2009年08月01日

お伽もよう綾にしき(完) 全05巻

【お伽もよう綾にしき】 全05巻  /ひかわ きょうこ

幼い頃から“もののけ”に好かれやすく、両親のいない鈴音(すず)は、昭善尼の庵で育つ。
7歳になり、いじめっ子にいじめられている時に助けてくれた日高新九郎義景を、勝手に父と呼び慕うようになる。
新九郎の教えで、それらを退ける能力も育っていた。
しかし出会いから一年半後、妖術師の大木源八郎と一騎打ちした新九郎は、死んだものと教えられ……。
それから10年、すずは国を揺るがす跡目争いに巻き込まれていく。

歴史もののラブストーリーかと思って手に取ったけど、それだけでなく物の怪ものだった。しかも面白い。棚ぼた気分。
飯綱法まで出てきて、驚き、一気にのめり込んだ。
おじゃる様が飯綱狐ということらしい。

時代は500年前くらいの設定かと予測したが、室町中期とのこと。およそ550年前。

新九郎が眠っていて目覚めるまでに10年。つまりまだ19歳ということになる。すずは、18歳。
この流れの作り方は上手い!さすがだ。
名で縛るのも、これに関連づけていてそこも唸った。

新九郎が幼いすずに宇宙の理を話す時、背景にシェルピンスキーのギャスケットが描かれている。
フラクタル構造の宇宙を何気なく表現していて興味深かった。
音が宇宙を動かすOSであることもわかりやすく説明している。

修験道を修めた新九郎の術は主に真言密教に伝わるものが中心。
もっと道教的なものも取り入れて欲しかったけど、この時代は密教が主流だったと思う。
不動明王の真言が、1巻では微妙に違っていて、「音で捉えるからこれでも良いのかな?」と思ったのだけど、2巻ではよく使われているものになっていた。
源八郎も真言使っているのに、不動明王は壊しちゃうんだ……。

俄然、長く作品を発表している大御所のこの作家さんに興味が湧いてきた。
五郎太可愛い。そばにおきたい。
3巻ラストの、新九郎と源八郎の幼い姿にじーんときた。
                         2009/1/02
                         2009/1/03UP

《こんなふうにおススメ》
久々に、「続きが読みたい! 連載ってどうなっているの?」と思えた作品です。
楽しく読めます。

5巻/
おじゃる様の危機。生死を彷徨うのを鈴音は祈る。
鈴音と新九郎はそれぞれへの想いを自覚しているが、鈴音の中にまだ「ととさま」の新九郎がいることにも戸惑いを覚えていた。
貴船は大江家政を操り、自ら表に出ることなく伊摩の沢田城を攻めてくる。鈴音と新九郎は、おじゃる様と現八郎とともに貴船に向かう。

この巻でラスト。もっと続くような気がしていた。

許しと解放がテーマ。
こういうのって説教臭くなりそうなのに、しかも精神性の高い話を、少女漫画の中に見事に昇華している。作家さんの真の実力を垣間みる。
偏見ではないけど、阿字観の説明が少女漫画に出てくると思わなかった。

全体的に見ても、真言密教系、詳しい。すごいなー。
作者コメントを読んで納得、なぜ最後に蔵王権現が急に出てきたのか違和感があったのだ。権現は、明王や観音とは、少し様子が違うからだ。修験からきた密教、と、いうことらしい。
なんだかんだいっても面白かったなー。
                         2009/7/27

【コミックセット】


【コミックス】

posted by zakuro at 20:50| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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