を知ってしまう。しかしもっとショックだったのは繭がその事実を知っていたことだった。
繭を悲しませたくない一心で、逞は繭から離れることを決意、中学受験をして中高一貫の全寮制校に入学する。しかし繭も負けてはいず、逞に内緒で紫堂学園に入学していた。しかも学年トップの成績で。
学園には生徒会長で寮長の鈴谷昴(すずやこう)、そしてその弟の律は逞と同室になる。
小学生、中学生と経て、高校生から、逞と繭の試練の恋の物語。
10巻には番外編の「もっと生きたい」子どもの頃のふたりの話。オカルトでちょっと怖い。

7巻短篇/「ほしいものが、あるんだ〜卒業式前に」
図書委員長の拓実先輩は、ぶっきらぼうで無愛想で近寄り難い。福山と廊下でぶつかった拍子に唇が重なってしまう。先輩は「責任を取って結婚しろ」と言うが。

8巻短篇/「メールの返事くらいくれよ」
水野景子はクラスで接点のない橋本達彦からメールが突然来て驚く。それがほんとに橋本からなのか確信もない。その時から橋本が気になってしまう。
橋本くんは、矢野立芳(はるか)の従兄弟。

11巻短篇/「彼は行けもしない甲子園を目指す」
地味でブスで成績も悪い佐藤珠美に告白して振られた、モテる水澤ヒカル。佐藤が自分に好意をいだいているのだと勘違いしたのだ。佐藤は野球部のマネージャーでヒカルをスカウトする。
ヒカルのユニフォーム、格好良すぎ。

12巻の番外編に「僕は妹に恋をする〜矢野くんのワンダフル・デイ」
矢野立芳の頼と郁の兄妹に振り回されている日々。

少女コミック。話題作。
この秋に実写で映画になる。

恋愛をテーマにしているんだけど、それに隠れるように大事なモノを描いている。
脳死は生命の死なのか。
最近は死を美化する小説などが多かったので、この挑戦は嬉しい。若い子たちにはイノチを大事にしましょう、なんて言われても、正直ピンと来ないかもだけど、こういう漫画なら感じ取り方が多いと思う。
私が繭だったらどうするだろう? 難しい。
どんなに想像してもリアルの前には儚いもので、その気持ちなんてきっとわからないと思う。

前作の「僕は妹に恋をする」でタブーな恋愛の後、恋愛だけではない物語を作りたかったのかも知れない。その姿勢がまずすごい。
生きていきたいという想いがひしひし伝わってくる。

恋愛漫画としては……恋する想い、キモチがそのまま詰まっている。
感覚から感情から、ひとつひとつを伝える為に、話が作られていると言っても過言でない。

キメのシーンが上手いんだな。印象に残る絵。
ひとつひとつ大げさなんだけど、全体がものすごく計算されていて、隙がない。
溜めとか、ライバルを出すタイミングとか、絶妙。ちょっとしたところが悶える程に上手いのだ。すごすぎる。

ドラマチックに、「男子が女子のことを好きで好きで堪らない、しかもそれを命がけで」という、女の子が最大限に望む設定をきちんとやっている。ドキドキさせたまま、読者を煽ったまま進んでいく。
改めて上手い作家さんだと思った。

作者が男子キャラにめちゃくちゃ感情移入しているのがわかる。
すでにキャラと疑似恋愛していて、それがそのまま読者に伝わるのだろう。女子キャラに自己投影しやすいのだ。

個人的には好みじゃないのだけど(絵も、女性の顔の半分が目で埋まっているのがイヤ)、それでも上手いものは上手い。

性に目覚める年頃の読者に合わせて、内容も沿っている。
親が子どもに読ませたくないのもわかるけど、やっぱりこういうのも子どものうちから読んでおいた方が良いよね。

とても真面目な作家さんと思う。話をかなりしっかり作り込んで、絵も最初からイメージして、描いている気がする。
そういう姿勢は尊敬。
読みやすい。
できれば全巻終了してから一気読みがこの作家さんの作品の読み方としておススメ。なかなか進まないので、これ連載だとめちゃくちゃきつい。
最終巻は爆泣した。

年齢的に親の立場も考えちゃうけど、自分の子どもが繭でも逞でもきつい。
幸せなカタチに導いてあげられるのか、人間力が試される。

「僕は妹に恋をする」のスピンオフでもあるので、逞たちの二年後輩に結城頼が出てくる。
一文字の名前、好きなのかな。そんなキャラが他の作品にも多い。
すでに代表作のある作家さんですが、まだまだ本命はこれからな気がする。

ツッコミを入れさせていただけるのなら、亡くなってから2年目が、三回忌です。
それと中学生なのに、ホストに見えるのはこれいかに。

短篇もそうだけど切り込むようなタイトルばかり。

ちょっとネタバレだけど、ラストは夢オチに見えてかなり……。
理由は、繭のミニスカート、夜に家族で陸橋? なところ。

「僕は妹に恋をする」はあまり好きじゃなかったけど、これは秀逸。
読み応えがあった。
                         2009/6/19

《こんなふうにおススメ》
面白いです。見せ方(魅せ方)が上手すぎる。
他の少女漫画とは、傾向がだぶらないのもすごいです。



タグ:青木琴美
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2009年06月20日

お兄ちゃんLab.

