2010年02月21日

花より男子(完) 全37巻

【花より男子(だんご)】 全37巻  /神尾 葉子

母親の見栄のために、超名門のお金持ちの子弟が通う英徳学園に入学した、社宅暮らしの中流家庭の牧野つくし。そこにはF4と呼ばれる、道明寺司、花沢類、西門(にしかど)総二郎、美作(みまさか)あきららが、学園を牛耳り君臨していた。
このメンバーに逆らうと退学になってしまう。つくしは友人をかばって、そのいじめのターゲットの赤紙を貼られてしまう。しかし、それを真っ向から勝負することに決めるが、日々めげそうになって。司の手下の男子学生にレイプされそうなところを類に助けられる。

短篇は、妄想癖の強い電波な高校生未来。現実逃避しながら傷つき、大人になっていく話。

少女漫画歴代累計発行部数、6.000万部で第一位。
つまり、少女漫画でかつて一番売れたということ。

女の子のシンデレラ願望を捻ったお話。美人でもなく普通の家の女の子が、かっこよくて綺麗で、お金持ちの御曹司たちに好かれまくる話。
こういうのって今は当たり前だけど、かつてはこの作品だけだったの? ここまで支持される理由がわからない。
でも、このバカバカしい程のスケール感は、楽しく思える。
飾ることなくまんまいても、自分をとことん愛してくれる。それって女の子の夢なんだろうなー。映画の「エバー・アフター」を憶いだした。乙女ゲームの根本をここに見る。

私の、この作家の初見がこれじゃなくて、ほんとに良かった。他の作品から読み出して良かったなあ。これから読んだらとても辛かった。もう二度と読まなかったかも、この作者の作品は。
ツッコミどころ満載なんだもん。
絵はとてもうまい。古さを感じさせないし、今にも通じている。構成も上手だし、すっと話に入っていける。読みやすい。この読みやすさは貴重だと思う。エンタテイメントしてるってことだから。

最初はイジメのオンパレード。読んでてかなりきつい。これってそもそもイジメの話なの? と、思ったくらい。
それに、こんな母親、ギャグでもグレるよ(苦笑)。ここまで身勝手な両親なのにつくしは偉いと思う。グレるどころか縁を切るし、私だったら自殺を考えるかも。道明寺の母親ばかりひどく描かれるけどいい勝負。間違いすぎてて笑えない。「山田太郎ものがたり」が同じ貧乏家族でも、両親がチャーミングに見えるのは、子どもたちに精神的に押しつけ依存していないから。
それと暴力が全体的に多くて気になる。PTAみたいなことは言いたくないんだけど。

92年に連載が始まって、バブルの直後から描かれていることも考えてみたい。
お金持ちに対して徹底的に糾弾、逆差別ありすぎ。そもそも、真の意味でお金持ちになるって、人間的にバランスが取れていないとそうはならない。子どもの教育に対してもしかりで、お金持ちほど厳しいもの。
一般人が予測するお金持ちの人の図、みたいに記号化されてて、気持ち悪い、笑えない。これってどこそこのブランドってこだわる人ほど庶民なのに。ブランドにいちいち騒ぐことなんてないよね、上流家庭の人たちは。
それに、「うちの親は中小企業の社長で、大したことないの」……オマエが言うな。仕事するって大変なんだよ、まずは働いてみろ。そういうところが読んでてイヤになってくる。大河原滋が出てきて、ほっとした。その点、作風はまったく違うけど、『絶望先生』って、シュールに落とすだけでバカにはしていない、偉い。

最初の頃の巻は、ひとりひとりの言葉と行動と背景に必然性がなくて辛かった。人物の行動の動機がありきたりだし、それらをバカだからとか、牧野つくしだからですませるあたり、なんとも。
「お初の時」の描写に笑った。和也かわいい。一番好きなキャラ。桜子もいい。二人の掛け合いが好き。
7巻あたりからやっと恋愛に進展が出てきた。つくしがいくら鈍感だと言っても、普段からあれだけイジメられてたら、道明寺の愛情なんてわかるわけがないよね。そういうのは周囲の方が先に気づいて当然。
つくしの根性と努力は見上げる。頑張れ!と思ってしまう。あまりにも良い子過ぎ。
中島海を登場させたのは正解だったと思う。連載中はこのキャラがファンに嫌われて祭りに発展、大騒ぎになったらしいけど、このキャラのお陰で、つくしの立ち位置がはっきりして「ただの」良い子じゃないと見せられたと思う。
ラブシーンの時は必ず水に落ちる(笑)。それって道明寺の髪型が問題なんだろうか? 確かにストレートの方が格好良い。
ツッコミ過ぎで申し訳ないけど、全体的にはバランスが良い作品。作者の力量だろう。
半年の出来事を11年かける……ジュリアナから携帯電話へ。世の中変わるよねー。

少女漫画歴代1位の売上げを誇るまでなのかが、よくわからない。それは作品のせいだけではなく、私自身にも妄想して萌える傾向がないからとも言える。うーん。残念。
                         2008/7/26

《こんな人におススメ》
話題作を読みたい人に。

PM追記>
何度も実写化され、アニメやCDにもなり、台湾でもドラマ化。その度に話題になる。
現在公開中の映画も、テレビドラマの流れから大ヒット。
今の、「ホスト部」や少女漫画の基本スタイルを作ったと言っても過言ではないと思う。

でも。なんで、ここまでヒットするんだろう。
ドラマで、内容を視聴者から募集するという企画をやっていて、好きな登場人物に好きなシーンを演じてもらうというもの。
それで納得した。女の子は、おままごと、お人形遊びの延長線がとくに好きなんだろう。つまり、乙女系ゲームと構成が一緒。感情移入と自己投影ができる主人公がいて、いろんなタイプの男性が、自分を大事にしてくれる。
なるほどなー。ドリーマーなセカイだー。
                         2008/7/26UP

37巻/
遠恋ですれ違いの道明寺とつくし。つくしのそばには最近類が来ている。そこへ静が結婚すると招待状が届いて。

「俺の話をしようか」
花沢類の話。トスカーナで道明寺と会う。道明寺は類に女を紹介すると言い出し…。

番外編をまとめた37巻。
本編を読み終わってから月日が経っているので素直に楽しく読めました。みんな幸せに。
                         2010/2/20

【コミックセット】


【完全版】+ 37巻


ラベル:神尾葉子
posted by zakuro at 15:54| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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