2010年05月26日

涼宮ハルヒの憂鬱 11巻まで

【涼宮ハルヒの憂鬱】 11巻まで  /ツガノ ガク(原作/谷川流)

キョンはごくごく普通の、特に目立つこともない男子高校生。
入学して初めてのクラスメイトへの自己紹介で、後ろに座った女子高生はいきなり皆を引かせるコメントをする。
「この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら私のところへ来なさい」
一般人には興味がないと言い切る彼女は、飛び切りの美女だった。こうしてキョンは、涼宮ハルヒと出会う。
やがて、ハルヒはSOS団(世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒの団)を作る。巻き込まれたキョンが出会っていくのが、宇宙人の長門有希(ゆき)。未来人の朝比奈みくる。そして超能力者の古泉一樹(いつき)だった。
実は彼らは神の力を持つと言われるハルヒを監視、観察する為に、この高校に集まっていたのだ。それらの事実をまったく知らないのは当のハルヒだけ。
ひとりだけ“普通”の平凡なキョンは、こうしておかしな事件に巻き込まれていく。

2巻までが、憂鬱を収録。
7巻から消失が始まっている。

ラノベで人気の作品。
アニメは京都アニメーションが手掛けて一躍大ヒット。このチカラが大きい。とにかくこれは秀逸だった。
そろそろ二期が始まる兆し(※)で、先日深夜「笹の葉ラプソディ」が放映され、偶然にもほぼリアルタイムで観る機会に恵まれたので、コミックス読み直し。
コミックスは、月刊少年エース。
ちなみにこの話は3巻に収録。

改めてこの作品がよく構成されているのに気づく。
設定は大きな話に見えるのに、学校を中心に小さな街を抜けていくことがない。とてもミニマム、小さなセカイで起きている物語なのだ。そして、ハルヒの脳内で世界が創られているに掛けているというダブルミーイング。
これが、セカイ系と呼ばれる由縁。セカイ系なんてさ、梶井基次郎がやってたじゃん、と思うのだけど。

設定だけがあって、その上に様々な物語が自由に乗る。
構造は、サザエさんやルパン三世と一緒。なので、ミステリーからSF仕立て、スポーツと、まったくもって自由。

元々、この作品はキョンが狂言回しで、その口調が想像出来るモノローグが特徴。これが大きな魅力なのだ。
アニメはそれを声優の杉田智和さんが見事に演じたのが良かった。
コミックスは字数が多くなるので、そこが見事に割愛されていてとても残念。漫画の限界なのだと思う。でも健闘はしている。
ページ数もあるのだろうが、基本的に原作に忠実なのではあるけど、ここは描いて欲しかったなーと思う部分が多くて、それも個人的に残念。原作がある多くの作品に共通することなので致し方なし。

ただ絵は手抜き感たっぷりで、イマイチ、キャラクターの魅力まで表現されていない。
コミックスの可能性は絵で見せることでの総合芸術。やれることはまだあるはず。そこまで行っていれば、感動なのだけど。

ハルヒってシバ神だよなー。
長門のゴスロリ(厳密には違うんだけど)は可愛かった。
キョンってどんどん普通じゃなくなってる。もう君は一種の超能力を身につけてるよ。

ハルヒってやっかいな性格。迷惑だしうざい。嫌われてもおかしくない。
ラノベを読んだ時にそう思った。
実は中学生くらいの私がこんなキャラだった。振り返ると穴があったら入りたいくらい恥ずかしいけど、ありがたいことに巻き込まれてくれた友人たちとは、今でも一緒に温泉旅行などをする仲。なので、同族嫌悪的な意味でハルヒには感情移入出来ないんだけど、それもこの作品らしさかも。同じような人多いんじゃないかな。
ファンの人気投票って、ハルヒって5人の中では5位な気がする。
脇役を立てる主役ってすごい。あ、主役はキョン?

1巻の奥付は2006年4月。コミックス化はアニメ放映と同時期。
一年遅かったら(プロモーションにならないけれど)、もっと違った漫画作品になったかも知れない。

※ アニメは、どうやら一期と二期が同期している様子。
再放送の中に二期の新作が組み込まれていて、一期話数は14話だが、今回の放映は全28話になっている。
8話目が新作初登場で「笹の葉ラプソディ」だったのだ。
ちょうど一年前くらいに、関係者にお酒の席でこっそり聞いたのは、「本来は2008年秋から放映予定だったけど、どうやら制作会社の都合(こだわり)で延びる。いつになるかはわからない」
この作品はとにかく箝口令がすごくて、業界であっても情報が漏れない。それを聞けただけでも、すごいっ!と思った。(もう放映されているし、喋っても良いですよね)
放映を調整させることの出来る制作会社なんて、ありえないですよ、業界常識としては。
京アニ、すげー。
神がかっているのは作品よりもスタッフだ。
                         2009/5/22