【お兄ちゃんLab.(ラボ)】 全01巻  /立野 真琴

池沢菫(すみれ)中学三年15歳。長男の浅葱は社会人二年目の24歳。次男の大学生19歳は藍。三男の紺は同じ学校の高校部の二年生。
菫には、三ヶ月前につき合い出した三島君がいる。
四人の兄妹愛の話。

別冊花とゆめ。
各話オムニバスで、菫、藍、浅葱、紺の順番。
紺だけ、父親の親友の息子で、両親の死とともに引き取られた、本当の兄じゃない。
紺と菫の恋愛はどうなるのか。

藍は子どもの頃から苦手だった、学級委員長の貴子と再会する。
浅葱は初恋の人、葉子と出会う。
葉子みたいな自分のことしか考えてない女性はキライ。
紺は菫の気持ちに気づき、兄でいるために、告白してきた水瀬とつき合うが。

悲しいことに、私はこの作家さんに感覚が合えないんだと思う。
面白いとか、ダメとか以前に、よくわからないのだ。
どーしてそうなるかな、以前の問題で、なんでこういう設定なのかが理解出来ない。私に理解する能力が足りないのだ。そんな自分が残念。
そういう作品もあるんだなってことで。
                         2009/5/19

《こんなふうにおススメ》
読み込みの深い方には、向いているのかもしれません。



タグ:立野真琴
posted by zakuro at 21:41| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

た【立野真琴】

【立野 真琴】 たての まこと  →立野 真琴(BL漫画作品)

お兄ちゃんLab.
タグ:立野真琴
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2009年06月18日

お【小畑健】

【小畑 健】 おばた たけし

DEATH NOTE
BAKUMAN バクマン。
タグ:小畑健
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2009年06月17日

Deep Love ホスト(完) 全02巻

【Deep Love ホスト】 全02巻  /吉井 ユウ(原作/Yoshi)

姉と慕ったアユがエイズで死んで、義之は手術で命を長らえたが、希望を失ってしまう。
アユが見てきた世界を少しでも知ろうと、ホストになる。
心を亡くした義之はどんどん伸し上がっていくが、ある日公園で盲目の少女アユに出会う。その少女はレイナの娘だった。

シリーズの順番は、
01 アユの物語
02 ホスト
03 レイナの運命
04 パオの物語

「ホストって××らしいですよ」「そのソースってどこからよ?」
うちのスタッフが上げたのが、この作品。
キャバクラマーケティングの話の中で、出たのだけど××が何だったか、もう忘れてしまいました。
その後にどれだけお金があっても、私たちはホストに使わない性質なのが判明。だってもったいないじゃんと思うところがすでにアウト。
だけどその生態には興味があるので読む。
読み終わっても、××が何だったか憶いだせなかった。

義之がレイナの娘のアユに出逢い、必死になる。
今度はまたレイナにアユの生き様を伝える為に、次のシリーズになっていく。
ハードな人生で、読んでいて辛くなるけど面白いです。
                         2009/6/5

《こんなところに注意》
シリーズの最初から読まないとわからないようになっています。



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2009年06月16日

Deep Love アユの物語(完) 全02巻

【Deep Love アユの物語】 全02巻  /吉井 ユウ(原作/Yoshi)

高校生のアユ。カラダを売って生活している。
一回5万。その金額設定は「わかりやすいから」
居るところはなく、たまにホストの健二のところにいたり。
虚無の人生に意味はない。
ある日、花鉢を育てていたおばあさんと知り合う。虐待を受けている犬を拾い、育ててもらう中でそこに出入りするようになる。
その老女は、夫を戦争の特攻で亡くし、ひとりでこつこつ内職をしながら質素に生きていた。そして捨て子を息子のように育てていたが、捨てた親が後に現れ、取られてしまったこと。その息子は心臓病を患っていたことを知る。
アユは老女の死を迎え、娘を名乗り、その義之の手術のために真面目に働くことを決意する。

このシリーズのホスト篇を読もうとして、こっちが先だと知る。話がわからなくなるのも残念なので、読む。
ドラマにもなった作品。元は、携帯サイト小説が原作。
シリーズの順番は、
01 アユの物語
02 ホスト
03 レイナの運命
04 パオの物語

累計で250万部(小説)は売れたらしい。
評論家は黙殺している作品らしいが、そもそも文学と同列に並べる方がおかしい。その時代に出てくる「風俗断片」のようなものなのだ。

アユの「なんで幸せにならなきゃいけないの?」は少し考えさせられた。
この作品のテーマとは違うけど、人は幸せになる為にもがく。でも、たまに疲れてしまうので、「別に幸せになんてならなくてもいーじゃん」と思えれば、それはそれで一時の心の安寧になりそうな気もする。
いつでも頑張らなくて良いのだ。これでいいと思っていた日々に急に陽が当たって、気づかされることは必ずしも幸せに結びつかないこともある。改めでそんなことも感じた。

話が脱線。
期待しなかった分なのか、思った以上に面白かった。

アユもレイナもハードな人生だ。
今はこういう女の子、多いのかもしれない。どうか自分を大事にしてください。

レイナ篇はこのシリーズの三部作目。
続編のホストの話は、義之が手術を成功させて、ホストになるところかららしい。
                         2009/6/5

《こんなふうにおススメ》
読んでいて辛いとこが多いけど、都会ではこういう子、最近多い気がする。
「なんて愚かなんだろう」と一言で済んでしまわないで、オトナはそれについて、真剣に考えていった方が良い。


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よ【吉井ユウ】

【吉井 ユウ】 よしい ゆう

Deep Love アユの物語
Deep Love ホスト
タグ:吉井ユウ
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2009年06月15日

神様家族(完) 全05巻

【神様家族】 全05巻  /たぱり(原作/桑島 由一)

