2010年06月08日

テガミバチ 10巻まで

【テガミバチ】 10巻まで  /浅田 弘幸

アンバーグラウンド、夜の明けない星。人工太陽の届かない危険な地域を旅し、“テガミ”を届ける国家任務がある。国家公務郵便配達員BEE、通称では彼らを“テガミバチ”と呼ぶ。
ある廃墟のポストに繋がれた、ゴーシュ・スエードが運ぶテガミは、7歳の少年ラグ・シーイングだった。
アンバーグラウンド国は階級制度で3つに分かれ、裕福層のアカツキは太陽に照らされている。中級層のユウサリ、そして下層のヨダカに至っては命の危険も多い。それぞれのエリアは川で分断され、政府の発行する通行証がなければ渡ることができない。
ヨダカ最果ての地キャンベルまでラグを届ける為に旅をする間に、ゴーシュはラグが精霊琥珀の義眼を持つことを知る。
キャンベルに着いて、ラグは決心する。ゴーシュのようなテガミガチになることを。
5年後、ディンゴ(相棒)になった女の子ニッチとともに、ラグの旅が始まる。

ジャンプスクエア(SQ)、創刊からの連載作品。

夢中で読んだ。泣いたなー、正直、曝泣きした。ファンタジーとしてとてもよく出来ている。面白いー。

イラストとしても切り取れる、アーティスティックな独特の絵。私は好きで、この絵に惹かれて読み出した。
色合いがなんだか宮沢賢治をイメージするのだ。ポップで、異世界のファンタジーなんだけど、ここには日本があるんだよね。なるほど、ゴーシュは、「セロ弾きのゴーシュ」からなのか。

実は……やっちまいましたの連載追いも始めちゃいました。あああ。
そこで、ゴーシュそっくりの絵に、中原中也の詩があるのを発見。いろんな意味で納得。中也の詩集の表紙をこの作家さんが描いているのだ。「DEATH NOTE」の小畑健さんが「人間失格」の表紙を描いて、また太宰がベストセラーになったので、集英社がこぞって古典に人気作家を投入している……それが今ブーム。こういった作品が若い人たちに読まれることは良いことだと思う。個人的感想、表紙買いとしては、この2点に、荒木飛呂彦さんの「伊豆の踊子」が佳作。
ちらっと作者のブログを見たら、小林秀雄について書かれていた。私も大学で小林秀雄やったので、共通項を見つけて、なるほどますます納得。どうやら鎌倉詣でをされたらしい。私もしました、文芸の出版社の編集者と。いいよね、あの周辺。懐かしい。
この作家さん、谷崎もきっと好きだろうな。

演出過剰なところもあるけど、少しだけ読んで現在は止まっている「ジョジョの奇妙な冒険」に通じるものも感じる。

確かに、テガミには、たくさんの心や希望、願いがこめられている。私がココロを伝えたい人は誰なのか、しばし考えてしまった。
隙間に余韻が詰まっていて、感じること多し。

瞬きの日に生まれたラグとシルベット、二人とも身体の一部を損失しているのも、伏線。
その大事なものを取り戻す旅なのか?
ニッチのキャラは強烈。すごい。感激して震えてしまった。可愛いし、なんともカッコいい。ステーキとの関係も最高。自分の髪をスキーにして滑る姿に爆笑した。
ニッチとは、元々は聖母や花を飾る場所のことを言うらしい。ほおお。

これ、ハリウッド映画になったら面白いのに。ちなみに、秋からアニメになるらしい。あの独特のタッチが出てくれると幸せだなー。そして心弾に楽曲の名があるように、それも楽しめると嬉しい。
                         2009/3/31

《こんなふうにおススメ》
エンタテイメント作品です。面白い。漫画の良さを余すことなく駆使、表現している。
ガイチュウの絵は強烈。上手過ぎ。
                         2009/4/01UP

7巻/
ラグとニッチは“略奪者”の足跡を追って氷河の里に。そこの洞窟は、摩訶(まか)の住処で里の人の聖地だった。
ニッチの出生の秘密が明かされる。双子の姉と再会。感情の揺れを経験すると、成長を遂げるという。
ザジはゴーシュに襲われる。
“こころ”が留まるか、抜け落ちるか、で、精霊琥珀になるか、鎧虫になるか、その秘密がニッチの姉から語られる。

ニッチは可愛すぎる。とくに真っ直ぐな心。それは自分自身を信じている強さだ。
心が挫けそうな時、何度も読みたい作品。
                         2009/7/15、9/02UP

8巻/
ノワール(ゴーシュ)は鎧虫をどうするつもりなのか? ザジがラグをサポート。ふたりはラメントの街に入る。
コナーと再会、修道女を好きになったと聞かされる。その厳格な修道院はリバースの拠点と、ラグは見当をつける。
男子禁制の院に女装して忍び込むラグ。リバースの集会が行われていて「『人柱』が世界を再生する」と煽っていた。
ロダに変装を見破られたラグは戦いながら、政府のことを聞く。人々の“こころ”を救うため、アンバーグラウンドを闇にしようとするリバース。テガミを囮にし、首都を襲わせる計画だった。
ゴーシュに手紙弾を打ち込もうとしたが失敗、ラグはありったけの心弾を打ち込むが、ゴーシュの“こころ”には届かなかった。ザジは手紙弾を探し、ラグに渡す。
修道女サニーの“こころ”が鎧虫に喰われ、悲しむコナーと怒るラグ。ゴーシュに手紙弾を打つ。戻ってきた鎧虫に捕らわれたラグとゴーシュ、一瞬だけ意識を取り戻したゴーシュとともに撃退するが。

政府のアンバーグラウンドと、反政府組織「リバース」の実体がようやく少しだけ見える。
萌えどころはラグの女装と聞いていたが……。かわいい。
この話、ホントに好き。ただ今、テレビ東京系でアニメ放映中。
                         2009/10/09、10/13UP

9巻/
ラグはゴーシュを連れてユウサリの中央ハチノスに戻る。ユウサリの職業斡旋所で日雇いのディンゴ、ビル・ビッシュを雇い配達に。ニッチ戻る。
首都からの監査人、カリブス・ガラードとヘイズル・バレンタイン。ハチノス館長のラルゴ・ロイド解任される。凍結物件課に左遷されたラグ、そして副館長のアリア。ラノアとシャズの物語。

ラグにはニッチ。ニッチとステーキいないと調子が出ないよ、読んでても。髪技が神業に進化したニッチ活躍の巻。
ラノアとシャズの話、良かったなー。こういう話がテガミバチらしく感じる。これを続けて、クライマックスでゴーシュの話にして欲しかった。創刊したばかりのSQだといつまで続くか、それが不安材料だったのかも。
                         2010/4/20、4/26UP

10巻/
ラグ、風邪で倒れ、アリアが配達を。ニッチはラグの頼みでアリアにつく。アリアのディンゴのボルト。
ゴーシュ覚醒。飛行船墜落の謎と、人工太陽の秘密。

ニッチ狂おしいほど可愛い。
それにしてもネーミング、すごすぎだな、いろんな意味で。
内容は変わらずドキドキ。
                         2010/6/08

【コミックセット】


【コミックス】


【集英社文庫から】
これが、中原中也詩集の表紙。
ちなみに、集英社版のこの「人間失格」。太宰が愛人との間になした太田治子も鑑賞を寄せている。

ラベル:浅田弘幸
posted by zakuro at 06:50| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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