2012年03月28日

3月のライオン 07巻まで

【3月のライオン】 07巻まで  /羽海野 チカ

桐山零(れい)は、幼い時に交通事故で両親と妹を亡くす。施設に入れられそうになったが、父の将棋仲間の人に引き取られる。それが零の生きるよすがだった。
プロの師匠でもある義父から仕込まれ、中学生でプロになった零はそのまま家を出て自立する。零に負けた義父の実子が棋士への道を諦めざるを得なかったからだ。
1年遅れで高校に入学したが、もともと人付き合いが良かったわけでもなく……。
ある日、棋士仲間に無理矢理飲まされ、道端に捨てられたところを川本あかりに拾われる。
川本三姉妹に迎えられ、疑似家族ではあるが人の温かさを知っていく。

羽海野チカの青年誌(「ヤングアニマル」)進出の作品。

うっわー、面白いっ!
「ハチクロ」の感想をまだまとめてないので、ついつい手に取らないでいたのだがっ!
羽海野チカ、やっぱすごい。

この作家さんは、最初が読みにくい。
独特なインナーワールドがあって、そこに惹き込まれるのに時間がかかるのだ。
でも、入ってしまうとそこに、深くてほんのり癒されるセカイが広がっているのだ。善的に温かいのではなく、傷も痛みも嗚咽さえもその中に含まれていて、それを丸ごと包んでくる。

一見うざいんだけど、勝負を通して零と絆を結んだ二階堂や、野球ではあるけど同じように勝負を通して真剣勝負で向き合う高橋くんもイイ。
次女のヒナ、そして三女のモモもその世代の特徴が出ていてリアルで楽しい。

下町感もこの話を緩やかに覆っていて、それを抜きには成立しないところも上手い。
感じとしては、築地や月島あたりの雰囲気。

一回惹き込まれちゃうと、カットの構図やアングル、ちょっとした心情を表す、しかも何気ない言葉で、それだけ抜き出しても意味をなさないものらが、危ういんだけど確信犯的に散りばめられていて、うっかり泣けてしまうくらい心に沁みてしまうのだ。
その、間の取り方と、ストーリーとしての光と影のバランスが絶妙。
読んで切なくなってくるのは、これ。
この作品だけでなく、心象風景の天才だと思う。
それを生み出せるのが、この作家さんの特徴であり、指示される所以なのだろう。
零の孤独感と虚無感、そして川本家の人々の抱えながらも優しく生きていく姿との対比が、なんとも心に迫ってくる。

うっかり将棋を勉強してみようかと、なまくらな私が思ってしまうくらいに面白い。
将棋の世界の仕組みを知ると、興味が出てくる。
ルールやゲームの進め方がわかっていたら、もっと面白いんだろうな。
うっかり棋士の給料調べちゃった。

プロの世界の厳しさってある。
そこは作者の心情と重なる部分もあるのだろう。
中途半端で手に入るものは、やはり半端なのだ。

よつばと!」の父ちゃんと被ったトーンの話、松永が「もやしもん」の樹慶蔵状態になっていたのも笑った。
あかりねいちゃん(本文まま)の巨乳には、私もドキドキする。
                         2009/3/15

《こんなふうにおススメ》
とうとう連載も追い出しちゃいましたっ!
やばい。でも、面白いんです。困った。
                         2009/3/16UP

UP追記>
邦画の「三月のライオン」は兄妹の近親相姦の話。
連載を追い始めて、この物語でも似たような隠喩があって、近い未来に暗い影を落としている。
そのまま、将棋の話中心であってほしいなぁ。
                         2009/6/27

3巻/
年末、ひどい風邪で寝込んでしまった零。孤独な中、悪夢を彷徨っている時、川本姉妹に救出され、看病されながら正月を迎える。
年が明けて、零は獅子王戦に臨む。そして島田開八段との勝負。零は、島田の研究会に入れて欲しいと頼み込む。

この作品はとても好き。いろんなことを考えるきっかけを与えてくれる。
応援しています。

将棋って、身を切る勝負なんだ。確かに勝負事ってみんなそうだよね。

川本家ってほんとにいい。ホームって感じがする。下町に住みたくなる。台所や狭いリビングもむりやり増設したお風呂も不自由そうなのに、幸せな家族が詰まっている。
零の言う「こたつみたいな家」って良い表現。
おせちも感激した。重箱を埋めなきゃ!って気持ち、よくわかる。
そして「達成感とめんどくささはもれなくセット」もそーなんだよねー。
なんで、こういうちょっとしたことを取りこぼさないんだろう。そこが好き。
後書きを読んで納得した部分も多い。
スミスさんといちごちゃんも可愛い。

人生にはいろんな選択肢がある。
自分の能力と、選択肢の中の何かが早めに一致できた人は幸せだ。改めて、そう感じた。
自分はこの歳になってまだまだ「若気の至り」をやっている。その恥ずかしさにも気づいた。
                         2009/8/31、9/07UP

4巻/
島田と、宗谷名人の対戦。零は進級。

なんでこの作品にこれほど吸引力があるのか、今更ながら気づく。
青春の痛み、置き忘れられてしまったモノを想い出す。それを機動力していけるのか、零への応援が自分に重なる。ああ、頑張っていこうと思う。
人が抱える痛みがクローズアップされた巻。期待を得て応えようとする痛み、優しさを受けて感じる痛み、切なくな嘆く痛み。人間だからだ、愛おしい。
生きるってすごい。泣けた。
                         2010/4/10、4/12UP

5〜7巻/
5巻。天童で人間将棋。百面指し。新作和菓子。放課後将棋科学部。第69期名人戦。幼き頃とイジメ。
6巻。ひなのイジメに零は思い悩む。二階堂の死闘。新人戦。
7巻。山崎順慶。将科部改め将棋部。ひなの担任の入院。イジメの行方。零は宗谷名人との記念対局戦。

面白さに陰りがない。昨年のマンガ大賞を受賞。
久しぶりに手にすると思う、絵、好きだなぁ。温かみのある背景も大好き。木造家屋も痺れる。
イメージ映像、凝りすぎ!笑った!

零の元担任、良い先生だ。正面から向き合ってくれる。
私にはイジメ問題に出す口がない。した方、された方、その周辺にもいなかったからだ。とても難しい問題。それにアドバイスできる言葉を何も持たない。それでも、あかりが倒れたときには心底怒りが沸いた。ひなの強さを応援。
国分先生に教師の光を見た。まとめて読めて良かった。でないと切なく悶々してた。
自分の居場所、それは誰もが追い求めるものかもしれない。

天童市のイベントすごい。一度行ってみたい。
7巻の表紙、新キャラかと思っちゃった。
新人戦記念対局、ポスター笑った。
7巻に「花とゆめ」の広告が登場しているのも、ネタのうちで笑った。
                         2012/3/25、3/28UP

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:羽海野チカ
posted by zakuro at 00:45| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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