2012年02月27日

NARUTO -ナルト- 59巻まで

【NARUTO -ナルト-】 59巻まで  /岸本 斉史

火の国である木ノ葉隠れの里に育った、身寄りのないうずまきナルト。
落ちこぼれで忍者アカデミーを落第しまくっていたが、里の人たちに嫌われている心の傷の方がずっと強かった。里一番の忍者になってみなを見返したい。
イルカ先生らわずかなナルトを支えてくれる人々の愛情でなんとか下忍になる。
ナルトが忌み嫌われているのは、かつて里を襲った妖狐の九尾を、生まれたばかりの赤子のナルトに封印したからだった。

下忍のナルトは、ライバルでもある天才忍者の家系出身のうちはサスケや、おませな春野サクラらと、上忍のはたけカカシの班に配属され、無鉄砲で根拠のない自信家から少しづつ成長をみせていく。
ナルトは木ノ葉のトップ忍者の“火影”の名を受け継ぐことができるのか?

第一部は、27巻半ばまで。
ナルトがアカデミーを卒業。下忍として任務を果たす。中忍試験。5代目火影。木ノ葉隠れの里を捨てたサスケを追う。
27巻には「カカシ外伝」も収録。カカシが写輪眼を持った理由。

第二部は、28巻より。
修行の旅に出たナルトが2年半ぶりに戻ってきた。成長したナルトたちが逞しくみえる。
抜けたサスケを追う木ノ葉、そしてナルト。大蛇丸、暁との戦い。サスケとイタチの戦い。

じき7,000万部になるであろう発行部数を誇る漫画。海外でも人気が高い。

うずまきナルトは最初からスーパーヒーローではない。どちらかといえば、背負うものがある貴種流離譚(主には高貴の血脈に生まれ本来ならば王子などの高い身分にあるべき者が、不幸の境遇に置かれ、その恵まれない境遇の中で旅や冒険をしたり巷間で正義を発揮すること)な不遇闊達型(不幸の境遇におかれても正義を発揮するタイプ)なのだ。
そのアーキテクチャーは日本の神話の基本にあたるが、それが今は新しく感じる。
もうひとりの主人公、サスケもこのタイプ。ちなみに彼は贖罪型(同じような高貴であっても、人類の背負った罪などをあがなうタイプ。サスケ的にはそのDNA)といえるかもしれない。

とっても読みやすい。絵で見せてくれる。上手い。
しかもどんどん演出もカメラワークも、絵そのものも上手くなっていくのだ。すごい。
「自在」、その言葉がもっとも合う。
そして随所に工夫が見られる、背景もすごい。オモチャ箱をひっくり返したよう。わくわくしてくる。パースペクティブが特に上手い。
ところどころ大友克洋っぽいと思ったら、やはりかなりの影響を受けていると作中にあった。
ダイナミックな構図には惚れ惚れする。漫画家じゃなくて良かった。こういうのを見ちゃうと嫉妬で苦しんだかもしれない。213話の見開きの扉は、まるで浮世絵のようで素晴らしい。構図も絶妙。
この作家さんにとってのライバルは、総合芸術である映画なのだと思う。

少年系をまだまだ読み慣れていない分、リズムに乗るまでに時間がかかったが、10巻を越えたあたりではかなり夢中になれた。20巻を過ぎたあたりからはもう手放せなかった。

最初はナルトがただの元気バカに見えて読んでて辛く、しばらく放置。
半年してもう一度読み直してみると、少年が主人公の漫画のスタイルというものがわかってきた。最初が面白くなかったわけではない、読者の私の問題なのだ。
この作品は現在の43巻までずっとテンションが変わらない、落ちずに惹き込んでくるくらいのパワーを持っている。つまり、漫画って読み手にも素養が必要だということだ。
イマドキの人たちはみんな子ども時代から読んでいるから、提供側の、そこの不親切はあるのかもしれない。オトナから鍛えるのは珍しいから、どこか子ども時代に洗脳していかないと、大人になってから漫画を習慣づける人はいなくなるのかも。でも、読み手に合わせてしまうと、この面白さは半減するかもしれない、難しいところ。

