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2010年01月31日
2010年01月30日
2010年01月29日
ソラニン (完) 全02巻
【ソラニン】 全02巻 /浅野 いにお
秋田出身、OA機器メーカーで地味にOLをしている井上芽衣子24歳は、大学時代の軽音サークルで知り合い付き合って6年め、新聞社の下請けの会社でイラストを描くバイトをしながらバンド活動をする種田成男と一緒に暮らして1年。
閉塞感のある日々は重く芽衣子にのし掛かる。愚痴った日、種田の一言で会社に辞表を出す。「きっとどーにかなるさ」
翌日辞表を出した芽衣子は、貯蓄を切り崩す生活になる。
種田のバンド仲間の山田と加藤の視点も入った若さゆえの群像劇。
週刊ヤングサンデー。全2巻。
今年、宮崎あおいと高良健吾のダブル主演で映画化。
評判は良くて気になっていた。手元には1冊のみで読もうかどうかだいぶ迷った。読んでから、UPするのも迷った。1巻の終わり方から話の本気は2巻なんだと感じてる。
1巻のみの感想。
絵の丁寧さ、読みやすい構成、間のある構図、リアルな会話に、日常に潜むユーモアはとても好き。
内容は真剣に向き合った日記のよう。若いなぁー。かつての自分がここにいるよ。懐かしい感じ。がむしゃらだったなーと思い出す。そしてかなりしょっぱかった。でもひたすら頑張ってたなぁ。なつい。
先日も若い女の子のリアルな生活相談を受けて、なんかここ数日自分の棚卸しをしている気分だ。
ふたりのなれそめが香港映画の「ラヴソング」を思い起こさせて、切ない気持ちになった。淡々と綴られるのもこの作品と重なった。ちなみにこの映画は傑作。オススメ。
芽衣子の、通勤の満員電車の中での「みんな消えてなくなってしまえ」 よくわかる。今はそんな生活をしていないけど、かつてはそれが毎日だった。
リアルにこの世代の子たちが読んだらきっとガツンとくる気がする。感受性の強い子はシンクロしちゃうと思う。
私はもうそこはずっと遠い昔だ。
若さと未熟さゆえに悩んでもがいて苦しんでから、それを越えて落ち着いて、今度は次の勝負が始まっているので、逆に懐かしいほのぼのした気持ちになる。ただの世代の違いだ。
客観的に読んでしまった。
ちょっと違和感感じたのは、芽衣子が断りを入れた時。しかしこれが大きな伏線になった。でも、できれば心情的に納得させる振りは欲しかった。
早く続き読みたい、中途半端に手を出したことに少し後悔。
2010/1/04
《こんなふうにおススメ》
自分に迷いのある若い人にオススメ。 2010/1/07UP
と、書いたけど、青春まっただ中の人には、ただ前に向かって進んで欲しい。
挫折して行き場のない人向けなのかも。
2巻/
種田の回想と死。種田の父が上京。芽衣子はそれがきっかけで種田の忘れ形見のギターを手に取る。
2巻めは大感動かもと楽しみだったが、案外冷めてしまった。セカチューみたいだ。若さ故の独りよがりが出過ぎてしまった。ここは物語の構成というより、作者の思考が先行かないと、なんだと思う。理屈の羅列がきつい。
種田の死から後はファンタジーになってしまった。このくらいにしておこう。
でも話の中のちょっとちょっとの笑いは楽しい。アフロのPAの人の髪型がハートで最高。
川の土手で芽衣子がギターを弾くシーンは好き。隣の子どもは種田なんだろう。
最後の終わり方は好き。
若いなぁ。昔を思い出す。
「俺がいつかメジャーになったら、お前たちを武道館の最前列に並ばせてやるぜ!」と居酒屋で叫んだ友だちが、今や東京ドームを満員にさせている。今では「まださ、呼ばれてないよね」と笑い話だ。
友だちたちは軒並みメジャーになって音楽シーンを塗り替えた。自分の周囲が少し変わっていたのかもしれないけど。今はその子どもたち、10代の子たちがデビューし出してきている。
そういう立ち位置に身を置いていた方が珍しいんだとは思うけど、それが私の現実だった。
音楽だけじゃない、いろんな分野に散らばって一線で活躍している彼らを見ていると、どんな職業もそれに「成る」なら迷わないことだと今はわかる。
「成れなかったらどうしよう、ムリかも」と思った時点で夢は遠くなる。
そこら辺の迷いを美化してモラトリアムを特別扱いして自分を納得させるのは、わかった振りして説教して自分では達成しない大人と同レベルなんじゃなかろうか?
それこそ種田が嫌っているような、平穏無事に満足するってそれはそれで良いと思うし、自分としては嫌じゃない。それも幸せなのだ。
今、周囲に集う年若い友だちや子どもたちに、この作品を渡して感想を聞いたら、みな不思議そうな顔をしそうだ。
クビを傾げながら「なんで、『好きだから音楽やりたい』じゃダメなの? やりたいことに理由が必要なの?」と尋ねてきそうだ。私も彼らには勧めないと思う。
夢の実現ってそんなに難しくない、もっとシンプルだ。
2010/1/28
秋田出身、OA機器メーカーで地味にOLをしている井上芽衣子24歳は、大学時代の軽音サークルで知り合い付き合って6年め、新聞社の下請けの会社でイラストを描くバイトをしながらバンド活動をする種田成男と一緒に暮らして1年。
閉塞感のある日々は重く芽衣子にのし掛かる。愚痴った日、種田の一言で会社に辞表を出す。「きっとどーにかなるさ」
翌日辞表を出した芽衣子は、貯蓄を切り崩す生活になる。
種田のバンド仲間の山田と加藤の視点も入った若さゆえの群像劇。
週刊ヤングサンデー。全2巻。
今年、宮崎あおいと高良健吾のダブル主演で映画化。
評判は良くて気になっていた。手元には1冊のみで読もうかどうかだいぶ迷った。読んでから、UPするのも迷った。1巻の終わり方から話の本気は2巻なんだと感じてる。
1巻のみの感想。
絵の丁寧さ、読みやすい構成、間のある構図、リアルな会話に、日常に潜むユーモアはとても好き。
内容は真剣に向き合った日記のよう。若いなぁー。かつての自分がここにいるよ。懐かしい感じ。がむしゃらだったなーと思い出す。そしてかなりしょっぱかった。でもひたすら頑張ってたなぁ。なつい。
先日も若い女の子のリアルな生活相談を受けて、なんかここ数日自分の棚卸しをしている気分だ。
ふたりのなれそめが香港映画の「ラヴソング」を思い起こさせて、切ない気持ちになった。淡々と綴られるのもこの作品と重なった。ちなみにこの映画は傑作。オススメ。
芽衣子の、通勤の満員電車の中での「みんな消えてなくなってしまえ」 よくわかる。今はそんな生活をしていないけど、かつてはそれが毎日だった。
リアルにこの世代の子たちが読んだらきっとガツンとくる気がする。感受性の強い子はシンクロしちゃうと思う。
私はもうそこはずっと遠い昔だ。
若さと未熟さゆえに悩んでもがいて苦しんでから、それを越えて落ち着いて、今度は次の勝負が始まっているので、逆に懐かしいほのぼのした気持ちになる。ただの世代の違いだ。
客観的に読んでしまった。
ちょっと違和感感じたのは、芽衣子が断りを入れた時。しかしこれが大きな伏線になった。でも、できれば心情的に納得させる振りは欲しかった。
早く続き読みたい、中途半端に手を出したことに少し後悔。
2010/1/04
《こんなふうにおススメ》
自分に迷いのある若い人にオススメ。 2010/1/07UP
と、書いたけど、青春まっただ中の人には、ただ前に向かって進んで欲しい。
挫折して行き場のない人向けなのかも。
2巻/
種田の回想と死。種田の父が上京。芽衣子はそれがきっかけで種田の忘れ形見のギターを手に取る。
2巻めは大感動かもと楽しみだったが、案外冷めてしまった。セカチューみたいだ。若さ故の独りよがりが出過ぎてしまった。ここは物語の構成というより、作者の思考が先行かないと、なんだと思う。理屈の羅列がきつい。
種田の死から後はファンタジーになってしまった。このくらいにしておこう。
でも話の中のちょっとちょっとの笑いは楽しい。アフロのPAの人の髪型がハートで最高。
川の土手で芽衣子がギターを弾くシーンは好き。隣の子どもは種田なんだろう。
最後の終わり方は好き。
若いなぁ。昔を思い出す。
「俺がいつかメジャーになったら、お前たちを武道館の最前列に並ばせてやるぜ!」と居酒屋で叫んだ友だちが、今や東京ドームを満員にさせている。今では「まださ、呼ばれてないよね」と笑い話だ。
友だちたちは軒並みメジャーになって音楽シーンを塗り替えた。自分の周囲が少し変わっていたのかもしれないけど。今はその子どもたち、10代の子たちがデビューし出してきている。
そういう立ち位置に身を置いていた方が珍しいんだとは思うけど、それが私の現実だった。
音楽だけじゃない、いろんな分野に散らばって一線で活躍している彼らを見ていると、どんな職業もそれに「成る」なら迷わないことだと今はわかる。
「成れなかったらどうしよう、ムリかも」と思った時点で夢は遠くなる。
そこら辺の迷いを美化してモラトリアムを特別扱いして自分を納得させるのは、わかった振りして説教して自分では達成しない大人と同レベルなんじゃなかろうか?
