2010年03月31日

3月の戯れ言 [2010年03月]

日々の戯れ言、UP数はこちらにまとめました。

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2010年03月30日

あ【青桐ナツ】

【青桐 ナツ】 あおぎり なつ

flat
タグ:青桐ナツ
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2010年03月26日

男家 !! 01巻まで

【男家 !!】 01巻まで  /須貝 あや

二階堂一家の五男中学一年生の睦(むつみ)は大人しめの性格で、毎朝の戦争にうんざり、兄弟なんて少ない方が良いと思っている。
両親が交通事故で亡くなり、男ばかりの七人兄弟。長男で大黒柱の昌也はサラリーマン、次男元ヤンの陸(りく)は家事担当だが実は少女漫画家で煌星ほのかのペンネーム、三男和彦は大学二年生、四男は高校二年生の大志(だいし)、六男翔太は生意気な小学五年生、七男みのりは小学一年生。大家族のほのぼの日常。

B's LOG。
脳にキリキリくるのばかり読んでいるとこういう作品に癒される。
ちょっとBLの香りのする少女誌に掲載。雑誌購読までは考えてないが、気になる作品はけっこうある。

絵はシャープで読みやすい。
物語は大家族の良い話。なんてことない日常だけど、誰にでも記憶があってそれを呼び起こしてほろりとさせてくれる。

気になるのは、職業人は長男と次男のみ。いくら陸が売れっ子漫画家とはいえ。だからなのかな?
家もわりあい豊かで両親が亡くなっても手放さなくて良いのは保険かなとか、どんな生活なんだろうとそこばかり気にしてた。余計すぎる自分。
推理モノとか読み過ぎかも。
                         2010/3/25

《こんなふうにおススメ》
ほっとできて癒されます。


タグ:須貝あや
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す【須貝あや】

【須貝 あや】 すがい あや  →須貝 あや(BL漫画作品)

男家 !!
タグ:須貝あや
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2010年03月24日

ハニカム 03巻まで

【ハニカム】 03巻まで  /桂 明日香

御座成大学に通う御手洗勉は、仕送りを条件に脅され強制的に叔父が店長のファミレス「ハニカム」でバイトをさせられる。
先輩バイトはかなりの美少女高校生、湧水萌(ゆうすいめぐみ)。ところが彼女はオタクだった。ツンデレで極貧高校生の鐘成律子(かねなり)、巨乳ロリ系統で店のアイドル大学生音節舞(おとふし)はデブ専、パーフェクトな仕事ぶり無口な金髪碧眼ホール長の妙子、ギャンブラーなキッチンスタッフ米斗王里(よねとおうり)、実はライバル会社の社長令嬢守時規子(もりときのりこ)ら個性的なスタッフとともに働く日々。

週刊アスキーで連載中の4ページ漫画。
腐女子彼女」に一瞬似てた…でも違った。あちらはやおい好き。

暇つぶしには最高。気合い入れて読むのでなく、まとめて読むよりソファに置いてパラ読みが推奨。連載読みはなお楽しい気がする。このゆるさがいい。
ガンダムファンならもっと楽しい気がする。

ラブの今後も気になるし、これからもまったり期待。
舞の面白さは貴重。

ウケたとこ。
「巨乳は人間遊園地」
摘み立てハーブティーのための自家栽培。
                         2010/3/10

《こんなふうにおススメ》
これからの方向とかまったく狙う気のない行き当たりばったり感がオススメ。


タグ:桂明日香
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か【桂明日香】

【桂 明日香】 かつら あすか

ハニカム
タグ:桂明日香
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2010年03月23日

境界のRINNE 03巻まで

【境界のRINNE】 03巻まで  /高橋 留美子

高校一年生の真宮桜は幼い時に一週間の神隠しに遭い、それから幽霊などを見える体質になる。
登校拒否とクラスメイトに噂される六道りんねの教室での奇怪を目の当たりにした後、地縛霊を成仏するのにつきあわされる。彼は、現世に未練を残し成仏できないものたちを輪廻の輪に導き転生を促す、死神……みたいな?
しかも人には、りんねが見えたり見えなかったり。どんな時も桜には見えるのだが。赤髪でド貧乏なりんねと、人の良い桜の霊退治物語。

大家、高橋留美子の新連載。週刊少年サンデー。

シリアスの中に絶妙に笑いを入れてくる。上手すぎる。話の流れの読ませ方はさすが。
六文が可愛くて癒されるのも、漫画の王道。
ただ、なんだろう、とりたてて面白いわけでもない。手探りしていく新人じゃないし、なんですかね、魅力がない。
名前はなんかリボーンのキャラみたいだし。

困ったなー、この調子で続いちゃうのかな。
メリハリがなくても良いのは、世界観が読者に伝わって、何か主人公たちの言動に目的がはっきりしてから。最初からだと、楽しみも薄味で辛すぎる。

昭和の雰囲気はマイナスにはならない。
もう三冊くらい読んでみないと決められないかもしれない。
イマドキ、ブルマーなのは読者サービス?
                         2009/11/23、12/02UP

《こんなふうにおススメ》
これからどこまで巻き返されるか、楽しみに期待。

3巻/
十文字翼が転校してくる。桜が小学生の時のクラスメイトで家業はお祓い、“見える”人だった。転校早々翼は桜に交際を申し込む。りんねは自分には関係ないと言い放つ。
ミホに未練が残って成仏できない臼井を交えて6人で遊園地デート。
トイレの花子さんと10万円のラクガキ幽霊トイチ。
ノルマ水増しのために死んでないもまで地獄に誘う堕魔死神。
顔無しの女生徒。

