2012年04月03日

宇宙兄弟 17巻まで

【宇宙兄弟】 17巻まで  /小山 宙哉

2024年。31歳の南波六太(なんばむつた)は、自動車開発メーカーで自動車設計の仕事に従事していたが、上司に弟の悪口を言われキレてしまい、頭突きを喰らわせてクビに遭う。
三歳年下の弟、日々人(ひびと)は、日本の期待を一身に背負う宇宙飛行士。兄のリストラを知った日々人は、母に頼んでこっそり宇宙航空研究開発機構JAXAの、宇宙飛行士選抜試験に兄の履歴書を送ってもらう。2006年夏にふたりで遊んで遭遇したUFOの想い出。「ふたりで宇宙飛行士になる」その約束を弟は忘れていなかった。
面接の出来の悪さと、前職場での評判をJAXAに知られ諦めふて腐れていたが、ヒビトに呼ばれ渡米したヒューストンでの隣人オジー・スミスがムッタの背中を押す。
ドーハの悲劇生まれのムッタと、野茂がメジャーリーグでノーヒットノーラン達成した日生まれのヒビト。
「兄とは常に弟の一歩先を行ってなければならない」
身軽で芯の太い弟にコンプレックスを抱き、少しでも兄貴風を吹かせたいムッタの宇宙飛行士になる道のりと、ヒビトの初の日本人月面着陸宇宙飛行士から苦難を描く、兄弟の絆の物語。
マイペースな父母、宇宙飛行士選抜試験受験ですぐに親友になった同じ歳の真壁ケンジ、医師で難病の研究をISSで行いたい伊東せりか、幼い頃からの南波兄弟を知っていて密かに応援しているJAXAの星加正、ふたりの宇宙への夢をサポートし続けた天文学者のシャロン博士ら、多数、魅力的な仲間が彼らを囲む。

モーニング。
ヒューマンストーリー。アニメも始まり、なかなか楽しめる。実写映画はGWより公開。月のシーンはどんな感じなのだろう?

ずっと積んであった。漫画読みには出たばかりの時から話題になっていたし、こすヨメでも。マンガ大賞はずっと二位で、とにかくあちこちで評価されまくっている作品。読んでみて、それだけのことはあった。

話の内容では、「ふたつのスピカ」が宇宙飛行士を目指す作品として、この作品のように訓練プロセスが丁寧に描かれ、似ている。でも好みとしては、こちらかな。ふたつのスピカはゆるやかなたゆたゆファンタジーでそれもなかなか素晴らしいのだが、個人的には熱い方が楽しく好き。

大胆で明るく誰からも好かれる弟に、神経質なところもあるけど信頼をゆっくり得ていく癖のある兄。ヒーロー然としたヒビトだけだと、読者は自分との距離を取って客観的な目線で読むけど、身近に感じるムッタが主役で、感情移入しやすい。とてもドジなイメージがあるけど、ムッタは記憶力も観察力も知恵も天才的。この性格で得をしている。その実、優秀な兄弟なのだ。
追うより、追われる方がしんどい。兄としての矜持が邪魔して出遅れたムッタが、ヒビトを追うことで加速する。男兄弟のドライさと信頼を垣間見る。

読みやすいし、楽しい。エンターテイメントだな〜と感心。
BAKUMAN」で“シリアスな笑い”って言われるんだけど、この作品を読むまでよくわからなかった。ムッタが真面目にやればやるほど、笑えてくる。
緊張を伴う命がけの重要なミッションを遂行する任務の適任者は、ブラックユーモアのセンスがないとダメと聞いたことがある。命がけの状況でのリラックス、それがないと集中して“楽しめない”からと言う。まさにムッタは適任。
作品も、擬音とかユーモアが溢れていて楽しい。遊び心満載。絵にも最近多用されるデフォルメは一切ない。
全体的に「笑いと涙と感動のバランス」が素晴らしいのだ。

どんなに努力しても、宇宙飛行士になれても、アサイン(任命)されるわけではない。チケットがみんなに行き渡るわけではないのだ。
支える側の人たちにも、相当の能力が必要。
チキンな私は絶対に安全なら、宇宙に行ってみたい。

ISSが通る瞬間に間に合うよう走るムッタに泣けてきた。
日々人、打ち上げでは号泣できる。すごいリアル。わくわくする。胸が躍る。

17巻までの好きなシーン。
星加がわざわざムッタに会いに来て、子ども溢れる公園で合格を告げるシーン。子どもの頃からの夢が、(目指す側と、見守る側という)立場は違っても双方にあり、胸が詰まった。
そして、正式に宇宙飛行士に決まった写真を、JAXAに飾る13巻。ムッタやヒビトより、心情が星加の立場の年齢に私が近いのかもしれない。
ヒビトが助かった時の、ムッタの表情も秀逸。
密かに今後も期待したいのは、ロスにお住まいのカールくん。

スラムダンク」を読んで漫画家になった人って多いんだなー。影響が随所に。他にも、浦沢直樹鳥山明大友克洋小林まこと……らしき影響があちこちと。
笑いと涙と感動のバランスを持つ作品はなかなか出逢えない。この先人たちはそれを持っている。
スラムダンクは、まだ最初の頃に読んだので面白さって理解できなかった。ノック終わったら、また読んでみたい。

誰にでもお勧めできる秀逸な作品。折れそうなときに何度も読みたい。勇気をもらえる。
                         2012/3/31、4/03UP

《こんなふうにおススメ》
話題作は早めに読まないといかんなぁ〜と実感。
でも、じれじれも辛いので、ちょうどいろいろと楽しい今追いつくのはオススメです。

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:小山宙哉
posted by zakuro at 00:04| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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