2010年08月13日

鋼の錬金術師 26巻まで

【鋼の錬金術師】 26巻まで  /荒川 弘

死んだ最愛の母親を蘇らせようと錬金術の禁忌を犯した、エドワードとアルフォンスのエルリック兄弟。しかし母親は蘇らず、兄は左足を、弟は肉体すべてを失ってしまう。弟の魂を鎧に定着させるために、兄は再び術を使い右腕をも失う。錬金術には等価交換が必要なのだ。
彼らの身体を取り戻すためには賢者の石が必要になる。それを探して二人は旅に出る。
エドは動きやすい立場を手に入れるため、国家錬金術師になり、「鋼」の称号を得るが……。旅の中で多くの出来事に巻き込まれていく。

テレビと劇場アニメにもなって大ヒット。

子ども向けとなめてかかったら、とんでもない目にあう。とにかく世界観も設定もキャラクターも構成もすべてが素晴らしいと感動。
作者の人生経験が注ぎ込まれている。作品は重いテーマなのだが、暗さがなく楽しめる。これも作家の持ち味なのだろう。

ユーモアもあって、四コマはほんとに面白いし、エンタテイメントはこうでありたい。
コメディとシリアスのバランスが絶妙。
切なさも入っている。戦いの話の中に生きていく痛み、不条理がちゃんと描かれている。戦う話を嫌う人は、こういう作品を読んでから言った方が良い。

アニメは若干気が重くなるけど、こちらの原作は重い話でも、読んでいて軽みがある。読み手を苦しくさせないでテーマをきちんと伝えてくる。作者もそれを気をつけているという。エンタテイメントとして見習いたい重要なポイント。暗さがないのは、二ノ宮知子(※)に通ずる「育ちの大らかさ」なのか。
変な言い方かもしれないけど、キャラクターがね、「健康」なんです。悪役も含めて、黒さはあっても、暗さや根っこの深いのが感じられない。これは最上級の褒め言葉。某ロボット系アニメとは対極にあるという意味。

特筆すべきは、決め台詞がひとつもないこと。これはすごい。ストーリーメイクで引っ張れる力量を、作者が持っているということ。
話に無駄がない。サイドストーリーがないのだ。しっかりと構築されている。すべてに意味がある。

キャラクターが良い。脇役に味がある。彼らの人生が浮かんでくるようで、それが嬉しい。
大人がオトナであることも大事。大人が子どもみたいな作品は救いがなくなる。

14巻だったと思うが、作者のデッサン付き。上手いなあ。
好きなシーンはたくさんあるのだけど、ウィンリーがスカーに「不条理は赦していない」と言うところ。そしてウィンリーがエドにピアスを預けるシーン。どちらもその背景が浮かび上がってきて、語らなくても描かなくても情感が滲む。

一日で良いから、荒川弘脳になってモノを考えてみたい。その先には何が視えるのだろう?
こういう作品を世に送り出すべきだと感じる。まじめに「励ましのお便り」を出したい。
                         2008/1/15

※二ノ宮作品は、黒さはあっても暗さ、つまり闇がない。この作品もそうなんですよね。

《こんなふうにおススメ》
まだ2,000冊弱しか読んでいない若輩者が言いますが、今後の可能性も含めて、好きな作品ベスト3に入ることは間違いないです。今のところは第一位。

UP追記>
荒川弘さんの、すごい! と思ったことはもうひとつ。
アニメ化される時に、「アニメはアニメで勝手に作っても良い」とおっしゃったそうです。なかなか言えない。
それだけ原作に自信があるということでもある。揺るがないストーリーが構築されていて、アニメがどんな創作をしても引っ張られない自信。そして、自分の作品さえも人の手に委ねられて楽しめちゃう。どんなに度量の広い方だろうと驚きました。
現に、原作のコミックは淡々と進んでいながら、アニメをぶっとばすくらいの世界観を見せつけてくれて、唸ってしまうのです。
今は、連載も追う私……。ずっと続いて欲しいとすら思ってしまいます。
                         2008/8/08UP

20巻/
連載を追っているので、単行本になると復習している気分になる。
まとまっていると読みやすくて、この作品が力強いことがより分かる。

この一年、いろいろと読んだけど、やっぱりこの作品はすごい。
コマ割りもシンプルなのに。
うまいなあ。なんでこんなのが描けるんだろう。
もう、感想を言うだけでも野暮になる。