それこそ種田が嫌っているような、平穏無事に満足するってそれはそれで良いと思うし、自分としては嫌じゃない。それも幸せなのだ。
今、周囲に集う年若い友だちや子どもたちに、この作品を渡して感想を聞いたら、みな不思議そうな顔をしそうだ。
クビを傾げながら「なんで、『好きだから音楽やりたい』じゃダメなの? やりたいことに理由が必要なの?」と尋ねてきそうだ。私も彼らには勧めないと思う。
夢の実現ってそんなに難しくない、もっとシンプルだ。
2010/1/28
ラベル:浅野いにお
2010年01月28日
文車館来訪記
【文車館来訪記(ふぐるまかんらいほうき)】 全01巻 /冬目 景
町の裏通りの細い路地を抜けたところにもうひとつの“町”が現れる。そこは人間から忘れられたり、役目を終えたものが集まる裏の町。棲まう彼らは人間から“物の怪”と呼ばれる。
イアンは明治26年に作られた青い瞳を持つ生き人形。その町でたったひとりの人間、本業は文筆家のヨオが営む文車写真館に住んでいる。その写真館は訪れる人々の心の糧である“思い出”を写していた。
「新マグナム増刊」と「月刊アフタヌーン」にて連載。ショートのお話が一冊になっている。
オールカラーで絵本を読んでいるみたい。幸せになった。
ひたすら感心。
イアンは生まれて20年と言っているので、1916年。大正では5年のお話。世は第一次世界大戦中ですね。
詩を紡ぐように歌っているような話の数々。
物も人として描かれ、そこに交流が滲む。気持ちが流れてきてじんわりくる。
良質な舞台を観ているよう。
止まった世界に、猫の身体のしなやかさが動きをもたらす。
アンティーク調の着物姿もこの時代を表現していて楽しい。帯留が可愛い。
モノたちとの付き合い、考えたくなるなぁ。
自分にとって良質で、一生大事にしていくものたちと暮らしていきたくなった。
2010/1/25
《こんなふうにおススメ》
ずっと気になっていた作家さん。他にも早く手を伸ばしたい。
これは静かな寒い夜にココアと一緒にベッドで読みたい作品。
こちらは「百景」
町の裏通りの細い路地を抜けたところにもうひとつの“町”が現れる。そこは人間から忘れられたり、役目を終えたものが集まる裏の町。棲まう彼らは人間から“物の怪”と呼ばれる。
イアンは明治26年に作られた青い瞳を持つ生き人形。その町でたったひとりの人間、本業は文筆家のヨオが営む文車写真館に住んでいる。その写真館は訪れる人々の心の糧である“思い出”を写していた。
「新マグナム増刊」と「月刊アフタヌーン」にて連載。ショートのお話が一冊になっている。
オールカラーで絵本を読んでいるみたい。幸せになった。
ひたすら感心。
イアンは生まれて20年と言っているので、1916年。大正では5年のお話。世は第一次世界大戦中ですね。
詩を紡ぐように歌っているような話の数々。
物も人として描かれ、そこに交流が滲む。気持ちが流れてきてじんわりくる。
良質な舞台を観ているよう。
止まった世界に、猫の身体のしなやかさが動きをもたらす。
アンティーク調の着物姿もこの時代を表現していて楽しい。帯留が可愛い。
モノたちとの付き合い、考えたくなるなぁ。
自分にとって良質で、一生大事にしていくものたちと暮らしていきたくなった。
2010/1/25
《こんなふうにおススメ》
ずっと気になっていた作家さん。他にも早く手を伸ばしたい。
これは静かな寒い夜にココアと一緒にベッドで読みたい作品。
こちらは「百景」
ラベル:冬目景
2010年01月26日
ハニー・クレイ・マイハニー
【ハニー・クレイ・マイハニー】 全01巻 /おがき ちか
短編集。
表題作。
考古学者の楯宮章は信州八巻村の古墳で6世紀頃の塙を見つける。うっかり落としそうになり、手を伸ばした時にそれが唇にあたり、そのきっかけでそれは女の子に変身する。飛んだ煙草の火が彼女の乳房にヤケドを作って、少女は口を開く。額へのくちづけと乳房に所有の証をもらって、今日からあなたの奴隷です。
甲斐甲斐しく世話を焼くハニーと楯宮の物語。
・「仔羊は迷わない。」
一乃(いちの)は幼少時にサンタクロースと約束する。サンタに勝てたら好きなプレゼントが貰える。それからサンタと一乃のバトルが始まる。
・「スーパーウール100%」
女子高生の田丸は眠りを越える夜の死者たちに目をつけられる。親友の夏井に相談しているところに彼らが顕現化して。夏井をはじめクラスメイトはみな眠りに落とされてしまうが、不眠症の男子生徒葉山には効かなかった。
・「恋屋15(フィフティーン)」
恋屋パティこと、波庭里子(はていりこ)、キューピーこと生徒会長の九日(きゅうひ)、家出のバニーこと場西幸太。失われてしまった「子供の恋」は蘇るのか。
・「エアー・マイラブ」
倉地は彼女の宮本より友だちを優先させてキレられる。宮本の気持ちを取り戻すため倉地は命をかける。
ヤングキング。
大好きなおがきちかさんの初作品集。
とくに最初の2作が面白すぎる。
この作家さんのぶっ飛び設定にドキドキわくわく。最初っから飛ばしまくり。最高。大笑いした。
導入で驚かせて笑わせて、最後は泣かせる。コンテの作り方は天才とすら思うよ。
格闘シーンはこの作者さんの見どころのひとつだけど、躰道が基本だったのだとこの作品集で納得。
サンタは神様の特殊工作員だからいろいろと狙われやすいので強いっていうのも笑った。
でも、どんなに笑わせても本質はびしっと伝えてくる。
「世の中はそのまんま。わかろうとするとわからなくなる。心を広く持つのが良い」
読後の満足感もとびきり。これって大事ですね。一生ついていきます。
「恋屋15」のみ、わかりにくかったのがもったいない。
2010/1/23
《こんなふうにおススメ》
他の作品、とくに「エビアンワンダー」あたりを読んでみて、気に入ったら是非に。
おがきマジック最高です。
短編集。
表題作。
考古学者の楯宮章は信州八巻村の古墳で6世紀頃の塙を見つける。うっかり落としそうになり、手を伸ばした時にそれが唇にあたり、そのきっかけでそれは女の子に変身する。飛んだ煙草の火が彼女の乳房にヤケドを作って、少女は口を開く。額へのくちづけと乳房に所有の証をもらって、今日からあなたの奴隷です。
甲斐甲斐しく世話を焼くハニーと楯宮の物語。
・「仔羊は迷わない。」
一乃(いちの)は幼少時にサンタクロースと約束する。サンタに勝てたら好きなプレゼントが貰える。それからサンタと一乃のバトルが始まる。
・「スーパーウール100%」
女子高生の田丸は眠りを越える夜の死者たちに目をつけられる。親友の夏井に相談しているところに彼らが顕現化して。夏井をはじめクラスメイトはみな眠りに落とされてしまうが、不眠症の男子生徒葉山には効かなかった。
・「恋屋15(フィフティーン)」
恋屋パティこと、波庭里子(はていりこ)、キューピーこと生徒会長の九日(きゅうひ)、家出のバニーこと場西幸太。失われてしまった「子供の恋」は蘇るのか。
・「エアー・マイラブ」
倉地は彼女の宮本より友だちを優先させてキレられる。宮本の気持ちを取り戻すため倉地は命をかける。
ヤングキング。
大好きなおがきちかさんの初作品集。
とくに最初の2作が面白すぎる。
この作家さんのぶっ飛び設定にドキドキわくわく。最初っから飛ばしまくり。最高。大笑いした。
導入で驚かせて笑わせて、最後は泣かせる。コンテの作り方は天才とすら思うよ。
格闘シーンはこの作者さんの見どころのひとつだけど、躰道が基本だったのだとこの作品集で納得。
サンタは神様の特殊工作員だからいろいろと狙われやすいので強いっていうのも笑った。
でも、どんなに笑わせても本質はびしっと伝えてくる。
「世の中はそのまんま。わかろうとするとわからなくなる。心を広く持つのが良い」
読後の満足感もとびきり。これって大事ですね。一生ついていきます。
「恋屋15」のみ、わかりにくかったのがもったいない。
2010/1/23
《こんなふうにおススメ》
他の作品、とくに「エビアンワンダー」あたりを読んでみて、気に入ったら是非に。
おがきマジック最高です。
ラベル:おがきちか
2010年01月24日
月の夜 星の朝 (完) 全08巻
【月の夜 星の朝 】 全08巻 /本田 恵子
梁川りおと坂本遼太郎は、4歳の時にそれぞれの叔父と叔母の結婚式でベールボーイとベールガールを務める。幼いふたりは意味もわからないまま、キスをし結婚の約束をする。その約束をりおはずっと大事に抱えていた。
引っ越しした遼太郎と離れ、時は経つ。
中学で女子バスケ部に入ったりお。男子バスケ部の試合を親友でキャプテンの浜田麻衣と応援しているりおの前に、対戦中学がメンバーチェンジしてゲームに投入されたのが10年ぶりの遼太郎だった。この街に帰ってきていたのだ。
りおたちの朝日野中男子バスケ部は試合は負けて準優勝だったが、その後りおは先輩の森村靖彦に告白される。
りおと遼太郎の波瀾万丈な恋物語。中学から高校生を中心に描かれる。
りぼん。初版が1983年。27年前の作品。作者は当時20歳そこそこ。
懐かしい。大昔に読んだ。
展開はお約束的な夢いっぱいのベタベタな少女漫画なんだけど、当時の小中学生には絶大な人気を誇っていた。
ひとつひとつが砂糖菓子みたいで、女の子の好きなモノがいっばい詰まってて、そうだよね、こういうのが少女漫画だったんだと思い起こした。
純愛なふたりに次々に襲いかかる試練。
スポーツ漫画じゃないのにバスケットも違和感なく描いていて好感。
改めて思うけど絵が上手い。絶妙。
男子も細い女男じゃなくて、身体の線を描き分けている。今は当たり前だけど、かつては少なかったと思う、少女漫画には。
コンテも読みやすいし、心情の動きに合っていてさすが。全体にレベルが高くて、昔の漫画で絵が気にならないのはすごくないか?
当時のアイドル絵なんだけど、流行ってたよな、こんな服装、髪型、そして憧れのインテリアにシチュエーション……と思い返した。
コマの運びもこの作家さんの独自性があって、かなり感心した。
一人語りの陶酔が多いのは若干気になるけど、それが当時の風潮でそういうものだった。
話の内容は、今となってはあまり好きではないけど、当時は夢中だった。年齢や経験ってある。
現在、この続編が「Office YOU」で連載されている。35歳になったふたりの離婚から始まるらしい。
絶大なるファンのいた作品なので、否定の意見がおおむね。 → 月の夜星の朝 35ans
作者さんとしては、経年変化する人生を客観的に描いてみたくなったのだろうし、ファンは大事な宝物を壊されたくない。どちらの気持ちもわかる。
でもエンタテイメントって、読者の手元に渡って時点で作者のモノじゃなくなるんだよね。
この作品は夢のまま完結で、新しい作品で描いても良かったのでは。改めて感じた。
2010/1/18
《こんなふうにおススメ》
女の子へのインタビューで「思い出の作品」には上がってくる名作。
読み直して考えること多く面白かったです。
【コミックセット文庫版】
【コミックス文庫版】
【35歳になった続編】
梁川りおと坂本遼太郎は、4歳の時にそれぞれの叔父と叔母の結婚式でベールボーイとベールガールを務める。幼いふたりは意味もわからないまま、キスをし結婚の約束をする。その約束をりおはずっと大事に抱えていた。
引っ越しした遼太郎と離れ、時は経つ。
中学で女子バスケ部に入ったりお。男子バスケ部の試合を親友でキャプテンの浜田麻衣と応援しているりおの前に、対戦中学がメンバーチェンジしてゲームに投入されたのが10年ぶりの遼太郎だった。この街に帰ってきていたのだ。
りおたちの朝日野中男子バスケ部は試合は負けて準優勝だったが、その後りおは先輩の森村靖彦に告白される。
りおと遼太郎の波瀾万丈な恋物語。中学から高校生を中心に描かれる。
りぼん。初版が1983年。27年前の作品。作者は当時20歳そこそこ。
懐かしい。大昔に読んだ。
展開はお約束的な夢いっぱいのベタベタな少女漫画なんだけど、当時の小中学生には絶大な人気を誇っていた。
ひとつひとつが砂糖菓子みたいで、女の子の好きなモノがいっばい詰まってて、そうだよね、こういうのが少女漫画だったんだと思い起こした。
純愛なふたりに次々に襲いかかる試練。
スポーツ漫画じゃないのにバスケットも違和感なく描いていて好感。
改めて思うけど絵が上手い。絶妙。
男子も細い女男じゃなくて、身体の線を描き分けている。今は当たり前だけど、かつては少なかったと思う、少女漫画には。
コンテも読みやすいし、心情の動きに合っていてさすが。全体にレベルが高くて、昔の漫画で絵が気にならないのはすごくないか?
