2010年02月22日

ふたつのスピカ (完) 全16巻

【ふたつのスピカ】 全16巻  /柳沼 行

唯ヶ浜に住む鴨川明日見(アスミ)は幼い頃から宇宙飛行士になるのが夢。2024年、中学三年で国立東京宇宙学校をこっそり受験する。
父子ふたりっきりの家庭で父の友朗は今は建設現場でぼろぼろになりながら働いているが、かつてはロケットの技師だった。
2010年、日本初の有人宇宙探査ロケット「獅子号」の打ち上げは失敗に終わり、不慮の事故はそのまま市街地に落ちたロケットで市民まで巻き込む。アスミの母今日子はその時に植物状態になり、後に亡くなった。この事故は当事者はもとより国民のトラウマになる。
アスミには自分にしか見えない心の友、幽霊で元宇宙飛行士の“ライオンさん”に助けられながらも孤独を感じずに育つ。そしてライオンが6歳からアスミに施した教育はまさに英才といえるものだった。
アスミは東京宇宙学校に入学が決まり、かもめ寮に入寮。宇宙飛行士養成コースの第一期生となる。生徒は26名。
花火師の孫でアスミの幼馴染みに命の恩人の府中野新之介(ふちゅうや)、代議士の息子だが勘当されてでも宇宙を目指す鈴木秋(しゅう)、アスミと受験でもチームだった明るい近江圭と訳あり少女の宇喜多万里香の5人の学園生活と並行に、「獅子号」の打ち上げの真相が描かれていく。143cmの小柄なアスミの宇宙への物語。
表題はアスミのもっとも好きな星、350万光年のおとめ座のα星スピカ、連星の別名真珠星のこと。

4巻短編「センチメンタル」
鴨井は高校時代のガールフレンド津島かすみに通勤電車の中で再会する。つかの間の思い出。
9巻短編「コノハナ桜」
鈴木かすみは中学の時の同級生、鴨居優介の美術展に向かう。当時の思い出のあれこれ。

2001年から月刊コミックフラッパーにて連載。SFファンタジー。
デビュー作の短編とそれに続く話がまとまり、この物語になっていく。
こすヨメ2010」でも上位に上がっていた作品。気になっていた。

2010年に日本で有人宇宙ロケット第一号が打ち上げられた設定だけど、それは今年。リアルにはその兆候はない。この不景気でそれどころではないのが、日本の現状。

ライオンの元恋人が、アスミの小学校の担任の鈴成由子先生。

ほわほわしていた話が3巻くらいから少し面白くなる。この巻のラストの話はちょっぴりじーんときた。そんなに高校の頃の一瞬を覚えているものかなぁ。

基本的にめりはりに乏しいので、一気に読むという感じではない。そういう意気込みだと飽きると思う。
話の内容は違うけど、「ヨコハマ買い出し紀行」とタイプは似ている。淡々とした描き口に、重いテーマも内在する。

府中野、良いヤツだなー。花火師のおじいさんの色の話に感激した。花火では緑の色は出にくいことも知った。

友朗が語る宇宙観光シャトルバスの夢はめちゃくちゃだけど、最近こんなバカな、でも大真面目な夢を語らなくなったなー。

星形の折り紙が気になって、途中で検索したら、立体構造のものなど折り紙の進化に驚いた。数学と隣合わせで楽しそう。

お気に入りの名前なのはわかるけど、この作家さんの登場人物の名はみな同じ。
キーワードも。桜にハーモニカ、ライオン、着ぐるみ、絵を描く、星を見る、そしてみかん系。

ラストは泣けた。なんか読み切ったという充実感があった。
                         2010/2/11

《こんなふうにおススメ》
一気読みじゃなく、のんびり気の向いた時に読むのをオススメ。




タグ:柳沼行
posted by zakuro at 19:16| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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