2010年02月06日

敷居の住人 (完) 全07巻

【敷居の住人】 全07巻  /志村 貴子

中学三年生の本田千暁(ちあき)は髪は緑色で校内でも煙草を吸う問題児。ゲームセンターに通いまくって塾はサボりっぱなし。
そこに産休教師の代わりにやってきた兼田健太郎。千暁とは電車の痴漢騒動で顔見知り、しかも二人は兄弟と見まごうほど瓜二つで。
千暁は、バーの雇われママの母ゆり子と、姉の恵己(えみ)と暮らす母子家庭。学校をサボった映画館で声をかけてきた赤髪の男が、何も聞かされていなかった父親だった。
ゲームセンターで知り合った同い年の菊池奈々子、お嬢様学校の近藤ゆか、幼馴染みの村上宗春、中学のクラスメイトで優等生の中嶋くるみらに取り囲まれ、高校に入って安達佑佳里を好きになったり。
親子、友情、恋愛、受験、性のこと。青春の悩みを詰め込んだ、中学三年から高校を卒業するまでの物語。

月刊コミックビーム。作者の初めての単行本の作品。

自分を持て余して捉えきれないままに、感受性と自意識に押しつぶされそうになりながら、うまく渡っていけない若者たちを描く。
千暁の両親も“落ちこぼれ”なので、息子は若干放任で、それが千暁の救いになっている。これが期待をかけすぎる親だと子どもは潰れてしまう。
思春期独特の無神経さで乗り切れる子は良いけど、そうでない子は苦しい十代を送るよね。その時代の渡り方でほぼ人生も決まってしまいやすい。できれば、そういう不器用な子たちが挽回できる時期が人生にあると良いのに。

作品については、うーむ、独特の話の構成。散文的というか。この感覚がダメだと読めないかも。嫌いじゃないけど、読む時の気分に左右されそう。
わかりにくい読みにくいところは多々ある。読者寄りのネームじゃない。それでも、じわじわくる。
この面白さにはタイムラグがあって、後から浸食されるようにじわじわくるのだ、やばい。なんかのウィルスが仕込まれているんじゃなかろうか。
それで、作家買いの人になっているんだろう。

千暁たちのような青春を送った人には共感の作品だと思う。
                         2010/2/03

《こんなふうにおススメ》
漫画読み慣れていないと、ペースを掴みにくい。これにうまく乗れればはまる。

【コミックセット】


【新装版】

ラベル:志村貴子
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し【志村貴子】

【志村 貴子】 しむら たかこ

敷居の住人
ラベル:志村貴子
posted by zakuro at 00:00| Comment(0) | 作家別【さ行】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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