当時のアイドル絵なんだけど、流行ってたよな、こんな服装、髪型、そして憧れのインテリアにシチュエーション……と思い返した。
コマの運びもこの作家さんの独自性があって、かなり感心した。
一人語りの陶酔が多いのは若干気になるけど、それが当時の風潮でそういうものだった。
話の内容は、今となってはあまり好きではないけど、当時は夢中だった。年齢や経験ってある。
現在、この続編が「Office YOU」で連載されている。35歳になったふたりの離婚から始まるらしい。
絶大なるファンのいた作品なので、否定の意見がおおむね。 → 月の夜星の朝 35ans
作者さんとしては、経年変化する人生を客観的に描いてみたくなったのだろうし、ファンは大事な宝物を壊されたくない。どちらの気持ちもわかる。
でもエンタテイメントって、読者の手元に渡って時点で作者のモノじゃなくなるんだよね。
この作品は夢のまま完結で、新しい作品で描いても良かったのでは。改めて感じた。
2010/1/18
《こんなふうにおススメ》
女の子へのインタビューで「思い出の作品」には上がってくる名作。
読み直して考えること多く面白かったです。
【コミックセット文庫版】
【コミックス文庫版】
【35歳になった続編】
ラベル:本田恵子
2010年01月22日
BLOODY MONDAY -ブラッディ・マンデイ- Season1 (完) 全11巻
【BLOODY MONDAY -ブラッディ・マンデイ- Season1 】 全11巻 /龍門 諒&恵 広史
私立弥代学院高等部2年、新聞部員の高木藤丸。父の仕事をたまに“アルバイト”しながら高校生活を送っている。
クラスメイトで空手の名手、藤丸の幼馴染み新聞部副部長の朝田あおいはジャーナリストを目指していて、藤丸のお目付役。部長でふたりの幼馴染みの先輩九条音弥は藤丸を“バックアップ”。新聞部は藤丸のクラスメイトで立川英(ひで)、後輩の安斉真子らがいる。
家族は母を亡くし、人工透析が必要な妹の遥、そしてやもめの父竜之介は空手道場にボランティアで教えている公安調査庁調査第一部、通称「THIRD-i」調査第三課の副長。
「THIRD-i」は法務省外局の治安維持組織でその存在は秘とされる。そして、鷹(ファルコン)の異名を持つ天才ハッカー藤丸は、その極秘任務を組織の命で手伝っていた。
そこに国際テロ組織が挑んでくる。テロリスト折原マヤが弥代学院に赴任してきて。コードネームは「ブラッディ・マンデイ」。高木班とテロリストの頭脳戦と心理戦。
※ まずはじめの厳重注意。
読む前にwikipediaは読まないこと。読み始めに犯人を教えられるのと同じショックを受ける。
週刊少年マガジン。テレビドラマはヒット。一気に知られる。
この11巻はSeason1。連載はSeason2に入っていて、この2年後。
恵広史さんは女性作家。
絵に色気があって線もキレイだし女性も好きそう。
ちなみにU2が歌うのは「Bloody Sunday」。血塗られた日曜日(「血の日曜日事件」は、テロの代名詞。数々起きている)を歌っている。それを念頭に読み始めた。
とても良くできたミステリー。友だちからは2年くらい前に「面白いよ」と勧められていたのだけど積んでいた。ほんとに面白い、一話目でわくわくする。
バランス良いよね。
藤丸の天才ぶりはかっこいいけど、甘さは高校生ならではのものだし、若さ故にどんどん成長していく、そういうところは上手い。
敵も味方も自在に狂言回しに使ったり、細部までプロットが言い届く。詳細に描かれていながら、スピードもテンションも途切れない。すごい。
ハッキングの高度な技術に感心しきりだけど、これも日々高速進化しているんだろうな。
もう登場人物全員が怪しく見えて仕方ない。読みながらハラハラする。まるで「24-TWENTY FOUR-」。
私はひどく単純なので、周囲の人が信じられなくなったら絶望するな。
これだけの内容を小説ではなく漫画で読めることが感激。
連載追いでは辛すぎたと思う、完結していることを素直に喜びたい。
目の前に11冊を全て積んで、できれば休みの日まるまる時間を費やす覚悟で、食事なども事前準備しスタンバイOKからの一気読み推奨。
読み出したら止まらないので。なお作品のテンションは途切れないのでめちゃくちゃ面白いけど、脳が疲れもします。甘めのおやつも準備。
書きたいことは山ほどあるけど、これ以上はネタバレになるのでここまで。
とにかくオススメ。
ここからは、まったくの余談。
ウィルス感染といえば、昨年から大流行の新型インフルエンザの感染・増殖する際に働くたんぱく質の構造が、20世紀のパンデミックと呼ばれる1918年に世界人口の1/4が発症し死者2,000万人(4,000万人ともいわれる)を出したスペインかぜと同じと先日発表された。当時は世界人口の約半数が感染した。
老齢者に免疫がある理由はそれらしい。90年弱前だもんね。つまり伝説のスペインかぜの驚異を私たちは受けていたんだね。
WHO・世界保健機関の発表では、今月10日までに新型インフルエンザの全世界での死者は1万3554人。こんな猛威の時期にこの作品を読んでいるのも必然?
実在天才ハッカーで世界的に知られているのは日本人の下村努氏。ノーベル化学賞受賞の下村脩博士の息子で、そのハッキングはFBIが捜索していた難事件、史上最悪と呼ばれた伝説のハッカー(クラッカー)逮捕に繋がり、そのハッカーに完敗を認めさせたことで知られている。
その活躍は「テイクダウン―若き天才日本人学者vs超大物ハッカー」というベストセラーになり、ハリウッド映画「ザ・ハッカー」にもなった。
2008年のノーベル化学賞受賞の時にこの話題も復活していた。
2010/1/16
《こんなふうにおススメ》
テレビドラマは明日から2期スタート。観てみたくなりました。
たぶん、原作のこの漫画の方が面白い気がする。
【コミックセット】
【コミックス】
【日本人天才ハッカーのノンフィクション・ミステリー】
私立弥代学院高等部2年、新聞部員の高木藤丸。父の仕事をたまに“アルバイト”しながら高校生活を送っている。
クラスメイトで空手の名手、藤丸の幼馴染み新聞部副部長の朝田あおいはジャーナリストを目指していて、藤丸のお目付役。部長でふたりの幼馴染みの先輩九条音弥は藤丸を“バックアップ”。新聞部は藤丸のクラスメイトで立川英(ひで)、後輩の安斉真子らがいる。
家族は母を亡くし、人工透析が必要な妹の遥、そしてやもめの父竜之介は空手道場にボランティアで教えている公安調査庁調査第一部、通称「THIRD-i」調査第三課の副長。
「THIRD-i」は法務省外局の治安維持組織でその存在は秘とされる。そして、鷹(ファルコン)の異名を持つ天才ハッカー藤丸は、その極秘任務を組織の命で手伝っていた。
そこに国際テロ組織が挑んでくる。テロリスト折原マヤが弥代学院に赴任してきて。コードネームは「ブラッディ・マンデイ」。高木班とテロリストの頭脳戦と心理戦。
※ まずはじめの厳重注意。
読む前にwikipediaは読まないこと。読み始めに犯人を教えられるのと同じショックを受ける。
週刊少年マガジン。テレビドラマはヒット。一気に知られる。
この11巻はSeason1。連載はSeason2に入っていて、この2年後。
恵広史さんは女性作家。
絵に色気があって線もキレイだし女性も好きそう。
ちなみにU2が歌うのは「Bloody Sunday」。血塗られた日曜日(「血の日曜日事件」は、テロの代名詞。数々起きている)を歌っている。それを念頭に読み始めた。
とても良くできたミステリー。友だちからは2年くらい前に「面白いよ」と勧められていたのだけど積んでいた。ほんとに面白い、一話目でわくわくする。
バランス良いよね。
藤丸の天才ぶりはかっこいいけど、甘さは高校生ならではのものだし、若さ故にどんどん成長していく、そういうところは上手い。
敵も味方も自在に狂言回しに使ったり、細部までプロットが言い届く。詳細に描かれていながら、スピードもテンションも途切れない。すごい。
ハッキングの高度な技術に感心しきりだけど、これも日々高速進化しているんだろうな。
もう登場人物全員が怪しく見えて仕方ない。読みながらハラハラする。まるで「24-TWENTY FOUR-」。
私はひどく単純なので、周囲の人が信じられなくなったら絶望するな。
これだけの内容を小説ではなく漫画で読めることが感激。
連載追いでは辛すぎたと思う、完結していることを素直に喜びたい。
目の前に11冊を全て積んで、できれば休みの日まるまる時間を費やす覚悟で、食事なども事前準備しスタンバイOKからの一気読み推奨。
読み出したら止まらないので。なお作品のテンションは途切れないのでめちゃくちゃ面白いけど、脳が疲れもします。甘めのおやつも準備。
書きたいことは山ほどあるけど、これ以上はネタバレになるのでここまで。
とにかくオススメ。
ここからは、まったくの余談。
ウィルス感染といえば、昨年から大流行の新型インフルエンザの感染・増殖する際に働くたんぱく質の構造が、20世紀のパンデミックと呼ばれる1918年に世界人口の1/4が発症し死者2,000万人(4,000万人ともいわれる)を出したスペインかぜと同じと先日発表された。当時は世界人口の約半数が感染した。
老齢者に免疫がある理由はそれらしい。90年弱前だもんね。つまり伝説のスペインかぜの驚異を私たちは受けていたんだね。
WHO・世界保健機関の発表では、今月10日までに新型インフルエンザの全世界での死者は1万3554人。こんな猛威の時期にこの作品を読んでいるのも必然?
