2012年04月24日

当て屋の椿 06巻まで

【当て屋の椿】 06巻まで  /川下 寛次

江戸。絵師の鳳仙(ほうせん)は本業の絵では食べていけず春画を描いて生計を立てている。しかし、その仕事を通して女の業を知ってしまい、以来女が苦手。
春画の手本に、売れっ子歌舞伎役者の瑠璃丸と愛人の悦をデッサンしていた日、帰途の悦が惨殺される。
鳳仙はあられもなく泣く悦の父親を見て、失った彼女の耳を取り戻そうと、同じ長屋にいると聞いた何でもさがす当て屋の女を訪ねる。
しれっと屈託がない娘、しかし理屈が好きで頭の切れる椿は男嫌い。そんな椿と鳳仙に、椿の幼馴染みの吉原の巫女と呼ばれる篝(かがり)、女医の竜胆(りんどう)らも協力してのお色気ミステリー。

ヤングアニマル。
書店で平積みになっていたので気になっていた。開いたらお色気系。

絵はキレイで、女の子は可愛いし、絵では嫌われない。ヘタレ男に、活きのいいツンデレ女もお約束。
お色気系ではありながら、話の骨組みはしっかり作ってあって面白いし、読みやすい。設定に反映される考え方には共感できないけど、世界観は面白いと感じる。

最初の話は短編だった作品。まとまって良くできている。
かなりグロいので苦手な人は要注意。

ただ個人的には、萎えることも。
着物で巨乳を見せるのは遊女だ。帯の結び方も。着物の描き方は最低だけど、お色気が先にたつ作品なので仕方ない。まあ、それだけでHPが半分になる。

椿は可愛いけど、品がなさ過ぎ。お転婆を超えている。
それがクリアできれば、かなり好きな作品に入ったと感じるほど、面白いのに。

篝は今でいうAV女優的な萌えなのかな。
「現(うつつ)は面倒くさい」は同意。
いろいろ言ってはいるが、続きが待ち遠しい。
                         2009/9/22

《こんなふうにおススメ》
着物は好きなのでこだわりますけど、それを除けば面白いです。
エログロ、嫌いな人は要注意。

3巻/
男子禁制の尼寺で笹百合が妊娠。椿はまんまと入り込みその秘密を暴く。

この掲載誌でしか扱えない話だと思った。エログロ健在。だから表現出来ることもある。表現出来得る場所の価値を最大限に活かす。そういった立ち位置の理解って大事なんだな。

人ゆえの哀れ。実感する。
「尼寺に潜む怪物」は泣きそうになった。

登場人物の表情がさすが。
メインはみな花の名。
面白さは加速。着物云々も気にならなくなってきた。これからも楽しみ。
                         2010/2/25、3/01UP

4巻/
長屋に鳳仙を訪ねてきた深山(みやま)。糧のために生きるとは。“八方睨みの猫”を描くよう依頼され、養蚕業の家に滞在する。女中の薺(なずな)の姿が消え、椿がやってくる。

エログロスプラッタ、しかも人間の闇と哀しみも描いてえぐい。それらのどれもが苦手なのにこの作品は毎回期待しちゃう。この恐怖は幼い頃に楳図かずおを初めて読んだ時に感じたのと同じモノだ。面白いんだけど、読後感は少し鬱。
ほんと絵上手いなぁ〜。
この作家さんの描く女性はどこか幼さが残って、男性に逆らわなそうな感じ。そこがまた良いんだろうなー。ツボというか。さすがだ。
保食神が蚕の起源神で、鼠の天敵の猫を敬うのは納得。
ラストに泣けた。このまま巻ごとに話が完結で進んでほしい。
                         2010/8/31、9/01UP

5巻/
虎が雨に走る夢。ツキと呪い。神隠しの山。

ちょっと回りくどい描き方は否めないけど、絵も素晴らしいし面白い。うーん、お色気系でなければ、もっといろんな人に薦めたいのに。
                         2012/4/06、UPは6巻と。

6巻/
茜の過去。猫と、死者に殺された小姓。薄衣の女。

「神の棲む山」は今まででもっとも切なかった。たたらの話。手を打って理解したことが多い。「土壌掬い」だったのか。
死の臭いの付きまとうこの神話にはずっと興味がある。出雲から来た金屋子神は、諏訪や東北で知られるけど、たたら場には必ず登場する。編集されてしまってわかりにくい神様でもある。諏訪の上社の御頭祭で75の鹿の頭(今は複製で45頭)を供えるが、これは75柱下った神様と代わりと言われる説があるし、ヤコブと親族75人からイスラエルの親和性を語られることもある。そんなことも滲んでいて面白かった。
私には面白いけど、心情的なものも含めてわかりにくい話ではある。この辺りは漫画では「新・変幻退魔夜行 カルラ舞う!」に詳しい。

だんだんと禅問答みたくなってきた。
一時の欲望が運命を狂わせる。不条理。この作品は「人間とは愚かなのだ」と突きつけてきて苦しい。何をもって幸せというのか、最近そんなことばかり考える。

女医の竜胆の話に頷く、体調不安の私がいる。
ホントに面白いんですよ、もっと読まれて良い。まとめて読まないとわかりにくい。
                         2012/4/10、4/24UP

【コミックセット】


【コミックス】

ラベル:川下寛次
posted by zakuro at 00:00| Comment(2) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
5刊がなかなかでませんね
Posted by kabe at 2011年03月21日 16:24
放置気味ですみません。
5巻出ましたね〜。
まだ手つかずです。
楽しみです。
Posted by zakuro at 2011年07月10日 00:37
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