2010年08月24日

リョウ (完) 全13巻

【リョウ】 (完) 全13巻  /上田 倫子

鎌倉にある花山高校の修学旅行中、遠山りょうは弁慶・牛若丸の由来で知られる五条大橋で托鉢姿の僧侶に襲われる。同級生の平賀葵が間に入って怪我をし、りょうは無事だったが、祖父が切り盛りする剣道場に現れたのがその男。武蔵坊弁慶と名乗り、そのままりょうの家来にと押しかける。
祖父の客人として迎えたが、母の顔色が悪いのにりょうは気づく。そして家族が隠していた秘密。りょうは弁慶と同じく平安時代からきた牛若丸こと源義経だったのだ。お家と平氏からりょうの命を守るため、母の常盤御前が男として育てていたのだ。
りょうとして記憶をすり替えた遠山の家族はりょうを手元に置きたい一心で、弁慶を追いやるために濡れ衣を着せ逮捕させる。りょうは弁慶を脱走させ、時空を超えた青木ヶ原樹海に向かい、時空の割れ目に飛び込む。
りょうの幼馴染みの葵、弁慶の元恋人の芸者の虎子も一緒に。宿敵でりょうに惚れる平家の美男御曹司維盛も交えて、平安時代を舞台に繰り広げられるラブロマンス。

マーガレット。
義経弁慶の恋物語であり、りょうが逞しく覚悟を持っていく成長の話でもある。

13巻の連載で絵はどんどん変わっていく。
読みやすいし、わかりやすいし、作家さんの独特な創作も楽しく秀逸。歴史好きでも満足なのでは?
もちろん歴史を知らなくても充分に面白い。

古い時代の良き少女漫画に見られるストーリー構成の力強さを持ちながら、最近の大胆な演出と方法論を併せ持った実力の作家さんに感じた。他の作品も読みたい。
奈良出身とのこと。作者の落語好きが転じてこの作品の発想になったのが面白い。

一気に読んで惹き込まれた。途中感想を書きながら作品を読むのが常だけど、それすらできないほど面白かった。
最初はSF。途中からはすっかり時代物で安心していたら……。終結の仕方に唸った。巧すぎる。

連載読みじゃなくて良かった。少女の頃に読まなくて良かった。感情移入し過ぎて立ち直れなかったかもしれない。
似た設定の「ゴールデン・デイズ」も大好きだけど、少女の時ならこっちにはまっただろうなー。
何度も爆泣した。

もっと知られていい作品なのでは。
「マーガレット」に連載モノって尾を引かなすぎる、後日に語られなさすぎるのだ。
たぶん「花とゆめ」の読者層の方がマニアックでこだわり派で、白泉社もそれを狙っているんだろうな。

義経と弁慶の身分違いの恋にもわくわくするし、ライバルの維盛の執着や、兄の頼朝の狂気など、展開の流れもすんなり入れるし、ラストまでだれることなく進みひたすら感心。
読んでおいた方が良い。かなりのオススメ。
                         2010/8/20

《こんなふうにおススメ》
歴史を知っていても知らなくても、充分に楽しめるエンタテイメント。秀逸。

【コミックセット】


【コミックス 文庫版】

タグ:上田倫子
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2010年08月18日

君いとほし 〜源義経恋絵巻〜

【君いとほし 〜源義経恋絵巻〜】 全01巻  /飴 あられ

1174〜84年頃の源氏の物語。
・「星に願いを-静御前恋語り-」
平安時代末期1174年。貴族社会は武士の登場で終わり、源氏を滅ぼした平家の世に。
戦で両親を失った静は白拍子となる。少女となって拾われた恩に報いるべく閨の客を取ることになるが、虎蔵に救われる。童とバカにして手を出すことはない虎蔵から読み書きを教わっているうちに惹かれていく。
虎蔵として身を潜めていた沙那王。のちの義経と都一の白拍子になった静の恋。

・「暁のかなたに-義仲と巴-」
頼朝、義経の従兄弟義仲。幼馴染みで女丈夫の武士巴との恋。

・「君いとほし-那須与一弓語り-」
義経が拾った少年与一は山で鷹を供にする少女楓に出会う。楓は義経に一目惚れ、共に行動することになる。

別冊フレンド増刊、別フレ。作者の初コミックス。

義経が実は女性で弁慶と恋に落ちるという「リョウ」を読んでいて、一応史実を確認しておきたいなと手を出す。
もちろん創作たっぷりなのは理解の上だったけど、それもかなりだった……。

とはいえ絵は上手いし、描写は詳細で好みだし、少女漫画らしい作品。
内容は作者の主観が入り過ぎている感があるが、少女漫画だしそれもありだ。もっと評価されて良いのでは。

ここらあたりの歴史に触れるのは小学生以来。ちゃんと歴史書読みたいなあ。
個人的には木曾義仲に興味。
                         2010/8/17

《こんな方におススメ》
歴史物のラブロマンスがお好きな方に。


タグ:飴あられ
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2010年08月09日

王子様の彼女

【王子様の彼女】 全01巻  /相原 実貴

・表題作。
私立学習館高校2年A組江田島みちる、幼い時にテレビで観た王族の結婚式に憧れる。夢は王子様のお妃様。
そこで、アラビアのダラーム王国からの留学生を迎える親睦委員になってみたが、クラスの皆は「毎年のこと」と、テンションが低い。
クラスメイトで学年一の秀才、特待生だけどバイトに明け暮れる谷口佑一と会話中に現れたのは、金髪の美青年。いつかのテレビで見かけた男の子にそっくりだと感じたみちる。
親日の父王の希望の留学で、みちるの学年にその金髪青年アシュラフとファリド、そして一年下にイスハークの三人の兄弟王子が入ってくる。早速知り合ったみちるは…。
そして留学の本当の目的と谷口の正体とは。

・「王子様のひみつ」
作者のドバイ旅行。

・「王子様の恋人」
みちると谷口はダラーム王国へ。アシュラフの本心。

Betsucomi(ベツコミ)。
代表作の長編はある作家さんなのに、一冊読み切りを先に読んでしまった……。かっこいい表紙に惹かれてしまいました。

ドバイがモデルらしい。今は大打撃を受けているけど。2006年に初版。ドバイ・ショックは2009年。

女の子の憧れはわかるけど、みちるがアシュラフを好きな気持ちにどーしても感情移入できない。アシュラフのステキさが描かれていないから。ルックスだけ? なんか欲望に忠実なファリドや、ブラコンのイスハークの方が楽しい。
谷口良いじゃん! 私なら谷口だなー。

そして国王、ヒルズ買ったんならそっちに谷口の住まいを移せ! と、ついツッコミ入れちゃいました。

こんな中途半端に終わらせるなら連載にした方が良かったのにと思ったけど、たぶん作家さんが描き続けるの辛かったのかもしれない。
他の作品に期待。
                         2010/8/07

《こんなふうにおススメ》
谷口佑一を応援する作品。

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2010年07月25日

過ぎる十七の春 (完) 全02巻

【過ぎる十七の春】 (完) 全02巻  /山本 小鉄子

隠れ里でまるで異界のような花の里、その親戚の家に夏と春には泊まりに行く直樹と妹の典子。
従兄弟の隆は直樹の半月違いの同じ歳。その日、17歳になった直樹。
母の由紀絵とその姉で隆の母伯母の美紀子は、直樹と隆が17歳になるのを歓迎していない様子が気になった。
ある日を境に隆は豹変する。母の実家である菅田家が背負った呪いとは。

幻冬舎のWebコミック「スピカ」。単行本はバーズコミックス。
人気作家の小説のコミカライズ。
小説原作のまどろっこしい説明口調が気になるけど、2巻からはのめり込んだ。

馴染みの漫画家さんで絵が好きなのもあったけど、とにかく面白い。
後半の直樹まで絡め取られていく恐怖がすごい。
漫画作品にもここまで描けたのは感じ入った。

何度か鳥肌の立つ面白さ。
母の愛が切ない。
オススメ。
                         2010/7/23

《こんなふうにおススメ》
夏の夜にどうぞ。
                     ↓ 原作はこちら

posted by zakuro at 19:12| Comment(2) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月18日

薬師アルジャン (完) 全11巻

【薬師アルジャン】 (完) 全11巻  /山下 友美

小さなベアゾル王国の跡継ぎプリムラ姫は、幼い頃より命を狙われ続けていた。
国王は姫の毒味役として、全身を毒に侵された「バジリスク」と呼ばれる殺人兵器として育てられた奴隷の少年を買ってくる。
バジリスクの髪は毒のために銀色になり、彼に触れるだけで時には死に至る。
プリムラは初めて一緒に食卓が囲める友だちが出来たと大喜び。彼にアルジャン(銀)と名をつける。
しかし、姫の命を狙う最中に、プリムラはアルジャンの使命を知ってしまい、彼を助ける為に解雇する。
二人とも年頃になって再会を果たした時、「その力を活かせ」とプリムラに言われたアルジャンは、薬師となっていた。
プリムラのたっての頼みで、アルジャンは城付きの薬師となるが……。

「プリンセスGOLD」に連載中。
面白ーい! 薬剤師をしていた作者の知識が満載で、しかもラブストーリーとしても良く出来ているファンタジー。

身分の違いはこの手の設定にはデフォルトだけど、なにより触れると死に至る、それに無理ない設定を作り込んであるのが上手い。
髪には触れても大丈夫、とか、微妙な線がじれじれさせてくれて、ラブロマンスとしてもちゃんと成立しているよね。
ここは、海外ドラマ「ダーク・エンジェル 2シーズン」と同じシナリオ。
こんな設定だと、いくらでも暗い物語を作れるのに、根っこが明るいのが救われる。

ナバラ国の第三王子ロルカも良い味で、そちらも応援したくなる。

現在8巻まで刊行。早く追いつきたいです。
                         2009/02/19、2/20UP

《こんなふうにおススメ》
作中で語られる薬草などの蘊蓄も楽しい。面白いです。

5〜11巻/
この巻からは、アルジャンが自分の身体を無毒化させるための旅が始まる。姫に自分の気持ちも告白、姫に向き合うために、姫に触れられるようになるために積極的に人生に向かう。プリムラは誰と添い遂げるのか。即位は?