父は神様、母は女神様。次期神様候補の神山佐間太郎(かみやま さまたろう)は、ただ今、人間として、女神候補の姉の美佐、妹のメメたちと、人間界で修行中。現在高校一年生。
天使のテンコが“幼馴染みとして”お目付役している。
何不自由ない生活。しかし佐間太郎は拗ねていた。
過保護の両親は、たびたび佐間太郎が考えることに対して先に手を出し、簡単に奇跡を起こしてしまうのだ。佐間太郎はそれが気に入らない。
佐間太郎だって、悩んでみたり、バイトもして汗水流してみたい。年相応の努力はしたいのだ。
ところが何をやろうとしても「あんたは神様の息子なんだから」と言われてしまう。
ある日、小森久美子という美少女が転校してくる。一瞬にして恋に落ちた佐間太郎。
「生まれてはじめて、心というものを感じられた」
この恋を自分の力で成就させたいと初めて思う。はたして上手くいくのか。
ラブコメ。

ライトノベル原作。
のっけから、神ごととしての願い事がブルマ。
これ、文字だけで絵にはしない方が良かったんじゃないだろうか? アニメにもなっている。
他にも裸エプロンやお色気のお約束も満載なので、まっとうな期待はしないで望んだ。
ラブコメだけとしてみればいいのだ。

最初は「そうだよね、そう考えちゃうよね!」みたいな共感が出来ないのが苦痛だった。
キャラの言動不一致なのだ。それがないから見せ場のお色気なシーンもテンションが下がりっぱなし。
エロごと大好きな男子にも引かれてしまう「意味のない無駄なパンチラ」と同じではないか?
ラノベは面白いのだろうと思い我慢。原作を読んでいないのでわからない。文字なら許せるのかもしれない。
漫画には伏線がまったくないので唐突に感じる箇所も多い。

3巻目くらいからだいぶまとまってきてホッとする。
ノックをやってなかったら挫折して、暴言を吐いて終わりだったかもしれない。すみません。

佐間太郎とテンコの思いがわかるようになってから、だいぶ面白くなってきた。
ブタの貯金箱の大天使には大爆笑した。

ここでも「しゃらんら〜」が。「MR.MORNING」でも笑ったんだけど、「頭がお花畑状態」ってことらしい。
これって漫画界ではデフォルトなんだなー。
どうやら「けいおん!」や「ハレグゥ」などでも使われている。
「魔女っ子メグちゃん」は国民のアイドルだもの。
いつの間にかの「セヴァスチャン=執事」図式なのかもしれない。
                         2009/6/09

《こんなふうにおススメ》
絵は可愛いです。可愛すぎて、主人公たちが高校生に見えない。
最初は表紙で、小学生の話かと思いました。



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た【たぱり】

【たぱり】

神様家族
タグ:たぱり
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2009年06月14日

ハルコイ

【ハルコイ】 全01巻  /末次 由紀

短篇集。

・表題作。
本田綾子(りょうこ)50歳。50歳でも春はくる。
おせっかいから友だちになったのんちゃんこと、春宮のどかは23歳保育士で、彼氏いない歴も23年。ところがのんちゃんにも春がやってくる。
ランチボックスを買いに行くリストランテの店長さんに恋してしまったのだ。相談を受けた綾子は張り切るが。

・「指輪の片想い」
北大路繭子はウエディングプランナー。人様の結婚式を演出しながらはや30歳。
バツイチの恋人、氷室憲祐(ひむろけんすけ)は一線から中に入らせてくれない。

・「美彩食堂」
三森美彩(みつもりみさ)は派遣社員で26歳。実家の洋食屋がイヤで飛び出し、玉の輿を狙って合コンの日々。
BMWに乗っている竜ヶ崎晋太郎は、自営業の飲食店を経営と言う。美彩はその名刺の場所に行ってみるが、そこはオンボロ食堂で。

・「ななつの約束」
幼い七菜は母とふたりで引っ越しする。翻訳の仕事で母はぼろぼろになって。
母親の笑顔を見たくて、祖父母の笑顔の写真を撮る為に、バスに乗る。

BE LOVE。
超おススメの一冊。もっと早く出会えば良かった。
面白すぎるし、泣けた。
この作品も、「ちはやふる」と同じように復帰後の一冊。
短篇で元の勘を取り戻して、「ちはやふる」に入ったのだと思う。

気合いの入り方がまったく違う。これも評価が高かったので、ずっと読みたかった。
末次作品は友人にも頼んで集め出して、そろそろ冊数も揃ってきたので、一気に読み出そうと思っている。楽しみ。
この作品と「ちはやふる」以前はすべて絶版になっているので、どんなに面白い作品だったか、それだけでも伝えていきたい。

最初から泣ける。
少女漫画で主人公を50歳にするって、どんな視点! でも、それが新鮮で一気に惹き込まれる。
のんちゃんが好きになった相手を見定めている時の綾子の台詞に爆笑した。
「やだ。私好み。応援出来るかわかんないわ」
のんちゃんに「旦那さんがいるのに」とツッコまれても、しれっとしている綾子が、おばさんの特性を表していて笑う。
でもこれは個人的な性格。私は残念ながら、こんな可愛いおばさんにはなれないんだろうなー。
のんちゃんと綾子のふたりの会話は、女子学生みたいで楽しい。良いなー、同じレベルで楽しめるって。私の場合、自分が年上で相談相手になっちゃっている姿を、改めて客観的に反省。
オチが見えてるぞと思った私が浅はか。思わぬどんでん返しに、やられた、泣けた。上手い。

この作家さん、桜が好きなんだなー。ちはや……の、新再登場と構図が似ている。
「どれだけ泣いても、桜は咲いてくれるから、喜ぼう、この春を」
作者自身の心境なのかもしれない。