11巻目くらいから、ナルトが可愛くなってきた。ダメな子ほど可愛い。それでもナルトは一生懸命。
テーマは「自分を信じること」。
これがどれだけ難しいかは、大人の方が実感しているかもしれないね。
たまに落ち込むけど、自分を信じてひたすら進んで行くナルトを応援したくなる。
15巻くらいからナルトもどんどんカッコ良くなってきて小気味良い。

脇キャラもとても個性溢れ、ひとりひとりに丁寧に焦点を当てている。
もちろんそれは、人気漫画だからこそやらせてもらえるのだろうけど、嬉しい。
そして話が進むに連れてどんどんキャラクターの個性、面白さが際立ってくるのだ。そこは圧倒的。感動すらする。その遊び心がなんとも言えない。
シカマル、面白い。ネジも限界を知って、ますます強くなっていったり……。みんな努力の人たちなのだ。それは作者の生き方に繋がっているのだろう。
どんどんみんなが成長していって……もうね、可愛くて仕方なくなる。お母さんな気持ちになる。
31巻は泣いた。大泣きした。

チャクラという表現があるが、ヨガや東洋医学的意味合いのチャクラではなく、体内に温存されるエネルギーの使い方に近い。どちらかというと“気”?
ナルトと仲間との友情と成長物語だけど、完全なる作者の創作の中の忍者設定は面白い。
ここまでオリジナルって天晴。(ここはハガレンにもみられる傾向)
もちろん中世の忍者のあれこれだけでなく、神仙道や道教、古事記、易経までもから影響を受けていて、しかもまんまそれをその通りに使うのではなく、どれもオリジナルにもどいているのだ。そこがすごいし面白い。それらがとても良く出来ているのだ。この自由度はまるで子どもの発想……。唸った。
また、技のひとつひとつは、他に影響を受けているものもあって、例えばNLP(神経言語プログラミング)やコーチングのテクニックなどまで使われているのが、興味深かった。

火の国、木ノ葉隠れの里とは、まんま熊野じゃないか、と感じたが、深読みしすぎ?
この作者なら、そのくらいは設定していそう。

本編とは関係ない余談だが、作者の「生い立ちヒストリー」が為になる。
特に新人賞を取った後の、辛くて苦しい時期に努力したあれこれは、才能だけでなく頑張る指針を伝えてくれる。やれることってある。その勇気をくれる。
演出方法も、どんどん進化している。常に実験と練習を繰り返す人なのだとわかる。
そこが尊敬。この作者のコメントを読むだけでも価値がある。これからもこの作家さんを応援したいと思った。

余談もうひとつ。影分身術のメリットを知って、これ、習得したい。人生が倍になるよね。密度が濃くなる。いいなー。
43巻まで手元にあって良かった。ちょうどキリが良かった。
                         2008/9/15、9/16UP

44巻/
自来也の死。師匠を失ったナルトは、自来也を育てた師の元で修行を始める。
サスケは新たな目標に向かって動き出す。
次のステージに入った巻。

電車の中で新刊を読んでいる人がいて、つい覗き込んだ私は重症。
物語としては大きな話なので、本来は一区切りしてからまとめて読む方が分かりやすいんだと思う。
中の扉絵に、サスケとナルトがそれぞれの相手をペンダントとしている絵で、それってどんなに腐女子サービスなんだろうって思ってしまった。
                         2008/11/20、11/28UP

45巻/
暁と組んで八尾攻略に乗り出すサスケ。サスケらと、雷影の弟キラービーとの闘い。
ナルトは妙木山(みょうぼくざん)で修行の日々。いよいよ仙人モードに入る。
木の葉の里、暁に襲撃される。カカシの見せ場。

