フェルト細工が趣味で思い込みの激しい30女櫻井いちこは、東急東横線のホームで、1ヶ月前に親友の川上礼子がセッティングしてくれた合コンで知り合い気になっていた青年、23歳の早乙女亮一を見かける。いつも頭の中が大騒ぎしているいちこは、逡巡した挙句に亮一に声をかけるが。
いちこ脳内会議のメンバーは、小心者でサプライズに弱い議長の吉田、ストイックな真面目女子の池田、やたらポジティブに妄想が突っ走る石橋とハトコ、記録係で年配男性の岸らで構成。彼らの大騒ぎがいちこを走らせ、恋を混乱させていく。
いちこの書く携帯小説の出版を希望する編集者の越智も巻き込み、間の悪い墓穴型波乱万丈女子の恋。
コーラス。
恋ってひとり脳内でじたばたしてしまって、傍から見るとかなり滑稽なもんだと思う。それをデフォルメさせた恋愛漫画。
なんて言うんでしょう、お布団被って「わーーーっっ!!!」って言いたくなる、あの凹んだ気持ち。それが全編に繰り広げられていて、読んでいてすっごく体力使うし、HP削られるのだ。
どうしてこの作家さんは、この隙間みたいな感覚描くのが上手いのか……。感心ばかり。
あとがきでは、「誤解で溢れている」戸惑いがテーマ、みたいです。
なんつーか、人生で隠しておきたい暗黒歴史、胸の触れられたくないところ、グリグリされちゃうんですよ。
面白いけど、キッツい。
続きも読むけどね、好きな作家さんだから。
2011/9/30、2012/2/28UP
《こんなふうにおススメ》
人間心理に興味があれば。
ラベル:水城せとな