2010年07月08日

あまつき 11巻まで

【あまつき】 11巻まで  /高山 しのぶ

※ 登場人物は日本古来の色の名前が多い。ちょっと名前に色づけしてみた。

自分の人生に現実感を持てない六合鴇時(ろくごう ときどき)は高校生。
日本史の試験が赤点だったため、補習授業で「大江戸幕末巡回展」に行くことになる。そこで妖に出会い、“落ちた”先が江戸の様子をした異世界「雨夜之月(あまつき)」だった。
同じく巡回展に来ていた同級生の篠ノ女紺(しののめ こん)は、すでにその時より二年も前にそこに落ちていた。二人が雨夜之月に来るきっかけになった夜行と鵺(ぬえ)を追ううちに。
鴇と紺は、犬神憑きの朽葉らとともに、元の世界に戻る道を探す。

初コミックス作品。
なかなか読み進められなかった。3ヶ月かかった。考え込んでしまう。
よく研究されている。ちゃんと読むとよく描けている。面白い。しかしページの中に情報量が多すぎる。すらすらと進まない。
カラーがめちゃくちゃキレイ。油絵を彷彿させる表現も。美しい。麻文様の描写が多い。

天網とはアカシックレコードのこと。アセンションの話でもある。白紙の者である鴇が、つまりハッカーであるということ。新しい世界への書き換えが始まっている。多くが同じ情報を得ているのかも。するとこの作家は意図してこれを描くにあったということか。
ルソーの言葉。beが先でdoが再び生きるということ。“それ”を見つけるには、今はdoから始めるのが早いというのは皮肉なもの。beはもともと“あるがまま”だったことがわかる。自分の“あるがまま”。それは個性でもある。

1巻に出てくる紺のシジミ飯はとにかく美味しそう。この作家も食べることが好きなんだな。そういう人は信じられる。身体感覚を大事にしているから。
                         2008/6/26

5巻〜6巻/
5巻は過去篇。銀朱(梵天)、真朱白緑らの因縁。6巻は鴇の過去、彼岸とあまつきが絡みだす。
天網あたりからもしかして、と思ったが、実はまだこの話、本筋は何も語られていないのではないか? 第一章第一幕。幕くらいは開いていて欲しい……そんな感じ。
登場人物と話の風呂敷、広げるだけ広げて、回収できるのか心配になる。今の段階でシンプルに話を終えても、20巻のペース。少なくともそこまではいくに違いない。
アクションネタも絵もうまい。でも、話の大きさに比べて、もっと見せ方はあると感じる。そこのバランスの悪さはある。毎回、ネーム切るの大変だろうな。
                         2008/7/20

《こんなふうにおススメ》
異世界モノ好きな方には。漫画慣れしている人の方が良いのかも。

UP追記>
この作家さん、かなり研究しまくっている。感心、感動しました。歴史、文学、オカルト、伝承、民俗……。好きなんだろうな。
それをライトな表現で描く、その手腕はかなり……。唸ります。

ネタバレにならないと思いますが、「天網(てんもう)」ってキーワードが出てくる。もともとは老子だけど、日本では空海が使って知られている。西洋でいうアカシックレコードのこと。シュタイナー的神秘学でも展開されていた。「神が描いた設計図」ってことで、映画の「マトリックス」の世界観もこれですね。
いろんな説明の仕方があるんですが、あまつきでの説明が、華厳経の世界観に酷似して描かれてて、すげーなー、そこまでプロットを作り上げてるのかな? って思いました。
華厳経っていうと、まず浮かぶのが奈良の東大寺の大仏様で、あの天然パーマ的頭にその秘密が隠されてたりする。仏教的には。そんなことつらつら考えてきたら、5巻の天から伸びてきた手がまさに大仏な表現で、また感じ入っちゃいました。

そんな描写が随所に出てきて、面白かったんですけど。そのたびに考えちゃう。手が止まってしまう。
こういう漫画って面白いけど、けっこうきついすよねー。

だけど、アニメはそこまでやりきれてなくてイマイチでした。2話で挫折した。残念。
いつかちゃんと観よう。
                         2008/8/04UP

UP追記2>
「あまつき絵巻 金華糖」(イラスト集)見ました。美しいですねー。かなり感動。透明感があるアクリルっぽいのや、油絵調のも素晴らしい。
この作家さん、平面構成からしっかり学んでらしたんだろうな、と思わせます。色彩感覚、素晴らしいです。デジタル絵を描かれる人でも、しっかりと基礎の平面構成されてきた方って色の使い方、違いますよね。どうなんでしょう、そこ伺いたいです。
空色と紅の配色が多い。その組み合わせ、お好きなんでしょうね。
                         2008/8/05UP

