2008年09月05日

放課後保健室(完) 全10巻

【放課後保健室】 全10巻  /水城 せとな

木曜日の放課後、普段はそこには存在しない地下の保健室。そこでは、夢をみる「授業」がある。
その夢の中では、自分の本来の姿になって「現れる」。その姿は元の姿形がまったくわからない程に変化しているので、学校の誰が授業に参加しているのかわからない。
夢の中で誰かの中にある鍵を見つければ、そこから卒業できるというもの。卒業してしまうと、その存在すらクラスメイトの記憶から消えてしまう。
上半身は男、下半身は女として生まれてきてしまった真白(ましろ)は、その授業を通して内面を見つめながら揺れ動いていく。
やがて、紅葉(くれは)や蒼(そう)ら、友情と芽生えるものも生まれてきて。

うっわー、ヤバい、面白い。読み入ってしまった。
最初は真白に感情移入していたんだけど、だんだんうざくなってくる。真白の"正論”がなんともきついのだ。たぶん、人の中の「どろどろしたもの」を、表面的に取り繕う偽善が鼻につくのだと思う。
それは作者の意図している展開で、なんともうまい。誰でもそういう部分があって、それを受け入れ乗り越えるのがテーマだろうけれど、なかなかそれを描きこなせない。これだけ主人公に同族嫌悪できれば、してやったりだと感じた。
”子ども”の自分から卒業するのには、とても良い漫画だと思う。完全主義の人にもお勧め。私自身にはかなり堪えた。
ラストはこういう落としどころにしたんだ……と、胸に抱えるものも残すけど、秀逸。
登場人物はみな、色の名前。

ちなみに、BL作品でも活躍している作家さん。そちらにも伝説になった作品がある。
                         2008/3/2

《こんなふうにおススメ》
かなり異色な作品です。ずっとこのテーマを、作家さんが温めていたとか。
内面をじっくり描くのは、ほんとに上手いなと感じ入ります。
読み終わった後、かなりモヤモヤするのも良い感じです。


ラベル:水城せとな
posted by zakuro at 00:11| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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