2012年03月11日

彼女を守る51の方法 (完) 全05巻

【彼女を守る51の方法】 全05巻  /古屋 兎丸

2月23日、東京。
テレビマンを夢見る21歳、慶鳳大学三年の三島ジンは就活の会社説明会に向かう。早めにお台場に着いたジンは、ヴィジュアル系ロックバンドのファンがたむろする中に、中学時代の同級生、岡野なな子の姿を見つける。会社説明会後、再び姿を見るが、岡野が他のファンの嫉妬を買いリンチに遭っているのを助ける。
午後7時35分。マグニチュード8の大地震、東京首都圏直下型が襲う。現代日本におとずれた関東大震災。
ふたりは、そして人々はみな、助かるのか。家族は、友は、無事なのか。
お台場を越え知り合った澤田リカも一緒に、六本木、渋谷、新宿……。見慣れた東京が地獄の風景へ。次々遭う天災の恐怖。開発された未来都市は液状化したゴーストタウンへ。冬場の火災旋風。狂っていく人々。強奪にレイプ。蔓延る新興宗教にデマ。そして助け合いと励まし、希望。
ともすれば折れそうな心を支え、地元早稲田まで歩いて無事に帰れるのか。ジンは決意する。「岡野なな子を守って帰る」それを胸の灯火に、被災地、東京を歩いていく震災シミュレーションストーリー。帰宅難民の7日間。

実はこの作品、震災前からずっと手元に積んであったのだけど、最近のハリウッド映画買い付け後の日本の配給会社がつけるようなやっすいタイトルみたいな、そんなお題でまさかこんな内容の話だと思ってもみなかった。
絶対にタイトルで損している。

週刊コミックパンチ。2006年5月から、2007年7月まで連載。

第1巻後書きに、「宮城県沖に大地震の可能性は、30年内に99%」とあって震えた。
「マンホールが生える」のは、自分でも現実に見た光景だ。
監修は、防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏。
作者はこの物語の道を自分で何度も歩いたという。

そんなわけでここ半年くらい、この作品の布教活動中。漫画というより、危機管理マニュアルとして。

この一年、身に沁みたことだ。
東日本大震災を経験した身としては内容的に、「もっと人を信じて良いよ」とも言いたいが、「備えあれば憂い無し」
あれこれに考えさせられた。
震災で腑に落ちて理解したのは、「世界中に友さえいれば、なんとか生き延びられる」ということ。すぐには何とかならないが。
まず地震が起きたら、三日間は自立できる準備をしておく。水や食料、寝る場所確保。そして「生き延びるための最低限の体力をつけておく」

絵だからの迫力で、見慣れた親しい街並みが倒壊している衝撃。胸に刻んでおきたい。

地震が起きてから14分が生死の境目。
日頃からバッグの中に3つ、携帯の充電器、ラジオ、ペットボトルに水を持ち歩く。
家族友人たちと、災害用掲示板の使い方を確認しておく。
フリースやストッキングはすぐに脱ぎ捨てる。ヒールは折る。火だるまになる可能性が高い。
X字の亀裂の建物に近づかない。内部の鉄筋までダメージがある。
命に支障がなければ、眼球が飛び出す怪我でもすぐには治療されない。命の優先順位をつけられる。
火に背を向けるか直角方向に逃げる。
人気のないところには女性は行かない。怪我人が居るからと誘われてもひとりでついていかない。飲食物で誘われない。飲酒している男は信用してはならない。

同名タイトルで、スマートフォン用アプリも出ている。
彼女を守る51の方法―都会で地震が起こった日―スマートフォンで持ち運べる防災マニュアル
災害マニュアルには必ず目を通しておくこと。

とにかく考える。知恵を絞って行動する。そのためにあらかじめ準備しておく。
これから三年。これが現実になる可能性、70%なのだから。

震災一年。
ボランティアに明け暮れた。西に家を確保し多くの被災者の移住を手伝った。炊き出しをした。泥だし、片付け……。自衛隊の方々が、ご遺体を攫っているのを見つめた。
何かしようと思ったわけじゃない。そんな偉くない。結果的に巻き込まれて動くしかなかった。
胸の痛みが強すぎて、心が麻痺した。たくさんの叫び声、絶叫を聞いた。
それでも私は生きている。これからも生きていく。
生かしてくれて感謝。合掌。
                         2012/1/25、2012/3/11UP

《こんなふうにおススメ》
地震大国日本に住む、すべての人たちに。

【コミックセット】


【コミックス】

ラベル:古屋兎丸
posted by zakuro at 07:29| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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