2012年02月16日

結界師 (完) 全35巻

【結界師】 全35巻  /田辺 イエロウ

墨村家結界師22代目予定の墨村良守(よしもり)。
霊的エネルギーの強い烏森家の殿様に仕えていたのが開祖の間(はざま)時守で、その間流結界術の正統継承者には、出生時に身体のどこかに方印が出る。良守の右掌にその印があったため、幼い時から厳しい修行をさせられていた。
同じ流派から始まって、弟子同士の後継者問題で400年経っても揉めている雪村家はお隣さん。良守より2歳年上の時音(ときね)も、方印を持った22代目の継承者である。
今はもう烏森家は滅びたが、その土地には妖怪を成長させてしまうエネルギーが残っていて、結界師たちはいまだ活躍していたのだった。
小学生の頃、妖怪にうっかり情けをかけた良守は時音に怪我を負わせてしまう。良守は泣いているばかりじゃなく強くなろうと決意する。
ふたりは、14歳と16歳になり……。良守と時音、妖犬の斑尾、白尾を従えて、ふたりを中心に巻き起こる妖怪退治物語。

良守の趣味はお菓子の城をつくること。
そして優先順位一番は、時音に怪我をさせずに守ること。
こういう何が何でも守っていこうと思いのある男子は現実には少ないので、嬉しくなる。

週刊少年サンデー連載。
前にも書いたが、この作家さんは女性。
いやはや、これだけスピード感と躍動感のある作品が創れるとは。
もう、女は大きな話が創れないという思い込みはやめた方が良いです、世の中は。まあ、この15年はそんなこと言う人はもういないか。ハリー・ポッターだって女性だしね。
子どもの時に出会って、もっとワクワクしたかった。

絵がとにかく上手い。また、カラーが特に素晴らしい。
このノックを始めて思ったのは、絵の上手い作家さんがとにかく多いこと。進化している。
8巻くらいから線が特に美しくなってきているのもわかる。

4巻までは挨拶のようなもの、5巻で良守が烏森に対して疑問を持ち始めるところから、急速に面白くなっていく。

ウロ様の棲む神の領域は、まるで夢見のセカイにそっくり。
自分が自分であることを認識するために掌に名前を書く方法は、精神療法での夢見治療に似ている。面白い。

黒兜の出現とその後は、ナウシカの巨神兵の話にそっくり。
以下はコネタ。
マザーさんって金持ちでびっくり。何が本職?
元パティシエの夏彦さんが成仏する時は不覚にも泣けた。
出てくる料理が美味しそうで幸せになる。
茶野元晴(さのもとはる)にはショック。いくら漢字が違っても……。

お茶の間設定の話ではあるのに、スケールもあって、面白い。
設定的にずっと場所が動かない不満は22巻から解消される。

まだまだ風呂敷は広がったままなので、これからどこまで回収されるのか。
楽しみに待っています。
                         2009/5/15

《こんなふうにおススメ》
タイトルの文字も好き。
ずっと「子ども向けだから」と、手にしてなかったのが残念!

23巻/
良守が時音を追って断頭島に乗り込んで。時音が見せた涙が良守の力を開放し、夜城(やしろ)の洗脳を解く。
烏森に戻ってからは、良守と時音の気持ちに焦点があたるラブモードに。
神佑地の危機は続き、次は烏森の予言が出る。夜行から助っ人三人が登場。裏会総本部から、氷浦蒼士(ひうらそうじ)が派遣されてくる。

この巻の感想は、一言でいい。良守、時音を好きすぎる。

あ、もうひとつだけ。影宮、可愛すぎる。
                         2009/7/27、7/28UP

24〜25巻/
24巻。烏森を守るために来たという氷浦を良守は信用できない。
そして妖怪退治中に、何者かに何かを烏森に仕掛けられる。裏会の裏切りなのか?
良守は力をつけるため、祖父に結界術の神髄の伝授を頼む。
一方、閃に頼んで、烏森に仕掛けられたものを探る良守。夜行から、まじない班がやってくる。

25巻。烏森と「会話した」良守。烏森を一時的に説得。術を解除する。
無想箱の特訓から無想部屋に。縞野の特訓。
正守は裏会総本部として、扇一族の討伐に入る。裏会の危機。

良守、大人になったなー。周囲と協力しながら、なんとかしようとする。
面白さが増してきた。もしかしたら今までで一番好みな展開かも。

「集中」ってことに大きなヒントを与えてくれる。
井戸底でまやかしと戦う良守。「超スゲー」に爆笑した。
人間くさいネコの妖、縞野、最高。顔を見ているだけで笑える。
                         2009/9/07、9/10UP