小ネタでまとめられた巻。
そうか、これをストーリー漫画と思ってたからいけなかったんだ。瞬発芸のギャグ漫画なんだ。
「地獄で芋虫を踏んだようなイヤな気持ち」で嫉妬に戸惑うりんねに笑った。聖書の角で殴った時も爆笑した。高橋留美子の描くメイドが楽しめる。
                         2010/3/21


タグ:高橋留美子
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2010年03月22日

恋したがりのブルー (完) 全06巻

【恋したがりのブルー】 全06巻  /藤原 よしこ

水嶋蒼(あお)15歳、常に選択を間違う女。
高校生活が始まる朝、殴られて目に涙を溜めている針谷陸(はりやりく)に出逢い、そのまま「嘘の彼女になってほしい」と頼まれる。親友で容姿端麗、頭脳明晰で学校で人気の御堂海(みどうかい)の彼女が好きと思われ、海は彼女と別れてしまったのだ。
断った蒼だが、陸の優しさに触れ、それを引き受ける。
一方、クラスの美少女空谷清乃(そらたにきよの)は、彼を取る女の誤解を受けて仲間はずれにされていた。蒼は声をかけ、仲良くなる。

Cheese!
わりと評判になっていた作品。基本的な設定は最高。

でも読み出してすぐにちょっと失敗したかなーと思った。
まず、登場人物の名付けが考えていそうなふりして何も考えてないとこ。こんな名前じゃ、みんなの最初にネタになるだろう、みたいな。
蒼が自分は他の人とは違う、と“無意識”に良い子ぶっているところ。選択を間違うんじゃなくて無神経なんじゃないか? とか。ういういは良いんだけど、周囲を無視というか、自分本位っていうか。
脇役の手抜き方も。
海の彼女のネタバレも不自然だった。せっかく伏線張ったのに。と、これくらいに(←何様)。

そんなちょっとちょっとがもったいないのだ。その違和感はとにかく頑張って慣れるようにした。
でもそこが大丈夫になれば、きゅーんとして楽しい。特に胸きゅん度は高い。
3巻くらいから俄然盛りあがってくる。血や皮膚がぴりぴりするような恋している気分が味わえる。これぞ少女漫画の醍醐味!
最終的にはがっつり少女漫画でした、面白かったです。

自分の気持ちに先に正直にならないと、周囲も幸せにできない。まったくもってそう思う。
個人的にはタコちゃん、頑張れ。
                         2010/3/11

《こんなふうにおススメ》
若い世代、とくに学生さんにお勧めかな。ツッコミが少なくて良いように思う。
歳喰ってくると、いろいろと言いたくなるんですよ。


タグ:藤原よしこ
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ふ【藤原よしこ】

【藤原 よしこ】 ふじわら よしこ

恋したがりのブルー
タグ:藤原よしこ
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2010年03月20日

や【ヤマザキマリ】

【ヤマザキ マリ】 やまざき まり

テルマエ・ロマエ
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2010年03月18日

シンバシノミコ 01巻まで

【シンバシノミコ】 01巻まで  /光永 康則

三流大学から一流企業の集英商事に就職したが、入社して二週間、早くも異動になった菰田貞夫(こもださだお)。
総務二課は灯りも満足に点いていない地下二階。表向きは主に社内の雑用を引き受け、その実体は会長直々に設立された、通称、退魔課。心の隙間に入り込む魔を退治する。
上司で元は魔に憑かれ問題を起こしたが、会社の温情からこの課に移った端田の元、代々神主の家系で魔を退ける巨乳巫女の宮間一子(みやまいちこ)を中心に、新橋の魔を祓っていた。
菰田の転属の理由は童貞ゆえ。処女性がなければ祓う力は生まれず、内定者はみな非処女だったのだ。色っぽいけど処女の一子の影響で菰田は魔が見えるようになり、童貞を失ったらクビという過酷な条件を出される。
魔が差した人間の罪は消えないが、社会的に抹殺されないよう、彼らは今日も退魔に励む。

ビジネスジャンプ増刊、ビーシャン魂に掲載。お色気系。
「怪物王女」の作家さん。まだそちらは未読。

社内のセクハラ問題から、新橋を守っていくミッションになっていく。
ツッコミどころは満載で、それも確信犯な作品。呆れるほどのトンでも話ばかり。
一子の実家の階段に大笑いした。どんなだよ。
一子の妹の二葉は、秋葉原の巫女。ツインテールでメイドを従えてる。他の地域の巫女も気になる。
でも一番気になるのが、魔物より謎な会長。
                         2010/3/10

《こんなふうにおススメ》
これからの展開も想定できるんだけど、それを遙かにぶち壊して欲しい期待作。


タグ:光永康則
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み【光永康則】

【光永 康則】 みつなが やすのり

シンバシノミコ
タグ:光永康則
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2010年03月16日

めぞん一刻 (完) 全15巻

【めぞん一刻】 全15巻  /高橋 留美子

時計坂の一刻館に管理人として音無響子がやってくる。彼女は訳ありの未亡人だった。
一刻館で下宿、生活しているのは、妄想癖のある優柔不断な浪人生後に大学生の五代裕作、謎の男四谷、スナックに勤める開放的な六本木朱美、酔うと宴会モードに突入世話好き一の瀬のおばさん夫婦とその息子の賢太郎。
彼らを交えて、そこに五代のガールフレンドの七尾こずえ、テニスコーチの三鷹瞬らが絡んでどたばたの、ちょっと大人のラブコメディ。