次の話の、繭子の素直さ、明るさは可愛い。
それでも女子って悩むんだよね。わかる。
「自分が幸せじゃないときこそ、人の幸せに触れられる仕事を喜ばないと」そのとおり。
自己反省した。最近の自分を見直したくなった。

「美彩……」は、爪を短くして、久々に思いっきり握れる、に共感。

どの作品の主人公も、勇気を出して、大事なモノを手に入れていく。それが共感に繋がっている。

あえて難点を言えば、キャラの描き分けができないこと? どの作品にも、同じ女子と男子が出てくる。
話が違うので、別人だとわかるんだけど。
                         2009/6/03

《こんなふうにおススメ》
これ、ほんとにおススメの一冊。
私のベスト30には入ります。



タグ:末次由紀
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2009年06月13日

成城紅茶館の事情

【成城紅茶館の事情】 全01巻  /スエカネ クミコ

男子高校生の士乃は丸山が好きで、親友の彬に仲立ちを頼んだのに、そのふたりは結局つき合うことになってしまう。
士乃は自棄喰いのつもりで入った紅茶館でケーキを暴食している時、出された紅茶を飲んで美少女に変身してしまう。
そこに運悪く丸山と彬が入ってきて、美少女になってしまっていた士乃は勢いで丸山に告白する。なんと丸山はOK、彼女はレズだったのだ。
その日から、どんな紅茶を飲んでも美少女になってしまう士乃の体質が戻るまで、その成城紅茶館でアルバイトすることになるが。
マスターの修次は怪しげで、パティシエの啓介に懐く士乃だったが、その紅茶館には秘密があって……。

ヤングキング。

紅茶を飲むと、それぞれに変化するという話。
啓介は温厚な人格と、ドSな性格とのふたりに分かれてしまい、修次は全身感じやすくなってしまうというもの。
修次の兄の一臣がその紅茶を持ってくる犯人(?)だった。

タイトルに騙されたぜ。残念。紅茶の漫画では一切ない。
まあ、紅茶が元凶ではあるんだけど。
紅茶に釣られてうっかり読んでしまったけど、内容にはちょっと驚き……なんでもあり??
多くの人の感想を検索してしまった。案の定「変態漫画」。

意味なくレズでホモ疑惑で、なんのオチもなく終わってしまった。
でも、続いてもどーにもならなかったかもしれない。楽しかったのは楽しかったけど。

作者の自覚アリの「いったい、誰向けの漫画かわからない」に爆笑した。
可笑しかったので、それだけで良しとした。
                         2009/5/19

《こんなふうにおススメ》
こんな作品もあるんだな、と面白かったです。
!!今、リンクを貼ったら↓ 一巻とある……。続くの??



posted by zakuro at 14:50| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

す【スエカネクミコ】

【スエカネ クミコ】 すえかね くみこ

成城紅茶館の事情
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2009年06月12日

夕凪の街 桜の国

【夕凪の街 桜の国】 全01巻  /こうの 史代

「夕凪の街」
広島の原爆投下から10年。
被爆した平野皆実(みなみ)は多くの家族を亡くす。それでも懸命に生きながら、幸せな気分に浸ることには罪悪感をおぼえていた。

「桜の国」
小学5年生の石川七波(ななみ)は、野球が好きな闊達な少女。
弟の凪生(なぎお)の見舞いに、お向かいで仲良しの利根東子(とうこ)と出かける。その日の出来事。

二部は、彼らが大人になって。
凪生は研修医。東子は看護師になって、同じ病院で働いている。
偶然にも七波と東子は17年ぶりに再会、ボケた兆候を感じていた七波の父を尾行し、ふたりで広島に向かう。

泣いた。
日本に住む人なら読むべき作品。広島出身の作者。
Weekly漫画アクション。

Yahoo!で漫画特集をやるのはよくあるのだが、そこで「衝撃の作品」とあった。
手持ちにもあったし、表紙だけでは衝撃的に見えないホノボノ系。気になり読み出す。
そしてこの作品は、2007年に実写で映画化もされている。

シンプルな言葉で心を抉ってくる。
街の人たちは過去を言葉にしない。
「いまだにわけがわからないのだ。わかっているのは『死ねばいい』と誰かに思われたこと。思われたのに、生き延びているということ。そして一番怖いのは、あれ以来、本当にそう思われても仕方のない人間に、自分がなってしまったことに、自分で時々気づいてしまうことだ」

死体だらけ、呻く人々だらけの中で、家族を捜しながら、多くの人々を見殺しにしなくてはならなかった罪悪感。
自分が死なずに残された意味を考え続ける皆実。
そして、心の奥底から「忘れてしまえば済む」と囁きが聴こえる。
死に際に皆実は思う。
「嬉しい? 十年経ったけど、原爆を落とした人は私を見て、『やった! またひとり殺せた』と、ちゃんと思うてくれとる?」

この目線は、広島で育った人しか描けないのではないか。描く権利がないのではないか。
そんなことを言えば、作者に怒られるかもしれないが。
もちろんこの作家さんが繊細で誠実な目を持っているのが一番だが、やはりその土地について書けるのはその土地の者が最適なのだ。

「桜の国」は、読んでいる途中で気づいた。
七波の父が旭で、石川家に養子に行った皆実の弟だ。

そして現代に至っても、まだ戦争は終わってないのだと気づかされる。

胸がいっぱい。
この作品を作って世に送ってくださって、ありがとうございます。
                         2009/6/01

UP追記>
昨日、「MR.MORNING ミスターモーニング」をUPして、原爆繋がりでこれを上げたくなりました。
戦争を知らない世代だけど、感じられることはまだまだある。