素晴らしい。良く出来ている。
少女漫画作品の枠に閉じ込めるには惜しい面白さ。すごい。波瀾万丈の展開、息つく暇なし。濃い〜。

脇役のサイドストーリーも大筋に巧く組み込まれ、読み応えのある秀作。話作りの理想。
細かい設定も把握して完結したくて全部最初から読み直し。うーん、やっぱり感想は変わる。完結しているものから読んでいった方がいいんだろうな。

話の軸は、歴史物語を利用してのロマンス的な「天は赤い河のほとり」とは真逆で、ロマンスをベースにしながらの人々の歴史の中での立ち回りを描いたお話。

とくにこの作品が好きなのは、人をしっかり描いているところ。
アルジャンもどんどん人間くさくなる。善人だけなどありえない。それぞれに事情があり、みな必死に生きている。その心の推移が絶妙。
それが描かれていて、夢物語だけにならない。こういう作品を描いてくださってありがとう。
ソーダの猿回しぶりは巧い。
カストリア編、面白かった。
ロルカ、良い男だよなー。

名台詞は多くて書ききれない。
2巻の「ひとりでは王になれない」王は自らなるものではなく、選ばれるもの。周囲に信頼されて持ち上げられてこそ、上に立てる。王になるには、すべてを受け止めてなお闇にも何も染まらぬ何かが必要なのだ。
7巻「この世に生まれて来たからには、何かの役に立つ。この世にムダなことは一つもないんだ、経験も人も」

病に対する考え方はホメオパシーであり、現代医学に通じる。
なぜ病気があるのか、そこまで考えさせられた。そんな哲学も示唆。

ヌカ師アルジャンも最高。
一万冊を読み終わったらまた読み直したい作品。もっと評価されて良い。
続編希望。
                        2010/7/17

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:山下友美
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2010年07月09日

はいからさんが通る (完) 全08巻

【はいからさんが通る】 (完) 全08巻(7巻 + 番外編)  /大和 和紀

大正7年。花村紅緒、男やもめで帝国陸軍少佐の父に育てられたお転婆なじゃじゃ馬娘、怖いもの知らずの無鉄砲、でも恋を夢見るお年頃の17歳。未来の歌舞伎女形の隣人の幼馴染み、藤枝蘭丸にも子どもっぽい無邪気さと微笑ましがられる始末。
女学校に慣れない自転車で登校中、こけて帝国陸軍少尉、伊集院忍に笑われる。ひっぱたいて呆れられ、心中悪態をついた紅緒だったが。その日、父の部下として来宅したその人、ハンサムで将来を期待される好青年伊集院忍こそ、先々代から約束の紅緒の許婚だったのだ。自分の運命は己が切り開く、そう息巻いている紅緒がそれを良しとするわけはない。しかしまだ封建的な時代。しかもクラスメイトで親友の、華族のお嬢様北小路環の想い人でもあったのだ。
戦争に大地震、刻々と変わる波乱な時代の中、紅緒の生き様と、恋を描く。

7巻に番外編の「はいからさんがこけた」学生時代の紅緒のパラレル。
「鷺草物語」鬼島森吾を追って満州に向かった環。鬼島の生い立ち。

番外編の巻(新版では8巻)は、蘭丸の恋。冬星、出張先のパリで紅緒そっくりの少年ベールを助ける。
「杏奈と祭りばやし」戦争に行って戻ってきて知恵遅れのようになってしまったドラこと山崎虎吉。施設送りの小さな女の子を杏奈と名付け育てる。

週刊少女フレンド。名作。子どもの頃に読んだ作品。

やんちゃな女の子が好き勝手に生きながらも、王子様と幸せになる物語。
女の子も自由に自分らしく生きて良いと語りかけた最初の頃の作品かもしれない。
紅緒の明るさ、素直さ、率直さがこの時代の新しい風と相成って、周囲に受け入れられ時代を変えていく。

1巻の奥付、初版が1975年だった。作者の20代前半の作品。
35年も前のなのに、ちっとも古くない、すごい。子どもの頃はよくわからなかったけど、ほんとに良く出来ているなぁ。
下らない子どもが好きそうなギャグをところどころ入れるのは当時のやり方だけど、作品を重く暗くしないために今でも王道としてやっているものは多くある。
小学生の頃に友だちから借りて夢中になって、紅緒と同じ編み上げブーツが欲しくて仕方なかったのを想い出した。懐かしい〜!

ウーマンリブの先駆け、ハイカラと呼ばれる女生徒たちは青鞜を読み耽る。母たる学びを教育する女教師に「バチあたりな思想かぶれ」と叱られるのはさもありなん。
読み方は年齢とともに変わる。たびたび紅緒の酒乱ぶりが描かれるけど、作家さんが酒豪なのだろうな。まだこの作品が描かれた時代は外でお酒を飲む女性は珍しかった。
それこそ思想的に革新を気取る女子がそんな振る舞いをしていた安保時代の後のこと。正社員にはなれない女性が、少しずつ自己主張を始めた時代。

紅緒のはちゃめちゃっぷりは子どもの頃は楽しくて爽快だったんだけど、今はやり過ぎ感が気になって感情移入が出来ない。自分で責任取れない暴れ方だからなんだよね。
ここはすっかり大人というか、親目線。歳取ったなと思う。

全体によくよく練られた、行き当たりばったりではないお話作り。心情の変化を絶妙にストーリーに絡めて無理がない。大御所の力量、さすがだ。
欲をいえば、時代の説明だけでなくリアルな人物が登場しても良かった気がする。例えば伊藤野枝とか尾竹紅吉とか。時代設定として語られる背景に命が宿ると感じた。

紅緒のお父さん、サリーちゃんの父に似てる。
蘭丸は女装男子、しかもメイド服が可愛すぎる。男の娘のハシリだったんだね〜。良い猿回し的存在。描きやすかっただろうな。

少女漫画の王道という感じ。
女の子が運命と定められた相手に反発、でも結局は彼しかいない……王道だよねー。後年の多くの作品に影響を与えたと思う。
今は同じ話をもっと心情掘り下げて読みたい気分。もちろんこのままでも面白い。

新版表記は8巻まで。旧版は7巻と番外編。
だらだら巻が続く最近の作品について、考えさせられた。
                         2010/7/08

《こんなふうにおススメ》
今でも少女漫画を代表する作品。

【コミックセット(文庫版)】


【コミックス】


【コミックス(文庫版)】

posted by zakuro at 16:40| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月08日

あまつき 11巻まで

【あまつき】 11巻まで  /高山 しのぶ

※ 登場人物は日本古来の色の名前が多い。ちょっと名前に色づけしてみた。

自分の人生に現実感を持てない六合鴇時(ろくごう ときどき)は高校生。
日本史の試験が赤点だったため、補習授業で「大江戸幕末巡回展」に行くことになる。そこで妖に出会い、“落ちた”先が江戸の様子をした異世界「雨夜之月(あまつき)」だった。
同じく巡回展に来ていた同級生の篠ノ女紺(しののめ こん)は、すでにその時より二年も前にそこに落ちていた。二人が雨夜之月に来るきっかけになった夜行と鵺(ぬえ)を追ううちに。
鴇と紺は、犬神憑きの朽葉らとともに、元の世界に戻る道を探す。

初コミックス作品。
なかなか読み進められなかった。3ヶ月かかった。考え込んでしまう。
よく研究されている。ちゃんと読むとよく描けている。面白い。しかしページの中に情報量が多すぎる。すらすらと進まない。
カラーがめちゃくちゃキレイ。油絵を彷彿させる表現も。美しい。麻文様の描写が多い。

天網とはアカシックレコードのこと。アセンションの話でもある。白紙の者である鴇が、つまりハッカーであるということ。新しい世界への書き換えが始まっている。多くが同じ情報を得ているのかも。するとこの作家は意図してこれを描くにあったということか。
ルソーの言葉。beが先でdoが再び生きるということ。“それ”を見つけるには、今はdoから始めるのが早いというのは皮肉なもの。beはもともと“あるがまま”だったことがわかる。自分の“あるがまま”。それは個性でもある。

1巻に出てくる紺のシジミ飯はとにかく美味しそう。この作家も食べることが好きなんだな。そういう人は信じられる。身体感覚を大事にしているから。
                         2008/6/26

5巻〜6巻/
5巻は過去篇。銀朱(梵天)、真朱白緑らの因縁。6巻は鴇の過去、彼岸とあまつきが絡みだす。
天網あたりからもしかして、と思ったが、実はまだこの話、本筋は何も語られていないのではないか? 第一章第一幕。幕くらいは開いていて欲しい……そんな感じ。
登場人物と話の風呂敷、広げるだけ広げて、回収できるのか心配になる。今の段階でシンプルに話を終えても、20巻のペース。少なくともそこまではいくに違いない。
アクションネタも絵もうまい。でも、話の大きさに比べて、もっと見せ方はあると感じる。そこのバランスの悪さはある。毎回、ネーム切るの大変だろうな。
                         2008/7/20

《こんなふうにおススメ》
異世界モノ好きな方には。漫画慣れしている人の方が良いのかも。

UP追記>
この作家さん、かなり研究しまくっている。感心、感動しました。歴史、文学、オカルト、伝承、民俗……。好きなんだろうな。
それをライトな表現で描く、その手腕はかなり……。唸ります。

ネタバレにならないと思いますが、「天網(てんもう)」ってキーワードが出てくる。もともとは老子だけど、日本では空海が使って知られている。西洋でいうアカシックレコードのこと。シュタイナー的神秘学でも展開されていた。「神が描いた設計図」ってことで、映画の「マトリックス」の世界観もこれですね。
いろんな説明の仕方があるんですが、あまつきでの説明が、華厳経の世界観に酷似して描かれてて、すげーなー、そこまでプロットを作り上げてるのかな? って思いました。
華厳経っていうと、まず浮かぶのが奈良の東大寺の大仏様で、あの天然パーマ的頭にその秘密が隠されてたりする。仏教的には。そんなことつらつら考えてきたら、5巻の天から伸びてきた手がまさに大仏な表現で、また感じ入っちゃいました。

そんな描写が随所に出てきて、面白かったんですけど。そのたびに考えちゃう。手が止まってしまう。
こういう漫画って面白いけど、けっこうきついすよねー。

だけど、アニメはそこまでやりきれてなくてイマイチでした。2話で挫折した。残念。
いつかちゃんと観よう。
                         2008/8/04UP

UP追記2>
「あまつき絵巻 金華糖」(イラスト集)見ました。美しいですねー。かなり感動。透明感があるアクリルっぽいのや、油絵調のも素晴らしい。
この作家さん、平面構成からしっかり学んでらしたんだろうな、と思わせます。色彩感覚、素晴らしいです。デジタル絵を描かれる人でも、しっかりと基礎の平面構成されてきた方って色の使い方、違いますよね。どうなんでしょう、そこ伺いたいです。
空色と紅の配色が多い。その組み合わせ、お好きなんでしょうね。
                         2008/8/05UP

