2009年11月27日

もっけ -勿怪-(完) 全09巻

【もっけ -勿怪-】 全09巻  /熊倉 隆敏

巫覡(ふげき、シャーマン)の家系に育った檜原静流(ひばらしずる)と瑞生(みずき)の姉妹。見えてしまう中学生の静流、小学生の瑞生は憑かれやすい。祓う力を持つ祖父と共に、両親と離れて田舎で暮らす。
妖怪との関わりの中で、彼らと自分たちを理解していく物語。話ごとに妖怪がクローズアップされ、姉妹が成長していく。静流は高校生、瑞生は中学生まで進む。

デビュー作。
「アフタヌーンシーズン増刊」から「月刊アフタヌーン」に。アニメにもなる。
勝手にキャラの可愛らしさで侮っていました、すみません。もっと早くに読めば良かった。面白すぎる。大人が読む作品。話が深い。好きだなぁー。心に栄養をもらう感じ。
「月刊アフタヌーン」ってじんわりする作品を多く取り上げているんだなー。
正統派妖怪漫画として、荒俣宏氏からも評価を受けていると聞いた。どちらかというと民俗学的妖怪絵巻。

まず、描きこみの細やかさが素晴らしく、絵で表現するのがお好きな作家さんなのだと感じる。
ただの妖怪漫画じゃなく、そこに関わる人の葛藤、悩み、人との交わりが描かれていて、読み応えがある。
ファンタジーなだけではない。むしろ、かつての日本がそこにあり、今失ってしまったモノが際だって視えてくる。生きるとは何か、どう生きていけば良いのか。それを考えさせてくれる。

特に感心したのが、妖怪には妖怪の理があり、むやみやたらに祓ったりするのではなく、きちんと話して離れていただく、その関係性を説ける大人がいることだ。
私たちの人生の中でもこうして日々、大人たちから生きる術を学んだ生活は今は失われてきているのではないか。
お祖父ちゃん、格好良すぎる。ミーハーな気持ちになった。

26話、どこかで見た話だなーと感じる。途中で気づく。この話だけスタッフにアニメ観せられたんだ!
それは声優の中村悠一さんファンの子で、布教の為だった。チラ見だったんだけど、よく覚えてたなー。あれがこの作品だったんだ。

マゾな髑髏に爆笑した。

檜原とは元伊勢一番の檜原神社からなのかな。
どうもお父さんは婿らしい。父の旧姓は宗像。ひとりひとり登場人物の苗字が気になってしまう。
と、最後まで読んだら、表紙の見返しに檜原神社の写真が。ここから名前をもらったとあった。元祖巫女の場所、みたいなところですもんね。

正直、ノックをさっさと終わらせて、この作品が引用した書物などを読み漁って民俗学世界に浸りたいとさえ思った。
柳田國男、折口信夫、南方熊楠はもっと今より評価されて良い。

まだまだ続いても良かったのに。シリーズ化楽しみにしています。
                         2009/11/25

《こんなふうにおススメ》
気軽に楽しむことができながら、奥深い。素晴らしいです。
予備知識なくても大丈夫です。すでに布教中。

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ラベル:熊倉隆敏
posted by zakuro at 01:24| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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