綱手、カッコいい。NARUTOは女子もカッコいいのだ。サクラもイイ女になったなー。
ナルトがナルトとして、人から信じられるようになっているのが嬉しい。
いよいよクライマックスに入ってきましたね。スピード感はなんともすごい。
                         2009/4/10、4/12UP

46巻/
カカシとペインの戦い。木の葉の忍は次々とやられていく。
ナルトは変わらずフカサクの元で修行中。
木の葉の里の窮地で、里が一体となる。ナルトを毛嫌いしていた人たちも、ナルトを守っていく心根が育っている。
木の葉の里、ペインによって崩壊。ナルト登場。

ナルトが登場するまでは読んでいて痛い。木の葉が崩壊していく様は、描いているのも辛いだろうな。
クライマックスへ向けての序章って感じ。ナルトへの信頼が一気に表現されている。綱手の言葉、木ノ葉丸の覚悟、そして里の人々が一丸となって戦う。
すごいなー。ここまで来るのに、45巻も……。涙。そして何年連載が……。読んできて良かった。

見開き、俯瞰で観た木の葉の里、圧巻。すごい。それが一瞬で崩壊する。ここまで粘ったからこそ、ナルトの登場にわくわくする。
カカシファンには辛い巻。
テンションは下がらない。どれだけすごい作品なんだろう。
カツユって喋れるんだ〜。
UP時現在、累計発行部数が9600万部らしい。
                         2009/5/30、6/02UP

47巻/
ナルトとペインの戦い。八尾まで顕現したナルト。
封印が解かれる手前で、四代目火影が登場する。父子の対面。

そろそろ終焉に向かっているという作者のコメント。すごい作品だよな。正直、「ドラゴンボール」を読み終えたからこそわかる、この作品の密度と充実度。
10周年記念に、作家さんからのお祝いイラストも収録。
                         2009/8/23、8/26UP

48巻/
六人目のペインを倒し、本体に単独で向かうナルト。ペイン本体の長門と対峙する。平和という概念が抱え持つ矛盾に悩み出すナルト。自分の行動が正しいのか、答えを見つけようとする。ナルトが初めて理解する自来也の言葉。そして相手を理解したいと長門の過去を受け止めていく。長門はナルトと理解をし合い、外道輪廻転生の術を使う。生き返る木の葉の人々。
木の葉ではダンゾウが新たな火影に。

バトルはないけど、ほんとの意味でクライマックス。
憎しみの連鎖を重く受け止め悩むナルトの成長が嬉しくなる。双方に「正義」がある。ここから抜け出すには善悪の概念を超えていかねばならないのだが、どこまで成長できるのか、ナルトたち未来を背負う彼ら。すべては対話からなのだ。
そーなんですよね、その場では決してわからない師の教え。でもきっといつかはわかるもの。師の立場になってみるとそれが理解できてくる。

重い話になってきたが読み応えがある。面白い作品で大人にも勧めたいけど、ここまでの巻数を読んでもらうのはかなり難。もったいないことだ。
バクマン。」の連載を読んでいて知ったのだけど、ジャンプでは「人が人を殺すシーンを描いてはいけない」成文律があるらしい。うーむ。すべての漫画にいえることだが敵を倒し続ける内容は、もうそろそろ限界なんだろう。それに対して、作者の答えはここにあるんだと思う。
                         2009/11/12、11/23UP

49巻/
五影会談が開かれる。ナルトは雷影と交渉を図る。
サスケも火影暗殺に動き出す。ナルトの恋心。ナルトとサスケの運命。

早売り見つけて読んでしまった。わーい。通常発売は、年明け4日。
テーマが語られていく巻。カカシとの会話で見せたナルトの笑顔にうっかり泣きそうになった。
大人の頭の固いのは現実も一緒。社会のルールを振りかざし、人をみない。子どもたちの未来に託すしかないのか。法は大事で守る基準だけど、それに囚われて芯を見失うのは怖いこと。ナルトのやり方は幼いけど、その行動は真だ。
作者の表紙裏のコメントから。私もながら族。どちらかといえば音楽。映画は集中しちゃって絶対ムリ!
                         2009/12/30、12/31UP