7巻〜8巻/
7巻は、紺が鴇時のことを全て忘れているのに、ショックを受ける鴇時。銀朱が天帝に挑み、負けたのだ。梵天が鴇時に「天帝が世界をリセットした」と話す。しかし、白紙である鴇時には影響を与えられないのだ、と。
千歳(せんさい)コーポレーションの核心に迫り出す(はした)ら。千歳プロトコルを作ったのが千歳緑で、現在は行方知れず。
白沢(はくたく)である鴇は、どこにも属さない孤独を感じるが、記憶の残る鶴梅に再会し。

8巻、銀朱が白緑の呪いをかけられた記憶を鴇が垣間みる。
蘇枋の死を半たちが追う。

正直、だいぶついていけてない。初見だけでこれを理解するのは無理。まんま和製の「マトリックス」だからだ。だったら、何度でも読み直せってことなんですけどね。連載を追っていたけど、それも挫折。

加えて、高山しのぶの構成は、読みにくいのだ。テンポが掴めないし、文字も絵もごちゃついている。テーマもストーリーも面白いのにそれが難。これは他の作品にも言えること。
でもあまつきは、巻が進むにつれてだいぶ読みやすくはなってきている。

これだけの情報を描くのは、先に小説化の方が良かったのではないだろうか?
漫画にも弱点ってあるんだなー。

いろいろ言ってはいますが、読み出すと面白いんだよねー(いったいどっちなんだ)。
応援しています。好きな系統なんですよ。

7巻、面白かった。
いろいろ言いながらも、鳥肌が立ったところ……。人の記憶(想い出)がすべてを凌駕するという設定。すごい。存在とは、記憶そのものだからだ。

今更だけど、登場人物は日本古来の色の名前が多い。ちょっと名前に色づけしてみた。
他にも露草空五倍子(うつぶし)、煤竹黒鳶紅鳶藍鼠萱草(かんぞう)、白藍青鈍なども……。
千歳緑に至っては、そのまま「ちとせみどり」という色がある(ここでの名前は、せんさいみどり)。これらも伏線になっている。

後悔していることといえば、これを少女系に分類したこと。ゼロサム、難しい。
                         2009/4/03、/4/04UP

9巻/
千歳グループの陰謀をかつて紺も調べていた。
鴇は死んでしまった銀朱に会い、銀朱の想いを聞く。牢を破って緋褪と会う。
陰陽寮がなぜ出来たのか。

やっとだ、やっと「大江戸幕末巡回展」に戻ってきたよ。これから核心に入るんだなー。なんか感激。

もしかして、主役は鴇ではなく、銀朱なのか?

佐々木弟の男前度に泣きそうになった。昔の覚悟の仕方って……なまじ、人生に選択肢がない分、迷いがない。

呪を解くのが、十種神宝祓詞だった。

絵はだいぶ見やすくなった。読みやすくもなってきた。
でも、相変わらず内容は難しい。一度読みじゃよくわからない。面白いんだけど。
ノックが終了したら、読み直したいトップな作品。
                         2009/4/30、UPも。

10巻/
緋褪が語る過去。それぞれの事情。
神社の結界が壊れ夜行が攻めてくる。狙いは鴇時。紺と朽葉と再会。

読みにくさの原因はネームのタイミング。ギャグの入り方や、話のテンポを中断させるコマ運び。ゼロサムにはそれが割と多いから、編集者さんの責任も大きい。それでもだいぶ読みやすくなった。
話はやっぱり面白い。理想はラスト巻出た後の一気読み。
                         2009/10/11、10/19UP

11巻/
鴇時、紺と朽葉は鵺に対峙。第14代将軍徳川家茂。銀朱の“身体”のみ。そして朽葉は捕らわれて、鴇時は大怪我をする。梵天目覚める。

あー。最初から読み直したい。伏線が張り巡らされ過ぎて、現代編が入るともうよくわからない。小説ならまだしも、読者はそんなに暇じゃない。何度も読めと言われても。漫画としてのエンタテイメントってあるんだなと気づく。次巻から後半戦とのこと。
                         2010/7/07、7/08UP


タグ:高山しのぶ
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2010年07月03日

ゴールデン・デイズ (完) 全08巻

【ゴールデン・デイズ】 (完) 全08巻  /高尾 滋

高校一年の相馬光也。幼少時に誘拐されて以来、母親が異常な過保護になる。そのために祖父(実際には曾祖父にあたる)の慶光(よしみつ)が買い与えてくれ、プロにまでなりたかったヴァイオリンさえ封印せねばならなかった。
お祖父ちゃん子の光也は、祖父の後悔を聞く。その晩、危篤に陥った祖父のためにヴァイオリンを手にした時、地震で大正時代にタイムスリップ……相馬子爵家長男の慶光として迎えられてしまう。
慶光は3歳で両親と死に別れ、両親の親友である春日家で育つ。そこには一緒に育った春日仁がいた。祖父のやり残したこと、抱えていた秘密とは?

花とゆめ。とにかく人気で話題としてよく出てくる作品。多くの人に勧められた。
BLの匂いとかいろいろと聞いたけど、そんなことは飛ばして面白すぎる。
こんなことを言ってはなんだが、久しぶりにちゃんと少女漫画を読んだ感覚になった。上手いなぁ。

絵も構成も力量を感じる。軽い気持ちで読み出してはまる。
内容はしっかりしていて、しかもディープ。よく少女誌で描けたなぁ。編集にも感心。

謎解きにもすい込まれる。
読後に気になるところも実はある。意図的に描かれていないんだと思う。
祖父はいつから並行の記憶を持ち得たのか。大正時代の慶光は光也の存在をどう考えていたのか。その時、彼は何をしていたのか……等々。
ファンにはずいぶんと考察されたんだろうな。連載読みじゃなくてほんとありがたい。
一気に読めなかったら悶え死ぬ。
しかも8巻の中に絶妙にまとまっていて、秀作。今、読むことができて良かった、幸せ。

まさに、生きていくことは神からの挑戦に感じていた近頃。

大正時代のあれこれはとても楽しい。こんなにも今に残っていないのか寂しい。大震災と戦火のもたらした傷は大きいなぁ。

慶と光也で慶光なんだな。
同性で肉体関係のある間柄を念友というのか。

最後は爆泣きした。人はひとりで生きられない。誰かと繋がっている。
そしていつだって一期一会なのだ。
男性にもオススメしたい。
                         2010/7/01

《こんなふうにおススメ》
読み応えあります。面白いから読んで、という陳腐な言葉で勧めたい。

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:高尾滋
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2010年06月15日

勉強しなさい! (完) 全02巻

【勉強しなさい!】 (完) 全02巻  /中原 アヤ

元校長の祖父のスパルタで、東大合格率80%の難関進学高校に合格してしまった南美空。
クラスメイトの梶圭介には、度重なる失態に巻き込んで迷惑がられている。落ちこぼれ目前のふたり。
その圭介の祖母が美空のじいちゃんに、圭介の塾教師を頼んで美空の家に通ってくるようになり……。
口が悪く一見乱暴な圭介の優しさにだんだんと気づいた美空は、いつの間にか好きになってしまったのを自覚。そんな折り、ぶつかった拍子に唇が触れてしまい!

1巻短編「買物ブギ」(「い」が抜けているのは仕様)
8人きょうだい大家族の長女桃ノ内さおりは家事のいっさいを取り仕切る。
同じクラスの春名は女好きのアホでうかれポンチ。そんな春名に振り回されてばかり。

行き詰まったので、取っておいた中原アヤ。
初連載の作品。別冊マーガレット。

絵はほんとに上手い。
花椿ヨネコが出てきてから面白くなった。美空は存在が薄すぎ。サブキャラ濃すぎ。

真面目な絵さえ笑えるのが、この作家さんの素晴らしいギャグセンス。
ラブ★コン」の原点がここにある。
ああ、元気になった〜。癒された。ありがとうございます。幸せ。
                         2010/6/10

《こんなふうにおススメ》
「ラブ★コン」から読むのがオススメ。独特のギャグセンスがきらり。


タグ:中原アヤ
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2010年06月03日

耳をすませば

【耳をすませば】 全01巻  /柊 あおい

向い原中学一年生、本が大好きな少女月島雫は、自分より先に図書館で本を借りている天沢聖司を、貸し出しカードで知る。どの本にも読書家の雫の名の前に書かれていて…。
そして親友の杉村夕子の恋を知り、雫はその名前をますます意識し出す。
夏休み、我がもの顔で電車に乗ってきた猫の後をつけて知らない駅に降り立った。そして見つけたアンティークショップ地球屋。そこで知り合ったのが姉の同級生だった天沢航司。聖司の名を知っているか聞こうと思ったが切り出せなくて、再会もできず。
雫の読んでいる本をバカにした男子と何度か会ううち、彼がその聖司で、航司の弟だとわかって。初恋物語。

りぼん。
漫画というより、ジブリ映画の方が知られている。この作品を原作に描かれたのが映画。
これをよく国民が悶えるほどのういうい映画にしたよなーと感心。ジブリマジック。
りぼんでは打ち切り扱いだったらしい。なので後半は描かれることができずに駆け足で残念。

航司は映画には出てこない。聖司が目指しているのは、原作では画家。
漫画の感想なのに映画と比べて申し訳ないが、映画はふたりの夢を追う物語。こちらは初恋のういういに特化で、夢に向かって頑張るシーンはない。
映画観てなかったら、たぶん記憶には残らないと思う。
作中物語は「バロン・猫の男爵」に描かれる。
                         2010/6/02

《こんなふうにおススメ》
少女の頃を想い出します。

           ↓ こちらは文庫版

タグ:柊あおい
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2010年05月31日

水鏡綺譚

【水鏡綺譚】 全01巻  /近藤 ようこ

狼に育てられ行者の元で修行したワタルは、師の死とともに旅に出て修行をしている。野盗に襲われ娘たちを攫われた村を助け、ひとり身寄りのない鏡子がワタルの後をついてくる。鏡子を家まで送る旅程の中で起きる不可思議な物語。

ASUKA。
珠玉の一冊。一話読み切りの短編形式で進む。
夜話のようで心地良い。まるで丁寧な仕事を重ねたタペストリーのよう。

修験の修行を終え、旅に出て立派になりたいワタルと、魂の抜けてしまった妖艶で美しい少女の鏡子。
民俗的な話の合う絵柄に、懐かしい昔話に似た物語。風情溢れて楽しい。

さっぱりした構成が逆に話を引き立てる。
淡々とした中に流れる、人の業や儚さが切ない。

物語の中の小道具として、真言や呪法が出てきたりするが、どれも興味深い。
とくに阿国歌舞伎というより綾子舞のような踊りがあったり、よく描かれていて面白い。
秀逸。
                         2010/5/25