実在天才ハッカーで世界的に知られているのは日本人の下村努氏。ノーベル化学賞受賞の下村脩博士の息子で、そのハッキングはFBIが捜索していた難事件、史上最悪と呼ばれた伝説のハッカー(クラッカー)逮捕に繋がり、そのハッカーに完敗を認めさせたことで知られている。
その活躍は「テイクダウン―若き天才日本人学者vs超大物ハッカー」というベストセラーになり、ハリウッド映画「ザ・ハッカー」にもなった。
2008年のノーベル化学賞受賞の時にこの話題も復活していた。
2010/1/16
《こんなふうにおススメ》
テレビドラマは明日から2期スタート。観てみたくなりました。
たぶん、原作のこの漫画の方が面白い気がする。
【コミックセット】
【コミックス】
【日本人天才ハッカーのノンフィクション・ミステリー】
2010年01月20日
いぬ(完) 全06巻
【いぬ】 全06巻 /柏木 ハルコ
高木清美は大学生。吹奏楽部に在籍しているが練習熱心でもない。
彼氏にするなら面食いだが、その彼との妄想ではなく、異常な思い込みによる発情に悩まされている。そして飼っていたバター犬ビリーを糖尿病で死なせてしまい。
大学の不細工な根暗男の中島にあれこれと性欲処理を頼むが、これは愛かと尋ねられ、つい「犬」と答えてしまう。
2巻短編「君想う夏に」
高木清美の14歳。性に目覚めた頃。
ヤングサンデー。これがこの作者さんのデビュー作。
他の作品を読みたくて、まずは最初からと考えたのがアウトだったかも。超男性向け。インパクトありすぎ。びっくりした。
キャッチは、女の子の性欲を赤裸々に、みたいなのだけど、うーむ。
変態というよりみんな自己中で思い遣りないキャラばかりで共感できず。
「だって人間、もれなくみな自己中心で生きてて、客観的には呆れて笑えて仕方ないでしょ」という、穿ったテーマなのかもしれないけど、そんなの見たくない。
高木清美、淫乱な変態と付き合ってくれ。中島くん、かわいそう。
中盤からの、清美と中島のそれぞれの勝手な思い込み、勘違いで進むところが読みどころ。
笑いがあればなー。難しいとこですね。
かなり悲しくなったし辛かった。ノックやってなかったら投げていた。好きな人は好きだと思う。
最後に自分に「じゃ、読むなよ」とツッコミ入れておきたい。
2010/1/14
《こんな人におススメ》
人生を斜めに見たところから救われたい変態チックな方に。
【文庫版】
高木清美は大学生。吹奏楽部に在籍しているが練習熱心でもない。
彼氏にするなら面食いだが、その彼との妄想ではなく、異常な思い込みによる発情に悩まされている。そして飼っていたバター犬ビリーを糖尿病で死なせてしまい。
大学の不細工な根暗男の中島にあれこれと性欲処理を頼むが、これは愛かと尋ねられ、つい「犬」と答えてしまう。
2巻短編「君想う夏に」
高木清美の14歳。性に目覚めた頃。
ヤングサンデー。これがこの作者さんのデビュー作。
他の作品を読みたくて、まずは最初からと考えたのがアウトだったかも。超男性向け。インパクトありすぎ。びっくりした。
キャッチは、女の子の性欲を赤裸々に、みたいなのだけど、うーむ。
変態というよりみんな自己中で思い遣りないキャラばかりで共感できず。
「だって人間、もれなくみな自己中心で生きてて、客観的には呆れて笑えて仕方ないでしょ」という、穿ったテーマなのかもしれないけど、そんなの見たくない。
高木清美、淫乱な変態と付き合ってくれ。中島くん、かわいそう。
中盤からの、清美と中島のそれぞれの勝手な思い込み、勘違いで進むところが読みどころ。
笑いがあればなー。難しいとこですね。
かなり悲しくなったし辛かった。ノックやってなかったら投げていた。好きな人は好きだと思う。
最後に自分に「じゃ、読むなよ」とツッコミ入れておきたい。
2010/1/14
《こんな人におススメ》
人生を斜めに見たところから救われたい変態チックな方に。
【文庫版】
ラベル:柏木ハルコ
2010年01月18日
ラビアンエクスタス 01巻まで
【ラビアンエクスタス】 01巻まで /まりお 金田(原作/井上敏樹)
女子高生の晴香は幼い頃から立て続けに誘拐されたり、必ず貧乏くじを引く女の子。亡き母の今際の言葉は「お前には運がない」。
それでも結婚という幸せを掴む。相手はバイトで知り合った焼き肉屋の息子でバツ一子持ちの正義(まさよし)。息子の勇者(いさむ)も懐いてくれるし、義父母も晴香を支えてくれる。新婚旅行から帰って生活が始まったが……まだ、晴香は処女だった。
正義の身体がその気にならないのが原因なのだが、晴香はまたいろんな事件に巻き込まれて。そこに現れるのはいつも正義の味方、オックスマン。その実体はなんと旦那様だった。
ウルトラジャンプエッグ。集英社のウェブコミック配信サイトから出版されたもの。
全2巻らしい。揃ってから読めば良かった。
巻き込まれて晴香がアラレもない姿で悶えるのが見どころ。
いったいどこに帰着するのか見当もつかない。手当たり次第はそろそろ考え時。
2010/1/14
《こんなふうにおススメ……?》
全巻読んでもオススメできるか微妙。
女子高生の晴香は幼い頃から立て続けに誘拐されたり、必ず貧乏くじを引く女の子。亡き母の今際の言葉は「お前には運がない」。
それでも結婚という幸せを掴む。相手はバイトで知り合った焼き肉屋の息子でバツ一子持ちの正義(まさよし)。息子の勇者(いさむ)も懐いてくれるし、義父母も晴香を支えてくれる。新婚旅行から帰って生活が始まったが……まだ、晴香は処女だった。
正義の身体がその気にならないのが原因なのだが、晴香はまたいろんな事件に巻き込まれて。そこに現れるのはいつも正義の味方、オックスマン。その実体はなんと旦那様だった。
ウルトラジャンプエッグ。集英社のウェブコミック配信サイトから出版されたもの。
全2巻らしい。揃ってから読めば良かった。
巻き込まれて晴香がアラレもない姿で悶えるのが見どころ。
いったいどこに帰着するのか見当もつかない。手当たり次第はそろそろ考え時。
2010/1/14
《こんなふうにおススメ……?》
全巻読んでもオススメできるか微妙。
2010年01月17日
2010年01月16日
とめはねっ! 鈴里高校書道部 06巻まで
【とめはねっ! 鈴里高校書道部】 06巻まで /河合 克敏
鎌倉市のはずれにある私立鈴里(すずり)高校。
入学したての大江縁(ゆかり)は、教諭に頼まれ荷物を書道部室に運んでいた時、運悪く加茂の着替え現場に遭遇、そのまま部員に脅迫され、廃部寸前の部の部員として入部させられてしまう、たったひとりの男子部員。書道部は、部長の日野ひろみ、副部長の加茂杏子、会計の三輪詩織の三名。しかし縁はカナダからの帰国子女で、習字にさえ触れたことが無かった。
ある日、入学式から気になっていた望月結希(ゆき)が、男子生徒に交際を強要されているのに出くわす。咄嗟に逃げようと思った縁だが、思いとどまったところで柔道技で投げられたその男の巻き添えを喰って、右手を骨折してしまう。結希は、柔道全国2位の実力の持ち主だったのだ。しばらく部に出られない縁。部員たちは書道部存続をかけて賭けに出る。柔道部に掛け合い、大会まで部員の貸し出しを申し込んだのだった。
掲載誌は、「週刊ヤングサンデー」から、4巻途中からは「週刊ビックコミックスピリッツ」に移動。理由は、ヤングサンデー休刊のため。
『ココロのベスト30』で、Wrlzさんが勧めてくださった作品。ありがとうございます。
こういう作品は、その世界のことが垣間みられて、知識の基礎の基礎くらいは身に付くので、ほんとにありがたい。
藤沢駅ってこんなにパフォーマンスが盛んな駅なのか……。仕事でしばらく関わっていたのだが、そのあたりは知らなかった。
ピンクレディー恐るべし。
三輪と加茂の名前は、古代豪族から? と、すぐ深読みしちゃう自分がうざい。
このコンビは強烈。このふたりがなんで書道に興味を持ったのか、知りたい。
望月って偉い。よく頑張る、頑張れる。彼女の性格なのだろう。
字になると、余白が大切。書かれていない白いスペースも、字の一部って、すごい。
鵠沼学園との、大会後の「母」の字合戦は、かなり興奮した。三浦清風先生、イイ味出している。
当たり前だけど、書も深い。筆や篆刻の説明、面白かった。こういう蘊蓄は大好き。篆刻やってみたいなー。
これからもまったりと楽しみたい。
2009/5/21
《こんなふうにおススメ》
とにかく楽しい。
縁のキャラが弱いのも、今の時流なのかな。笑ってしまった。
「もやしもん」の沢木も顔負け。出てるんだけどな、存在がなんとも。応援したい。
5巻/
「漢字かな交じりの書」に挑戦する部員等。大江は名菓「ひよ子」からヒントを得る。
鈴高文化祭での書道部のパフォーマンスで、廃部は免れる。「書の甲子園」の結果が発表されて……。加茂杏子と三輪詩織がなぜ仲良くなったのか、その謎が明かされる。新キャラも登場。
作品に無駄がない。遊びはあるのに、見事にバシッと収まっているのだ。構成がパーフェクトに近いんだろうなー。読めば読む程、感心する作品。
書もこれだけ書けたら楽しいでしょうね。書とその周辺の蘊蓄や歴史の話は変わらず面白い。
一番女らしいのは日野ひろみって……その通りだ。加茂と三輪って、最初から気が合ってたとしか思えない。ふたりの好きな漢字には笑った。性格がよく出ていて、楽しかった。
三人の買い物は原宿で。確かに安くは買えるけど、片道1,000円近い交通費は、高校生にはきついんじゃないでしょうか? 横浜や町田、海老名だってあるのに……。
にしても、大輔くん、良い男だ!
ピース、可愛過ぎ。
この作品といい、「3月のライオン」、「ちはやふる」、最近は高校生が日本文化の熱き戦いを繰り広げる作品が多いのですが、実際はどうなのでしょうか?