50巻/
風影の我愛羅、サスケを諭す。しかし。ダンゾウを追って五影会談に殴り込むサスケ。
うちはマダラが話す“月の眼計画”とは? マダラが仕掛ける第四次忍界大戦に向けて忍連合軍結成。
八尾のキラービーと暁の干柿鬼鮫。

まとめて読みたい。感心しきり。
                         2010/3/31、4/06UP

51巻/
木の葉が総意でサスケに向かうと決める。サクラの覚悟にナルトは。
風影の我愛羅はナルトを友と呼ぶ。
マダラは、サスケVSダンゾウを仕掛ける。そしてカカシ。

上手いなぁ、人気の乏しいダンゾウと、サスケを戦わせるとは。
ほんとによくこんな話思いつけると感心。絵、変わりましたね。
                         2010/4/30、UPも

52巻/
カカシとサスケ。サクラは…。そしてナルトとサスケは顔を合わせ、ナルトは想いを伝える。
忍連合軍動き出す。フカサクの予言から九尾と合一する鍵を渡されたナルト。導くのはタコ? ナルト、八尾の苦悩を知る。ナルトの敵は自分の中。

この物語は、ナルトとサスケの陽と陰の話なんだなぁ。そして巴のようにふたつが入れ替わり戻る。まさにこの世の理だ。
展開もまた楽しくなってきた。
                         2010/8/05、8/07UP

53〜55/
53巻。ナルトは自分の中の九尾を受け入れる。そして九尾の封印を解き戦う。ナルトは母クシナに会う。母の愛。ナルトの出生。
54巻。ナルトは九尾の力を手に入れる。54巻。ガイと干柿鬼鮫。鬼鮫の過去。月の眼計画とは。マダラに勝負をかける小南。土影動く。カブトとデイダラ。
55巻。ヤマトが人質に。

読みっぱなしで感想も途中にしてて、新刊出たので慌ててUP。

みんな元は愛だったという……。そして母の愛がもっとも強力な武器。ベタベタな王道内容なんだけど、泣けたなぁ。普遍。ミナトかっこいい。家族の風景を描いた503話の扉絵に涙。一見平和に見えるシーンがどれほど貴重か。

シリアスの中の笑いも変わらずに楽しい。セリフの粋さは健在。
ナルトの昼ドラツッコミに笑った。
この作品って回想が切なくて良いんだよねー。
気になるといえば、この絵。ラフすぎないか? 確かにこれも作風、言いたいことが伝わればとりあえずはいいんだよねモードだ。勢いというのも感じるけど、読者に疑問持たせていいのかな。とっても上手いし、個人的には好みの画風だけど。
                         2011/3/10(震災前日に読んでいた…)

56〜59/
56巻。暁との総決戦。大蛇丸の術、穢土転生。金銀兄弟。戦いの中でそれぞれの成長。ナルトは異変に気づく。
57巻。イルカの想い。マダラは月の眼計画の成就へ向かう。ナルトは参戦を決めて。キラービーの大切なもの。
58巻。我愛羅の母の愛。イタチと長門。
59巻。五影集結。ともに戦う。本物のマダラ。

前回は震災前日に読んでそのままにしてた。月日速し。
56巻にはこの作品らしからぬ戦略紹介。珍しいよね、でも確かに話が複雑にはなっている。

死者を蘇らせ戦わせる。師だったり家族だった大事な人たち。こういうのがもっとも深い罪と思う。愛や家族、仲間とはなにか、の、見せ場に沿っているけれど。
チョウジの活躍はこの作品ファンには格別なんだと思う。一作品づつちゃんと向き合うっていいよなーとノック中心読みだと寂しく感じることもしばしば。
                         2012/2/25、53巻からの分、2/27UP

《こんなふうにおススメ》
2,000年代を代表する作品。読むべし。

【コミックスセット】


【コミックス】


ラベル:岸本斉史
posted by zakuro at 23:02| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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