2012年04月15日

大奥 07巻まで

【大奥】 07巻まで  /よしなが ふみ

逆転大奥。
時は江戸時代。将軍家光の世に、赤面疱瘡と呼ばれる流行病が若い男子の命を奪っていく。
100年弱の月日をかけて男子の数は、女子と5:1の割合に減ってしまう。女子は子どもを産む為に高いお金を出して子種を買う。将軍も、世の大役もほとんど女が司るようになっていく。
そんな時代を作り出したのは何か? 将軍吉宗は謎と歴史の真実に迫ろうとしていく。

メロディ。

すごいすごいすごい。とにかくすごい。
こんな作家と同時代を生きていられることが嬉しい。圧倒的だ。言葉がない。
心の憂い、生きること、今でなければ理解できない本質が描かれている。何度も読み、じっくり向かい合いたい。

春日局に脅迫されて還俗させられた有巧(ありこと)が、家光の境遇に同情して彼女に執着していくまでの様は圧巻。
じっくり描けていて感じ入った。すばらしい力量。

男女が逆転しているのだが、基本は歴史で語られていることに忠実。それがまた面白さに拍車をかける。

将軍吉宗の台詞。「その『しっくりこない』という我らの感じ方そのものに、事の本質があるのやもしれん」
そのまま、本居宣長の世界だ。………。
                         2008/6/28

《こんなふうにおススメ》
覚悟もなくうっかり読み出しちゃいました。いつの間にか引きずられてしまった。
よしなが作品では一番好きです。作者の代表作になるのでは。
生きるって辛いけど、誰でも一度は死を考えたことはあると思うけど、でも、やっぱり人を誰かを好きにならずにはいられない。そんな気分が残ります。
男性に読んでいただけるとまた嬉しい。
                         2008/8/24UP

4巻/
有巧と家光から、家綱、綱吉に将軍も変わっていく。

男女が変わるというだけで、これだけ歴史の見方が変わってしまうのか。
ジェンダー論にはそれほど興味はなくても、そんなふうに感じる。
牧野成貞の悲劇は、歴史として語られているものはもっと悲しく感じるのが、ここでは綱吉の女のエゴが表に出てくる。
男女が逆転しただけなのに、これだけ受ける印象が違うのかと驚く。どれだけ多くの思い込みで物事を見ているのか思い知らされる。
それを狙って描いているのであれば、この作家はすごい、恐ろしいくらいだ。

そもそも大奥は、徳川幕府の将軍システムを円滑に保存させるべく出来た腑抜けた仕組みだが、イメージとしては時代と運命に翻弄された可哀想な女性たちだったのだ、今までは。
しかし、こういう見せ方が出来たからこそ、違った見方が出来ていく。
そして、思う。あらゆることがパラダイムシフト可能なのではないか?
それに気づかせてくれた貴重な作品。
                         2009/3/05、3/09UP

5巻/
実写映画が決定。
京の貧乏な公家の出の継仁は右衛門佐(えもんのすけ)と名を改め、後に大奥総取締になる。対峙する桂昌院は柳沢出羽守吉保に大典侍(おおすけ)を連れてこさせ、綱吉の側室とする。しかし右衛門佐と大典侍は京からの旧知の仲だった。ふたりの幕府に対する策略とは。そこに世継ぎの松姫が急逝し。大典侍の増長ぶりに右衛門佐は京からまたひとり新典侍を呼び寄せる。右衛門佐の側近、秋本の秘密。なかなか世継ぎに恵まれずの、生類憐れみの令。赤穂浪士。そして幼き吉宗。

猛者たちの化かし合い。時代の駒である切なさ。
緊張の糸は切れず、変わらず壮絶。綱吉の赤穂浪士の採決は、創作とわかっていてもこうきたかと唸る。
                         2010/2/25、2/27UP

6巻/
綱吉と右衛門佐。
綱吉は姪の綱豊(家宣)を世継ぎに指名する。紀州藩主の綱教の死と、それを継いだ妹の頼職(よりもと)も急逝、吉宗が後を継ぐ。
家宣と側付きの間部詮房(まなべあきふさ)、そして左京。

ここまで人を描けるモノなんだなぁ。切ない。
                         2010/9/04、UPも。

7巻/
尾張家四代当主、徳川吉通の頓死。月光院と江島。紀州と尾州の次期将軍争い。柏木の戦略。江島、計られる。
没日録を読み終わる吉宗。吉宗の改革。

歴史上の江島は、山村屋の生島新五郎に入れあげるとされているが、こちらの江島は清い。歴史とは、多くの切なさと阿鼻叫喚で作られている気がした。
それにしても、ここに出てくる吉宗くらいさばさばしてみたい。
                         2012/1/30、4/15UP

【コミックセット】


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ラベル:よしながふみ
posted by zakuro at 00:00| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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