周囲の子は、バンド、音楽です。
2009/7/08
2009/7/11UP
6巻/
縁と望月結希は大晦日から正月に宮田庵でバイト。書の甲子園に行くための資金。結希と麻衣はバイトで協力し合い、なんとなく仲良くなる。
みなで大阪、書の甲子園へ。そこで文部科学大臣賞の一条毅と出会う。毅は結希にかつてラブレターを送った相手だった。
ひろみはかな書の師を探して三浦清風を訪ねる。紹介されたのは縁の祖母のライバル笠置亜紀子だった。
結希ちゃん可愛い。縁の焦りも愛おしい。話はますます面白い。
NHKでドラマ中。
2010/1/14
鎌倉市のはずれにある私立鈴里(すずり)高校。
入学したての大江縁(ゆかり)は、教諭に頼まれ荷物を書道部室に運んでいた時、運悪く加茂の着替え現場に遭遇、そのまま部員に脅迫され、廃部寸前の部の部員として入部させられてしまう、たったひとりの男子部員。書道部は、部長の日野ひろみ、副部長の加茂杏子、会計の三輪詩織の三名。しかし縁はカナダからの帰国子女で、習字にさえ触れたことが無かった。
ある日、入学式から気になっていた望月結希(ゆき)が、男子生徒に交際を強要されているのに出くわす。咄嗟に逃げようと思った縁だが、思いとどまったところで柔道技で投げられたその男の巻き添えを喰って、右手を骨折してしまう。結希は、柔道全国2位の実力の持ち主だったのだ。しばらく部に出られない縁。部員たちは書道部存続をかけて賭けに出る。柔道部に掛け合い、大会まで部員の貸し出しを申し込んだのだった。
掲載誌は、「週刊ヤングサンデー」から、4巻途中からは「週刊ビックコミックスピリッツ」に移動。理由は、ヤングサンデー休刊のため。
『ココロのベスト30』で、Wrlzさんが勧めてくださった作品。ありがとうございます。
こういう作品は、その世界のことが垣間みられて、知識の基礎の基礎くらいは身に付くので、ほんとにありがたい。
藤沢駅ってこんなにパフォーマンスが盛んな駅なのか……。仕事でしばらく関わっていたのだが、そのあたりは知らなかった。
ピンクレディー恐るべし。
三輪と加茂の名前は、古代豪族から? と、すぐ深読みしちゃう自分がうざい。
このコンビは強烈。このふたりがなんで書道に興味を持ったのか、知りたい。
望月って偉い。よく頑張る、頑張れる。彼女の性格なのだろう。
字になると、余白が大切。書かれていない白いスペースも、字の一部って、すごい。
鵠沼学園との、大会後の「母」の字合戦は、かなり興奮した。三浦清風先生、イイ味出している。
当たり前だけど、書も深い。筆や篆刻の説明、面白かった。こういう蘊蓄は大好き。篆刻やってみたいなー。
これからもまったりと楽しみたい。
2009/5/21
《こんなふうにおススメ》
とにかく楽しい。
縁のキャラが弱いのも、今の時流なのかな。笑ってしまった。
「もやしもん」の沢木も顔負け。出てるんだけどな、存在がなんとも。応援したい。
5巻/
「漢字かな交じりの書」に挑戦する部員等。大江は名菓「ひよ子」からヒントを得る。
鈴高文化祭での書道部のパフォーマンスで、廃部は免れる。「書の甲子園」の結果が発表されて……。加茂杏子と三輪詩織がなぜ仲良くなったのか、その謎が明かされる。新キャラも登場。
作品に無駄がない。遊びはあるのに、見事にバシッと収まっているのだ。構成がパーフェクトに近いんだろうなー。読めば読む程、感心する作品。
書もこれだけ書けたら楽しいでしょうね。書とその周辺の蘊蓄や歴史の話は変わらず面白い。
一番女らしいのは日野ひろみって……その通りだ。加茂と三輪って、最初から気が合ってたとしか思えない。ふたりの好きな漢字には笑った。性格がよく出ていて、楽しかった。
三人の買い物は原宿で。確かに安くは買えるけど、片道1,000円近い交通費は、高校生にはきついんじゃないでしょうか? 横浜や町田、海老名だってあるのに……。
にしても、大輔くん、良い男だ!
ピース、可愛過ぎ。
この作品といい、「3月のライオン」、「ちはやふる」、最近は高校生が日本文化の熱き戦いを繰り広げる作品が多いのですが、実際はどうなのでしょうか?
周囲の子は、バンド、音楽です。
2009/7/08
2009/7/11UP
6巻/
縁と望月結希は大晦日から正月に宮田庵でバイト。書の甲子園に行くための資金。結希と麻衣はバイトで協力し合い、なんとなく仲良くなる。
みなで大阪、書の甲子園へ。そこで文部科学大臣賞の一条毅と出会う。毅は結希にかつてラブレターを送った相手だった。
ひろみはかな書の師を探して三浦清風を訪ねる。紹介されたのは縁の祖母のライバル笠置亜紀子だった。
結希ちゃん可愛い。縁の焦りも愛おしい。話はますます面白い。
NHKでドラマ中。
2010/1/14
ラベル:河合克敏
2010年01月15日
エビアンワンダー+エビアンワンダーREACT(完) 全04巻
【エビアンワンダー+エビアンワンダーREACT】 全04巻 /おがき ちか
姉弟で旅をしているフレデリカとハウリィ。奇枚羽(いちまいば)の妖魔ヨーヨーも一緒。
フレデリカは炎の鷹を宿す忌まわしき“銀符”。「悪魔と契約し為す」者と呼ばれていた。幼い頃生きながらえる為に悪魔と契約し、悪人の魂を地獄に送る仕事を引き受けたのだ。契約した分は働かなくてはならない。ハウリィはその侍符(カラムス)。
弟の師、帆斗仙(はんとせん)流の武僧フィルも合流し、旅は続く。
「エビアンワンダー」の2巻めにこの話の元になった「銀符(エイジス)とその守護者」収録。
同じ巻にショート作品「サニー・ザ・トリッパー」
セスとサニー兄妹と従者の壮大な旅。
私の読んだ「エビアンワンダー」はヤングキング版。ヤングキングアワーズライトで連載。休刊で打ち切りになり、ZERO-ZUM増刊WARDに移行し「エビアンワンダーREACT」として完結。
ヤングキング版は絶版で、今はZERO-ZUMコミックスから再版。
この4冊でひとつの物語。
ファンタジーの傑作なんじゃなかろうか。
好きだ、ほんとに好きな作家さん。もはや愛していると言おう。
出てくるキャラには血が通っていて愛おしむべきだし、話も面白い。
子どもの時にジュール・ヴェルヌとかの冒険小説を読んでわくわくしたことのある人にはほんとにオススメ。その頃の気持ちを思い起こさせてくれる。
この作品、「Landreaall(ランドリオール)」より好きという人がいるのもわかる。
読めば読むほどのめり込む。余計な感想すら入れたくない。
愛の物語だと思った。
ハウリィの、兄弟に本物も偽物もあるのかと問うところ、沁み入った。
ラストは泣いた。爆泣きした。やられた。まったく予測していなかった。伏線はずいぶん張られていたというのに。
三人の旅は見ていても楽しかった。
これが「ランドリオール」に繋がっているんだと納得。
このまま余韻にずっと浸っていたいほど。
2010/1/13
《こんなふうにおススメ》
ラストが好評だったので、どんなかと楽しみでした。良い意味で裏切られた。
秀逸。オススメ。
【コミックセット】
【コミックス】
姉弟で旅をしているフレデリカとハウリィ。奇枚羽(いちまいば)の妖魔ヨーヨーも一緒。
フレデリカは炎の鷹を宿す忌まわしき“銀符”。「悪魔と契約し為す」者と呼ばれていた。幼い頃生きながらえる為に悪魔と契約し、悪人の魂を地獄に送る仕事を引き受けたのだ。契約した分は働かなくてはならない。ハウリィはその侍符(カラムス)。
弟の師、帆斗仙(はんとせん)流の武僧フィルも合流し、旅は続く。
「エビアンワンダー」の2巻めにこの話の元になった「銀符(エイジス)とその守護者」収録。
同じ巻にショート作品「サニー・ザ・トリッパー」
セスとサニー兄妹と従者の壮大な旅。
私の読んだ「エビアンワンダー」はヤングキング版。ヤングキングアワーズライトで連載。休刊で打ち切りになり、ZERO-ZUM増刊WARDに移行し「エビアンワンダーREACT」として完結。
ヤングキング版は絶版で、今はZERO-ZUMコミックスから再版。
この4冊でひとつの物語。
ファンタジーの傑作なんじゃなかろうか。
好きだ、ほんとに好きな作家さん。もはや愛していると言おう。
出てくるキャラには血が通っていて愛おしむべきだし、話も面白い。
子どもの時にジュール・ヴェルヌとかの冒険小説を読んでわくわくしたことのある人にはほんとにオススメ。その頃の気持ちを思い起こさせてくれる。
この作品、「Landreaall(ランドリオール)」より好きという人がいるのもわかる。
読めば読むほどのめり込む。余計な感想すら入れたくない。
愛の物語だと思った。
ハウリィの、兄弟に本物も偽物もあるのかと問うところ、沁み入った。
ラストは泣いた。爆泣きした。やられた。まったく予測していなかった。伏線はずいぶん張られていたというのに。
三人の旅は見ていても楽しかった。
これが「ランドリオール」に繋がっているんだと納得。
このまま余韻にずっと浸っていたいほど。
2010/1/13
《こんなふうにおススメ》
ラストが好評だったので、どんなかと楽しみでした。良い意味で裏切られた。
秀逸。オススメ。
【コミックセット】
【コミックス】
ラベル:おがきちか
2010年01月13日
沈夫人の料理人(完) 全04巻
【沈(しぇん)夫人の料理人】 全04巻 /深巳 琳子
その昔明代中国。江南のある街、劉という長者屋敷の奥方沈鳳仙夫人は若く美しかった。
劉家に買われてきた料理人の李三(りさん)は23歳と若かったが、その腕は食べることが何より好きな美食家の夫人に気に入られる。気位の高い若夫人に一目惚れをした李三は、注文が多く意地悪な夫人の好みに合う食事を作れるのか。
ビックコミックオリジナル。
書店の平積みが長いこと気になっていて、やっと手にする。
ワガママで気まぐれ、日々退屈なサド気質の上流夫人が、料理の腕だけが取り柄の、人が良く気の弱い男にたわむれに無理難題を申しつけ、ネチネチと苛めながら食事を楽しむ話。罵られいたぶられるほど、美味しい料理を作る李三。
奥様の飴と鞭、絶妙。若くて底意地は悪いけど、頭の良さは抜き出ている。でも充分にパワハラです。李三がヘタレマゾでもストレスフルだと思う。
こんな調教されちゃったら、もう他のお屋敷で奉公は出来ないよね。
作品としてはとても面白い。でもその辛辣ぶりと、李三のウザさは2巻後半くらいから辛くなってくる。普通の神経で、サドっ気マゾっ気のない人にはきついかも。
3巻から緩急が出てきて慣れたのか楽しめた。
構成は「きのう何食べた?」のように話の中にレシピがあるのだが、「きのう〜」は普段の食生活に生かせるレシピでこちらは中国料理のお金持ちバージョン。手間がかかる凝っているモノも多いけど、それより作れそうと思わせておいて実はそんな材料は手に入らないよ、みたいな上等な料理のオンパレード。
湯包の食べ方、はじめて知った。上手く食べられなくてずっと悩んでたのだ。
空腹時は要注意。中国料理食べたくなって困る。
唐突に終了、なぜ?
