2012年03月23日

幸福喫茶3丁目 (完) 全15巻

【幸福喫茶3丁目】 全15巻  /松月 滉

チビで怪力な高村潤(うる)は16歳。
母の再婚で、新婚のふたりを邪魔しちゃ悪いと思い一人暮らしを決行する。
その一方、出てきたお客の幸せそうな笑顔を見たケーキ喫茶の「ボヌール」にバイトを決める。そこには無愛想なケーキ職人の進藤、何か食べないとすぐに眠ってしまうバイトの西川一郎がいた。
ボヌールを舞台にまったりと、時にはテンション高く巻き起こる様々な物語。

2巻にデビュー作の「推定青年少女」。
大月詩帆は年相応には決して見られない大人びた中学生。童顔でも明るい新聞配達少年の菅に出会う。こっちの方がよく背景などの細かいところが描き込まれている。

この作者の初コミックス作品。
今まで読んだ少女漫画とはテイストが違う。楽だー。台詞や文字が少ない。目一杯描き込まれていない。
作者がのんびり進むつもりなのか癒される。
もともと体質の中に笑いがあって、それを無理に出さずにのんびりいくとこんな作品も出来るのかもしれない。まったり系ギャグ…こういうのもありなんだなー。緩む。
『らき☆すた』もそうだけど、世の中は癒しを求めている、それがよくわかる。
ただそんな作風だけに、まとめて読むのは辛い。連載で、そのたびにほのぼのするのが良いのかもしれない。

笑いと萌えどころが上手い! だんだん男子が格好良くなっていっている。格好良さ、可愛さの見せ方が上手。
絵もシンプル。決してうまいってわけじゃないんだけど。線もほとんどないのに、表情も豊かで上手いなあ。

同じ調子で話にも変化はないのに冊数が進む程面白くなっていく、不思議な作家。
でも、こんなに進展を望まない漫画があっていいのだろうか? ラブシーンになったら祭りだな。
これ、漫画に読み慣れてないと良さがわかりにくいと思った。この時期に読めて良かった。初期なら挫折していた。

スタンス的にファンが多そうなのがわかる。
ファンを傷つけず癒し、共感をもたらす人間性がにじみ出てる。
                         2008/7/09

《こんなふうにおススメ》
超癒し系漫画です。

10巻/
いつか好きな人が出来たときのために、料理特訓(まずはお菓子、クッキーから)を始めた潤。進藤らの力を借りて、なんとか仕上げる。
潤に片想い中の安倍川草をバックアップしようと安倍川家が立ち上がる。
ボヌールの新作をみなで考える。潤は図書館で知らない男性から秋のケーキのレシピを貰う。
健志のバースデー話。

いろんな作品を読んでから、またこれを手にすると、全体的に「白い!」背景や人物がまさに手抜き感たっぷり(もちろんこれがこの作品の個性)に見えて笑ってしまった。
だけどそれに癒される。現代は、みんな頑張り過ぎなのかも。
でも、テンションの高い時には読めない。イライラしてくるのだ。なので、休み中まったりした気分の時に読み直し。
読んでいるとその不思議さが気になってくる。この作家さんを見いだした編集者さんは偉い、すごい。
間の取り方、普段会話の絶妙なツッコミとボケ、まったり感がなんともいえない。
感覚派作家なのかもしれない。

ところで、やっぱり潤は味覚オンチではないのか? いくら味クッキーはイヤ。
ボヌール、安っ! ミツカが支払った金額は、関係者割引としか思えない。
みんなのアイドル、潤を愛でる巻。
                         2009/1/02UP

11〜12巻/
11巻。潤は小さい時から気持ちを隠してしまうのが上手で。その潤が心底笑える環境に、と、クラスメイトやボヌールの仲間たち、家族が、なま温かく見守っているという話。
将来何になりたいかに悩むさくらと次郎、そして潤。
迷子になっていた加藤少年のその後も。

12巻は、潤の暗いトラウマが見え隠れし出す序章。
ミツカがボヌールを雑誌に紹介することになって……店長の松本南吉の過去にちょっとだけ触れる。
潤にケーキのアイディアを譲った桜庭の策略の始まり。

潤を愛でまくっているだけな話にだんだん癒されなくなってきた。
うーむ、困った。

以前よりも行き当たりばったり感を感じさせてくる。
だからなのか、12巻からダークなムードも出てきているのだけど、これは失敗するのでは? かなり不安だぞ……。

なんでさくらは、「調査」なんて単語を的確に知っているのに、「なりたいもの」が「だんごむし」とかになってくるんだろう?
作者、ウケ狙い過ぎ。

加藤少年の話はちょっと泣けた。

58、59話の表紙は描き込まれていて、かなりびっくり。
この二話分の表紙は繋がっている。

キャラ多すぎなのでは?

ちなみに、ボヌールはフランス語でシアワセらしい。
つまんないツッコミですが、ボヌールのお客様はあのサービスで怒らないのだろうか? 言わないと、モノが出てこない。ちゃんと客席見てろ、店員たちっ!とツッコミたくなる。
進藤は「ちゃんと仕事してくれれば……」と何かの折りには言ってるけど、潤たちは仕事してないように見えるぞ。
                         2009/5/04

13巻/
潤は直接、桜庭三明の会社、ブロッサムに対決に行く。そしてホテルに連れ込まれるが……。
学校の催しで遠足に行く潤。行く先で研修旅行に来ていた安倍川草と一緒になる。そして草は潤に告白する。
梨山で潤が見かけた女性は進藤にそっくりで。

一言で言っちゃえば、迷走しちゃってる気がする。あまりにも行き当たりばったり過ぎ。設定もキャラの出し方も唐突すぎ。
今までのように、ただたゆたゆと癒し系で流していけば良いのに、なんか大きなストーリーにしようとしているのだろうか? それなら、他の作品の時に挑戦したら良かったのに。

一応、伏線のようなものも張ってあるのだが、どんな展開になっても今までのほのぼのを取り戻せる程、すごい話になるとは思えない。とってもとっても残念。
どこまでも癒し系で行くべきだった。それが他の作品と大きな差別化だったのに。もったいなすぎる。

桜庭、熱烈なファンの読者に殺されるのではないか?
ここまでくると潤の天然がただのバカに思えて、悲しすぎて仕方ない。
ああ、もう感想書けない……。
                         2009/6/20、6/28UP

14〜15巻/
14巻。潤は進藤母に会いに行く。絵本作家の千年。潤の父を知る萩原久雪が越してくる。
15巻。萩原に突き落とされた潤。潤の父の死の原因。進藤は母に会う。桜庭との関係。進藤はフランスに留学、三年後。

なんかなー。すごく冷めながら読み、終えた。
シリアスなネタ入れなきゃ良かったのに。強引にまとめた感じ。

人の気持ちの本質に配慮がない良い子の最悪。それが潤に出てきちゃって気持ち悪いのだ。
水城せとなさんは「失恋ショコラティエ」で、そんな女子を「空気を読まなすぎるイノセントさ(純真無垢さ)」と表現してくれて、読者をすっきりさせてくれた。自分の行為は正義だと信じて、周囲を平気で傷つけて、でも「あの子のやることは優しさからだから」と無理矢理に納得させちゃう残酷さのような。
もともとは素直な作風で読者を癒してくれた本作。
どこでおもねっちゃったんだろう。残念。
                         2012/3/16、3/23UP

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:松月滉
posted by zakuro at 17:06| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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