ビックコミックスピリッツ。1980年から87年まで連載。テレビドラマ、アニメ、映画にもなる。

めちゃくちゃ懐かしい。この作品はクラス中で連載を読んでいた。理由は、クラスメイトの仲良しにかなり歳が離れたお姉さんがいて、そのお姉さんの仕事先が小学館のビックコミックスピリッツ編集部だったのだ。まだ世の中がわかっていなくて、この時に編集という仕事があるのを知った。そんな才女の姉を持つ友人は、発売日より早くこの雑誌(&サンデー)を入手、学校に持ってきて皆で回し読みした。
年代的にはあまり記憶にないのだが、最初はたぶん単行本で、後半は連載追いだったのだと思う。その仲間たちと映画の「うる星やつら」も観に行ったなー。
ああ、懐かしい。そんな思い出の作品。

いったいどれくらいぶりに手にしたのだろう。ほぼ20年ぶりに近い再読はかなり印象が違って興味深い。
気になるところが以前とは違う。そこがまず面白い。
はあぁー、たぶん一の瀬のおばさんだって30代半ばくらいだよね。登場人物がほとんど年下の域だよなー。かるくショック。

作品はやっぱり面白い、それが素直な感想。
テンポもバランスも最高。ストーリーにも無理がなく、くすっと笑えて温かい気持ちになる。オチもにやりとさせるものが多い。
脂の乗り始めた頃だったんだと思う、文句のつけようのない作品なのだ。名作。
後年、この作品のオマージュが多い、金字塔的国民漫画になっている。
こういう素直に楽しめるお話が今は少ないように思う。

改めて読んでみて……思い込みが激しくて、子どもっぽく流されやすい管理人さんが可愛い。こういう隙だらけの女の子、モテるよね。その天然ぶりが嫌みじゃないのが秀逸。うーむ。男子だけでなく女子の心も攫っちゃうのは当然にみえる。
それに小動物や子どもが可愛すぎるのも、この作家さんの楽しさ。
普通に考えるとダメでどうしようもない人たちばかりなんだけど、分け隔てない愛が注ぎ込まれていてなんとも。

時間を経ただけでなく歳とともに印象に残る部分が違うのも発見。
けっこういろいろと覚えてる。とくに連載と重なっていたシーンは構図まで暗記していた。
ネクタイ直すとこ、懐かしかった。
制服飲み会も。
惣一郎さんてすっごく年上(二回りくらい)のイメージだったけど、一回り弱だったんだ。そんなに違和感ある恋愛じゃないよね、大人になると。

子どもの時は笑って楽しめたけど、五代と管理人さんの流され方はたま〜にいらっとくる。
これで世の中の優柔不断な方々に大きな勇気を与えたのだと思うけど。

ほんと名作。
最後はうっかり泣いた。
                         2010/3/14

《こんなふうにおススメ》
読まなきゃならない作品と思えます。

【コミックセット文庫版】


【コミックス文庫版】

タグ:高橋留美子
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2010年03月14日

女王様の犬 (完) 全11巻

【女王様の犬】 全11巻  /竹内 未来

クラスでは根暗で虐めの対象の神守天音(かもりあまね)は、人気者の犬上兵衛(ひょうえ)と付き合っていて、またそれが羨望と嫉妬を起こしている。しかしその正体は、言霊を使い名を操る真名使いと、その狛鬼。契約によって結ばれた関係で、兵衛は天音の生気をエサにして働く天音の下僕だった。
天音は人里離れた村に棲む真名使いの直系だが、社会勉強のために村を出て、幼い頃から下僕として天音を守ってきた兵衛とともに学園生活を送っていたのだ。
仁科貴子は天音を助けに行き事件に巻き込まれるが、その記憶は天音に消される。しかしそれがきっかけで天音の親友になる。
後に天音の従兄の平鹿勇人(ひらかはやと)が教師として赴任してきて、彼らは学園中心に奇怪な事件に遭遇していく。オカルティックラブコメディ。

プリンセスからプリンセスGOLD。2001年から06年まで連載。最初の巻には、学園SM(セクシーモンスター)コメディとある。なるほど。

表現はえぐいところも。
キスが生気のやり取りという萌えがついてくる。
使役されている狛鬼の兵衛の方が世知に敏いのが可笑しい。そして齢を重ねているには悟っていないところも。

やっぱ、主役のヒロインは天然で、かっこいい彼がその娘に夢中の、王道の図式は萌えるんだなー、納得。
ちょっとオカルトで軽い感じのラブコメかと思って読み出して……すぐに謝った。しっかりメッセージもあってかなり面白〜〜い。
自分探しの話でもある。自分とは何か。自分の人生は自分で選び取るもの。それらが説教臭くなく、少女漫画らしく楽しくまとめられてさすが。そんな内容は「フルーツバスケット」に少しかぶる。

キャラに共感でき、読みやすいしバランスも良い。
とくに貴子が可愛くて仕方ない。
良い作品に出会った満足感で、一気に読み進められた。評判良さに裏切られなかった。
ところどころ入る邪魔にならないギャグは貴重。作者さんのセンスが良いんだと思う。
タイトルで損しているんじゃないかと思うけどこれはこれで好評らしいし、次作も「縛り屋小町」で、えぐい方がウケるんだろうなー。
後半はテンション高く畳みかける。良いお話だった。

良き言葉を使う。まったくもって同感。日々を反省。
天音たちの村(上護島)は、沖津島にそっくりに見える。
言霊だから「ひふみ祝詞」なのかな。
石榴が死んでしまったのがもったいないと思っていたら、案の定再登場。
馬刺プリンは試したくない。
                         2010/3/08

《こんなふうにおススメ》
面白いです。この作家さんの他の作品も読みたい。

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:竹内未来
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た【竹内未来】