この後はシリーズで「沈夫人の料理店」が連載中。こちらは続編というよりパラレルらしい。
2010/1/12
《こんな人におススメ》
料理ものお好きな方に。マゾっ気の強い方にも。
【コミックセット】
【コミックス】
その昔明代中国。江南のある街、劉という長者屋敷の奥方沈鳳仙夫人は若く美しかった。
劉家に買われてきた料理人の李三(りさん)は23歳と若かったが、その腕は食べることが何より好きな美食家の夫人に気に入られる。気位の高い若夫人に一目惚れをした李三は、注文が多く意地悪な夫人の好みに合う食事を作れるのか。
ビックコミックオリジナル。
書店の平積みが長いこと気になっていて、やっと手にする。
ワガママで気まぐれ、日々退屈なサド気質の上流夫人が、料理の腕だけが取り柄の、人が良く気の弱い男にたわむれに無理難題を申しつけ、ネチネチと苛めながら食事を楽しむ話。罵られいたぶられるほど、美味しい料理を作る李三。
奥様の飴と鞭、絶妙。若くて底意地は悪いけど、頭の良さは抜き出ている。でも充分にパワハラです。李三がヘタレマゾでもストレスフルだと思う。
こんな調教されちゃったら、もう他のお屋敷で奉公は出来ないよね。
作品としてはとても面白い。でもその辛辣ぶりと、李三のウザさは2巻後半くらいから辛くなってくる。普通の神経で、サドっ気マゾっ気のない人にはきついかも。
3巻から緩急が出てきて慣れたのか楽しめた。
構成は「きのう何食べた?」のように話の中にレシピがあるのだが、「きのう〜」は普段の食生活に生かせるレシピでこちらは中国料理のお金持ちバージョン。手間がかかる凝っているモノも多いけど、それより作れそうと思わせておいて実はそんな材料は手に入らないよ、みたいな上等な料理のオンパレード。
湯包の食べ方、はじめて知った。上手く食べられなくてずっと悩んでたのだ。
空腹時は要注意。中国料理食べたくなって困る。
唐突に終了、なぜ?
この後はシリーズで「沈夫人の料理店」が連載中。こちらは続編というよりパラレルらしい。
2010/1/12
《こんな人におススメ》
料理ものお好きな方に。マゾっ気の強い方にも。
【コミックセット】
【コミックス】
ラベル:深巳琳子
2010年01月12日
2010年01月11日
2010年01月10日
ご指名です!
【ご指名です!】 全01巻 /新條 まゆ
南青山の一角、美貌はもちろん、あらゆるマナーと教養を身につけた男の園、ホストクラブ、“シャトー・デュ・アムール”。その中でNo,1を誇る伝説のホスト、連城寺霧夜(れんじょうきりや)。その実体は本名山田小太郎、ホスト見習いで同居している悟をアゴで使い、故郷長崎に恋人美晴を残し、親の借金を返すために手段を選ばないがむしゃらな男だった。
その日いつものように客と待ち合わせしていたが、久しぶりのその相手亜子から「あなたの子ども」と美矢を押しつけられる。身に覚えはなかったが美矢といるうちに情にほだされていく。そこに彼女が突然上京してきて。
度重なるピンチに霧夜はどうなるのか? ラブコメ。
短編は「アップル」
富士鈴五郎(りんごろう)は喧嘩がアップルパイより好き。見かけはラブリーだけど喧嘩に強い幼馴染みの佑太(ゆうた)と連む。未亡人の母はケーキ屋を類い希なる才能を持った鈴五郎に継がせたいが、鈴五郎にはその気はない。かつての肥満児に戻りたくなかったのだ。
一方鴉組の一人娘、喜和子は悪事に長けていたが、ケーキ屋に嫁ぐことを夢みていた。
少コミの騎手だった新條まゆが少年誌に進出。なんでもありだな、ジャンプスクエア。
どちらかというと一般には作品より、小学館とのトラブルやお金遣いに経歴など作家さん自体の話題性で知られている。
見せ所はさすが上手い。コメディ向きじゃないと思ってたけど楽しかった。
オチも展開もベタベタなんだけどな、主人公が九州男児って設定がぴりっと効いていて良かった。
好みは短編の方。内容は完全に少女漫画だけど。
SQ読者の感想を聞いてみたい。
2010/1/08
《こんなふうにおススメ》
作風のエロはないですが、読んだ中ではけっこう好きです。
南青山の一角、美貌はもちろん、あらゆるマナーと教養を身につけた男の園、ホストクラブ、“シャトー・デュ・アムール”。その中でNo,1を誇る伝説のホスト、連城寺霧夜(れんじょうきりや)。その実体は本名山田小太郎、ホスト見習いで同居している悟をアゴで使い、故郷長崎に恋人美晴を残し、親の借金を返すために手段を選ばないがむしゃらな男だった。
その日いつものように客と待ち合わせしていたが、久しぶりのその相手亜子から「あなたの子ども」と美矢を押しつけられる。身に覚えはなかったが美矢といるうちに情にほだされていく。そこに彼女が突然上京してきて。
度重なるピンチに霧夜はどうなるのか? ラブコメ。
短編は「アップル」
富士鈴五郎(りんごろう)は喧嘩がアップルパイより好き。見かけはラブリーだけど喧嘩に強い幼馴染みの佑太(ゆうた)と連む。未亡人の母はケーキ屋を類い希なる才能を持った鈴五郎に継がせたいが、鈴五郎にはその気はない。かつての肥満児に戻りたくなかったのだ。
一方鴉組の一人娘、喜和子は悪事に長けていたが、ケーキ屋に嫁ぐことを夢みていた。
少コミの騎手だった新條まゆが少年誌に進出。なんでもありだな、ジャンプスクエア。
どちらかというと一般には作品より、小学館とのトラブルやお金遣いに経歴など作家さん自体の話題性で知られている。
見せ所はさすが上手い。コメディ向きじゃないと思ってたけど楽しかった。
オチも展開もベタベタなんだけどな、主人公が九州男児って設定がぴりっと効いていて良かった。
好みは短編の方。内容は完全に少女漫画だけど。
SQ読者の感想を聞いてみたい。
2010/1/08
《こんなふうにおススメ》
作風のエロはないですが、読んだ中ではけっこう好きです。
ラベル:新條まゆ
2010年01月09日
碧海のAiON 03巻まで
【碧海のAiON(へきかいのアイオーン)】 03巻まで /影崎 由那
海辺の街、潮見ヶ浜市に住む高校一年の津川達哉は、一週間前の交通事故で資産家の両親を亡くす。父の今際の言葉は「器の大きな男になれ」だった。
登校を再開して他クラスの宮崎星音(せいね)と出会う。彼女が苛めに遭っているのを助けたのだが、逆に「望んで苛められているのだから、余計なことをしないで」と冷たく拒否される。器の小ささを指摘されて達哉は落ち込むが、慰められもする。星音は、器の大きい男になりたかったら経験を積めと諭し、長生きするために「海には近づくな」と不可解な言葉を残す。気になった達哉は夜の学校で星音が関わる事件に巻き込まれ……。
ダンボールハウスに住んでいたこの不思議な少女を家に連れ帰った達哉。同級生で幼馴染みの湊と吉幸渚(よしゆきなぎさ)、達哉のはとこで小学生の美凪(みなぎ)らも絡み起きていくダークファンタジー。
角川のドラゴンエイジ。
アイオーンは、黒い海蛇、らしい。
読みやすい構成なんだけど、どうも読み手の私とはテンポが合わない。この気持ち悪さは後に解消できるのか?
絵は苦手。表紙のデジタル絵に騙されたなー。一枚絵のイラストは上手いのだ。人物のバランスも崩れているのが気になる。ちゃんとしたデッサンを重ねたことはないんだろうな、趣味で絵を描いていて、美術的な基本教育は受けてないのかも。
うーむ。この作品、コミックダッシュ!での所有率がとても高い。それは売れているということ。読みながら、そこまでの作品かなぁ? と、それも不思議だったのだ。
あまりの違和感につい調べた。
18禁ゲーム会社在籍中から頭角を現し「かりん」でブレイク。それが代表作でアニメにもなっている。話題作「ひぐらしのなく頃に 心癒し編」も描いているので、そこからもファンが流れているのだろう。
話の基本設定は悪くないのに、見せ所が決まってなくて平坦に流れてしまう。行き当たりばったり感が否めない。
キャラにも感情移入できない。「なぜ、そう考えるのか」
伏線は見えてしまっているのに、回収するまでの期待が盛りあがらない。ちなみにまだ回収されてない。後でどたばたくっつけたような展開になるなら暴れたい。
難しいモノですねー、話を作るって。
2010/1/07
《こんなふうにおススメ》
この“絵”のファンの方に。
海辺の街、潮見ヶ浜市に住む高校一年の津川達哉は、一週間前の交通事故で資産家の両親を亡くす。父の今際の言葉は「器の大きな男になれ」だった。
登校を再開して他クラスの宮崎星音(せいね)と出会う。彼女が苛めに遭っているのを助けたのだが、逆に「望んで苛められているのだから、余計なことをしないで」と冷たく拒否される。器の小ささを指摘されて達哉は落ち込むが、慰められもする。星音は、器の大きい男になりたかったら経験を積めと諭し、長生きするために「海には近づくな」と不可解な言葉を残す。気になった達哉は夜の学校で星音が関わる事件に巻き込まれ……。
ダンボールハウスに住んでいたこの不思議な少女を家に連れ帰った達哉。同級生で幼馴染みの湊と吉幸渚(よしゆきなぎさ)、達哉のはとこで小学生の美凪(みなぎ)らも絡み起きていくダークファンタジー。
角川のドラゴンエイジ。
アイオーンは、黒い海蛇、らしい。
読みやすい構成なんだけど、どうも読み手の私とはテンポが合わない。この気持ち悪さは後に解消できるのか?
