2009年07月15日

エマ(完) 全10巻

【エマ】  全10巻  /森 薫

19世紀末、英国ロンドン。階級社会もまだ根強い時代。
ケリー・ストウナーの元でメイドとして働くエマ。
ケリーは夫亡き後、長年家庭教師として生きてきて、貿易商の名家の跡取りウィリアム・ジョーンズは教え子のひとり。十数年振りにウィリアムは、引退して隠居の師のケリーを訪ね、そのままエマに一目惚れする。
エマは天涯孤独の孤児であったが、ケリーの愛情でしっかりと教育を施された娘だった。
美しく控えめで働き者のエマの人気は高く、多く求愛を受けていたがエマの心は動かない。そんなエマをケリーは心配するが、同時にウィリアムへの好意も見抜いていた。
身分違いの恋、波瀾万丈の物語。
8巻からは番外編。
若き日のケリーとダグ。療養中のエレノアの新しい出逢いなど、周辺のサイドストーリー。

月刊コミックブーム。
掲載誌の関係で少年系にカテゴライズしたが、もはやそういったカテゴライズに意味があると思えなくなってきた。

王道メイド漫画として人気を博したが、中味はいたって真面目なヴィクトリアン調恋愛物語。
いやー、噂にはいつも聞いていたんですが、こんなに面白いとはっ!
アニメにもなる。

話の軸は、身分違いの恋。
子どもの頃、「大草原の小さな家」や「若草物語」にはまった方にはおススメ。
イギリス映画の「眺めのいい部屋」や「ハワーズ・エンド」あたりがお好きなら、きっと大好物に違いない。
作者がイギリスに造詣が深く、その世界観にあっという間に惹き込まれてしまった。

とにかく良く出来ている名作。
小説の佳作を読み切ったような読後感がある。「風と共に去りぬ」みたいな、ね。

特筆すべきはエマの芯の強さ。
そして、ヘタレだったお坊ちゃんのウィリアムが、愛に目覚めて大きく成長していくところが、大河小説的なのだ。

絵は、背景、景色も素晴らしい。
なんとも丁寧で細かくて、眺めているだけで幸せな気持ちになる。
調度品の描き込みなんて、まるで珍しい舶来土産を楽しんでいるよう。万博の水晶宮は感心した。

キャラも個性があって、みな作者に愛されているのが伝わってくる。
しかも、大人がね、ちゃんと大人として描かれているんです。ここ、大事。
周辺の番外編も秀逸。
ヴィルヘルムとドロテアは良いなあ。

大人が読んでも楽しめる作品。
萌え要素もたっぷり。上手い!
もっと早く読めば良かった。

ハキムの付き人のねーちゃんたち、めちゃ可愛い。
動物たちも愛おしい。

この作家さんの作品は、きっと面白いはず。
次も楽しみにしています。
                         2009/7/12

《こんなふうにおススメ》
めちゃくちゃ楽しかった。
シャーリー」も近々UPします。

【コミックス】

タグ:森薫
posted by zakuro at 00:49| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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