梁川りおと坂本遼太郎は、4歳の時にそれぞれの叔父と叔母の結婚式でベールボーイとベールガールを務める。幼いふたりは意味もわからないまま、キスをし結婚の約束をする。その約束をりおはずっと大事に抱えていた。
引っ越しした遼太郎と離れ、時は経つ。
中学で女子バスケ部に入ったりお。男子バスケ部の試合を親友でキャプテンの浜田麻衣と応援しているりおの前に、対戦中学がメンバーチェンジしてゲームに投入されたのが10年ぶりの遼太郎だった。この街に帰ってきていたのだ。
りおたちの朝日野中男子バスケ部は試合は負けて準優勝だったが、その後りおは先輩の森村靖彦に告白される。
りおと遼太郎の波瀾万丈な恋物語。中学から高校生を中心に描かれる。
りぼん。初版が1983年。27年前の作品。作者は当時20歳そこそこ。
懐かしい。大昔に読んだ。
展開はお約束的な夢いっぱいのベタベタな少女漫画なんだけど、当時の小中学生には絶大な人気を誇っていた。
ひとつひとつが砂糖菓子みたいで、女の子の好きなモノがいっばい詰まってて、そうだよね、こういうのが少女漫画だったんだと思い起こした。
純愛なふたりに次々に襲いかかる試練。
スポーツ漫画じゃないのにバスケットも違和感なく描いていて好感。
改めて思うけど絵が上手い。絶妙。
男子も細い女男じゃなくて、身体の線を描き分けている。今は当たり前だけど、かつては少なかったと思う、少女漫画には。
コンテも読みやすいし、心情の動きに合っていてさすが。全体にレベルが高くて、昔の漫画で絵が気にならないのはすごくないか?
当時のアイドル絵なんだけど、流行ってたよな、こんな服装、髪型、そして憧れのインテリアにシチュエーション……と思い返した。
コマの運びもこの作家さんの独自性があって、かなり感心した。
一人語りの陶酔が多いのは若干気になるけど、それが当時の風潮でそういうものだった。
話の内容は、今となってはあまり好きではないけど、当時は夢中だった。年齢や経験ってある。
現在、この続編が「Office YOU」で連載されている。35歳になったふたりの離婚から始まるらしい。
絶大なるファンのいた作品なので、否定の意見がおおむね。 → 月の夜星の朝 35ans
作者さんとしては、経年変化する人生を客観的に描いてみたくなったのだろうし、ファンは大事な宝物を壊されたくない。どちらの気持ちもわかる。
でもエンタテイメントって、読者の手元に渡って時点で作者のモノじゃなくなるんだよね。
この作品は夢のまま完結で、新しい作品で描いても良かったのでは。改めて感じた。
2010/1/18
《こんなふうにおススメ》
女の子へのインタビューで「思い出の作品」には上がってくる名作。
読み直して考えること多く面白かったです。
【コミックセット文庫版】
【コミックス文庫版】
【35歳になった続編】
ラベル:本田恵子
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