2010年03月12日

失踪日記

【失踪日記】 全01巻  /吾妻 ひでお

作者の実話。人気漫画家の作者が、アルコール依存と鬱で失踪し、ホームレスとして暮らしていたことを淡々とギャグを交えて綴る自伝的作品。

フリースタイル社の「このマンガを読め!2006」1位。第34回日本漫画家協会賞大賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第10回手塚治虫文化賞マンガ大賞、第37回日本SF大会星雲賞ノンフィクション部門を受賞……が、皮肉にもみえる。
一部「お宝ワイドショー」に不定期連載。イースト・プレスから刊行。

「暗くなるからリアルさを排除している」と冒頭にあるが、89年からの最初の失踪事件から始まる。92年に再度失踪。確かにこれ、リアルだったら読んでいてもきついかも。
こういうところは、バランスの良さに感じる。自分を俯瞰で見る距離感が絶妙。この淡々としたところ、突き放した目線がかえって寂寞と迫ってシュール。

鬱とアルコール依存の怖さをまざまざと感じる。現在それなりに成功しているとか、まったく関係ないもんなんだな。
このサバイバル生活の逞しさはなんとも。

ホームレスに色紙を出して「夢」と書かせる警察官に、しばらく立ち直れないほど笑った。漫画読んでてこんなに笑ったことはないくらい、仕込まれたネタに笑った。
面白すぎる。やっぱ天才。

話はホームレス生活から、ガス配管の仕事を始め内管工事士になったエピソード。
漫画家生活の実体。
そして98年のアル中闘病記。家族に拘束されて精神病院に入院する。
すごすぎる。アル中ってこういうことなんだ……。知らなかった……。
アルコール依存症は一生治らないという。ぬか漬けのきゅうりが生には戻れないのと同じという例えが怖かった。
家族も大変だ。奥さん、尊敬。

子どもの時、何かを読んだが当時はこの面白さがよくわからなかった。この一冊だけでも才能溢れた方なんだと実感。
そのゆらぎが不安感として自分を襲ってしまったのかもしれない。天才の一枚裏表かも。壮絶。
確かにこれは名作だと思う。
                         2010/3/09

《こんなふうにおススメ》
百舌谷さん逆上する」と対称的で、絶妙に面白かった。人として一読すべき、とまで、言ってしまう。


ラベル:吾妻ひでお
posted by zakuro at 00:00| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あ【吾妻ひでお】

【吾妻 ひでお】 あづま ひでお

失踪日記
ラベル:吾妻ひでお
posted by zakuro at 00:00| Comment(0) | 作家別【あ行】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。