2009年09月16日

きみはペット(完) 全14巻

【きみはペット】  全14巻  /小川 彌生

海外留学経験もある高学歴、新聞記者で高収入、背もモデル並みの三高な女、巌谷澄麗(スミレ)。
5年つきあった男に浮気され、部長のセクハラにキレて殴ってしまい、外報部から生活情報部に左遷になる。
頭痛を抱える日々の中、マンション前に“捨てられていた”男子を拾う。食べさせて泊めたのは、以前飼っていた犬のモモに似ていたから。
家出中だが才能溢れたモダンダンサーである彼は、スミレのペットになると自ら決め、モモの名を貰う。
そのモモと、大学の先輩でスミレの初めての人である蓮實滋人(はすみしげと)との間で揺れ動く、恋愛物語。

Kiss連載。ドラマにもなりヒット。ドラマは少し観たけれど、原作の方が断然面白い。

期待以上の作品で感激。面白いし、心に沁みた。
かつて、女性の迷う心理に踏み込んだものは、一条ゆかり作品のような、ある種の正しさをもって押しつけてくる概念に説得させられそうになったり、槇村さとる作品のような、心理的に入り込みすぎて主人公と一緒に泥沼化したりして、自分を見つけていくモノが多かったが、人生を重ねていくと、それらは読むのが厳しくなってくる。
自分なりの価値観が構築されてきて、それとぶつかるからだ。価値観に正解はない。

この作品の秀逸さは、スミレのずるさをずっと読者に容認させたところ。
現実、女の子たちはずっと頑張ってきて、まだ頑張らせようと多くの漫画作品は尻を叩く。そういう作品が2000年以前は主流だった。
この作品は、恋愛に関しては、実はスミレは流されただけなのだ。他で頑張ってるんだから、恋愛くらいはシンデレラでいいじゃん? という、もしかしたらそれは、女の子の究極の願望なのかもしれない。
もう、そんなに頑張らなくてもいいよ、と言って欲しい人のための作品なのだ。
これが2000年代なんだろうな。

仕事場にリアリティがあるのは、作者が新聞社勤めの経験を生かしたためらしい。
基本はスミレの恋愛を中心とした話だが、メディアに関わる葛藤なども取り入れ、読み応えがある。

スミレがバカ正直に、しかし潔く生きているので、モモと蓮實の間をふらふらしてても、嫌悪キャラにならないのがすごい。
スミレの「期待されると(周囲の)それに応えようとして、(自分が)楽しむ余裕がなくなる」身につまされた。自分もそうだ。
スミレのモノローグは、心当たりありすぎで倒れそうになった。そう素直に言うのが恥ずかしいし、痛いけど。

ここからは独り言。
でもなー、スミレのペット状態を容認できるのは、それって30半ば過ぎの達観してから、だろう? とは思う。27歳では若過ぎ。
モモは我慢強いなー。
いいなぁ、ペット。自立した女の最後の夢かもしれない。

モモのいたずら、最高。爆笑した。
合田武志はネタじゃなかった、驚いた。ちなみにジャイアンは漢字が違う、剛田武。
絵もすごく好き、とくにポージングが。
妹想いのスミレの姉もいいキャラで大笑いした。
ラストの巻のスミレ家族の話は、気持ちはわかるけどふざけ過ぎ。楽しかったけど。

4巻ラストのキャラ分析。完全に私はBタイプ。
こんなブログ、やっている時点でアウト。
ユリちゃん最高、大好き。ユリちゃんみたいな性格に生まれたかった。

上手くまとまって、思いっきり楽しめた作品。
                         2009/9/07

《こんなふうにおススメ》
すごく頑張っている女性にオススメ。息抜きできるはず。
男性はこれを読んでどう感じるのか、それを聞いてみたいです。

【コミックセット】


【コミックス】


ラベル:小川彌生
posted by zakuro at 15:25| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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