【竹内 未来】 たけうち みっく

女王様の犬
タグ:竹内未来
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2010年03月12日

失踪日記

【失踪日記】 全01巻  /吾妻 ひでお

作者の実話。人気漫画家の作者が、アルコール依存と鬱で失踪し、ホームレスとして暮らしていたことを淡々とギャグを交えて綴る自伝的作品。

フリースタイル社の「このマンガを読め!2006」1位。第34回日本漫画家協会賞大賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第10回手塚治虫文化賞マンガ大賞、第37回日本SF大会星雲賞ノンフィクション部門を受賞……が、皮肉にもみえる。
一部「お宝ワイドショー」に不定期連載。イースト・プレスから刊行。

「暗くなるからリアルさを排除している」と冒頭にあるが、89年からの最初の失踪事件から始まる。92年に再度失踪。確かにこれ、リアルだったら読んでいてもきついかも。
こういうところは、バランスの良さに感じる。自分を俯瞰で見る距離感が絶妙。この淡々としたところ、突き放した目線がかえって寂寞と迫ってシュール。

鬱とアルコール依存の怖さをまざまざと感じる。現在それなりに成功しているとか、まったく関係ないもんなんだな。
このサバイバル生活の逞しさはなんとも。

ホームレスに色紙を出して「夢」と書かせる警察官に、しばらく立ち直れないほど笑った。漫画読んでてこんなに笑ったことはないくらい、仕込まれたネタに笑った。
面白すぎる。やっぱ天才。

話はホームレス生活から、ガス配管の仕事を始め内管工事士になったエピソード。
漫画家生活の実体。
そして98年のアル中闘病記。家族に拘束されて精神病院に入院する。
すごすぎる。アル中ってこういうことなんだ……。知らなかった……。
アルコール依存症は一生治らないという。ぬか漬けのきゅうりが生には戻れないのと同じという例えが怖かった。
家族も大変だ。奥さん、尊敬。

子どもの時、何かを読んだが当時はこの面白さがよくわからなかった。この一冊だけでも才能溢れた方なんだと実感。
そのゆらぎが不安感として自分を襲ってしまったのかもしれない。天才の一枚裏表かも。壮絶。
確かにこれは名作だと思う。
                         2010/3/09

《こんなふうにおススメ》
百舌谷さん逆上する」と対称的で、絶妙に面白かった。人として一読すべき、とまで、言ってしまう。


タグ:吾妻ひでお
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あ【吾妻ひでお】

【吾妻 ひでお】 あづま ひでお

失踪日記
タグ:吾妻ひでお
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2010年03月10日

し【篠房六郎】

【篠房 六郎】 しのふさ ろくろう

百舌谷さん逆上する
タグ:篠房六郎
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2010年03月08日

DEATH NOTE (完) 全12巻

【DEATH NOTE(デスノート)】 全12巻  /小畑 健(原作/大場 つぐみ)

死神界の死神リュークは人間界に“デスノート”と呼ばれるノートを落としてしまう。それに名前を書かれた者は40秒後に死ぬルールのノートだった。
全国模試ではトップ、類い希なる頭脳を持つ17歳の夜神月(やがみライト)はノートを拾い、早速それを試し始める。リュークはライトに「代償はないが強いて言えば、そのノートを使った者が死後行く先は、天国と地獄でもない」そのノートを使った者にしか訪れない苦悩と恐怖が待っていると伝える。リュークが“わざと”デスノートを落とした理由は「退屈だったから」。ライトはノートを使って悪人のいない新世界を作ってみせると息巻く。そして自分は新世界の神になると。
短期間で多くの凶悪な犯罪者が死に至り、ICPO(インターポール、国際刑事警察機構会議)が不審を持つ。そしてどんな事件も解決できる最後の切り札、その世界の影のトップと呼ばれる通称L(エル)が動き出す。ライトは「キラ」とアイコンで呼ばれるようになり……Lvsキラ。似た者同士の知恵比べと心理戦。

週刊少年ジャンプ。2003年から2006年まで連載。社会現象にまでなった作品。アニメやドラマ化、映画にもなる。
面白いよと聞いてノック初期に読み始めて途中で放って、また改めて読み直す。内容は2011年まで描かれていて、なんだかリアルタイムで楽しんだ感じもある。

面白い。ライトの父親が刑事局長でこの事件の指揮を担当していたり、次々と飽きさせないパズルのようにピースが繋がっていく。
絵も見事。カラーも良い、感服。
この作品のファンが、このコンビで描いている次作で今話題の「BAKUMAN」を認めないのもわかる。素直にこのスピード感と緊張感は貴重と思える。特に前半はテンション高かった。

月のような願望は誰でも一度は考える。デスノートを手にした者なら使ってみたいと思うだろう。最初は正義のゲームだったものが、だんだんと人々の想いや思惑が巻き込まれて、思わぬ方向に形を為していく。その表現に手を抜いていなくて、胸を突かれたところが多かった。
それにしてもここまで平和を希求する人々はいるんだろうな。それに比べると自分はただの傍観者に過ぎない。

ノートのルールが多過ぎではあるよね。
かなり面白いので、他にツッコみたいところはあるけど、それらはどうでも良い気分にさせられる。
優秀な女性が出てこないのは原作者の偏見がある?
BLOODY MONDAY」は絵も含めてこの作品を意識していたことも感じた。
面白かった。

2008年2月に特別読切として描かれた3年後の話も読む。
夜神月とLって特別な均衡を持つ間柄だったんだなーと今更ながらに思う。
                         2010/3/06

《こんなふうにおススメ》
やっとまとめられた。後半は好みがあると思うけど、前半はすごい。今更だけどオススメ。
13巻完結とされていることが多いけど、13巻目はガイドブック。

【コミックセット】


【コミックス】

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2010年03月06日

蜻蛉迷宮 02巻まで

【蜻蛉迷宮】 02巻まで  /菜住 小羽(原作/谷川流)

