よしながふみ本人が、同居人でアシスタントの後輩S原氏や友人たちとの食べ歩きを中心に描いた作品。
作者が選出した実存する美味しい店が毎回出てくる、グルメ案内漫画。
どちらかというと、作者の地元がメイン。
どの店もメモしておきたくなる。
中トロを食べたあとの沈黙はわかる(笑)幸せだよね。
塩を使うときの日本料理とフランス料理の違いは面白い。万能ネギの話はじーんときた。食事を美味しく分かち合える友だちは大事。
そしてS原氏のことを描いたのは、きっと彼の侠気をしっかりと愛でたかったんだと思う。よしながさんの信頼だと思った。こんなこと描くと普通は嫌がられるものね。
ところで私は、美味しいときはわりと黙っちゃうので、もちろん「美味しいねー」と語り合うのではあるけど、ここまで蘊蓄を語られると嫌になってくる。
これは漫画で伝えなきゃならない使命があるので仕方ないのかもしれない。「美味いよねー」では収まらないのだ。
それから作者の作風が作風なので、面白おかしく作者の私生活を見せてくれても、「あまり見たくなかったなー」と思ってしまう。見せない方が神秘的で良かったのに。残念。オヤジが入っているのは別に良しとして、なんですが……。という理由により、よしなが熱烈ファンには勧めない。
でも、食べることが好きで、美味しい店を開拓したい人には是非。
お腹空いている時に読むのは地獄です。
追伸としては、この本で作者のフェチがわかって、『フラワー・オブ・ライフ』に繋がってくる特典はある。
2008/8/19
《こんなふうにおススメ》
食べること大好きな食いしん坊へ。
余談。
ちょうど読み終わった翌日、古くからの友人の店に。六本木のミッドタウン前の美味しいレストラン。腕の知られるシェフからガスパッチョの試食を。わーい! と美味しくいただいたのですが、友人はそれを一口食べて「酸味が強すぎる、男性客には出せない」 そのまま手つかずになりました。
充分美味しかったんですが、プロって大変。女性の方が酸味好きですもんね。残り打ち捨てられたスープを見ながら、私には飲食は無理だ〜! と思いました。ちょっとダメでも残らず食べちゃうもん。それだと教育にならないんですもんね。
食べたいからずっと素人でいい……。
ラベル:よしながふみ
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