2009年11月07日

八雲立つ(完) 全19巻

【八雲立つ】 全19巻  /樹 なつみ

七地健生(ななちたけお)は大学四年生。祖父までは刀の研磨をしていた家系に育つ。父はサラリーマンになり、家にはたった一本飾り刀が残される。
49年に一度行われる秘祭、古代出雲族の神和祭(かんなぎさい)の取材に行く大学の演劇サークルのOB、今は劇団主宰の北野についてバイトとして島根県松山市維鈇谷村(いふやむら)にある道返神社(ちがえし)に赴く。どうせならと曰くの刀を奉納してこいと家族に言われそれを持参。その晩は地元の名士で居合道の宗家、布椎家(ふづち)に世話になる。
その祭りは巫覡(ふげき、シャーマン)として神の真意を汲む布椎家宗主の交代が真の意で、長男の闇己(くらき)が神剣迦具土(カグツチ)を受けて宗主となる。
道返神社はスサノオを祭神とするがご神体の七剣のうち六剣が盗難で消失していた。父の遺志を継ぎ、負の巫覡にならないよう、そして1700年の怨念を昇華させることを誓った闇己。
健生の持参した刀が神剣とわかって、鍛冶師と巫覡の“兄弟”としての因縁が始まる。それは過去からの悲劇なのか。

7巻収録「左の炯(けい)」
壱宮哲(いちみやあきら)は事故でプロテニスプレイヤーとしての将来を絶たれる。リゾートのテニスコーチに雇われて、アジア系のケイを知る。彼のテニスの潜在能力を知り、強引にテニスに誘うが。

「LaLa」に1992年から2002年まで連載。
表題は、スサノオが詠んだとされ、最古の和歌と呼ばれる(諸説ある)歌の枕詞から。

出雲神話に興味があったので手にする。
少女漫画ファンにも評判が良いので楽しみだった。4巻過ぎたらノってくると聞いていたが最初から面白い。

居合いの立ち振る舞いの絵の美しさに感嘆。
設定が非常に細かい。
七地健生と闇己の関係を、前世という形で安易にしなかったのは共感。奥行きが出たと思う。
七地の無神経さにはイラッと来る。狂言回しは好かれた方が良いのに。ただ誰に対しても分け隔てないところは共感できた。

とても好きな題材でよく取材もされている作品なのに、なにか気持ち悪い感覚があって好きになれない。面白いと思うのに波動がダメなのかも。そういうのを感じるのは大事なので、その感覚を噛みしめながら苦しんで読んだ。すごく残念。
当然のことだけど、作者の念て作品にストレートに出るモノなんだな。始めて実感でき、それはありがたいことだった。
後半はとても面白く感じた。勢いが創作に見事に転化した様子に感じる。

漫画なのでいろんな創作はあって良いとは思う。古代編の創作は面白かった。
収束に向かう力量は見事。
迦具土、水蛇(ミズチ)、建御雷(タケミカヅチ)、山祇(ヤマヅミ)、沫那美(アワナミ)、狭土(サヅチ)、草薙(クサナギ)が神剣の銘。

闇己の母親、最低で勝手。自分の後始末を子どもに押しつけるなと思う。
伏線だとわかっていても憤る。こんな母親っているんだよね。

フリートークの上目線がちょっと辛かった。
                         2009/11/04

《こんなふうにおススメ》
作者の創作はかなりありますが、古代史のベースはよく調べてあって面白かったです。

【文庫版】


ラベル:樹なつみ
posted by zakuro at 01:57| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。