《こんなふうにおススメ》
この一冊に詰まっているものは、かなり重い。
でも、とても大事な宝物。



タグ:こうの史代
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こ【こうの史代】

【こうの 史代】 こうの ふみよ

夕凪の街 桜の国

タグ:こうの史代
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2009年06月11日

MR.MORNING ミスターモーニング(完) 全02巻

【MR.MORNING ミスターモーニング】 全02巻  /高山 しのぶ

美しい虹の煙の軌跡を描き、大陸を横断する虹石機関車と、それに憧れた少年トーキィ・トーイ。
乗務客室員に仮配属になり、室長助手のミゲール・ワイズマンが直属の上司になる。
機関車は第一車両のモーニング、第二車両のアフタヌーン、第三車両のイブニングに分かれていて、後部座席のイブニング程、サービスと価格のレベルが上がる。
やんちゃで天然のトーキィが、乗務客室員の上司でもある叔母やミゲール、同僚のギル、軍人でミゲールの兄ら周囲の力を借りて成長していく物語。

ゼロサムなので少年系に。「あまつき」は今レディース系に入れているんだけど、少年系(?)だよね。わからない。
この分類に意味があるのか、最近では計りかねている。いつか整理したい。

1巻の最後から話が大きく進む。本気はそこから。
読んでいる途中から、ネイティブアメリカンのホピ族の話を憶いだした。
平和を願うホピ族は、イヤシロチ(パワーのあるスピリチュアルな場所)と古来からの予言を守って暮らしている。
しかし、その土地のエネルギーは地下深く眠っているウラニウムが、その鉱物の内在するパワーと地表との距離的バランスを絶妙に保ち、そのため地上にもたらす均衡によって、だったのだ。毒も、バランスが取られていれば、良薬であるということ。
アメリカ軍がこれに目をつけ、経済を持ち込み安く労働力を買い上げ、そのウラニウムを掘り出させる。多くのネイティブアメリカンが被爆する。
そしてその原料で水爆が作られ、それが長崎と広島に落ちたのだ。
この歴史を映画で見たことがある。(映画タイトルは「ホピの予言」)
それと話が被った。
自然のままであれば、地球そのものさえ癒せるバランスを、人間の傲慢さで破壊の道具に使う愚かさ。
この話も、虹石という虹の煙で走らせる夢の石を、人を殺める道具にしようとする人間のエゴと傲慢を描く。

この作家さんの面白さは話のあちこちに余韻があって、読みながら手が止まっていろいろと思い馳せてしまうところ。
読後に暖かいものが身体に広がる。

デザインをしっかりやってきた人の平面構成。色調も計算されている。
これは「あまつき」でも感じていたこと。
設定も話も構成もすごく興味が持てるのに、なんでこんなに読みにくいんでしょうね。
これも「あまつき」でも感じていたこと。
テンポが悪いのかも。なまじ面白いだけに残念。何がいったい悪いんだろう? 好きな作家だけに気になる。

設定やキャラは良く出来ていて、もっと整理されると「テガミバチ」のような話になると思った。
この作品も、ファンタジーとしては秀逸なのだ。伝えたいことがいっぱいあるのはわかる。読者もそれをもっと読みたい、期待している。でも、それが上手に漫画という媒体に変換されないのだ。
あのテガミバチも絵がゴテゴテと描き込まれているのに、読みやすい。この差が私にはわからない。いつか解けるのだろうか?

ふたつ感じることがある。
まずひとつめ。
作者の頭の中に最初に「見せたい絵」が浮かばないのかもしれない。お話が先で、それに絵をあてはめていっているのかも。
だから、その作家さんの脳内と読者がリンクしないと、話にのめりにくいのだ。
もしかして、「隠の王」の最初の読みにくさも、それかなー?
だから、絵の印象が薄いのだ。あのシーン! と絵が切り取られて記憶に残らない。
これは映画の監督のイメージと似ているんでしょうね。

もうひとつは、設定の尺と、お話の容量が合わないのだ。
詳細設定が多いのは良い。奥行きが出る。
でも、ストーリーの許容量に全部入り切らないのに、どうにか押し込めたい作者の欲が見えて、それが読者を混乱させる。
そこは苦しいけど、切るところは切らねばならないんだと思う。

とにかく勉強になる。
台詞だって、萌え要素だって、もちろんキャラクターも愛すべきで、上手いのだ。だからこそ、惜しい。

トーキィは天然で可愛いが、最初はバカでムカつく。バカと天然を描き分けるって難しいんですねー。「ナルト」でも感じた。

「しゃらんら〜♪」に笑った。

いろいろと言っても、好きな作家さん。
期待を込めて、まだまだ追っていきたいと思います。
                         2009/5/31

《こんなふうにおススメ》
いろいろと言っていますが、高山しのぶワールドは全開です。



タグ:高山しのぶ
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2009年06月10日

ミモザでサラダ

【ミモザでサラダ】 全01巻  /森生 まさみ

ヨーロッパのあるお金持ちの家、純粋で騙されやすいとミモザ・グリーン・ハーネットを心配していた祖父が亡くなる。
ミモザは莫大な遺産を12歳で受け継いだ為、命を狙われることになる。受け継いだ中に、ミモザを守るボディーガード仕様の人工知能型ロボットのカイル・マクシミリオンがいた。
ミモザの命令だけはパーフェクトにこなすカイル。エネルギー源はチョコレートとお酒。カイルがミモザを守る日々が始まる。
ロボットだけに感情が欠落してニコリともしないカイルのことが、ミモザは気になってたまらない。祖父が亡くなってから、たったひとりの家族と思うようになる。