旧家の迷路のような大屋敷の次男、櫛木宗次。兄の一史が突然家を出て跡を継ぐことになり実家に戻る。成績優秀、スポーツ万能、父は有名人で地元でも知られた存在。
家では実妹の曜子、義母の連れ子の波留巳(はるみ)、妾腹の妹の荻原咲らに囲まれ、過度の期待をされて息が詰まり、一度はそこを抜けだし遠い全寮制の男子校に入っていたのだ。
クラスメイトの笹井由香子は生徒会執行部兼情報部で、宗次は夏に起きた三件の殺人事件を聞く。そして宗次の父の力を貸してくれとむりやり事件をまとめたファイルを押しつけてくる。因縁の櫛木家を巡る謎。

電撃文庫MAGAZINE。「涼宮ハルヒ」の作家さん。
ハルヒや由香子みたいな女子はこの原作者の青春の一ページな気がしている。作家さん自身がけっこうめんどくさい性格で(褒めている)だからこそ、こんな子に憧れて好きだったんだろうな。こんな明るい女子と共有知を持って、閉塞感のある日常をぶっ飛ばして欲しかったのかもしれない。

漫画作品として良く出来ている。人物に感情移入しやすいし、描きこみも細かくて、世界観が伝わりやすい。
しかし2巻からは絵師さんが変わったのかと思うくらい雑にみえるのが残念。絵柄も変わる。

初めは由香子がうざいんだけど、櫛木家の暗さがクローズアップされていくほど、その明るさが救いになる。
異常な旧家もよくある設定だけど、姉妹たちと宗次の関係、双子の兄の一史、様々な謎と事件がじわじわ語られる。まとめて読まないと見えてこない。今後の展開の予想は2巻でつくが、3巻くらい進むとすっきりするのだろう。やたらと語られた宗次の優秀な部分に違和感があったのが、たぶん回収されるはず。

平安時代編は、賀茂別雷の神の名をあげるので櫛木(苦止鬼)は賀茂家系統の陰陽師にみえるが、陰陽道は違う名を奏上すると思うのでその派ではないんだろうし、ここではただの記号なのだろう(神渡は諏訪だろうし)。
先は長そう。
                         2010/2/25


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な【菜住小羽】

【菜住 小羽】 なすみ こはね

蜻蛉迷宮
タグ:菜住小羽
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2010年03月04日

B.O.D.Y. (完) 全15巻

【B.O.D.Y.】 全15巻  /美森 青

二年二組佐倉凌子(りょうこ)16歳。隣の席になった藤竜之介が気になる近頃。彼は地味目で愛想もないと親友のアスカと雪には圏外、でも凌子は真面目そうなところが気になっていた。
竜之介への気持ちを自覚した翌日化粧にも気合いが入ったが、彼は学校を欠席。しかし帰り道、女性に拉致されそうになっている竜之介を見かける。しかもその女にキスまでされていて。凌子はパニックになりながら竜之介を救出、事情を聞くと彼は出張ホストのバイトをしていると話す。凌子はそれがきっかけになり再三からかわれるように。
そんな凌子を竜之介は面白がって好きになりそうだと言う。カッときた凌子は軽くて嫌いなタイプ、絶対好きにならないとゴミ箱で張り飛ばす。竜之介はその「絶対」に対し「好きにさせる」と宣言する。
そしてマラソン大会の時に凌子は理想の王子、稲葉に出会い一目惚れ。ふたりはどうなるのか。

2巻短編「さぁ今日も学校だ」
高校一年生の広沢明(あかり)。女子大付属の学校のためか男女比は女子が多く、しかも女子クラスの7組になってしまう。自棄になってラブ禁止と騒ぐが気になる男子が現れて。

別冊マーガレット。
基本は、主役のふたりがくっついてから巻き込まれるジェットコースターストーリー。

ネタは王道。最初は読み辛いけど、読むなら最後までがオススメ。途中で止めると「なんだかな」で終わってしまう。
少女漫画らしい、恋する気持ちって良いよねは、12巻以降にやっと出てくる。13巻がクライマックス。これ、連載読みだったら辛かったかも。それで耐えられるのはマゾで「僕等がいた」に近い。

絵はキレイ。好き嫌いはないと思う。キャラは格好良くてかわいい。
最初は手書きの細かい文字が多くて読みにくく、めんどい。10代の子たちにはそれがきっと楽しいのだろう。
それと何でも自分仕様に完結しちゃう思い込みの激しいタイプは、この作品かなり好きになれるかも。

読み始めはリズムが合わずなかなか乗れず、失敗かなと思った。ツッコミどころ満載でなんかイライラしてきてだめだー、と。何にもしないで(かき回すだけして)後始末もつけないで吠える人がNOなので、主人公がうざくて共感が一切出来ず(後半は凌子はかなり大人になる)。読んでしまってすみません、って感じで、全巻目の前にあるしほんと泣きそうになった。
最初の4巻までは苦痛、5巻後半からまあまあ、このあたりからコマも大きくなって見やすく話も全体を追うようになっていく。長期連載が視野に入って作家さんにも余裕が出たのかも。漫画連載って難しいものですね。

ストーリーは悪くない。
最初の巻のあたりの調子の出ない感じは、少女漫画で読むのにつまずきそうな作品にみられる、ちょっとずつの歪みが原因だと思う。例えば、凌子の直情型言動はこのままではただうざい。これがもっと素直な明るいバカキャラだと可愛い。それが「花男」のつくしなのかも。
なんで竜之介を好きになったのか、どこが良いのかが描かれているけどまだ感情移入まで至らない。読者が唸るエピソードがあってこそ、凌子が突っ走れば頑張れと思える。そこまで好きになれたら幸せだよね、という羨ましさも交じった共感を得られるのだ。
少女漫画にはこの「羨ましさや憧れが交じった共感」は必須だと思う。一歩間違うと憎くなればなお最高。