《こんなふうにおススメ》
民俗学ファンも楽しめるはず。こういう作品がもっと読みたい。


タグ:近藤ようこ
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2010年05月30日

シノビライフ 08巻まで

【シノビライフ】 08巻まで  /こなみ 詔子

藤原紅(ふじわらべに)は名家のお嬢様。入り婿の父親が母親を殺したと思い憎んでいる。幼い頃から誘拐され続きで、できればその際に不慮の事故で死んで父に復讐したいと願うが……。
その時、ひとりの忍者が空から降ってくる。彼の名は景虎(かげとら)。過去からタイムスリップして来た、紅の先祖である紅姫(べにひめ)を守る忍だった。

なんといっても、カラーがうまい。表紙だけでずっと読みたいと思ってた。
なんといっても、表紙の景虎がカッコ良過ぎ。それでずっと期待してたけど、本編の作画は安定していない。むーん、そこだけが残念。

紅は男気があるのかオトメなのか、性格が捉えられない。もう少しバチッと決めて欲しかったなあ。でも、女の子って多面性があるからそんなものなのかも。

紅の婚約者の岩鶴理人は、当て馬で出て来たのかと思ったら、その生い立ちからファンが出てきそう。
ストーリーを面白くするために、もっとかき混ぜて欲しい気もする。
紅のお母さんは生きてそうだね。
理人の父と、紅の父が組んでいるのだろうか?
まだまだ謎らしきことは何一つ解決されていないのが、4巻まで。
                         2008/12/17

UP追記>
こうしてみると、やっぱ表紙キレイですよね。「あまつき」もそんな感じだけど。
新刊、早く読みたい。

UP追記2>
いやいや気づきませんでした。この作家さん、BLも描いてらっしゃるんですね。
どうりで男子がカッコいいわけだ。
BLまでジャンルをまたがっている作家さん、男子がキレイだったりカッコ良かったり……。
好きこそ、ですね〜〜。
                         2008/12/20UP

《こんな人におススメ》
じりじりとした少女漫画に疲れちゃった人に。景虎の献身は幸せな気持ちになれます(笑)。

5〜6巻/
過去からの追っ手である鶲(ひたき)に追われる景虎。
紅は父親に反対され、景虎と駆け落ち、紅は過去に生きる決心をする。景虎の意思を無視してタイムスリップしようとするが、風に煽られ、先に屋上から落ちてしまう。
行った先に景虎はいず、もっと過去の幼さが残る、紅を知らない景虎に殺されそうになる。
忍の蓮角(れんかく)、14歳の景虎に確保され、過去での生活を始めるが。そこでは忍の裏切りによる暗躍が始まっていた。
一方、違った過去に向かってしまった景虎は、ひたすら紅を探して、何度もタイプスリップを繰り返す。

景虎の健気さが胸を打つ。ここまで愛されるって、ないよなー、ほんとには。
紅も、のほほんとし過ぎだし。
話はようやく本題に入りつつある。まだまだこれから、といったところ。
                         2009/4/29

7巻/
離れてしまった紅と景虎。紅は過去で待ち続け、景虎は何度も過去へのホールに落ち続ける。
過去では忍の策略が、少しだけ遡った現代で景虎は紅の母を観る。
紅の父親の正体を景虎は知り……。

そうきたか。
何を書いても、ネタバレになる重要な巻。

疑問は、「なぜ父は景虎のことを今まで黙っていたのだろうか?」
ここあたりも伏線なんだと思う。

やばい、今までぼーっと読んできてしまったツケですね。
この巻でやっと面白くなってくるのは、リボーン並みの反則です。
どんなにアト出しですか。
今まで、表紙買いして後悔する作品だなんて言ってて、ほんとにごめんなさい。
                         2009/7/14、7/19UP

8巻/
理人も過去に飛び、景虎と出会う。お互いに別の場所に飛び、紅の母を助けようと試みる。
一方、紅は白雨叉(しろうさ)が化けた景虎と山に。八隈(はちくま)は。

一気読みしたい。その方がわかる。どうなっていくのか興味津々。
                         2010/5/26

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:こなみ詔子
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2010年05月10日

禁断シリーズ 05巻まで

【禁断シリーズ】 05巻まで  /刑部 真芯

01 秘密の花園 [完全版]
02 あの夏の日の楽園
03 その腕の中の天国
04 この胸にある焔
05 薔薇の彼方

両親を事故で亡くし施設育ちの高瀬萌子に、富豪の息子加納毬也(まりや)の手が差し伸べられる。何不自由ない生活はそれが毬也の優しさからだと萌子は信じていたが、まだ幼い時分に無理やり抱かれる。人形のように扱われる日々。しかし初潮を迎えた日に舌打ちする毬也を見て、萌子は落胆する。
その14歳の萌子と、26歳の毬也から物語は始まる。萌子の同級生で好意を持つ武蔵連太郎は、その関係を知り苦悩する。
自分好みに少女を育てる現代の光源氏のお話。

おまけ短編。01巻・「モーリッツの憂鬱」毬也の幼馴染みで親友の森津が、ふたりから惚気られる話。気の毒。
02巻・「モーリッツの回想」
03巻・「モーリッツの災難」
05巻・「モーリッツの秘密」

01巻短編・「ずっと言えなかったこと」
幼い時に自分を庇って大怪我をした桔梗をずっと好きでいた佐藤レイナ。今は彼のボクシング部のマネージャーとして側で見つめている。

04巻短編・「Faily Tale」
貧乏剣士菊千代と妖精メラの旅物語。

少女コミックCheese!
禁断のロリ系DV漫画。鬼畜です。

扉絵がすごい。さすがの少コミ。
少女にエロスを提供していて人気の作家さん。新條まゆさんのアシスタントだったそうです、納得。
でも、この作家さんの目線の方が好き。偏狭的なこだわりを感じるから。

話の流れがあるわけではなく、設定で展開していく。時系列もばらばらの短編に近いのでどこから読んでもOK。
登場人物はほとんど変態と紙一重。共感してのめり込む作品ではない。
ご都合主義なストーリー。
甘々なラブストーリーに見せかけているけど、個人的には虐げられて調教されきった少女は、どんなに美しくてもステキだとは露ほども思えないし魅力は感じない。そういうDV嗜好の男も以ての外。

男子向きの少女漫画なのではと思ってしまうが、これは脳内ファンタジーですよと声を大にして伝えておきたいです。

1巻で完結していそうなのに、なんで続いているのだろう。人気あるんだな。
冗長な感じは否めない。
                         2010/5/03

《こんな人におススメ》
鬼畜ものがお好きな方に。


タグ:刑部真芯
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2010年04月25日

ガラスの仮面 44巻まで

【ガラスの仮面】 44巻まで  /美内 すずえ

貧しく容姿も成績も平凡な北島マヤは、青葉中学に通う13歳。
父はなく、横浜中華街の満福軒で住み込みで働く母を手伝うが、映画やテレビドラマに夢中でいつも叱られてばかり。一度魅入られると常人ならぬ集中力で芝居を暗記してしまうのだ。
その希有な才能をいち早く見抜いたのが、黒夫人と呼ばれ月影千草。マヤを、“千の仮面を持つ”と気づく。
事故で舞台を降りるまでの月影は、伝説の“紅天女”を唯一演じることを許された大女優だったのだ。
演技の面白さに目覚めたマヤは母の反対を押し切り家出、劇団つきかげに入団する。
大女優姫川歌子を母に、そして世界に進出している監督姫川貢を父に持つマヤと同じ歳の天才少女亜弓は、名門聖華学園中等部に通う上品で美しく才気溢れたお嬢様。
彼女がライバルとして唯一マヤを認め、ふたりは紅天女の座を目指し進む。
大都芸能グループ御曹司で次期社長と名高い速水真澄と、亜弓と同じ劇団オンディーヌのスター桜小路優が見守る中、女優として成長していくマヤともうひとりの主人公亜弓の物語。
マヤは“紫のバラの人”足長おじさんの援助で高校も行けることになり一ッ星学園に通う。

花とゆめ。現在は別冊にて連載。
1976年から途中に休載を挟みながら今に至る人気作品。35年……。もはや神話である。
累計で5千万部を超え、少女漫画での発行部数は歴代2位。
その圧倒的な面白さには打ちのめされるほど。

中学生の時、友だちから借りて授業中にこっそり単行本を読んでたのを想い出した。ふたりが共演するところまでは記憶にあったので、けっこう読んでいたと気づく。
今回は、他の作品の合間にちょこちょこ読もうと手にしたのに、それは失敗だった。面白すぎて他を読もうという気が一切起こらず止まらず、すっかりこれにはまってしまったのだ。
三連休(3月)があったのがありがたく(結局この休日の予定をだいぶキャンセル、半日のみ友人と映画に食事しただけ)、終いには食事をまとめて作り置きして没頭するほどだった。

話はかなりえぐい。そうだよな、昔の少女漫画って昼メロみたいだった。
そしてベタだけどわかりやすくて、緻密に練られたシナリオ。面白い。

絵は初期の方が上手い。休載以前の方が情熱も詰まっているように感じる。筆圧の勢いが最初の頃に感じられるのだ。
プロでも描いていないと衰えていくものなんですね。アスリートと一緒なんだな。
シーン演出は大げさな表現が多かった一昔前のモノを感じさせる。

話の構成は、次から次へと起きる試練をマヤたちが乗り越えて成長していく、これが基本設定。
マヤが惹かれる年上のお金持ちと、親しみある同級生も王道。
お約束の展開なのに飽きさせない。

ライバルの亜弓の人気は高い。決していじわるな悪役ではなく、マヤと同じ純粋に演じることの好きな、そしてそのためにはどんな努力も苦労も厭わず卑怯なことはしない正義の人なのだ。
マヤもその亜弓に恥じないために必死になる。
亜弓は天才と評価されながらも、その才能はマヤの前では不安になり、マヤに比べれば読者に近い。

感情移入しやすいのも人気のひとつだろう。
昔の漫画なので、コマ割もオーソドックスで読みやすい。これは中盤からだんだんとダイナミックに変わるが、今の少女漫画主流の変形コマまでにはならない。
台詞が説明口調なのは気になるが、シーン演出で見せるより話の内容で引っ張っていく。

作中劇が見事なので、余計な演出は過剰になるだろうな。とはいえ、だんだんと演出に工夫が出てきてこれも唸る。
これらが巻数が進むにつれてどう変化していくのかが見どころでもある。
感動して泣けてきたところが作中劇だったのに驚かされた。何度か泣かされた。うーむ。これだけでも驚異な作品と実感する。
この重層の濃さと厚みが人気に拍車をかけていると思う。
紅天女の内容は40巻(文庫は23巻)。