『ココロのベスト30』で、Wrlzさんが勧めてくださった作品。ありがとうございます。

ミモザの純粋ピュアが、周囲を明るくしていくのが見どころ。

まだまだ子どものミモザが可愛かった。
オトナになってきてからの話は、恋愛になっていくんだけど、好みとしてな若干テンションが下がる。

運転手さんの「子ども相手に手加減なしっ!」のツッコミに笑った。
警部はホントに良い人だなー。
カイルは人に恵まれている。良かったね、と素直に言える。
カイルの明治時代の書生みたいな格好はどうにかならないものか。

番外編のカイルの情熱と、それに比べると冷静なミモザにちょっと違和感を感じるが、それがイマドキの女の子でもある。
                         2009/5/31

《こんなふうにおススメ》
時代はだいぶ古そうなんですが、ミモザの設定はイマドキの女の子。
キモチが逆転すると冷静になるのが、イマドキっぽい。
まだまだカイルに夢中のミモザも見ていたかったけど……
幼い頃のミモザが可愛すぎる。



タグ:森生まさみ
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も【森生まさみ】

【森生 まさみ】 もりお まさみ

ミモザでサラダ
タグ:森生まさみ
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2009年06月09日

ひみつきち

【ひみつきち】 全01巻  /中原 アヤ

短篇集。

・「彼氏のひみつ」
高校一年生の池内加奈。
喫茶店の同じ席で静かに本を読んでいることの多い金田京一に憧れ、告白してOKをもらう。喫茶店のマスター曰く20歳と聞いていたが、実は京一は非常にオトナっぽい小学6年生だったのだ。

・「わたしのひみつ」
男っぽい女の子、遥広子14歳。
絡まれている男子、小竹純を思わず助けてしまったり、見た目も中味も漢前。
その実、クラスメイトでアイドルタレントの吉永拓人を好きになったり、女の子の部分もいっぱい。小竹にそれを知られ、口止めに柔道を教えることになる。
小竹は手芸部で料理なども得意な男子。それを広子に教えてくれることになってふたりの取引は成立する。

・「彼女のひみつ」
高校二年生の上原星史は友だちの彼女のエリに片想い。
雨の日、エリと一緒だった星史は……。

・「ぼくのひみつ」
売れない芸人の息子、中学二年生の川島笑(えみ)。
何もかもがイヤで、引越した先の東京で一から出直そうと決める。しかし、父が芸人だとクラスメイトにバレてしまい。

いいよねー、中原アヤ。
特にナーバスになってたり、ストレスフルの時には癒される。ありがとうございます。

やっぱ、関西弁が一番合う。テンポがホントにいいんだよね。

誰にでもそれぞれの事情と立場で、ひみつがある。
それを上手に生かして描いた作品。楽しい。
                         2009/5/22

《こんなふうにおススメ》
中原アヤさんの作品は、私の心の安全地帯。
もったいないので、目に見える場所に積んであります。
どーしても辛い時に読みたい癒しの作家さん。



タグ:中原アヤ
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2009年06月06日

藍より青し(完) 全17巻

【藍より青し】 全17巻  /文月 晃

花菱薫は名立大学法学部三年生。
大学入学時に花菱家と縁を切る。薫は内縁の妻の子どもで、花菱家の父が死んだ後に引き取られるが、当主になるべく虐待に近い教育で育てられたのだった。
それで幼いときから決められた許嫁である名家のお嬢様、桜庭葵とも婚約解消になったのだが、葵は薫を諦められず家出してくる。花菱に戻ることはないと言い切る薫。でも、純粋なまま思い続けてくれた葵の気持ちには揺らぐ。
葵は家出がバレて、連れ戻されるが、また薫のところに戻ってきてしまう。すべてを捨てても薫の傍にいると宣言する葵に葵の母は折れ……桜庭家の別荘のひとつをふたりに貸し出す。
しかし、そこでふたりの生活が始まるわけではなく、葵の教育係の神楽崎雅(かぐらざきみやび)の監視のもと、葵が大家、薫が店子という関係が始まる。
そして、薫の大学の写真部の仲間のティナ・フォスターや水無月妙子が次々と店子で入居してきて。葵のライバル、美幸繭(みさきまゆ)も現れて。
ふたりは結ばれることができるのか。

ふたりを中心になごなごしたお話。
アニメにもなる。ヤングアニマルで連載。

青年系には稀にみる純愛モノと聞いて、どーしても読みたくなった。
最近、うっかり読んだのがお色気ばかりで辛かったからだ。でも読み出して、けっこう色っぽいシーンが多くて、ばしばしヌードも出てくるので要注意。うーむ。巨乳キャラばかりだし。
純愛ではあるけど、寸止め漫画だったのか。
主人公の優しい男子が、可愛い女の子に囲まれて暮らすのはお約束。
作品自体は、とても読みやすい。

葵は、三越のような200年続いた呉服屋で、大きくデパート経営もしている桜庭家のひとり娘。
その設定なのに、着物の描き方が洋服仕様なのがすごく気になる。ちゃんと着付けたらそんなふうにはならないぞ、と気になって仕方ない。
紬と書かれているのだけど、絵はどう見てみてもそうは見えない。これは作品終了までには改善されるのだろうか?(残念ながら改善されませんでした)

薫が皆にモテモテ(死語)だけど、ヘタレってわけでもない。葵に対する気持ちは一途だし、周囲に邪魔が入り過ぎなだけ。
なんで薫は葵との写真まで飾っているのに、薫の部屋は皆が自由に出入りしているのに、ふたりの関係がバレないんだろう?
葵みたいな嫁なら私も欲しいぞ。