中盤からは登場人物の動きから話が起きるより、全体の流れにキャラが乗っていくのでリズムができた。
中盤以降は、次々に癖のある若い読者に嫌われそうな憎まれキャラが登場し、彼らに文句をつけながら、ふたりの恋を応援していくスタイル。古くからの王道(「ロミジュリ」や「愛と誠」みたいな)。

恋愛漫画ってけっこう大変なものなんだな。今まで軽く読んできたことを反省。
そうそう、本人は「正直」だと思っていても、実は「無神経」なだけだったりする。あるよねー。
エロとも聞いたが、まったくもって無問題。一番エロかったのはシーサー。
誰にも兄弟姉妹がいなくて不思議だった。

少しはほめたい。洋服がめちゃかわいい。10代のための作品。
                         2010/2/25

《こんなふうにおススメ》
若い人向けの作品。

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:美森青
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み【美森青】

【美森 青】 みもり あお

B.O.D.Y.
タグ:美森青
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2010年03月03日

まつりスペシャル (完) 全04巻

【まつりスペシャル】 全04巻  /神尾 葉子

高校生の羽生まつり。家を出た母に「祭りのような人生を」と命名された。
クラスのアイドルでナンパな男、諸角渉(もろかどわたる)に夢中になっている。
しかし、まつりには友だちにも言えない秘密があって。家がプロレス稼業で、借金返済のために「ハニー姫(プリンセス)」のリングネームで戦っていたのだ。
道ばたで絡まれた男どもを投げ飛ばしているのを、転校生の重松荒太に見られてしまう。

花より男子」の神尾葉子が「ジャンプSQ(スクエア)」にて連載している作品。
一応カテゴリーは少年青年系? 

やっぱり上手い。行間(イメージ的な)に余裕があるし、描き慣れている安心感を読み手にも持たせる。つかえないで読めるって素晴らしいことなんだな。そして……かなり面白い。やばい。
「花男」は好きじゃないけど、実力のある作家さんだと思う。

ジャーマン・スープレックス・ホールド、前々から気になっていたけど、どんな技かはっきりわかって良かった、すっきりした。
2巻の途中でやっと気づいた。そうか! キューティー・ハニーのパロでもあるのか!
続き追います。頑張ってください。
                         2009/1/02

《こんなふうにおススメ》
掲載誌は少年青年系でも、やっぱり少女マンガだと思う。
でも、これをきっかけに、少女マンガに馴染みのない男性にも是非。
                         2009/1/05UP

3巻/
まごころプロレスから脱退したまつり。放課後、表参道をふらふらしているところキャッチに捕まり、あこがれの諸角に助けられる。
まごころの皆はまつりの抜けた穴をなんとかしようと必死になり、荒太は高熱で倒れる。興行が失敗したまごころプロレスはファンの手でめちゃくちゃにされ、まつりは多額の借金の存在を知る。

まつりが参加した八百長試合、リングに叩きつける音が聴こえた気がした。震えた、やっぱ面白い。なんで4巻で終わっちゃったんだろう?
                         2010/1/30
                         2010/2/01UP

4巻/
荒太に告白されて動揺するまつり。
ハニープリンセス復活。そして諸角に正体がバレる。諸角はまつりとデート。
荒太は両親と北海道で暮らすことに。
いろんな事情がわかって、まつりは今まで多くの人に守られてきたことを知り、強くなろうと決意。リングに向かったまつりは仮面を外していた。まつりの中学生時代の話も。

最初からこの巻数で計算していたんだろうな。見事。さすが。面白かった。
                         2010/2/14


タグ:神尾葉子
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2010年03月02日

陰陽師 (完) 全13巻

【陰陽師】 全13巻  /岡野 玲子(原作/夢枕獏)

平安時代前期。西暦では960年前後。都は平安京、帝は村上天皇。菅原道真の怨霊に怯えていた時代。
陰陽寮に職を持つ当時の陰陽師の第一人者、賀茂忠行は、大膳大夫(だいぜんだいぶ)阿部益材(あべのますき)と葛の葉と呼ばれる狐との間に出生とされる安倍晴明を愛弟子にして、手塩にかけ教えを移していった。(作中、母は橘文子との大胆な仮説表記)
歳月経て、稀代の陰陽師として名が知られるようになった晴明と、親友で醍醐天皇第一皇子克明親王の子、殿上人ながらも武骨で、しかし笛の名人の源博雅との冒険譚。
博雅は天皇の年上の甥。母方の祖父は藤原時平で菅原道真の宿敵にあたる。

93年から2005年までの連載。コミックバーガーからコミックバーズ(5巻途中収録分から)。その後(9巻途中収録分)は月刊メロディにて連載。
手塚治虫文化賞マンガ大賞、星雲賞受賞。
文藝春秋から刊行の原作に沿っているのは中盤部まで。

だいぶ以前に数巻を読んだが、改めて丁寧に読み直して、感嘆する。面白かった。
まず初読の時はまだまだ歴史を知らない頃で、今だからこそ気づくことが多い。それでも知識は足りてないが。
かつては内容よりは人気漫画として気軽に読んでいたが、今はついつい調べ物に走ってしまい、ちっとも読み進められない。が、楽しかった。読了まで普段の5倍の時間がかかった。その上途中で酸欠になりそうだった。

