2012年04月05日

失恋ショコラティエ 04巻まで

【失恋ショコラティエ】 04巻まで  /水城 せとな

小動爽太(こゆるぎそうた)は高校に入ってすぐにひとつ先輩の高橋紗絵子(サエコ)に恋をする。サエコは学年トップのいい男は必ずモノにする、決して美人ではないのに男を惹きつける話題の女だった。
爽太はサエコに尽くしまくり、恋をしてから5年後のクリスマスの一週間前からやっと付き合い出す。とはいえキス止まり。サエコの無類のスイート好きと、実家が代官山のケーキ屋ということもあり、店の厨房と製菓学校で鍛えた腕で、ヴァレンタインにサエコに本命チョコを渡す。ところがサエコは、爽太とは付き合っているつもりはなく、元彼のサヤに戻っていると言い放つ。
爽太は傷心のまま、渡仏。有名店に採用を申し出る。そして5年後。
天才ショコラティエとして凱旋帰国、爽太の前に現れたサエコが爽太にお願いしたのは……。

flower増刊、凛花。あー、濃い雑誌。
あの、渡瀬悠宇がBL描いているんだから。

内容も参った。濃い。この作家さんのことだから覚悟はしていたのだけど。
コミックナタリーの上位で、プロのお薦めというのがわかる。

「こういうタチの悪い女っているよね」
女が一番嫌いなタイプの女、それがサエコなのだ。だけど、うまく説明できない。高飛車、傲慢、悪女なわけではない。形にはっきりわかるイヤさ加減ではないのだ。見た目も中味も一見は良い子、周囲だって受け入れている、だけど一番の親友と聞かれたら名前を挙げたくない、きっといつかは裏切る、そんな匂いを持つ女なのだ。
そういう女には、じわじわと浸食されてくるような独特の“気持ち悪さ”がある。その浸食を男は好む。
この気持ち悪い何かに、はっきり名前をつれてくれた水城せとなという人をリスペクトする。「空気のよめないイノセントさ(純真無垢さ)」
それは相手を傷つけようとする悪意より、タチが悪い。

物語は、そんな女に青春を振り回された爽太が、まだまだ執着し、逆転劇を図ろうとする。
爽太に想いを寄せながら冷静に状況分析する薫子は、読者の気持ちにもっとも寄り添う。
普段はオタクでちゃらちゃらしているんだけど、友人として爽太に的確なアドバイスをするオリヴィエ。
爽太のサエコに対する執着は異常にも感じるけど、ここまで蔑ろにされても好きでいるのは、羨ましい気持ちもある。
この作品、「復讐物語」と語られることが多いけど、私にはひとりの男の「成長物語」にみえる。

それにしても序章、前振りの一巻だけでこんなに濃いとは。
なんて“人の裏”を浮き彫りにする作者なんだろう。芥川龍之介か、水城せとなか。決して言い過ぎではない気がする。
                         2009/12/10

《こんなふうにおススメ》
2巻は昨日出たばかり。早く読みたくてじれじれする。
男性にオススメかも。女のずるさが視えてくる。
                         2009/12/11UP

2巻/
ライバル六道誠之助登場。爽太はサエコに見合う敷居高めな男をひたすら目指すが……ショコラティエ相手で初めての嫉妬をする爽太。ライバル店を偵察に行く。
まつりの恋、オリヴィエの恋。
六道のバースディで知り合ったモデルの加藤えれなと片想い友だちになった爽太。

改めてカメラワークが絶妙だと気づく。普通ならしないような不安定なコマの構成。見事。
大人相手のエンタテイメント、夢を売る商売の基本も語られる。やられた。
台詞の巧みさは他に例をみない。やばい、ほんとに面白い。いきなりまたレベル上がった?
作中の作者自らのツッコミが男前だ。
パリ旅行に行くなら是非一読してをオススメ。
                         2010/3/21、4/02UP

3〜4巻/
3巻。爽太はえれなと一緒のところをサエコに見られる。その甲斐あってか、サエコに元カレ認定され舞い上がる。オリヴィエはまつりに告白。サエコの“買い物”に付き合うことになった爽太。薫子を誘ったのは。
4巻。薫子は関谷と食事を仕切り直し。六道の誤解。まつりは男と別れ、とりあえず付き合ってみる提案のオリヴィエを受け入れる。サエコは閉じていく。

恋ってすごい。これ読んでいるとそう思う、それが一番羨ましい。
私もゴッドマザー女塾入りたいよ。

爽太の恋は、自分を成長させる。「誰かに認められたくて努力する自分」
同じことを「月の夜星の朝 35ans」でも言っているんだけど、本作は相手に押しつけがましくないのだ。たしなみ、大事ですね。まぁ、爽太の場合は言えないところ大なわけなんですが。
だから読者がイラッとしない。このすごすぎる設定にやっと気づいた。

えれなと爽太の会話は面白いけど、わからないところ多々。でもこのふたりのシーンは大好物なんだよね。
チョコが美味しそうで困る。
                        2012/3/30、4/05UP

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:水城せとな
posted by zakuro at 00:01| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。