2009年10月02日

イタズラなKiss(未完) 全23巻

【イタズラなKiss】  全23巻  /多田 かおる

高校3年になって相原琴子は入江直樹に告白。しかし瞬殺。しかも周囲には無鉄砲と呆れられる。
入江はIQ200のクールな天才で、成績でクラス分けが決まる学校でもトップのA組。ルックスも運動能力も飛び抜けている。
琴子に「バカな女は嫌い」と言い放って振る。
成績の悪い集まりであるF組の琴子が2年間の片想いを失意に終えた日、新築の家が欠陥工事で崩壊してしまう。板前である父は、家が建つまで親子で中学時代の親友の家に世話になると言い出して。向かった先は、なんと入江直樹の家だった!
意地悪だけど琴子には振り回される直樹と、不器用だが一途で元気な琴子、正反対のふたりのラブコメディ−。

短編1巻。「ボクが泣く」
大学生の福永友美はバイト探し。友人レイの親戚のベビーシッターを引き受ける。
紹介の交換条件で連れて行かれた店で、レイが目当ての女性に人気のウエイターに助けられる。
シッターのバイト中、公園で声をかけてきたのが彼、名取卓哉。隠していたのにあっという間に子どもたちに囲まれ、子ども番組のお兄さんだとばれてしまう。なんと友美はその番組の着ぐるみアイドルにそっくりと言われ。

20巻。「ピンクの雪が降ったら」
子安真粧美は猫を拾った雪の日に東雅貴と出会い2年、歌ェ門と名付けたその猫とともに暮らしだしてから1年。
出張の朝、プロポーズされて有頂天になったが、ニュースで雅貴の乗った飛行機が落ちたと知る。しかし雅貴は乗り遅れたと帰宅して。入れ替わりに歌ェ門がいなくなるが。

別冊マーガレットで1990〜99年まで連載。少女漫画では人気の作品、累計2700万部を売り上げる。アニメにもドラマにもなって大ヒット。
しかしながら作者の急逝により、未完に終わる。アニメ化では、その後の展開が描かれて完結し、話題にもなった。残念ながら未見。
「思い出の漫画って何?」の質問で、相手が女子の場合、必ず出てくるこの作品名。

きっかけは直樹または琴子が作り、それを琴子が突っ込んで話を大きくし、挑発された直樹が何とかする。たまに直樹の小さい意地悪のおまけつき。
それが主な構造で、その中でお互いを理解していく。

ヒロインの妄想癖はお約束。
当時、少し読んだ時は(しかも流し読み)、なんてひどい男なんだろうと思っていたが、改めてちゃんと読むと、直樹ってしっかりした責任感もある誠実な男だ(ただ、自分の感情に対して疎いだけ)。琴子が子どもに見える。
そこが女の子の王子様願望をくすぐったのだろう。
人気があったからそのまま連載は続いて、特別なクライマックスは無く、ふたりの性格のバタバタが楽しい、そんな感じ。

金ちゃん、狂言回しキャラで、作者に好かれただろうな。そしてあまりにもベタベタな下町の関西弁が見事! と思ったら、作者が大阪出身だった。
入江母もパワフルな個性の持ち主。だいぶ笑った。

入江直樹のモデルって、冷たい福山雅治だったんだ。
それにしてもヒロインの相手がこんなに悪役顔で良いのかと驚く(アニメ版はそうでもない)。

琴子のファッションは当時のトレンド。女の子に人気があった所以もわかる。
こんなに一途になれる琴子を正直羨ましいと思った。
テニス部はすぐ辞めるのかと思ったけど、一度決めたことはやり遂げる根性が琴子の魅力。でもそれも連載が続くにつれ、うざくもなってくる。
裕樹の「白衣の核兵器」に笑った。

欲を言えば、キャラの心情や言動に深みが出れば、もっと面白かったはず。全体が表面的なので、大人の読者の気持ちまでは掴めない。
でもそうなっていたら、こんなには売れなかったとも思う。エンタテイメントって難しい。

未完なのは、ほんとに残念。
また、勉強熱心だったこの作家さんが、円熟してなお、今の時代にどんな作品を表現していくのか見てみたかった。
                         2009/9/15

《こんなふうにおススメ》
その時代の空気がわかる作品。
今だったらどんなものを送り出すのだろう。この作家さんの作品、もっと読みたかった気がします。

【文庫版】


ラベル:多田かおる
posted by zakuro at 00:00| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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