陰陽師ブームの頃、岡野さんと親しい方の計らいで、ご本人にお目にかかり生の原稿まで見せていただいたことがある。興が乗ってその場で絵まで描いてくださった。
そのありがたさは今ではよくわかるが、その時は漫画そのものより人に興味を感じていて話が弾み、ぼうっと拝見していただけに思う。もったいなかった。まったくもって無知の怖さ。
先日は東吉野の丹生川上神社中社の宮司さんとも感心しあった。訪ねた時、宮司さんがこの本を見せてくださったのだ(ファンが訪れるからだと今はわかる)。この神社周辺も描かれている。

漫画の可能性の深さを思い知る。どれだけの表現がまだ隠されているのだろう。
構成は読みやすく、さすが。絵は繊細。見事な筆捌き。色が何より素晴らしい。絵巻のよう。意匠もどんどんと細かく凝ったものになる。
そもそも漫画が発展したのは、歴史的に日本は絵を(芸術を)個人の栄誉やエゴに固定化させずに(署名しない文化がまずそれ。西洋のオトグラフとは違う)、ちょっとした落書きすらをも受け入れたからだ。

かなり詳細にいろんな角度から調べ上げていて、独自の仮説も唸る。ため息とともに感服。
読んでいると晴明たちとともに庭を眺めながら酒を酌み交わしているようなたゆたゆとした優しい気持ちになれる。晴明と博雅のやり取りは雅楽を楽しんでいる気分になる。
晴明が博雅に「森羅万象に比べれば自分たちはちっぽけなもの。しかしそれを認めたからといって、行を放棄したり負けてはいけない。人も森羅もそれぞれに敵わぬところあり、それぞれに存在の価値がある」すべてに意味があると、因果を語る。そういったことを考えることが何かの前兆を読み解くことにもなる。
在原業平のくだりで晴明が「控えめに本当のことを言っても、人々は声の大きい目立つ方について行ってしまう」と、価値観の相違と理解の困難について語る。ささやかだけど見逃さないで拾うのは難しい。

最後の方はそれぞれがシンボルや在り様として登場して、キャラクターを超えてしまう。どんどん晴明が切なくて仕方なかった。晴明自らハイヌヴェレの神への神饌になる。
人というのは、最後に残される感情は「せつなさ」なのか。巡る時も何もかも。これが「哀れ」なのだろう。それを越えて「豊かさ」になる。
ここまでくると葛の名は象徴だ。
読み終わるまでこんなに苦しい作品はなかった。そして読了後の開放感も大きかった。
晴明が自由を認識した時、思わず泣けた。

以下は個人的覚え書き。今の自分のレベルのこれから調べたいこと中心。ほとんど独り言。
ちなみに陰陽道に関しては輪郭がわかるくらいでかなり知識不足。

内裏は北極星(北辰)の位置だったことに気づく。
1巻に吉祥草寺が書かれる。この「茅原山の修験」が気になる。この場所に講として存在したのか、修験全体のことを語っているのか。
桓武天皇の都の作り方は後に調べてみたい。早良親王の怨霊はずっと気になっていた。
九字は天台と真言で違うのは知らなかった。天台では身を護るため。真言は敵を破るため。陰陽道の九字もまた違っていて面白い。神仙道では神山に入る前に行者が誦する秘呪。
真葛の抱いている薫炉は正倉院宝物の銀薫炉がモデルだと思われる。羅針盤構造という、中の火皿が常に水平に保たれるようになっている仕組みらしい。素晴らしく優雅な技術。
追儺の意味を知って、なぜ東大寺のお“水”取りに松明が駆け回るのか、わかった気がした。
賀茂氏の祖神と泰山府君(赤山明神)が神の性格上繋がりがある、の部分が知りたい。わざとさらりと流して含ませてあるので気になりすぎる。調べてみると、泰山府君=牛頭天王。聞いたことはあったが流していた。牛頭天王はスサノオだ。熊野や太秦で見る。祇園祭(賀茂の祭り)は牛頭天王から始まっている。賀茂の祖神、阿遅鋤高日子根、別名は迦毛大御神(かものおおみかみ)は、大国主の子なのでスサノオの血縁だ。祭られているのは高鴨神社。上賀茂神社と下鴨神社の奥の院にあたる。安倍晴明の祖先にあたる役行者小角の父はここの神職だったとの一説もある。古事記で天照大御神と同格扱いなのはこの神だけだ。国津神のトップのいうわけか。
古の人たちは水銀の怖さを知らなかったのだと思っていたが、そうではなくそれを超えた肉体変容を望んでいたことを知り驚いた。そうなれば別な視点が出来て、それは高い精神性だ。
打ち伏し巫女の祝詞は何? 物部系の祝詞にも見えるけど別物の気がする。どこまで秘の書を繰っているのだろう。賀茂の若宮が降りて託宣とは下照姫のこと? 出雲系の祝詞なのだろうか?
晴明の語る陰陽五行論はわかりやすい。バックミンスター・フラーや黄金比にはまりまくったことがあるので幾何学解説はわくわくが止まらなかった。数学は本当に美しいと思う。ここの情緒が前出の銀薫炉に重なるのだ。
これを見ていると、ますます安岡正篤あたりの書物から易経を学びたくなる。カバー見返しの卦も気になる。たぶん内容にリンクしていると思われる。(終盤の安摩の舞で晴明が倒れた後、夢の中で視たヴィジョンでは後天図が描かれる。これで初めて、神々は星々のことなのだと心底腑に落ちる)
ちなみに昨年から今年にかけては艮金神の二年間と言われ、膿出しでいろんな変革があると言われる。
囲碁にも興味が出た。やっと「ヒカルの碁」に手をつけられる。
7巻で晴明が菅公に対する時、読み上げた祝詞は吉田神道のものか(大本教っぽいけど、この尊神の名は吉田神道)。大元尊神は国之常立神のこと。私の薄い知識の中でも、確か、平安時代当時に起きたオカルトブームは、現代のノストラダムスや2012年マヤ暦の世紀末思想のようなそれに対する講じ手として、吉田神道的なものは“流行って”はいるが、吉田神道が大成したのは後年の室町だ。あえてここで作者が晴明に詠ませているので、何かこれに基づいた資料があるんだろうし(言っている人がいるんだろうし)、それにこの作家さんは出自のない仮説は立てそうにない。
この時、博雅は菅公に対しての感想を「いいなあ…」と漏らす。素直な博雅らしいし、裏を返せば悟りに向かう全ての人の、胸の内の代弁だ。ページの終わりに持ってきて、その効果は韻を踏むのと同じで唸った。その後も深い。
眠っている時にも烏帽子をつけていて驚く。この時代はそうだったのか。
駒清水は現在の瓜割の滝。ここでの駒は龍のことらしい。
貴船での龍神祝詞の後の祝詞がわからない。陰陽道のものか?
北野の社(天満宮)の元々の主祭神は火雷神とのこと。=菅公の説もあり。ここでは雷神として描かれる。私は火雷神≠雷神だと感じている。
「神楽は反閇である」と、この作者が語った晴明神社が編集した書物「安倍晴明公」をかつて読んでおいて良かった。この本は「こんなことまで話して良いの?」と、ドキドキする箇所が多く面白すぎた。今は絶版。
後半の呪に関して理解が深まる。
晴明の自棄は共感実感できるだけに、胸に留まる。これ以上は言葉にできないのも「そう」だ。大いなる意志は容赦がない。とことん手放させるし、突き詰めてくる。晴明がもっとも苦にし忌まわしいと感じるところまで己を捨てさせる寄り切り方には溜め息だ。
10巻からはよくわからないと批評されている。しかしこんなにも切ない、我が身に移らせられる内容はひたすら沁み入る。まさに「人事尽くして」だ。この「対」は出雲に繋がる。
安摩は圧巻。こういう内容を表現できるものなんだなぁ。感慨深い。やたらと頷きまくった。
「言う」と「責任取らされる」よね。
貝でフラクタルを描く。
禹歩のスピードは納得。
真葛はスサノオの娘か。
11巻からは宇宙構造をフラクタルで説明しながら、仏教や禅で言えば悟りと融合にあたる部分を描いていく。竹内文書は未読だが内容はこれに重なっているところも。かつて天河の“仙人”から教えられた話に重なった。視ている次元の差異だ。
勾股法(こうこ)に興味。
12巻の最後の方で晴明が語る陰陽師の能力について、同じことを占星術のプロも話していた。となるとケースワークを学ぶことは大きいといえる。
修験の祭りでも四隅より弓を射るのが少し理解できた。