「おそろしい子!」の名台詞はいろんな作品でずいぶん見るよね。ギャグネタとしてだけど、それだけ多くの人に愛されている証拠。
俳優を目指す多くの人たちも読んだのだろうな。
自分にも“紫のバラの人”がいてくれたらと、どれだけの人が考えただろうか……。この人の存在がどんなに心の支えになり、生きる勇気になるのか。歳を経た今は、そんな存在にもなってみたい。
桜小路とマヤって、ただの友だち同士の印象だったけど、付き合ってたことになるのか〜〜。海辺で走る恋人たちの姿がネタかと思った私は自重。
犬がアレクサンダーの元ネタもこれだったのか。
それは絵にもあって、白目の表現や衝撃を受ける様も、だいぶネタになっている。

紅天女の里って天川村だったのか……。旅の行程ですぐに気づいた。知っている駅や景色だったからだ。
縁あって何度も行った場所だけど、地元の人たちがこの作者さんと親しくよく話題に出ていたのも理解できた。そして同じように禁足地がある。この夏に人の紹介で、ここを守る神に仕えている方の案内で入って良いところまで入らせていただいたが、それがこの構想と繋がっていたとは知らなかった。その時も「美内さんはよくいらっしゃいますよ」と話されていた。

自分を知ること。それが演技上達の近道なのかも。
それは人生にも通じる。

文庫版には各界の識者たちが解説を寄せている。これが侮れない面白さ、これはこれとして多様な方々の連載物語になっていて感慨深いのだ。
誰が解説かは裏表紙に記載されているので、お目当てで購入しても良いかもしれない。
これはこれで語りたくなるものが多いのだが、20巻の蜷川幸雄は感じ入った。着眼点も畏れ入ったし、この解説自体が小芝居になっていてオチまである。たぶんインタビュアはこの作品ファン。そして娘の蜷川実花か、姪だろう。
また単行本の方は一冊の区切りが良い。すぐ次を読みたくなってしまう。
余裕があって両方を見比べられたらベストだと思う。

そしてファンにはよく知られていることだが、38巻からは連載分の原稿は一切使わず、単行本としてすべて描き直されているらしい。なので、連載を追い、単行本と文庫版を揃えるのが正しい読み方なのだそう。
天上の虹」のように単行本描き下ろしじゃダメなのかとも思うけど、そこは大人の事情なのかな?
                         2010/4/15

《こんなふうにおススメ》
少女漫画の傑作。

【コミックセット】


【文庫版】


【コミックス】

タグ:美内すずえ
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2010年04月10日

シンデレラ(BOY)確率論

【シンデレラ(BOY)確率論】 全01巻  /杉浦 志保

シンデレラボーイの西室紫貴(しき)は、今や日本で一番名の知られる売れっ子モデル。
永森香純(かすみ)は紫貴の所属するプロダクションの新入社員だが、いきなり紫貴に指名され付き人になる。
「俺を好きになって」男同士だけど、からかわれていると思うけど、紫貴にそう言われて戸惑う香純。

「雨のち晴れ」
デビュー作。サラリーマンの桧山は雨の晩に二丁目で少年を買う。心に残り探し続けるが。その相手も桧山を忘れられず、身体を売るのを辞める決意をしていた。雨の日に再会して。

いち好きコミックス。一応少女誌。
作者の二冊目のコミックス。初版は1996年だった。
BLとはなんぞやの研究も中途半端になっていてまだよくわかってないけど、専門誌が発売される前は、こういった少女誌がその役割を担っていたんだろうな。

内容は普通にBL。掲載誌の関係でこちらのブログに載せるけど、まったく違和感なく男性同士の恋愛。匂わせるだけなのかと思ってたからちょっとびっくり。
漫画史の変遷の中、いろいろあって棲み分けされていったんだろう。
そしてこの作家さんやあべ美幸さんらがBL誌に移ることなく、中庸(少女誌寄り)な誌面で発表し続けているのも興味深い。
                         2010/4/06

《こんなふうにおススメ》
やっぱりBL好きな人に感想を聞きたい、描かれた時代背景も含め。


タグ:杉浦志保
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2010年04月08日

おとなの時間 (完) 全07巻

【おとなの時間】 全07巻  /山田 こもも

立花密香(みつか)はそれなりにモテる高校二年生。友人には大人ぶって見栄を張っているが、実は臆病で意地っ張りな性格。
ホテルの入口で拒否したために告白してきた男子に振られ、そのままホテル街に置き去りにされる。もはや終電もないのに、そこでばったり会ったのは生活指導で化学教諭の加賀伶(りょう)。なんとか密花は誤魔化そうとしたが、加賀にそのままホテルの中に連れ込まれる。
学校ではニコニコ優し気な加賀は、二面性があって。実は官能小説家でもある加賀に、女子高生の実態を見せろと半ば脅され、停学を避けるために密花は研究取材を受け入れるが……。時折見せる加賀の優しさにいつしか好きになっていく。
教師と生徒の禁断の恋愛。

短編は
1巻「そして、君は僕を好きになる」
佐野智香(ちか)は高校生になったが、中学の時から好きだった先輩を忘れられない。クラスで隣の席の今泉は、なんとその元彼にそっくり。しかも一目惚れと言われて。

2巻「恋する沙汰も金次第」
高校入学で昔住んでいた街に帰ってきた梅田綾奈。告白されて彼氏も出来たのに、生徒会長で学園の王子様、紫城(しじょう)に呼び出され、突然キスされる。

4巻「たとえば名前を呼ばれるだけで」
松本柾(まさき)と松本真咲。この名のせいでずっとセット扱いのふたり。ところが真咲は、先輩の彼氏よりも柾の存在が気になり始め。

Cheese! で連載されていた。 Yahoo! のオススメ漫画で、先生×生徒ジャンルのオススメになっていたので急に読んでみたくなった。
この雑誌少しエロめなので、ドロドロ禁断の恋なのだろうと想像。

少し読みにくく、導入部分で置いていかれた。お互いがなんで好きになったのか必然性が出てこない。うっかり?
この後の禁断をこれで乗り越えられるのか心配してみる。
決めシーンには力入っているんだけど、キャラたちが頑張るほど冷めていく。人物の内面の深みが描かれていないので共感できずに話だけ追うのが辛い。うーむ。
恋する気持ちを描くというより、恋ってこういうもんでしょって頭で描かれている感じ。なんかいろいろと残念。
加賀の思考が女性モードなのも……(乙女モードとは違う)。
そしてなんと後半は願望詰め込み過ぎなファンタジーコメディのよう。これ以上書くとあげつらっちゃうのでこの辺にしたい。

にしてもさ、自分たちのおかれている状況を把握してコソコソとやろうよ。頑張って密かに隠してたのに、偶然が重なってバレたっていうのが萌えなのに。同情もできない。
バカすぎの木崎が学年トップなのも謎。もっとずるくて知能犯な黒さでいいのに小悪党でつまらない。

「好きになっちゃったのが先生だっただけで」に笑った。BLでよく使われる「好きになっちゃったのが同性だっただけで」が今やネタ扱い。

初詣の神様に願うのが「見守ってください」じゃなくて、「そっとしておいてください」に大笑いしてしまった。それが伏線だったとは。

余談だけど携帯って便利だよなー。たぶん不倫や禁断恋に罪悪感を感じさせなくなったのは携帯の普及のせいだと思う。

オチが見えるけど、短編がいい。
                         2010/3/26

《こんなふうにおススメ》
若い読者には楽しいかも。

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:山田こもも
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2010年03月26日

男家 !! 01巻まで

【男家 !!】 01巻まで  /須貝 あや

二階堂一家の五男中学一年生の睦(むつみ)は大人しめの性格で、毎朝の戦争にうんざり、兄弟なんて少ない方が良いと思っている。
両親が交通事故で亡くなり、男ばかりの七人兄弟。長男で大黒柱の昌也はサラリーマン、次男元ヤンの陸(りく)は家事担当だが実は少女漫画家で煌星ほのかのペンネーム、三男和彦は大学二年生、四男は高校二年生の大志(だいし)、六男翔太は生意気な小学五年生、七男みのりは小学一年生。大家族のほのぼの日常。

B's LOG。
脳にキリキリくるのばかり読んでいるとこういう作品に癒される。
ちょっとBLの香りのする少女誌に掲載。雑誌購読までは考えてないが、気になる作品はけっこうある。

絵はシャープで読みやすい。
物語は大家族の良い話。なんてことない日常だけど、誰にでも記憶があってそれを呼び起こしてほろりとさせてくれる。

気になるのは、職業人は長男と次男のみ。いくら陸が売れっ子漫画家とはいえ。だからなのかな?
家もわりあい豊かで両親が亡くなっても手放さなくて良いのは保険かなとか、どんな生活なんだろうとそこばかり気にしてた。余計すぎる自分。
推理モノとか読み過ぎかも。
                         2010/3/25

《こんなふうにおススメ》
ほっとできて癒されます。


タグ:須貝あや
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2010年03月22日

恋したがりのブルー (完) 全06巻

【恋したがりのブルー】 全06巻  /藤原 よしこ

水嶋蒼(あお)15歳、常に選択を間違う女。
高校生活が始まる朝、殴られて目に涙を溜めている針谷陸(はりやりく)に出逢い、そのまま「嘘の彼女になってほしい」と頼まれる。親友で容姿端麗、頭脳明晰で学校で人気の御堂海(みどうかい)の彼女が好きと思われ、海は彼女と別れてしまったのだ。
断った蒼だが、陸の優しさに触れ、それを引き受ける。
一方、クラスの美少女空谷清乃(そらたにきよの)は、彼を取る女の誤解を受けて仲間はずれにされていた。蒼は声をかけ、仲良くなる。

Cheese!
わりと評判になっていた作品。基本的な設定は最高。

でも読み出してすぐにちょっと失敗したかなーと思った。
まず、登場人物の名付けが考えていそうなふりして何も考えてないとこ。こんな名前じゃ、みんなの最初にネタになるだろう、みたいな。
蒼が自分は他の人とは違う、と“無意識”に良い子ぶっているところ。選択を間違うんじゃなくて無神経なんじゃないか? とか。ういういは良いんだけど、周囲を無視というか、自分本位っていうか。
脇役の手抜き方も。
海の彼女のネタバレも不自然だった。せっかく伏線張ったのに。と、これくらいに(←何様)。

そんなちょっとちょっとがもったいないのだ。その違和感はとにかく頑張って慣れるようにした。
でもそこが大丈夫になれば、きゅーんとして楽しい。特に胸きゅん度は高い。
3巻くらいから俄然盛りあがってくる。血や皮膚がぴりぴりするような恋している気分が味わえる。これぞ少女漫画の醍醐味!
最終的にはがっつり少女漫画でした、面白かったです。

自分の気持ちに先に正直にならないと、周囲も幸せにできない。まったくもってそう思う。
個人的にはタコちゃん、頑張れ。
                         2010/3/11