20巻はマルコーの復讐。アルは父親と再会。エドはグリードの手下になる。“約束の日”に向けてみな準備を始める。

オリヴィエ、カッコ良過ぎ。
もう一度最初からまとめて読みたくなってきた。

UP追記>
春から原作に沿った形で、アニメ化されるそうです。
そうだよねー、原作面白すぎるもん。今まで放映されたアニメも劇場映画もだいぶ勝手に進行しちゃったからなー。
原作に沿ったもの、観てみたいです。楽しみ。
                         2008/11/04

21巻/
エドとウィンリーの再会。
“約束の日”に向かって、すべてが動き出す。

表紙の見返り部分に「この巻から最終章開始」とあって、すごく寂しいキモチになった。

ストーリーは、やはりすごい。変わらず良く出来ているし、奥行きがあって何も言うことはなし。
こんな作品があること……この時代に生まれて良かった。
ちっとも感想になってない。それでもいい。
最後までついていきます。
                         2009/1/28UP

22巻/
ホムンクルスに捕まって仲間を窮地に追い込んだと感じたアルフォンスは、責任を取ることを決意。ホーエンハイムの錬金術に恃み、プライドを道連れに閉じ込められることを選択する。それを、後で聞かされたエドは……。
ロイの謀反に、昔の仲間たちも集まってくる。それぞれのピースがはめ込まれていく。約束の日に向かって……。
敵たちもそれぞれに終結。
“お父様”とホーエンハイムの再会。

連載で読んでいても、コミックスになれば新鮮にどきどきできる希有な作品。

アルは健気だ……。そしてカッコいい。
いろんなものをこらえるエドも、成長した。
人の持つ揺るぎない信頼と心を信じるが故に、約束の日の計画があるのは皮肉なもの。

ハボックやマリア・ロスファンは大喜びだったろうな。再び、彼らの活躍の予感。

はー。それにしても何度でも言うが、良く出来た作品。素晴らし過ぎ。

表紙はエドたち親子の団らん。エドはホーエンハイム似ですね。
内表紙とか四コマとか、中味がしっかりした内容だけに癒される。

最近、ハガレンのイラスト集二冊も観ました。
オトナになったエドアル兄弟とウィンリーに泣けた。
                         2009/5/02、5/05UP

23巻/
アルは賢者の石たちと“ともに闘う”選択をする。
アームストロング姉弟と、最速のホムンクルスの戦い。
ロイ・マスタングはマース・ヒューズの仇としてエンヴィーに向かう。
ホーエンハイムは、“お父様”と対峙する。

すごい、なんでこんな話描けるんだろう。
下手に感想すら言いたくない。
生きるというバイブルだと思う。中学生の頃、出会いたかった。
いよいよ、結末に向かって進む。

マッチョな男同士の友情には大爆笑してしまった。
やばい、マッチョ好きになりそう。
毎回言っていて馬鹿のようだが、やっぱり言いたい、オリヴィエ姐さんかっこいい。
ちびパンダも悶えるくらい愛おしい。
                         2009/8/12、8/14UP

24巻/
ホーエンハイムは、“お父様”フラスコの中の小人と戦う。
ブリッグズ隊は中央司令部を占拠。しかしブラッドレイが帰ってくる。
それぞれの錬成陣が始動。

連載時もっとも感動した巻。
“すべては対話から”。ホーエンハイムが向き合った人々。号泣してしまった。この作品は、自らを犠牲にしても守るべき人がいるのを教えてくれる。
次巻から数巻はクライマックスの極地だなー。
                         2009/12/22、12/23UP

25巻/
真理の扉に向き合ったロイの代償は。人柱の5人出揃う。そして真のクライマックス。

せつない。せつなすぎる。真理との等価交換。でも光もある。この作家さんは希望を描いてくれると信じている。最初から読み直したい。
                         2010/4/23、UPも

26巻/
人柱をもって惑星のシステムの扉を開けるホムンクルス。
ブラッドレイとスカー。逆転なるか。

ほんとにすごい話だ。こんなのよく描ける……。
この巻で終わりかと思っていたけど、連載時には増ページだったのね。泣いても笑っても次巻がラスト。寂しい。
                         2010/8/12、8/13UP

【コミックセット】


【コミックス】

ラベル:荒川弘
posted by zakuro at 23:00| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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