2010年08月17日

LOVELESS 09巻まで

【LOVELESS】 09巻まで  /高河 ゆん

10歳から人格が交代して、2年間の記憶しかない青柳立夏。そのことで母親から虐待を受け続けている。母親は、自分の「好み」であったかつての立夏を求めてくるのだ。
数ヶ月前に最愛の兄の清明が殺されて、自分の元にやってきたのは兄が”使役”していたサクリファイスと呼ばれる”戦闘機”の美大生、我妻草灯。兄を殺した相手を知りたくて、立夏は草灯とともに戦い始める。

ゼロサム。

なんだろう、ずっと感情移入できないのは作風が変わっているからだと感じていたが、この作家さんも庵野病を持っていて、それが心に違和感の痛みをもたらすのだろうか。人にとっては苦しい病気を扱っている、その苦さなのか。それらをイメージでもてあそんでいる違和感がある。
二次っぽいと思う作品には「黒さ」がある。そういう表現が二次的なのだろうか? と、書いたら、3巻くらいで面白くなってきた。
オンラインゲームのシーン、面白い。癖になってくるかも。
アート風な連載表紙は面白いと思った。
バージンはネコミミと尻尾がついている。子どもたちが尻尾で遊ぶ姿は単純にかわいい。その設定にする理由はわからない。非処女はネコミミがついていないってだけで……萌えるという記号的なもの? 設定に調教されたくない。慣れで調教されて反応していく。そういうのはとても怖い。
絵はキレイ。横顔は最高。コマのバランスも抜群に良い。変形コマ割りはとてもうまい。妙なエロさもある。
使われている言葉は好き。さすがに、"言葉"(スペル)だけはある。モノローグのフォントの大きさや種類をうまく変えて、不安定感を出している。
正直、いろんな意味で上手いと思った。
                         2008/1/30

8巻/
やばい、めちゃくちゃ面白くなってきた。5巻までくらいはわりと苦痛だったのに。
清明出てきたなあ、核心に迫ってきた。ここまでが長かった。
立夏カッコいい。一番大人じゃないか。早く続きが読みたい。
テーマは「大人とはなにか? 子どもとはなにか?」なのかも。それらは、定義の難しさを提示してくる。
                         2008/4/29、8/03UP

《こんなふうにおススメ》
ファッションの可愛らしさは見物。

UP追記>
最初は取っ付きにくかったです。その違和感について考えまくりました。

作者の子どもを見る目に、虚無感があるんですね。
例えば、虐待って大きく分けると二種類あって、やたら構うものと、ネグレクトと呼ばれる無視するもの。前者は、親の投影や期待や、どちらかというと歪みが子に託されますが、後者はまったくその存在を忘れられてしまう。
その後者の視線が常につきまとう作品で、違和感より嫌悪感すらありました。
作者は母親なんですよね。母親は、どんなに嫌でも一時的には社会の中に入って行かざるを得ない時がある。子どもを守るために。
作品から感じるその目線は、社会から完全に「はずれた」もので、それに嫌悪を感じたんだと思う。それは母親らしからぬ、「不安定さ」かもしれない。子どもをたんに突き放しているだけで、作品内に「回収」はその時点にはなかった。
当初、これをストーリーメイクの中で意図してやっているのであれば、すごい作家だと思いました。
その後、話はどんどん面白くなっているので、そこの始末をどうつけるのか期待です。

ちなみに実験をしました。オタクな母親、何人かに勧めました。
みんな途中で挫折、読まなくなる。本人たちにたぶん理由はわからない。でも、「ノレないんだよね」と答えが一様に返ってくる。
ひとり、十数年の私の片腕、二人の子どもの母であるスタッフ。彼女はどんなことでもやり遂げてくるので読み切りました。
「最初は辛いけど、途中から面白いですねー」
それもすべて計算のうちなら、あっぱれです。
もしも。自分の「不安定さ」を子どもにぶつける世の中の母親に対してのアンチテーゼとして、これがあるのなら、そしてその親すら救済していくのなら、ずっとこの作家についていこうかと思ってしまうのでした。
                         2008/8/03

9巻/
海堂貴緒(キオ)は清明に拉致られる。キオの草灯との回想。立夏たちが監禁している赤目二世と交換条件を清明が出してくる。英雄とユリ様。BLOODLESS。心を破壊する戦闘。立夏の恐怖。蝶間キオ。
限定版には、ユイコたちのヒミツに立夏が拗ねる話。

これって少女漫画カテなんだよね、今更だけど。
ストーリーはぐだぐだ感が否めない。清明の登場でテコ入れされたかと思ったのに。刊行のリズムっていうのもあるもんなんだなー。

コーヒーが飲めない立夏の理由は子どもだってことを思い出させる。
瑶二と奈津生に癒される。目を瞑るともっと怖くなるのは真実。
立夏が来ているようなコート欲しい。
作家さんは「BLっぽい」って言われたくないらしいけど(っぽいっていう中途半端がイヤらしい)どっからどうみても(以下略。
                         2010/8/15


ラベル:高河ゆん
posted by zakuro at 00:29| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。