2010年06月12日

バガボンド 13巻まで

【バガボンド】 13巻まで  /井上 雄彦(原作/吉川英治「宮本武蔵」)

宮本武蔵と佐々木小次郎の物語。

1巻〜13巻までが武蔵編。
関ヶ原の惨敗側にいた作州吉野郷宮本村出身の新免武蔵(しんめんたけぞう)。齢17。鬼の目をした野獣。
同郷の本位田又八(ほんいでんまたはち)のみが親友だが、途中で助けられたお甲母娘を襲うチンピラと戦う武蔵を捨て、母娘と又八は逃げる。残された許嫁のおつうに又八が生きていることだけは伝えようと宮本村に戻るが、追っ手と又八の母に殺されそうになり幾人も返り討ちする。
沢庵僧侶に厳しく諭され、宮本武蔵(むさし)の名を受ける。天下無双を目指しての流浪の旅。

モーニングにて連載。読書途中だけど、キリの良いところでUPしておく。
友だちから強く勧められたのと、今年いっぱいで連載が終わるとのことで追いつきたくて読み始める。

すごい迫力。全てのページに気迫がある。漫画というよりドラマ観ているみたい。すぐに夢中になった。
読み始めたら止まらない。これ連載追いは辛いかも。ここまで巻が進行していて良かった。
どんどん禅問答している境地になってくる。
何度も読み直したくなる。そしてとても哀しい話だ。

作品としてまずすごいのは、世界観も武蔵の視野に合わせてあること。
殺気と闘争心で生きているだけの若い武蔵は視野が狭く、最初の頃の巻の武蔵の周囲も狭い。
武蔵の視野が広がるにつれて世界の表現が大きくなっていくのが絶妙に現わされている。上手い。

人間がとにかく良い。年寄りがとくに。
武蔵はなんて可愛い男だろう。

何から読み始めたら良いか見当もつかなくて(「漫画コンシェルジュ」がいたらいいのに)まだ100冊も読んでいない頃に、勧められた「スラムダンク 」を読んで、個性的すぎたキャラとそこの人間模様の面白さがわからなかった。こっちが先だったら良かった。
それでこの作品もなかなか手が出せなかったのだ。
漫画って、初心者の時は物語で読ませるものを選ぶべきかも知れない。
初めて思った、今の子どもたちが若い内にこういう作品と出会えるのはとても羨ましい。

生活することは誰にでも出来るが、“生きる”ことはなかなか難しい。
最初は我(エゴ)との戦いになる。日常においてそれと向き合う日々になる。
目の前に起きる現実は自分の合わせ鏡で、どこまで行っても非力を感じる。
親しい友人たちとはそんな話をしながら「因果の帰りが早くなったよね」と語り合う。
剣の道もそうなのは納得。根っこはみな同じなのかも知れない。
ここで語られる物語はまんま日常だ。ライバルとは魂の戦友でもあり、人生には必需。好敵手の意味を初めて理解できたかも。でも戦うことでお互いを認識し合うのは哀しすぎる。
漫画を読んでいる話をして、これを勧めてくれたのは旅仲間で武闘家でもある写真家の友人。本音でなんでも話せる仲間。彼もそんなことを感じ取っていたのかも。

今の自分の壁が人生の中の序の口だとも理解。
考え込んで自分の今のダメダメ加減を知ることができたのも嬉しい。深いなぁ。
だから面白いんだよね、生きるのも。
                         2010/1/30、6/12UP

《こんなふうにおススメ》
深度の高い物語。ゆっくり読み進めたい。

【コミックセット】


【コミックス】

posted by zakuro at 04:02| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。