・表題作。
由緒正しい家柄の狩島家。お嬢様が手伝いのものたちと住む。両親は仕事でずっと出張中。
そこへ気脈の乱れで座敷童が具現化、直接幸福を運ぶという。現代に合わせて執事姿の妖怪は、思い込みが激しいドM。志だけは高いけれど体力のまったくないお嬢様。
ふたりの二人三脚。
・「山田」
新米教師の有沢は悩んでいた。ナルシストで変人と噂の生徒、山田が有沢を応援する。
・「STRAY DOLL(ストレイ・ドール)」
2300年、地球。フィズは人形使い。人形たちと、迷える人形(ストレイ・ドール)を救っていく。
・「私は」
写真部の森永は高校卒業を間近に控えて、感じることと気づき。
ガンガンカスタムと、月刊ガンガンWINGに掲載したものをまとめた短編集。
代表作はまだ未読。ずっと気になっていた作家さん。癒し系作家として知られている。
絵は少女漫画。表紙に惹かれて手にする。
それにだまされた。声を大にして言いたい!
笑った。なんだ、このシュールさは! まさかコメディだったとは!
爆笑した。お腹抱えた。「聖☆おにいさん」と並ぶ。この表紙すらネタだったのか。
やられた。三文芝居を見ているようなくだらなさなんだけど、ちょっと切なさもあり、ほんわりしたりもする。
一歩間違うとドツボなネタばかりなのに、この絶妙な間合いはなんだろう。しらける直前のサルベージが天才的。次のコマでぱしっと切り替わる緩急の鋭さに脱帽。
一見甘さを期待するこの少女チックな絵も、乙女チックな台詞も、すべて読者を油断させる罠なのだ。確信犯。
うわー、やばい、他の作品も読みたい。本を閉じた後もにやにやしてしまう。
この魅力はまるでウィルス。めちゃくちゃ危険。
ラストの話のみ、シリアス。なんだか作者の繊細な心に触れた気がした。もちろんそんなにわかるものじゃないんだろうけど。
2009年中に読めば良かった。オススメ上位に入ったのに。
でもちゃんとテーマもある。これだけ笑ったあとは言いづらいけど。共通しているのは人との関係性。ひとりじゃないよ、ひとりで頑張りすぎるな、周りも頼れってことかな。そこが一本通っていることにも感服。
2010/1/02
《こんなふうにおススメ》
うっかりやられちゃいました。こういう出会いも刺激的。
漫画読みになって良かったと感じる至福。
ラベル:藤原ここあ
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