今の時期に通読できて良かった。少なくとも以前だったら読みこなせなかった。
ここから先はああだこうだ勝手に語る。どこまでいっても言葉遊びに過ぎないが。ホントのことなど誰もわからないのだ。

読了直前にお茶した読書家の友人に勧める。いくつかの質問があったのだ。
「記紀(古事記と日本書紀)の素養があって、易経の大まかな枠組みがわかり、道教や密教、修験のだいたいの歴史観が必要で、多少の民族伝承に明るく、ついでに言えば松岡(正剛)さんの“ひとりごと”が理解できる人だと、これは面白い。欲を言えば、若狭から和歌山にかけての旅をしているとなお楽しい」と伝えたら、大笑いして「それは普通ではハードル高すぎだね、とくに松岡さんの“ひとりごと”はなかなか」。
この友人は旅まで含めてどれもクリアしている(私はまだぜんぜん)。若狭から串本は“龍の背骨”とも言われる水の道。
特に彼は学問としての易経の専門。深すぎて占もできる。
作中の内容から「後天図」を描いてみたので、ここに天文の星が重なるのかどうか、彼に読み解いてもらおうと思ったのだ。
スサノオの部分はよく言われるところだけど、卦に九星を入れるのは実は無理があるとの意見。ましてやタケミカヅチのオリオンくらいで星も重ならない。この後天図の中で「天津神と国津神が一緒で、記号としてみても土俵は違うはず」。「考え方はいろいろあるけど」とも。
ただ、私がつい「後天図」に落とし込んだけど、実は「先天図だったのかも」と途中で気づく。他にも穴を質問されたからだ。
大まかは変わらないけど、まだまだ勉強不足ではある。

確かにこの作品、他にも実はかなりツッコミどころはあるのだが、仮説として良く出来ている部分が多いので、重箱の隅になる。いろんな意見があってよい。

時代が変わり、星と地球との関わりの変化とともに(※)、これらのプロトコルがもう使えなくなってはいるが、こういうのを読んでしまうと民俗学とか古代史もっと真剣にはまりたいなー、と思う。そんな時はこのノックをやめたくなる。時間足りなすぎ。

読んでいる時のBGMは意外にもロックが合って、それもしっくりきたのがFranz Ferdinand。驚きというか納得というか。オルタネイティブの香りがするからか。
                         2010/2/28

※ ちょうどNASAからチリ大地震の影響で地軸が8cmずれたと発表された。2004年のスマトラ地震でもずれている。とすると、地球と北極星の関係は以前ほど密にならない。当時からどれだけずれているのかわからないが、そういうのも影響してくる。

《こんなふうにおススメ》
この生命の意義を考えたい方に。たっぷり考えさせられます。

【コミックセット】


【コミックス】

posted by zakuro at 16:08| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

お【岡野玲子】

【岡野 玲子】 おかの れいこ

陰陽師
タグ:岡野玲子
posted by zakuro at 15:24| Comment(0) | 作家別【あ行】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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