7巻〜8巻/
7巻は、紺が鴇時のことを全て忘れているのに、ショックを受ける鴇時。銀朱が天帝に挑み、負けたのだ。梵天が鴇時に「天帝が世界をリセットした」と話す。しかし、白紙である鴇時には影響を与えられないのだ、と。
千歳(せんさい)コーポレーションの核心に迫り出す(はした)ら。千歳プロトコルを作ったのが千歳緑で、現在は行方知れず。
白沢(はくたく)である鴇は、どこにも属さない孤独を感じるが、記憶の残る鶴梅に再会し。

8巻、銀朱が白緑の呪いをかけられた記憶を鴇が垣間みる。
蘇枋の死を半たちが追う。

正直、だいぶついていけてない。初見だけでこれを理解するのは無理。まんま和製の「マトリックス」だからだ。だったら、何度でも読み直せってことなんですけどね。連載を追っていたけど、それも挫折。

加えて、高山しのぶの構成は、読みにくいのだ。テンポが掴めないし、文字も絵もごちゃついている。テーマもストーリーも面白いのにそれが難。これは他の作品にも言えること。
でもあまつきは、巻が進むにつれてだいぶ読みやすくはなってきている。

これだけの情報を描くのは、先に小説化の方が良かったのではないだろうか?
漫画にも弱点ってあるんだなー。

いろいろ言ってはいますが、読み出すと面白いんだよねー(いったいどっちなんだ)。
応援しています。好きな系統なんですよ。

7巻、面白かった。
いろいろ言いながらも、鳥肌が立ったところ……。人の記憶(想い出)がすべてを凌駕するという設定。すごい。存在とは、記憶そのものだからだ。

今更だけど、登場人物は日本古来の色の名前が多い。ちょっと名前に色づけしてみた。
他にも露草空五倍子(うつぶし)、煤竹黒鳶紅鳶藍鼠萱草(かんぞう)、白藍青鈍なども……。
千歳緑に至っては、そのまま「ちとせみどり」という色がある(ここでの名前は、せんさいみどり)。これらも伏線になっている。

後悔していることといえば、これを少女系に分類したこと。ゼロサム、難しい。
                         2009/4/03、/4/04UP

9巻/
千歳グループの陰謀をかつて紺も調べていた。
鴇は死んでしまった銀朱に会い、銀朱の想いを聞く。牢を破って緋褪と会う。
陰陽寮がなぜ出来たのか。

やっとだ、やっと「大江戸幕末巡回展」に戻ってきたよ。これから核心に入るんだなー。なんか感激。

もしかして、主役は鴇ではなく、銀朱なのか?

佐々木弟の男前度に泣きそうになった。昔の覚悟の仕方って……なまじ、人生に選択肢がない分、迷いがない。

呪を解くのが、十種神宝祓詞だった。

絵はだいぶ見やすくなった。読みやすくもなってきた。
でも、相変わらず内容は難しい。一度読みじゃよくわからない。面白いんだけど。
ノックが終了したら、読み直したいトップな作品。
                         2009/4/30、UPも。

10巻/
緋褪が語る過去。それぞれの事情。
神社の結界が壊れ夜行が攻めてくる。狙いは鴇時。紺と朽葉と再会。

読みにくさの原因はネームのタイミング。ギャグの入り方や、話のテンポを中断させるコマ運び。ゼロサムにはそれが割と多いから、編集者さんの責任も大きい。それでもだいぶ読みやすくなった。
話はやっぱり面白い。理想はラスト巻出た後の一気読み。
                         2009/10/11、10/19UP

11巻/
鴇時、紺と朽葉は鵺に対峙。第14代将軍徳川家茂。銀朱の“身体”のみ。そして朽葉は捕らわれて、鴇時は大怪我をする。梵天目覚める。

あー。最初から読み直したい。伏線が張り巡らされ過ぎて、現代編が入るともうよくわからない。小説ならまだしも、読者はそんなに暇じゃない。何度も読めと言われても。漫画としてのエンタテイメントってあるんだなと気づく。次巻から後半戦とのこと。
                         2010/7/07、7/08UP


ラベル:高山しのぶ
posted by zakuro at 01:21| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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