26巻/
蛇の目の巫女サキが烏森に現れ、裏会の崩壊と幹部連続殺人について報告、烏森に神佑地の未来を託す。
裏会総帥逢海日永(おうみにちなが)。
良守の修行は最終段階に。
扇七郎も接触。裏会崩壊に向けて動きが早まる。それぞれが烏森に向かい始める。

新キャラを出すより、え!? この人が? の展開が欲しかったな。割と先まで考えて作ってはいないのかも。
23巻終わりから、この後に続く巻を一気読みの方が面白い。
そろそろ烏森の正体がわかるのか? 40巻超える気がしてきた。
                         2009/9/28、9/30UP

27巻/
カケル、ミチル烏森襲撃。烏森全体に術をかけられ、街そのものを“人質”にされる。正守と十二人会の夢路対峙。壱号と参号と呼ばれる氷浦の戦い。まじない師染木文弥を中心に夜行結束、反撃に向かう。この騒動の真相は。逢海日永(おうみにちなが)、月久の兄弟。

ホントに面白さとは難しいものだな。伏線多すぎて、しかもドキドキしなくてかえって見えてこない状態にイラッとする。後からまとめて読んだ方が良いのか。
なので数巻にまたがる、神佑地狩りの真相に着手し始めた巻なのに、感動もなかった。
この敗因は、「あの人怪しいかも」と読者を楽しませなかったこと。新キャラのように後出しはつまらない。ここら辺の作り込みは「BLEACH」は上手かった。
良守、良いとこなしでもあった。
                         2009/12/19、12/22UP

28巻/
良守の分身“しぐま”。無想の境地の修行完成。
ミチルとカケルの烏森を壊す歯車、回り始める。対まじない、地の龍。
正守と夢路(月久)の駆け引き。奥久尼が話す烏森の謎。それは魂蔵持ちと呼ばれる“人間”なのか。
扇七郎の乱入。

良守の格好いいところが始まるのかと期待した。なんだろう、もうドキドキしない。うーむ。クライマックスを作るの、上手くない作家さんと思う。
                         2010/2/18、2/19UP

29巻/
氷浦蒼士が斬られ、良守暴走。扇七郎が良守に会いに来る。扇家は総帥から契約を解除される。
いよいよ総帥VS裏会。正守は昇進、記録係を集める。そして水月。
氷浦失踪。母、守美子(すみこ)帰る。

話が動き出して面白くなってきた。
努力して自分の最高地点を知った後、その上を行くには基礎力の全体底上げしかない。確かにっ!それ、すごいよ。
烏森はどうなるのか。次巻も楽しみ。
                         2010/5/20、UPも

30巻/
良守と時音は、母守美子とともに烏森のお殿様に会いに行く。異界の城。宙心丸。烏森は学校から移動する。
そして良守は修行の地に赴く。山奥の廃屋が新烏森城。夜な夜な妖退治に良守は勤しむことになる。そして謎の敵。

なんか、あっさり? いやいやこれはこれで面白いけど。場所が移ると気分が変わって面白くなる。
                         2010/8/21、8/22UP

31〜33巻/
31巻。罠にはまった良守。開祖の間時守。正守は無道を蘇らせ。良守は時守と修行。真界。扇七郎の実家である神佑地、嵐座木神社。
32巻。嵐座木神社攻撃され、総帥の真の目的。総帥VS裏界総本部。間時守の過去。烏森との関係。
33巻。正守は諦めず。良守も覚悟を決める。良守と時音の再会。まほら様。

斑尾のデレぶりに爆笑。
「本気な人には本気で向き合わないと悪い」「世界を恨むな」真理。
伏線総回収。いよいよ収束へ。
良守、背が時音より高くなっていた。
今この時期に読めて良かった。
                         2011/4/10、4/15UP

34〜35巻/
34巻。時音はまほら様を覇久魔の地を譲ってもらうように説得に。開戦。水月の裏切り。
35巻。総帥の400年に渡る真実。時音は戻る。まほらは新しい神佑地に。宙心丸は新たな真界に封印される。守美子の決意。終幕。

途中いろいろ思ったけど、最後はかなり良かったんじゃないでしょうか。
最後は大人の話になった。諦めずに読みきったほうが面白い作品。見事。とても切なかった。楽しいシーンなのに切なくて泣けた。けっこう大泣きした。

自分の「枠」も確認したいと思った。それには謙虚さが必要。もしかしたら、私たちもこの「世界」というものに封印されているのかもしれない。
正守の視点が読者の私たちに一番近い気がした。次回作も超期待。
                         2011/9/20、2012/2/16UP

【コミックセット】


【コミックス】

ラベル:田辺イエロウ
posted by zakuro at 00:01| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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