ネタバレになっちゃうけど、ティナは自己完結して欲しくなかったな。当たって砕けてそこから新しい自分になって欲しかった。
ちゃんと振られた方が女の子は前に進む。これは男性目線だと思った。中途半端なままで動けるのは男性の方。

なぜ、薫の義弟も、「薫」である必要があったのか、そこまで明かされていたら良かったのに。そこの葛藤が描かれなかったのが残念。

タイトルは筍子の言葉から。
それぞれの話のタイトルにも日本の言葉が充てられていてストーリーとリンクしている。
表題の意味は最終巻で葵が薫に語る。

楽しく読める、良く出来ている作品。
                         2009/6/01

《こんなふうにおススメ》
シリアスなシーンも出てきますが、深く掘り下げすぎることもなく、主人公ふたりの純愛ペースで進みます。
楽しく読めて読者を選ばないので、多くの方におススメできます。

【コミックセット】


【コミックス】


タグ:文月晃
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ふ【文月晃】

【文月 晃】 ふみづき こう

藍より青し

タグ:文月晃
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2009年06月05日

蟲師(完) 全10巻

【蟲師】 全10巻  /漆原 友紀

蟲師と呼ばれる、蟲(むし)に魅入られ、それを生業としている男、ギンコ。蟲に取り付かれ、かどわかされている人々に関わり、蟲とともに生きていく。
読み切りスタイルで進んでいく。
蟲といっても虫じゃなく、生命の根源、スピリットのようなもの。

見事としか言いようがない。全身に震えがきた。
そんな作品にこれからまた出会うことができるだろうか。話の構成も、絵も、色使いも何もかもが素晴らしい。一編の詩や絵を鑑賞しているようで、切ない。
カラーなどは震えてくる。ちょっとした小咄までうまい。
そこには、人がいて、生きている。命が切なく愛おしく感じる。山や里、そして海。人が生かされていることを実感させてくれる。

こういう人が諦めないで作品を描き続けてくれてほんとに良かったと思える。これが受賞しなかったら、諦めるつもりだったとある。デビュー作だとは思えない力作。当時、24歳でこんなのが描けるのか。
この作家の繊細な情緒感が胸に沁みてくる。また、この作者の文字が人を癒す力を持っている。
ゆっくり時間をかけて丁寧に読んだ。余韻が大きすぎる。行間が深すぎて、一気に消費するのはもったいないからだ。こういう作品が増えてほしい。

なんでギンコだけ現代の服なんだ? そのため、時空に落ちた旅人のようで、一緒に異世界を覗いている気分になれる。
3巻の、ギンコの子どもの頃の物語のトコヤミは、今の現代人の心の闇を感じさせた。
8巻の「冬の底」は、当然ながら、ギンコすらも自然の一部でしかないことを感じさせてくれて、深い。
                         2008/3/16

《こんな人におススメ》
すべての人にお勧めしたい。たぶん私のベスト10に入ります。
《こんなふうにおススメ》
癒されるけど同時に考えさせられる。オトナの昔話かもしれない。
その切ない感じは、一見柳田國男よりも折口信夫のようにも感じるけど、いやいやなかなかちゃんと計算されていて、ともかくも唸ります。民俗学っぽいけど作者のオリジナルファンタジー。この作家の脳内で組み立てられたものでしょう。だからすごい。
作者のおばあさんの話も出てきますが、私たち日本人のDNAって侮れないなと思うわけです。

UP追記>
今は、9巻まで刊行されていますが、なかなか読まない。
読みたくない、もったいなくて。次に出るまでじりじり待つより、この表紙を眺めながらいつまでもニヤニヤしていたい。

9巻/
・「残り紅」 うっかり影を踏んでしまい、本体が入れ替わってしまう話。
・「風巻立つ」 風を操る少年。
・「壷天(こてん)の星」 次元の隙間に落ちて記憶を亡くした少女。
・「水碧む」 水と同化してしまった少年の話。
・「草の茵」 ギンコの子どもの時の話。ここでいう茵(しとね)は、座布団のこと。

読み切ってしまうのが惜しくて大事に読んでいたら、10巻も発売されてしかも終幕。
うーん、なんだか残念。
この作家さんのデビューの頃の作品集も大事に読んでいて、目の黒いうちに終わって欲しくない貴重な作品だと改めて実感。
数年に一冊でも良いから、また描いて欲しいなあ。

この巻も、切なく胸に沁み入る話ばかり。なんでこんなの描けるんですかね。
初期作品集の『フィラメント』を読んでいると、ずっと長い間いろんな断片を温めてきていたことが感じられる。
そしてそれらについて繊細に細部まで丁寧に感じ尽くされていること……。人はどこまで“感じられる”ものなのだろうか。
その想いを世に出してくださったこと、感謝したい。
                         2008/12/19

10巻/
いよいよこれでラストの巻。
終わってしまうのが寂しくて、自分へのご褒美用に目の前に積んでおいた。でも、そろそろ自分の中でも一回終わらせなければと思い、読む。
私の心のベスト10に入る作品。

・「光の緒」 妖気の光の糸で衣を紡ぐ。
・「常(とこしえ)の樹」 人々に与え続ける千年生きた大杉の話。
・「香る闇」繰り返し人生を送る男の話。
・「鈴の雫」ヒトがヌシに迎えられた山。カヤを救うべく、ギンコは理に話をつけに行く。

大杉の話は泣けた。無条件の愛と、よく言うが、人間の身ではなかなか出来るものではない。
最後の話は、これで最後なのだと思うと読む前から、心に沁みてくる気がした。
鈴の音は、神の声。なるほど。