《こんなふうにおススメ》
若い世代、とくに学生さんにお勧めかな。ツッコミが少なくて良いように思う。
歳喰ってくると、いろいろと言いたくなるんですよ。


タグ:藤原よしこ
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2010年03月14日

女王様の犬 (完) 全11巻

【女王様の犬】 全11巻  /竹内 未来

クラスでは根暗で虐めの対象の神守天音(かもりあまね)は、人気者の犬上兵衛(ひょうえ)と付き合っていて、またそれが羨望と嫉妬を起こしている。しかしその正体は、言霊を使い名を操る真名使いと、その狛鬼。契約によって結ばれた関係で、兵衛は天音の生気をエサにして働く天音の下僕だった。
天音は人里離れた村に棲む真名使いの直系だが、社会勉強のために村を出て、幼い頃から下僕として天音を守ってきた兵衛とともに学園生活を送っていたのだ。
仁科貴子は天音を助けに行き事件に巻き込まれるが、その記憶は天音に消される。しかしそれがきっかけで天音の親友になる。
後に天音の従兄の平鹿勇人(ひらかはやと)が教師として赴任してきて、彼らは学園中心に奇怪な事件に遭遇していく。オカルティックラブコメディ。

プリンセスからプリンセスGOLD。2001年から06年まで連載。最初の巻には、学園SM(セクシーモンスター)コメディとある。なるほど。

表現はえぐいところも。
キスが生気のやり取りという萌えがついてくる。
使役されている狛鬼の兵衛の方が世知に敏いのが可笑しい。そして齢を重ねているには悟っていないところも。

やっぱ、主役のヒロインは天然で、かっこいい彼がその娘に夢中の、王道の図式は萌えるんだなー、納得。
ちょっとオカルトで軽い感じのラブコメかと思って読み出して……すぐに謝った。しっかりメッセージもあってかなり面白〜〜い。
自分探しの話でもある。自分とは何か。自分の人生は自分で選び取るもの。それらが説教臭くなく、少女漫画らしく楽しくまとめられてさすが。そんな内容は「フルーツバスケット」に少しかぶる。

キャラに共感でき、読みやすいしバランスも良い。
とくに貴子が可愛くて仕方ない。
良い作品に出会った満足感で、一気に読み進められた。評判良さに裏切られなかった。
ところどころ入る邪魔にならないギャグは貴重。作者さんのセンスが良いんだと思う。
タイトルで損しているんじゃないかと思うけどこれはこれで好評らしいし、次作も「縛り屋小町」で、えぐい方がウケるんだろうなー。
後半はテンション高く畳みかける。良いお話だった。

良き言葉を使う。まったくもって同感。日々を反省。
天音たちの村(上護島)は、沖津島にそっくりに見える。
言霊だから「ひふみ祝詞」なのかな。
石榴が死んでしまったのがもったいないと思っていたら、案の定再登場。
馬刺プリンは試したくない。
                         2010/3/08

《こんなふうにおススメ》
面白いです。この作家さんの他の作品も読みたい。

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:竹内未来
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2010年03月04日

B.O.D.Y. (完) 全15巻

【B.O.D.Y.】 全15巻  /美森 青

二年二組佐倉凌子(りょうこ)16歳。隣の席になった藤竜之介が気になる近頃。彼は地味目で愛想もないと親友のアスカと雪には圏外、でも凌子は真面目そうなところが気になっていた。
竜之介への気持ちを自覚した翌日化粧にも気合いが入ったが、彼は学校を欠席。しかし帰り道、女性に拉致されそうになっている竜之介を見かける。しかもその女にキスまでされていて。凌子はパニックになりながら竜之介を救出、事情を聞くと彼は出張ホストのバイトをしていると話す。凌子はそれがきっかけになり再三からかわれるように。
そんな凌子を竜之介は面白がって好きになりそうだと言う。カッときた凌子は軽くて嫌いなタイプ、絶対好きにならないとゴミ箱で張り飛ばす。竜之介はその「絶対」に対し「好きにさせる」と宣言する。
そしてマラソン大会の時に凌子は理想の王子、稲葉に出会い一目惚れ。ふたりはどうなるのか。

2巻短編「さぁ今日も学校だ」
高校一年生の広沢明(あかり)。女子大付属の学校のためか男女比は女子が多く、しかも女子クラスの7組になってしまう。自棄になってラブ禁止と騒ぐが気になる男子が現れて。

別冊マーガレット。
基本は、主役のふたりがくっついてから巻き込まれるジェットコースターストーリー。

ネタは王道。最初は読み辛いけど、読むなら最後までがオススメ。途中で止めると「なんだかな」で終わってしまう。
少女漫画らしい、恋する気持ちって良いよねは、12巻以降にやっと出てくる。13巻がクライマックス。これ、連載読みだったら辛かったかも。それで耐えられるのはマゾで「僕等がいた」に近い。

絵はキレイ。好き嫌いはないと思う。キャラは格好良くてかわいい。
最初は手書きの細かい文字が多くて読みにくく、めんどい。10代の子たちにはそれがきっと楽しいのだろう。
それと何でも自分仕様に完結しちゃう思い込みの激しいタイプは、この作品かなり好きになれるかも。

読み始めはリズムが合わずなかなか乗れず、失敗かなと思った。ツッコミどころ満載でなんかイライラしてきてだめだー、と。何にもしないで(かき回すだけして)後始末もつけないで吠える人がNOなので、主人公がうざくて共感が一切出来ず(後半は凌子はかなり大人になる)。読んでしまってすみません、って感じで、全巻目の前にあるしほんと泣きそうになった。
最初の4巻までは苦痛、5巻後半からまあまあ、このあたりからコマも大きくなって見やすく話も全体を追うようになっていく。長期連載が視野に入って作家さんにも余裕が出たのかも。漫画連載って難しいものですね。

ストーリーは悪くない。
最初の巻のあたりの調子の出ない感じは、少女漫画で読むのにつまずきそうな作品にみられる、ちょっとずつの歪みが原因だと思う。例えば、凌子の直情型言動はこのままではただうざい。これがもっと素直な明るいバカキャラだと可愛い。それが「花男」のつくしなのかも。
なんで竜之介を好きになったのか、どこが良いのかが描かれているけどまだ感情移入まで至らない。読者が唸るエピソードがあってこそ、凌子が突っ走れば頑張れと思える。そこまで好きになれたら幸せだよね、という羨ましさも交じった共感を得られるのだ。
少女漫画にはこの「羨ましさや憧れが交じった共感」は必須だと思う。一歩間違うと憎くなればなお最高。

中盤からは登場人物の動きから話が起きるより、全体の流れにキャラが乗っていくのでリズムができた。
中盤以降は、次々に癖のある若い読者に嫌われそうな憎まれキャラが登場し、彼らに文句をつけながら、ふたりの恋を応援していくスタイル。古くからの王道(「ロミジュリ」や「愛と誠」みたいな)。

恋愛漫画ってけっこう大変なものなんだな。今まで軽く読んできたことを反省。
そうそう、本人は「正直」だと思っていても、実は「無神経」なだけだったりする。あるよねー。
エロとも聞いたが、まったくもって無問題。一番エロかったのはシーサー。
誰にも兄弟姉妹がいなくて不思議だった。

少しはほめたい。洋服がめちゃかわいい。10代のための作品。
                         2010/2/25

《こんなふうにおススメ》
若い人向けの作品。

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:美森青
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2010年03月02日

陰陽師 (完) 全13巻

【陰陽師】 全13巻  /岡野 玲子(原作/夢枕獏)

平安時代前期。西暦では960年前後。都は平安京、帝は村上天皇。菅原道真の怨霊に怯えていた時代。
陰陽寮に職を持つ当時の陰陽師の第一人者、賀茂忠行は、大膳大夫(だいぜんだいぶ)阿部益材(あべのますき)と葛の葉と呼ばれる狐との間に出生とされる安倍晴明を愛弟子にして、手塩にかけ教えを移していった。(作中、母は橘文子との大胆な仮説表記)
歳月経て、稀代の陰陽師として名が知られるようになった晴明と、親友で醍醐天皇第一皇子克明親王の子、殿上人ながらも武骨で、しかし笛の名人の源博雅との冒険譚。
博雅は天皇の年上の甥。母方の祖父は藤原時平で菅原道真の宿敵にあたる。

93年から2005年までの連載。コミックバーガーからコミックバーズ(5巻途中収録分から)。その後(9巻途中収録分)は月刊メロディにて連載。
手塚治虫文化賞マンガ大賞、星雲賞受賞。
文藝春秋から刊行の原作に沿っているのは中盤部まで。

だいぶ以前に数巻を読んだが、改めて丁寧に読み直して、感嘆する。面白かった。
まず初読の時はまだまだ歴史を知らない頃で、今だからこそ気づくことが多い。それでも知識は足りてないが。
かつては内容よりは人気漫画として気軽に読んでいたが、今はついつい調べ物に走ってしまい、ちっとも読み進められない。が、楽しかった。読了まで普段の5倍の時間がかかった。その上途中で酸欠になりそうだった。

陰陽師ブームの頃、岡野さんと親しい方の計らいで、ご本人にお目にかかり生の原稿まで見せていただいたことがある。興が乗ってその場で絵まで描いてくださった。
そのありがたさは今ではよくわかるが、その時は漫画そのものより人に興味を感じていて話が弾み、ぼうっと拝見していただけに思う。もったいなかった。まったくもって無知の怖さ。
先日は東吉野の丹生川上神社中社の宮司さんとも感心しあった。訪ねた時、宮司さんがこの本を見せてくださったのだ(ファンが訪れるからだと今はわかる)。この神社周辺も描かれている。

漫画の可能性の深さを思い知る。どれだけの表現がまだ隠されているのだろう。
構成は読みやすく、さすが。絵は繊細。見事な筆捌き。色が何より素晴らしい。絵巻のよう。意匠もどんどんと細かく凝ったものになる。
そもそも漫画が発展したのは、歴史的に日本は絵を(芸術を)個人の栄誉やエゴに固定化させずに(署名しない文化がまずそれ。西洋のオトグラフとは違う)、ちょっとした落書きすらをも受け入れたからだ。

かなり詳細にいろんな角度から調べ上げていて、独自の仮説も唸る。ため息とともに感服。
読んでいると晴明たちとともに庭を眺めながら酒を酌み交わしているようなたゆたゆとした優しい気持ちになれる。晴明と博雅のやり取りは雅楽を楽しんでいる気分になる。
晴明が博雅に「森羅万象に比べれば自分たちはちっぽけなもの。しかしそれを認めたからといって、行を放棄したり負けてはいけない。人も森羅もそれぞれに敵わぬところあり、それぞれに存在の価値がある」すべてに意味があると、因果を語る。そういったことを考えることが何かの前兆を読み解くことにもなる。
在原業平のくだりで晴明が「控えめに本当のことを言っても、人々は声の大きい目立つ方について行ってしまう」と、価値観の相違と理解の困難について語る。ささやかだけど見逃さないで拾うのは難しい。

