2010年07月18日

薬師アルジャン (完) 全11巻

【薬師アルジャン】 (完) 全11巻  /山下 友美

小さなベアゾル王国の跡継ぎプリムラ姫は、幼い頃より命を狙われ続けていた。
国王は姫の毒味役として、全身を毒に侵された「バジリスク」と呼ばれる殺人兵器として育てられた奴隷の少年を買ってくる。
バジリスクの髪は毒のために銀色になり、彼に触れるだけで時には死に至る。
プリムラは初めて一緒に食卓が囲める友だちが出来たと大喜び。彼にアルジャン(銀)と名をつける。
しかし、姫の命を狙う最中に、プリムラはアルジャンの使命を知ってしまい、彼を助ける為に解雇する。
二人とも年頃になって再会を果たした時、「その力を活かせ」とプリムラに言われたアルジャンは、薬師となっていた。
プリムラのたっての頼みで、アルジャンは城付きの薬師となるが……。

「プリンセスGOLD」に連載中。
面白ーい! 薬剤師をしていた作者の知識が満載で、しかもラブストーリーとしても良く出来ているファンタジー。

身分の違いはこの手の設定にはデフォルトだけど、なにより触れると死に至る、それに無理ない設定を作り込んであるのが上手い。
髪には触れても大丈夫、とか、微妙な線がじれじれさせてくれて、ラブロマンスとしてもちゃんと成立しているよね。
ここは、海外ドラマ「ダーク・エンジェル 2シーズン」と同じシナリオ。
こんな設定だと、いくらでも暗い物語を作れるのに、根っこが明るいのが救われる。

ナバラ国の第三王子ロルカも良い味で、そちらも応援したくなる。

現在8巻まで刊行。早く追いつきたいです。
                         2009/02/19、2/20UP

《こんなふうにおススメ》
作中で語られる薬草などの蘊蓄も楽しい。面白いです。

5〜11巻/
この巻からは、アルジャンが自分の身体を無毒化させるための旅が始まる。姫に自分の気持ちも告白、姫に向き合うために、姫に触れられるようになるために積極的に人生に向かう。プリムラは誰と添い遂げるのか。即位は?

素晴らしい。良く出来ている。
少女漫画作品の枠に閉じ込めるには惜しい面白さ。すごい。波瀾万丈の展開、息つく暇なし。濃い〜。

脇役のサイドストーリーも大筋に巧く組み込まれ、読み応えのある秀作。話作りの理想。
細かい設定も把握して完結したくて全部最初から読み直し。うーん、やっぱり感想は変わる。完結しているものから読んでいった方がいいんだろうな。

話の軸は、歴史物語を利用してのロマンス的な「天は赤い河のほとり」とは真逆で、ロマンスをベースにしながらの人々の歴史の中での立ち回りを描いたお話。

とくにこの作品が好きなのは、人をしっかり描いているところ。
アルジャンもどんどん人間くさくなる。善人だけなどありえない。それぞれに事情があり、みな必死に生きている。その心の推移が絶妙。
それが描かれていて、夢物語だけにならない。こういう作品を描いてくださってありがとう。
ソーダの猿回しぶりは巧い。
カストリア編、面白かった。
ロルカ、良い男だよなー。

名台詞は多くて書ききれない。
2巻の「ひとりでは王になれない」王は自らなるものではなく、選ばれるもの。周囲に信頼されて持ち上げられてこそ、上に立てる。王になるには、すべてを受け止めてなお闇にも何も染まらぬ何かが必要なのだ。
7巻「この世に生まれて来たからには、何かの役に立つ。この世にムダなことは一つもないんだ、経験も人も」

病に対する考え方はホメオパシーであり、現代医学に通じる。
なぜ病気があるのか、そこまで考えさせられた。そんな哲学も示唆。

ヌカ師アルジャンも最高。
一万冊を読み終わったらまた読み直したい作品。もっと評価されて良い。
続編希望。
                        2010/7/17

【コミックセット】


【コミックス】

ラベル:山下友美
posted by zakuro at 20:17| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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