UP追記>
このUPもまだ先にしようかと思ったのですが、夕べの“祭り”で、まあ、今日でも良いか、と。
作品って、タイミングがありますよね。

《こんなふうにおススメ》
けいおん!」でも書きましたが、京アニが絡む作品は、原作はもちろんアニメも観ないと始まらない。そして、その周辺の現象も。一種の社会現象ですから。
アニメ、ほんとによくできていますよね。
                         2009/5/23UP

9巻/
消失の続き。3年前の七夕に戻るキョン。そしてキョンの世界再改変へ。
闇鍋も。パラレル番外編は、明治のハルヒが夏目漱石にインスピレーションを与える話。

漫画としてはあまり魅力がない。作者が惰性で描いているようにみえる手抜き感が。原作ありきでつまらないのかな? なので原作を知らないと楽しめない。そこを越えて欲しいのに。
                         2009/9/07

UP追記>
常に話題の作品ですよね。アニメも「エンドレスエイト」をなんと8週放映したと聞いて(作画は違うが同じ内容)驚きました。2話観て挫折してました。
視聴者にうんざり感を与えるためだと思うけど、やり過ぎでしたね。
                         2009/9/09UP

10巻/
原作6巻「動揺」から「ヒトメボレLOVER」キョンの中学時代の友人が長門に一目惚れする。
続いての「雪山症候群」は、5巻「暴走」から。合宿で雪山に向かうが嵐に閉じ込められ遭難しかけるSOS団。これは続く。

中河の説明に、普通は中也と黄河をもってこない、ここ笑うとこ。
原作者はどれだけ長門が好きなんだ。ちゅるやさんの隠れた魅力も満喫。

改めて。
この作品の面白さは、ふたつ以上の設定を上手に組み合わせていること。大きなスケールアウトした話と、日常。その組み合わせが絶妙。
それが一瞬メビウスに入り込んだカオスな錯覚を感じさせるのだ。

難は作画。いっそ同人作家さんにお願いしたら良かったのに。
                         2009/12/03、12/05UP

11巻/
鶴屋さん別荘編。雪山での年越しミステリー。「雪山症候群」の続き。孤島のゲームな「猫はどこに行った?」 絶滅種の「レッドデータ・エレジー」

実は原作はとうに投げてしまっている。アニメの二期は挫折。漫画も惰性で読んでいた。
しかし、この巻は小説向き。面白い。これは原作の面白さだ。
アニメ、エンドレスエイト(これで挫折)だけ飛ばして観ようかな。この巻は三期に収録分だと思う。

私も単純だなー。数学やりたくなってきた。
鶴屋さんを表記しようとすると、つい「ちゅるや」さんになってしまうのは私だけじゃないはず。
                         2010/5/10



【ライトノベル】
こちらが、順番。
  1> 涼宮ハルヒの憂鬱
  2> 涼宮ハルヒの溜息
  3> 涼宮ハルヒの退屈
  4> 涼宮ハルヒの消失
  5> 涼宮ハルヒの暴走
  6> 涼宮ハルヒの動揺
  7> 涼宮ハルヒの陰謀
  8> 涼宮ハルヒの憤慨
  9> 涼宮ハルヒの分裂

ラノベの面白さは、まずは伏線の張り方。これは「ハリーポッター」に通じる。ハリポタ3巻目のメインキャラが1巻目の第1章に出てきて話題になったように、先日の「笹の葉ラプソディ」のネタフリは、キョンとハルヒの最初の会話に出てきている。それが、4巻目の消失に繋がっている、というような、張り巡らされた伏線の数々を解き明かす楽しさ。
それから、構造がゲーム的なのも面白さのひとつ。
狂言回しで、主役でもあるキョンには未だに本名がない。明かされていない。キャラクターの設定が細かくない、どこにでもいる普通の男子で、読者が感情移入しやすいのだ。
それを取り巻く、女子の萌え系記号キャラがはっきりしている。
ツンデレで暴走型(ハルヒ)、天然ドジッコ巨乳で可愛い系(みくる)、文系メガネっ子(長門)。
そして最後に、キョンのモノローグで話が進むテンポの良さ。視点がキョンからずれないのも、ゲーム的とも言える。
この3つが特徴。


posted by zakuro at 03:11| Comment(4) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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