最後の方はそれぞれがシンボルや在り様として登場して、キャラクターを超えてしまう。どんどん晴明が切なくて仕方なかった。晴明自らハイヌヴェレの神への神饌になる。
人というのは、最後に残される感情は「せつなさ」なのか。巡る時も何もかも。これが「哀れ」なのだろう。それを越えて「豊かさ」になる。
ここまでくると葛の名は象徴だ。
読み終わるまでこんなに苦しい作品はなかった。そして読了後の開放感も大きかった。
晴明が自由を認識した時、思わず泣けた。

以下は個人的覚え書き。今の自分のレベルのこれから調べたいこと中心。ほとんど独り言。
ちなみに陰陽道に関しては輪郭がわかるくらいでかなり知識不足。

内裏は北極星(北辰)の位置だったことに気づく。
1巻に吉祥草寺が書かれる。この「茅原山の修験」が気になる。この場所に講として存在したのか、修験全体のことを語っているのか。
桓武天皇の都の作り方は後に調べてみたい。早良親王の怨霊はずっと気になっていた。
九字は天台と真言で違うのは知らなかった。天台では身を護るため。真言は敵を破るため。陰陽道の九字もまた違っていて面白い。神仙道では神山に入る前に行者が誦する秘呪。
真葛の抱いている薫炉は正倉院宝物の銀薫炉がモデルだと思われる。羅針盤構造という、中の火皿が常に水平に保たれるようになっている仕組みらしい。素晴らしく優雅な技術。
追儺の意味を知って、なぜ東大寺のお“水”取りに松明が駆け回るのか、わかった気がした。
賀茂氏の祖神と泰山府君(赤山明神)が神の性格上繋がりがある、の部分が知りたい。わざとさらりと流して含ませてあるので気になりすぎる。調べてみると、泰山府君=牛頭天王。聞いたことはあったが流していた。牛頭天王はスサノオだ。熊野や太秦で見る。祇園祭(賀茂の祭り)は牛頭天王から始まっている。賀茂の祖神、阿遅鋤高日子根、別名は迦毛大御神(かものおおみかみ)は、大国主の子なのでスサノオの血縁だ。祭られているのは高鴨神社。上賀茂神社と下鴨神社の奥の院にあたる。安倍晴明の祖先にあたる役行者小角の父はここの神職だったとの一説もある。古事記で天照大御神と同格扱いなのはこの神だけだ。国津神のトップのいうわけか。
古の人たちは水銀の怖さを知らなかったのだと思っていたが、そうではなくそれを超えた肉体変容を望んでいたことを知り驚いた。そうなれば別な視点が出来て、それは高い精神性だ。
打ち伏し巫女の祝詞は何? 物部系の祝詞にも見えるけど別物の気がする。どこまで秘の書を繰っているのだろう。賀茂の若宮が降りて託宣とは下照姫のこと? 出雲系の祝詞なのだろうか?
晴明の語る陰陽五行論はわかりやすい。バックミンスター・フラーや黄金比にはまりまくったことがあるので幾何学解説はわくわくが止まらなかった。数学は本当に美しいと思う。ここの情緒が前出の銀薫炉に重なるのだ。
これを見ていると、ますます安岡正篤あたりの書物から易経を学びたくなる。カバー見返しの卦も気になる。たぶん内容にリンクしていると思われる。(終盤の安摩の舞で晴明が倒れた後、夢の中で視たヴィジョンでは後天図が描かれる。これで初めて、神々は星々のことなのだと心底腑に落ちる)
ちなみに昨年から今年にかけては艮金神の二年間と言われ、膿出しでいろんな変革があると言われる。
囲碁にも興味が出た。やっと「ヒカルの碁」に手をつけられる。
7巻で晴明が菅公に対する時、読み上げた祝詞は吉田神道のものか(大本教っぽいけど、この尊神の名は吉田神道)。大元尊神は国之常立神のこと。私の薄い知識の中でも、確か、平安時代当時に起きたオカルトブームは、現代のノストラダムスや2012年マヤ暦の世紀末思想のようなそれに対する講じ手として、吉田神道的なものは“流行って”はいるが、吉田神道が大成したのは後年の室町だ。あえてここで作者が晴明に詠ませているので、何かこれに基づいた資料があるんだろうし(言っている人がいるんだろうし)、それにこの作家さんは出自のない仮説は立てそうにない。
この時、博雅は菅公に対しての感想を「いいなあ…」と漏らす。素直な博雅らしいし、裏を返せば悟りに向かう全ての人の、胸の内の代弁だ。ページの終わりに持ってきて、その効果は韻を踏むのと同じで唸った。その後も深い。
眠っている時にも烏帽子をつけていて驚く。この時代はそうだったのか。
駒清水は現在の瓜割の滝。ここでの駒は龍のことらしい。
貴船での龍神祝詞の後の祝詞がわからない。陰陽道のものか?
北野の社(天満宮)の元々の主祭神は火雷神とのこと。=菅公の説もあり。ここでは雷神として描かれる。私は火雷神≠雷神だと感じている。
「神楽は反閇である」と、この作者が語った晴明神社が編集した書物「安倍晴明公」をかつて読んでおいて良かった。この本は「こんなことまで話して良いの?」と、ドキドキする箇所が多く面白すぎた。今は絶版。
後半の呪に関して理解が深まる。
晴明の自棄は共感実感できるだけに、胸に留まる。これ以上は言葉にできないのも「そう」だ。大いなる意志は容赦がない。とことん手放させるし、突き詰めてくる。晴明がもっとも苦にし忌まわしいと感じるところまで己を捨てさせる寄り切り方には溜め息だ。
10巻からはよくわからないと批評されている。しかしこんなにも切ない、我が身に移らせられる内容はひたすら沁み入る。まさに「人事尽くして」だ。この「対」は出雲に繋がる。
安摩は圧巻。こういう内容を表現できるものなんだなぁ。感慨深い。やたらと頷きまくった。
「言う」と「責任取らされる」よね。
貝でフラクタルを描く。
禹歩のスピードは納得。
真葛はスサノオの娘か。
11巻からは宇宙構造をフラクタルで説明しながら、仏教や禅で言えば悟りと融合にあたる部分を描いていく。竹内文書は未読だが内容はこれに重なっているところも。かつて天河の“仙人”から教えられた話に重なった。視ている次元の差異だ。
勾股法(こうこ)に興味。
12巻の最後の方で晴明が語る陰陽師の能力について、同じことを占星術のプロも話していた。となるとケースワークを学ぶことは大きいといえる。
修験の祭りでも四隅より弓を射るのが少し理解できた。

今の時期に通読できて良かった。少なくとも以前だったら読みこなせなかった。
ここから先はああだこうだ勝手に語る。どこまでいっても言葉遊びに過ぎないが。ホントのことなど誰もわからないのだ。

読了直前にお茶した読書家の友人に勧める。いくつかの質問があったのだ。
「記紀(古事記と日本書紀)の素養があって、易経の大まかな枠組みがわかり、道教や密教、修験のだいたいの歴史観が必要で、多少の民族伝承に明るく、ついでに言えば松岡(正剛)さんの“ひとりごと”が理解できる人だと、これは面白い。欲を言えば、若狭から和歌山にかけての旅をしているとなお楽しい」と伝えたら、大笑いして「それは普通ではハードル高すぎだね、とくに松岡さんの“ひとりごと”はなかなか」。
この友人は旅まで含めてどれもクリアしている(私はまだぜんぜん)。若狭から串本は“龍の背骨”とも言われる水の道。
特に彼は学問としての易経の専門。深すぎて占もできる。
作中の内容から「後天図」を描いてみたので、ここに天文の星が重なるのかどうか、彼に読み解いてもらおうと思ったのだ。
スサノオの部分はよく言われるところだけど、卦に九星を入れるのは実は無理があるとの意見。ましてやタケミカヅチのオリオンくらいで星も重ならない。この後天図の中で「天津神と国津神が一緒で、記号としてみても土俵は違うはず」。「考え方はいろいろあるけど」とも。
ただ、私がつい「後天図」に落とし込んだけど、実は「先天図だったのかも」と途中で気づく。他にも穴を質問されたからだ。
大まかは変わらないけど、まだまだ勉強不足ではある。

確かにこの作品、他にも実はかなりツッコミどころはあるのだが、仮説として良く出来ている部分が多いので、重箱の隅になる。いろんな意見があってよい。

時代が変わり、星と地球との関わりの変化とともに(※)、これらのプロトコルがもう使えなくなってはいるが、こういうのを読んでしまうと民俗学とか古代史もっと真剣にはまりたいなー、と思う。そんな時はこのノックをやめたくなる。時間足りなすぎ。

読んでいる時のBGMは意外にもロックが合って、それもしっくりきたのがFranz Ferdinand。驚きというか納得というか。オルタネイティブの香りがするからか。
                         2010/2/28

※ ちょうどNASAからチリ大地震の影響で地軸が8cmずれたと発表された。2004年のスマトラ地震でもずれている。とすると、地球と北極星の関係は以前ほど密にならない。当時からどれだけずれているのかわからないが、そういうのも影響してくる。

《こんなふうにおススメ》
この生命の意義を考えたい方に。たっぷり考えさせられます。

【コミックセット】


【コミックス】

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2010年02月21日

花より男子(完) 全37巻

【花より男子(だんご)】 全37巻  /神尾 葉子

母親の見栄のために、超名門のお金持ちの子弟が通う英徳学園に入学した、社宅暮らしの中流家庭の牧野つくし。そこにはF4と呼ばれる、道明寺司、花沢類、西門(にしかど)総二郎、美作(みまさか)あきららが、学園を牛耳り君臨していた。
このメンバーに逆らうと退学になってしまう。つくしは友人をかばって、そのいじめのターゲットの赤紙を貼られてしまう。しかし、それを真っ向から勝負することに決めるが、日々めげそうになって。司の手下の男子学生にレイプされそうなところを類に助けられる。

短篇は、妄想癖の強い電波な高校生未来。現実逃避しながら傷つき、大人になっていく話。

少女漫画歴代累計発行部数、6.000万部で第一位。
つまり、少女漫画でかつて一番売れたということ。

女の子のシンデレラ願望を捻ったお話。美人でもなく普通の家の女の子が、かっこよくて綺麗で、お金持ちの御曹司たちに好かれまくる話。
こういうのって今は当たり前だけど、かつてはこの作品だけだったの? ここまで支持される理由がわからない。
でも、このバカバカしい程のスケール感は、楽しく思える。
飾ることなくまんまいても、自分をとことん愛してくれる。それって女の子の夢なんだろうなー。映画の「エバー・アフター」を憶いだした。乙女ゲームの根本をここに見る。