ギンコはまだ旅をしている気がする。きっとそうなのだろう。
この作品に出会ったお陰で、漫画好きに拍車がかかった。感謝しています。
ありがとうございます。
                         2009/6/01

【コミックセット】


【コミックス】


タグ:漆原友紀
posted by zakuro at 00:21| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月04日

さ【桜場コハル】

【桜場 コハル】 さくらば こはる

男性作家。

みなみけ
タグ:桜場コハル
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2009年06月03日

現代都市妖鬼考 霊媒師いずな 02巻まで

【現代都市妖鬼考 霊媒師いずな】 02巻まで  /岡野 剛(原作/真倉 翔)

イタコの家系に生まれた霊媒師の“いずな”。本来の姿は女子高生。
人の心の弱みに入り込んだ負のエネルギーである憑き物を落としていくのが仕事。
クダ狐が案内してきた不幸な人々を助けていく。一話読み切り。

スーパージャンプ増刊オースーパージャンプ。
キャリアの長い作家さんの新作。

正式タイトルには「現代都市妖鬼考」とついている。
どうやらこういうジャンル、お色気系と言うらしい。最近知った。

いずなの料金、高い。最初に感じたところはそこかっ! と、自分にツッコミ。

ツッコミどころは満載。
いずなが除霊するやり方は仏教的に近いけど、ところどころ嘘っぽく、いくらなんでも設定が甘すぎると思う。表面的すぎ。原作者の指示なのかな。
南無阿弥陀仏と不動明王を一緒にしている時点でアウトでしょう。不動明王を神霊と言っちゃっているし。いずなの後ろに金比羅大神と書かれていたり、系脈がバラバラなのだ。
それぞれの神仏の役割だけ調べて、設定に使っているんじゃないかな、たぶん。

せめて霊能者くらい何人か取材したら良かったのに。もちろん作中にもあったけど、霊能詐欺師も多いので注意かも。
妖怪事典くらい?
いずなが使っている眷属はクダ狐だけど、これは飯綱狐。

アイドルの火祭ゆきえの顔は、スキップ・ビート! のキョーコにそっくりで、びっくり。
しかも、実際にあった事件、グラドルのマネをしていた放火魔の話を模倣していて、気分が悪くなる。

毎回エッチなシーンも楽しめる、霊能系を主題にした萌え漫画、いやただのエロ漫画?
「色気のある女子高生のエロ漫画で良いよね、内容なんて」って思っているのかな。

今後は読むか不明。たぶん無理。少し期待してた分、残念。
ノックをしてなかったら、たぶん2冊も読めなかった。いろんな意味で勉強になった作品。
                         2009/5/21

《こんな人におススメ》
萌え系お色気系、お好きな方に。



タグ:岡野剛
posted by zakuro at 01:43| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

お【岡野剛】

【岡野 剛】 おかの たけし

現代都市妖鬼考 霊媒師いずな

タグ:岡野剛
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2009年06月01日

マスカラ ブルース

【マスカラ ブルース】 全01巻  /咲坂 伊緒

短篇集。
・表題作。
マッチョ型の男らしい子が好きで、ホレっぽい小橋麦乃(むぎの)は困った癖があった。告白すると、そのとたんに恋していたキラキラのキモチが冷めてしまうのだ。そうすると身の周りも無頓着になって、マスカラ付けることさえ忘れてしまう。
そんな些細な本人さえ気づいていない麦乃の変化を、ずっと恋のお悩み相談で聞いていた秋也(しゅうや)は気づいていた。
気楽な男子の親友の秋也といると麦乃は楽。ところがある時、ちょっとした秋也の配慮から、麦乃は秋也を好きになってしまったことに気づく。でも、怖くて告白出来ない。

・「ロマンスの輪郭」
津田は、クラスメイトの高須賀に興味津々。一見怖そうな高須賀なのだが、高校に入学したての頃、下校時にバスを追いかけ転んだ際に、津田を助けてくれた男子に似ているのだ。パニクっていたのと逆光で顔はわからないが、首筋に黒子があったのを覚えている。
それが彼にもあって、それから津田は気になっていた。気になっていても、想いの伝えられない女の子の気持ち。

・「私が私であるために-長い夢-」
朝比奈ひかるは頼まれたら断れないお人好し。街で美容師の眞島瑛士(ましまえいじ)に声をかけられ、カットモデルをやる。
瑛士の真面目さ、優しさにいつの間にか惹かれていくひかるだが、ひかるには秘密があって。

ストロボ・エッジが思いのほか面白かったので、他にも手を出してみる。

この作家さんの大きな特徴なのだけど、絵の構成が少女漫画の王道なのだ。
演出がもろ、なのだけど、それがいい。
何もかもが少女漫画のキホン。うーん、ここまでベタだと素晴らしい。
アオリの入れ方、コマのバランス、見事。
適度にオシャレで、でも、行き過ぎのアートっぽさまでいかないので、どんな読者層も置いていかない。
ホントに良く出来ている。教科書みたい。

表題作は楽しい。男子の気持ちまで伝わってくる。
「ロマンスの……」はういうい。

続きはどうなるんだろう? って思うところもあるけれど、短篇ってまとまっているから良いよなー。
最近、放置プレイな作品、読み過ぎなのか?

最後の話は、重くなるテーマなのにさらりと少女漫画の枠内で収めたのは、かえって秀逸。
                         2009/5/30

《こんなふうにおススメ》
楽しく、The 少女漫画を堪能出来ます。おススメ。



タグ:咲坂伊緒
posted by zakuro at 01:43| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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