絵は苦手。表紙のデジタル絵に騙されたなー。一枚絵のイラストは上手いのだ。人物のバランスも崩れているのが気になる。ちゃんとしたデッサンを重ねたことはないんだろうな、趣味で絵を描いていて、美術的な基本教育は受けてないのかも。
うーむ。この作品、コミックダッシュ!での所有率がとても高い。それは売れているということ。読みながら、そこまでの作品かなぁ? と、それも不思議だったのだ。
あまりの違和感につい調べた。
18禁ゲーム会社在籍中から頭角を現し「かりん」でブレイク。それが代表作でアニメにもなっている。話題作「ひぐらしのなく頃に 心癒し編」も描いているので、そこからもファンが流れているのだろう。
話の基本設定は悪くないのに、見せ所が決まってなくて平坦に流れてしまう。行き当たりばったり感が否めない。
キャラにも感情移入できない。「なぜ、そう考えるのか」
伏線は見えてしまっているのに、回収するまでの期待が盛りあがらない。ちなみにまだ回収されてない。後でどたばたくっつけたような展開になるなら暴れたい。
難しいモノですねー、話を作るって。
2010/1/07
《こんなふうにおススメ》
この“絵”のファンの方に。
ラベル:影崎由那
2010年01月08日
執事様のお気に入り 06巻まで
【執事様のお気に入り】 06巻まで /伊沢 玲(ストーリー構成/津山冬)
名家の子息子女のみが通う全寮制の名門校双星館学園には、もうひとつの科、執事を学ぶバトラーコースがある。
両親を亡くし祖父母に引き取られた氷村良(ひむらりょう)は、いきなりお嬢様になる。執事であった父と駆け落ちした母がお嬢様だったのだ。双星館学園に編入した日、学園の王子的存在、神澤グループの跡継ぎでありながら、自らの実力を試す為にバトラーコースに通う神澤伯王(かんざわはくおう)に出会う。
幼いときから伯王に仕える道家庵(どうけいおり)、鹿糠隼斗(かぬかはやと)とも友人になって。
専属を持たない宣言をしていた伯王だったが、ひょんなことから良の専属執事を誓うことになる。二人をめぐる学園ラブストーリー。
なんだか久々に少女漫画を読んだ気がする。もちろんいろんな作品を読んできたのだけど、なんですかね、ココロときめかし系というか、王道の少女漫画っていうか……。
イマドキ流行の執事モノなんですが、今風の記号的執事でなくて、コメディ要素が少ない恋愛ものだからかな? ありがちなイベントもわりかし少ないし。
ああ、そうか。少女漫画にあってほしい、ジレジレ感が健在なんですよ。そこは、「君に届け」に共通するかも。面白かった! と素直に言える。続きも読んでみたいです。
良は可愛いけど、元気でお嬢様らしからずで、伯王はツンデレでカッコ良くて。ほんとに王道。でもそれがイヤじゃない。うーん、それってすごいかも。
恋心をそれぞれになんとなく自覚し始めた4巻まで、でした。
2009/2/03UP
《こんなふうにおススメ》
少女漫画、読みたい方に。楽しいです。
5巻/
試験勉強に夏休み。伯王の姉に良は拉致されて、神澤家の別荘に。Bクラス主催のサマーガーデンパーティの催し。
伯王と良、お互いがお互いを必要としているのがあちこちに出ていて、それを主従の関係だからというのはもう難しいよね。
たまーに作画が崩れるのが残念。
姉に素直な伯王がちょっと気持ち悪い。そんなに恋心的なもの話せるかな? 無自覚くん?
なんだか久々に読んで、スピード感が落ちているような気がするのは気のせい? 少し停滞しているのだろうか? これは期待感込み。普通に面白い作品なのだけど。
2009/5/16
2009/5/17UP
6巻/
クッキング部の部長がブロードウェイで感化され、皆で演劇をすることになる。良も参加を希望するが、充てられた役は王子様。
英国の名門スタルトウィン家のアルバートが留学してくる。伯王の憧れ、向坂遥巳(さきさかはるみ)が筆頭執事なのだ。良は世話係になるが、天然で人懐こいアルに伯王はヤキモキ。大使館のパーティーに出席するふたりを見送るが、執事は入れない。しかも婚約者探しも留学の目的と向坂に聞いて。
隼斗が女子生徒の専属になる?
伯王がもやもやするのをにらにらする巻。自分がキモかった。たまに読むとこの少女チックが嬉しくなる。ドレスアップの良は可愛かった。伯王の独占欲は、女の子には嬉しいよね。
23話の後のヒトコマのアル、めちゃ可愛切なかった。朝宮薫子も活躍。
2010/1/04
名家の子息子女のみが通う全寮制の名門校双星館学園には、もうひとつの科、執事を学ぶバトラーコースがある。
両親を亡くし祖父母に引き取られた氷村良(ひむらりょう)は、いきなりお嬢様になる。執事であった父と駆け落ちした母がお嬢様だったのだ。双星館学園に編入した日、学園の王子的存在、神澤グループの跡継ぎでありながら、自らの実力を試す為にバトラーコースに通う神澤伯王(かんざわはくおう)に出会う。
幼いときから伯王に仕える道家庵(どうけいおり)、鹿糠隼斗(かぬかはやと)とも友人になって。
専属を持たない宣言をしていた伯王だったが、ひょんなことから良の専属執事を誓うことになる。二人をめぐる学園ラブストーリー。
なんだか久々に少女漫画を読んだ気がする。もちろんいろんな作品を読んできたのだけど、なんですかね、ココロときめかし系というか、王道の少女漫画っていうか……。
イマドキ流行の執事モノなんですが、今風の記号的執事でなくて、コメディ要素が少ない恋愛ものだからかな? ありがちなイベントもわりかし少ないし。
ああ、そうか。少女漫画にあってほしい、ジレジレ感が健在なんですよ。そこは、「君に届け」に共通するかも。面白かった! と素直に言える。続きも読んでみたいです。
良は可愛いけど、元気でお嬢様らしからずで、伯王はツンデレでカッコ良くて。ほんとに王道。でもそれがイヤじゃない。うーん、それってすごいかも。
恋心をそれぞれになんとなく自覚し始めた4巻まで、でした。
2009/2/03UP
《こんなふうにおススメ》
少女漫画、読みたい方に。楽しいです。
5巻/
試験勉強に夏休み。伯王の姉に良は拉致されて、神澤家の別荘に。Bクラス主催のサマーガーデンパーティの催し。
伯王と良、お互いがお互いを必要としているのがあちこちに出ていて、それを主従の関係だからというのはもう難しいよね。
たまーに作画が崩れるのが残念。
姉に素直な伯王がちょっと気持ち悪い。そんなに恋心的なもの話せるかな? 無自覚くん?
なんだか久々に読んで、スピード感が落ちているような気がするのは気のせい? 少し停滞しているのだろうか? これは期待感込み。普通に面白い作品なのだけど。
2009/5/16
2009/5/17UP
6巻/
クッキング部の部長がブロードウェイで感化され、皆で演劇をすることになる。良も参加を希望するが、充てられた役は王子様。
英国の名門スタルトウィン家のアルバートが留学してくる。伯王の憧れ、向坂遥巳(さきさかはるみ)が筆頭執事なのだ。良は世話係になるが、天然で人懐こいアルに伯王はヤキモキ。大使館のパーティーに出席するふたりを見送るが、執事は入れない。しかも婚約者探しも留学の目的と向坂に聞いて。
隼斗が女子生徒の専属になる?
伯王がもやもやするのをにらにらする巻。自分がキモかった。たまに読むとこの少女チックが嬉しくなる。ドレスアップの良は可愛かった。伯王の独占欲は、女の子には嬉しいよね。
23話の後のヒトコマのアル、めちゃ可愛切なかった。朝宮薫子も活躍。
2010/1/04
2010年01月07日
2010年01月06日
お嬢様と妖怪執事
【お嬢様と妖怪執事 -藤原ここあ短編集-】 全01巻 /藤原 ここあ
・表題作。
由緒正しい家柄の狩島家。お嬢様が手伝いのものたちと住む。両親は仕事でずっと出張中。
そこへ気脈の乱れで座敷童が具現化、直接幸福を運ぶという。現代に合わせて執事姿の妖怪は、思い込みが激しいドM。志だけは高いけれど体力のまったくないお嬢様。
ふたりの二人三脚。
・「山田」
新米教師の有沢は悩んでいた。ナルシストで変人と噂の生徒、山田が有沢を応援する。
・「STRAY DOLL(ストレイ・ドール)」
2300年、地球。フィズは人形使い。人形たちと、迷える人形(ストレイ・ドール)を救っていく。
・「私は」
写真部の森永は高校卒業を間近に控えて、感じることと気づき。
ガンガンカスタムと、月刊ガンガンWINGに掲載したものをまとめた短編集。
代表作はまだ未読。ずっと気になっていた作家さん。癒し系作家として知られている。
絵は少女漫画。表紙に惹かれて手にする。
それにだまされた。声を大にして言いたい!
笑った。なんだ、このシュールさは! まさかコメディだったとは!
爆笑した。お腹抱えた。「聖☆おにいさん」と並ぶ。この表紙すらネタだったのか。
やられた。三文芝居を見ているようなくだらなさなんだけど、ちょっと切なさもあり、ほんわりしたりもする。
一歩間違うとドツボなネタばかりなのに、この絶妙な間合いはなんだろう。しらける直前のサルベージが天才的。次のコマでぱしっと切り替わる緩急の鋭さに脱帽。
一見甘さを期待するこの少女チックな絵も、乙女チックな台詞も、すべて読者を油断させる罠なのだ。確信犯。
うわー、やばい、他の作品も読みたい。本を閉じた後もにやにやしてしまう。
この魅力はまるでウィルス。めちゃくちゃ危険。
ラストの話のみ、シリアス。なんだか作者の繊細な心に触れた気がした。もちろんそんなにわかるものじゃないんだろうけど。
2009年中に読めば良かった。オススメ上位に入ったのに。
でもちゃんとテーマもある。これだけ笑ったあとは言いづらいけど。共通しているのは人との関係性。ひとりじゃないよ、ひとりで頑張りすぎるな、周りも頼れってことかな。そこが一本通っていることにも感服。
2010/1/02
《こんなふうにおススメ》
うっかりやられちゃいました。こういう出会いも刺激的。
漫画読みになって良かったと感じる至福。
・表題作。
由緒正しい家柄の狩島家。お嬢様が手伝いのものたちと住む。両親は仕事でずっと出張中。
そこへ気脈の乱れで座敷童が具現化、直接幸福を運ぶという。現代に合わせて執事姿の妖怪は、思い込みが激しいドM。志だけは高いけれど体力のまったくないお嬢様。
ふたりの二人三脚。
・「山田」
新米教師の有沢は悩んでいた。ナルシストで変人と噂の生徒、山田が有沢を応援する。
・「STRAY DOLL(ストレイ・ドール)」
2300年、地球。フィズは人形使い。人形たちと、迷える人形(ストレイ・ドール)を救っていく。
・「私は」
写真部の森永は高校卒業を間近に控えて、感じることと気づき。
ガンガンカスタムと、月刊ガンガンWINGに掲載したものをまとめた短編集。
代表作はまだ未読。ずっと気になっていた作家さん。癒し系作家として知られている。
絵は少女漫画。表紙に惹かれて手にする。
それにだまされた。声を大にして言いたい!
笑った。なんだ、このシュールさは! まさかコメディだったとは!
爆笑した。お腹抱えた。「聖☆おにいさん」と並ぶ。この表紙すらネタだったのか。
やられた。三文芝居を見ているようなくだらなさなんだけど、ちょっと切なさもあり、ほんわりしたりもする。
一歩間違うとドツボなネタばかりなのに、この絶妙な間合いはなんだろう。しらける直前のサルベージが天才的。次のコマでぱしっと切り替わる緩急の鋭さに脱帽。
一見甘さを期待するこの少女チックな絵も、乙女チックな台詞も、すべて読者を油断させる罠なのだ。確信犯。
うわー、やばい、他の作品も読みたい。本を閉じた後もにやにやしてしまう。
この魅力はまるでウィルス。めちゃくちゃ危険。
ラストの話のみ、シリアス。なんだか作者の繊細な心に触れた気がした。もちろんそんなにわかるものじゃないんだろうけど。
2009年中に読めば良かった。オススメ上位に入ったのに。
でもちゃんとテーマもある。これだけ笑ったあとは言いづらいけど。共通しているのは人との関係性。ひとりじゃないよ、ひとりで頑張りすぎるな、周りも頼れってことかな。そこが一本通っていることにも感服。
2010/1/02
《こんなふうにおススメ》
うっかりやられちゃいました。こういう出会いも刺激的。
漫画読みになって良かったと感じる至福。
ラベル:藤原ここあ
2010年01月04日
2010年01月02日
蜜×蜜ドロップス(完) 全08巻
【蜜×蜜(みつみつ)ドロップス】 全08巻 /水波 風南
蜂城学院(ほうじょう)普通科高等部の萩乃柚留(はぎのゆずる)は、家庭の事情で家計を助けるため夏休みにホテルのカフェのバイトで稼ぎまくっていた。そこに金持ちワガママな集団がイチャモンをつけてきて。彼らは同じ学校のセレブな九華科(くげ)の連中だった。中でもリーダー格の煉夏可威(れんげかい)に目をつけられ、“HONEY”に任命される。
HONEY制度とは、普通科から選ばれ、彼ら(MASTER)の生活の面倒の一切を見る世話係で、学費が免除されるのだ。最初はお金に目がくらんだ柚留だったが、ファーストキスを奪われたばかりか強引でレイプまがいのセクハラばかりな可威に傷つき、HONEYを返上しようと決意、それは退学(DROP)を意味するのだったが。
しかし家では可威の家から援助され借金のカタがつき、弟も私立進学を諦めなくてすむと喜んでいた。可威の気持ちもわからないまま、柚留はHONEYとしてやっていけるのか?
可威の幼馴染みの桜樹那由太らに助けられ、HONEYを持たないMASTERの百合丘千駿(ゆりおかちはや)、可威の許嫁の司竜茅架(かやか)も絡んで。
最終巻短編
「氷点下のマリア」
片桐澪菜(みおな)は真冬の朝道に倒れていた男を助けるが、抱きつかれて逃げ出す。予備校でその男、陸弥に声をかけられる。
「恋愛祈願」
飯塚桃は家庭教師の梅内竜矢と両想いになるが、受験が終わるまでおあずけされていて。
さすがの少女コミック、通称少コミ。タイトルは聞いていた人気漫画。200万部を売り上げる。ドラマCDに、ゲームにもなる。
うーん、これって小学生も読むんですよね? 少コミらしいといったらそうなんだけど、性描写、すごいよね。さすがに小学生がBLに夢中って聞いた時はかなり衝撃だったけど、これを読んでいると、さもありなん、って感じ。
だけど、とうの子どもたちはしれっと読んでいるんだろうなー。怖い。
どんどんエスカレートしていくんで、クラスメイトの前での授業中のキスにも驚かなくなっていく自分がいる。
読み始めて最初の印象…「よくこんな名前、思いつくよな」(←そこかい)
絵はとくに女子がかわいい。
煉夏家といい、蜜蜂に花という基本設定。メイドの派生なんだけど作り方は上手い。
イケメンでみなが憧れる、ツンでとくにふたりきりの時にSが入る“MASTER”に、ダメHONEYと罵られ翻弄されながらも実はめちゃくちゃ愛されているという、ハーレクインの変容版。しかもふたりになるシーンはすぐにエッチモード全開で調教されていくという……。
書いてて、これが普通の少女漫画かと驚いてしまうけど。これも少コミのお約束です。
柚留と可威、それぞれの“HONEY”に対する意味合いが違うところが、この作品の肝。
百合丘の歪み方はなぜそうなったのか、もうひとつくらいエビが欲しかった。
茅架は気の毒になった。
面白くなくはないのに、どんでん返しもわくわくしなかったし、キャラに感情移入できなかったのは残念。
柚留の親も最悪、非道すぎる、娘をお金に換えるなんて。「花男」の時も憤ったけど、それ以上だ。
よく「悪役だけど憎めないんだよねー」のキャラっている。話の組み立て方はそういうキャラを活かすものなのに、憎々しくて困った。出てこないで欲しいとさえ、思ってしまった。
好きなのは言動が理解できる那由太と絃青(げんじょう)くらいだったのに。作家さん、ご自身の作ったキャラクター、愛していないのだろうか? なんか使い捨ての感覚だ。
wikipediaの、わりと登場しているキャラの説明が少ない理由がわかった気がした。
関係ないけど、作家さんの直筆がキレイで好きな文字。
2009/12/31
《こんなふうにおススメ》
TL(Teen's Love)と呼ばれる「性描写のある少女漫画」のジャンル。
読みやすいとは思います。
【コミックセット】
【コミックス】
蜂城学院(ほうじょう)普通科高等部の萩乃柚留(はぎのゆずる)は、家庭の事情で家計を助けるため夏休みにホテルのカフェのバイトで稼ぎまくっていた。そこに金持ちワガママな集団がイチャモンをつけてきて。彼らは同じ学校のセレブな九華科(くげ)の連中だった。中でもリーダー格の煉夏可威(れんげかい)に目をつけられ、“HONEY”に任命される。
HONEY制度とは、普通科から選ばれ、彼ら(MASTER)の生活の面倒の一切を見る世話係で、学費が免除されるのだ。最初はお金に目がくらんだ柚留だったが、ファーストキスを奪われたばかりか強引でレイプまがいのセクハラばかりな可威に傷つき、HONEYを返上しようと決意、それは退学(DROP)を意味するのだったが。
しかし家では可威の家から援助され借金のカタがつき、弟も私立進学を諦めなくてすむと喜んでいた。可威の気持ちもわからないまま、柚留はHONEYとしてやっていけるのか?
可威の幼馴染みの桜樹那由太らに助けられ、HONEYを持たないMASTERの百合丘千駿(ゆりおかちはや)、可威の許嫁の司竜茅架(かやか)も絡んで。
最終巻短編
「氷点下のマリア」
片桐澪菜(みおな)は真冬の朝道に倒れていた男を助けるが、抱きつかれて逃げ出す。予備校でその男、陸弥に声をかけられる。
「恋愛祈願」
飯塚桃は家庭教師の梅内竜矢と両想いになるが、受験が終わるまでおあずけされていて。
さすがの少女コミック、通称少コミ。タイトルは聞いていた人気漫画。200万部を売り上げる。ドラマCDに、ゲームにもなる。
うーん、これって小学生も読むんですよね? 少コミらしいといったらそうなんだけど、性描写、すごいよね。さすがに小学生がBLに夢中って聞いた時はかなり衝撃だったけど、これを読んでいると、さもありなん、って感じ。
だけど、とうの子どもたちはしれっと読んでいるんだろうなー。怖い。
どんどんエスカレートしていくんで、クラスメイトの前での授業中のキスにも驚かなくなっていく自分がいる。
読み始めて最初の印象…「よくこんな名前、思いつくよな」(←そこかい)
絵はとくに女子がかわいい。
煉夏家といい、蜜蜂に花という基本設定。メイドの派生なんだけど作り方は上手い。
イケメンでみなが憧れる、ツンでとくにふたりきりの時にSが入る“MASTER”に、ダメHONEYと罵られ翻弄されながらも実はめちゃくちゃ愛されているという、ハーレクインの変容版。しかもふたりになるシーンはすぐにエッチモード全開で調教されていくという……。
書いてて、これが普通の少女漫画かと驚いてしまうけど。これも少コミのお約束です。
柚留と可威、それぞれの“HONEY”に対する意味合いが違うところが、この作品の肝。
百合丘の歪み方はなぜそうなったのか、もうひとつくらいエビが欲しかった。
茅架は気の毒になった。
面白くなくはないのに、どんでん返しもわくわくしなかったし、キャラに感情移入できなかったのは残念。
柚留の親も最悪、非道すぎる、娘をお金に換えるなんて。「花男」の時も憤ったけど、それ以上だ。
よく「悪役だけど憎めないんだよねー」のキャラっている。話の組み立て方はそういうキャラを活かすものなのに、憎々しくて困った。出てこないで欲しいとさえ、思ってしまった。
好きなのは言動が理解できる那由太と絃青(げんじょう)くらいだったのに。作家さん、ご自身の作ったキャラクター、愛していないのだろうか? なんか使い捨ての感覚だ。
wikipediaの、わりと登場しているキャラの説明が少ない理由がわかった気がした。
関係ないけど、作家さんの直筆がキレイで好きな文字。
2009/12/31
《こんなふうにおススメ》
TL(Teen's Love)と呼ばれる「性描写のある少女漫画」のジャンル。
読みやすいとは思います。
【コミックセット】
【コミックス】
ラベル:水波風南