私の、この作家の初見がこれじゃなくて、ほんとに良かった。他の作品から読み出して良かったなあ。これから読んだらとても辛かった。もう二度と読まなかったかも、この作者の作品は。
ツッコミどころ満載なんだもん。
絵はとてもうまい。古さを感じさせないし、今にも通じている。構成も上手だし、すっと話に入っていける。読みやすい。この読みやすさは貴重だと思う。エンタテイメントしてるってことだから。

最初はイジメのオンパレード。読んでてかなりきつい。これってそもそもイジメの話なの? と、思ったくらい。
それに、こんな母親、ギャグでもグレるよ(苦笑)。ここまで身勝手な両親なのにつくしは偉いと思う。グレるどころか縁を切るし、私だったら自殺を考えるかも。道明寺の母親ばかりひどく描かれるけどいい勝負。間違いすぎてて笑えない。「山田太郎ものがたり」が同じ貧乏家族でも、両親がチャーミングに見えるのは、子どもたちに精神的に押しつけ依存していないから。
それと暴力が全体的に多くて気になる。PTAみたいなことは言いたくないんだけど。

92年に連載が始まって、バブルの直後から描かれていることも考えてみたい。
お金持ちに対して徹底的に糾弾、逆差別ありすぎ。そもそも、真の意味でお金持ちになるって、人間的にバランスが取れていないとそうはならない。子どもの教育に対してもしかりで、お金持ちほど厳しいもの。
一般人が予測するお金持ちの人の図、みたいに記号化されてて、気持ち悪い、笑えない。これってどこそこのブランドってこだわる人ほど庶民なのに。ブランドにいちいち騒ぐことなんてないよね、上流家庭の人たちは。
それに、「うちの親は中小企業の社長で、大したことないの」……オマエが言うな。仕事するって大変なんだよ、まずは働いてみろ。そういうところが読んでてイヤになってくる。大河原滋が出てきて、ほっとした。その点、作風はまったく違うけど、『絶望先生』って、シュールに落とすだけでバカにはしていない、偉い。

最初の頃の巻は、ひとりひとりの言葉と行動と背景に必然性がなくて辛かった。人物の行動の動機がありきたりだし、それらをバカだからとか、牧野つくしだからですませるあたり、なんとも。
「お初の時」の描写に笑った。和也かわいい。一番好きなキャラ。桜子もいい。二人の掛け合いが好き。
7巻あたりからやっと恋愛に進展が出てきた。つくしがいくら鈍感だと言っても、普段からあれだけイジメられてたら、道明寺の愛情なんてわかるわけがないよね。そういうのは周囲の方が先に気づいて当然。
つくしの根性と努力は見上げる。頑張れ!と思ってしまう。あまりにも良い子過ぎ。
中島海を登場させたのは正解だったと思う。連載中はこのキャラがファンに嫌われて祭りに発展、大騒ぎになったらしいけど、このキャラのお陰で、つくしの立ち位置がはっきりして「ただの」良い子じゃないと見せられたと思う。
ラブシーンの時は必ず水に落ちる(笑)。それって道明寺の髪型が問題なんだろうか? 確かにストレートの方が格好良い。
ツッコミ過ぎで申し訳ないけど、全体的にはバランスが良い作品。作者の力量だろう。
半年の出来事を11年かける……ジュリアナから携帯電話へ。世の中変わるよねー。

少女漫画歴代1位の売上げを誇るまでなのかが、よくわからない。それは作品のせいだけではなく、私自身にも妄想して萌える傾向がないからとも言える。うーん。残念。
                         2008/7/26

《こんな人におススメ》
話題作を読みたい人に。

PM追記>
何度も実写化され、アニメやCDにもなり、台湾でもドラマ化。その度に話題になる。
現在公開中の映画も、テレビドラマの流れから大ヒット。
今の、「ホスト部」や少女漫画の基本スタイルを作ったと言っても過言ではないと思う。

でも。なんで、ここまでヒットするんだろう。
ドラマで、内容を視聴者から募集するという企画をやっていて、好きな登場人物に好きなシーンを演じてもらうというもの。
それで納得した。女の子は、おままごと、お人形遊びの延長線がとくに好きなんだろう。つまり、乙女系ゲームと構成が一緒。感情移入と自己投影ができる主人公がいて、いろんなタイプの男性が、自分を大事にしてくれる。
なるほどなー。ドリーマーなセカイだー。
                         2008/7/26UP

37巻/
遠恋ですれ違いの道明寺とつくし。つくしのそばには最近類が来ている。そこへ静が結婚すると招待状が届いて。

「俺の話をしようか」
花沢類の話。トスカーナで道明寺と会う。道明寺は類に女を紹介すると言い出し…。

番外編をまとめた37巻。
本編を読み終わってから月日が経っているので素直に楽しく読めました。みんな幸せに。
                         2010/2/20

【コミックセット】


【完全版】+ 37巻


タグ:神尾葉子
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2010年01月24日

月の夜 星の朝 (完) 全08巻

【月の夜 星の朝 】 全08巻  /本田 恵子

梁川りおと坂本遼太郎は、4歳の時にそれぞれの叔父と叔母の結婚式でベールボーイとベールガールを務める。幼いふたりは意味もわからないまま、キスをし結婚の約束をする。その約束をりおはずっと大事に抱えていた。
引っ越しした遼太郎と離れ、時は経つ。
中学で女子バスケ部に入ったりお。男子バスケ部の試合を親友でキャプテンの浜田麻衣と応援しているりおの前に、対戦中学がメンバーチェンジしてゲームに投入されたのが10年ぶりの遼太郎だった。この街に帰ってきていたのだ。
りおたちの朝日野中男子バスケ部は試合は負けて準優勝だったが、その後りおは先輩の森村靖彦に告白される。
りおと遼太郎の波瀾万丈な恋物語。中学から高校生を中心に描かれる。

りぼん。初版が1983年。27年前の作品。作者は当時20歳そこそこ。
懐かしい。大昔に読んだ。

展開はお約束的な夢いっぱいのベタベタな少女漫画なんだけど、当時の小中学生には絶大な人気を誇っていた。
ひとつひとつが砂糖菓子みたいで、女の子の好きなモノがいっばい詰まってて、そうだよね、こういうのが少女漫画だったんだと思い起こした。

純愛なふたりに次々に襲いかかる試練。
スポーツ漫画じゃないのにバスケットも違和感なく描いていて好感。

改めて思うけど絵が上手い。絶妙。
男子も細い女男じゃなくて、身体の線を描き分けている。今は当たり前だけど、かつては少なかったと思う、少女漫画には。
コンテも読みやすいし、心情の動きに合っていてさすが。全体にレベルが高くて、昔の漫画で絵が気にならないのはすごくないか?
当時のアイドル絵なんだけど、流行ってたよな、こんな服装、髪型、そして憧れのインテリアにシチュエーション……と思い返した。
コマの運びもこの作家さんの独自性があって、かなり感心した。

一人語りの陶酔が多いのは若干気になるけど、それが当時の風潮でそういうものだった。
話の内容は、今となってはあまり好きではないけど、当時は夢中だった。年齢や経験ってある。

現在、この続編が「Office YOU」で連載されている。35歳になったふたりの離婚から始まるらしい。
絶大なるファンのいた作品なので、否定の意見がおおむね。 → 月の夜星の朝 35ans
作者さんとしては、経年変化する人生を客観的に描いてみたくなったのだろうし、ファンは大事な宝物を壊されたくない。どちらの気持ちもわかる。
でもエンタテイメントって、読者の手元に渡って時点で作者のモノじゃなくなるんだよね。
この作品は夢のまま完結で、新しい作品で描いても良かったのでは。改めて感じた。
                         2010/1/18

《こんなふうにおススメ》
女の子へのインタビューで「思い出の作品」には上がってくる名作。
読み直して考えること多く面白かったです。

【コミックセット文庫版】


【コミックス文庫版】


【35歳になった続編】

タグ:本田恵子
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2010年01月08日

執事様のお気に入り 06巻まで

【執事様のお気に入り】 06巻まで  /伊沢 玲(ストーリー構成/津山冬)

名家の子息子女のみが通う全寮制の名門校双星館学園には、もうひとつの科、執事を学ぶバトラーコースがある。
両親を亡くし祖父母に引き取られた氷村良(ひむらりょう)は、いきなりお嬢様になる。執事であった父と駆け落ちした母がお嬢様だったのだ。双星館学園に編入した日、学園の王子的存在、神澤グループの跡継ぎでありながら、自らの実力を試す為にバトラーコースに通う神澤伯王(かんざわはくおう)に出会う。
幼いときから伯王に仕える道家庵(どうけいおり)、鹿糠隼斗(かぬかはやと)とも友人になって。
専属を持たない宣言をしていた伯王だったが、ひょんなことから良の専属執事を誓うことになる。二人をめぐる学園ラブストーリー。

なんだか久々に少女漫画を読んだ気がする。もちろんいろんな作品を読んできたのだけど、なんですかね、ココロときめかし系というか、王道の少女漫画っていうか……。
イマドキ流行の執事モノなんですが、今風の記号的執事でなくて、コメディ要素が少ない恋愛ものだからかな? ありがちなイベントもわりかし少ないし。
ああ、そうか。少女漫画にあってほしい、ジレジレ感が健在なんですよ。そこは、「君に届け」に共通するかも。面白かった! と素直に言える。続きも読んでみたいです。

良は可愛いけど、元気でお嬢様らしからずで、伯王はツンデレでカッコ良くて。ほんとに王道。でもそれがイヤじゃない。うーん、それってすごいかも。
恋心をそれぞれになんとなく自覚し始めた4巻まで、でした。
                        2009/2/03UP

《こんなふうにおススメ》
少女漫画、読みたい方に。楽しいです。

5巻/
試験勉強に夏休み。伯王の姉に良は拉致されて、神澤家の別荘に。Bクラス主催のサマーガーデンパーティの催し。

伯王と良、お互いがお互いを必要としているのがあちこちに出ていて、それを主従の関係だからというのはもう難しいよね。
たまーに作画が崩れるのが残念。
姉に素直な伯王がちょっと気持ち悪い。そんなに恋心的なもの話せるかな? 無自覚くん?
なんだか久々に読んで、スピード感が落ちているような気がするのは気のせい? 少し停滞しているのだろうか? これは期待感込み。普通に面白い作品なのだけど。
                         2009/5/16
                         2009/5/17UP

6巻/
クッキング部の部長がブロードウェイで感化され、皆で演劇をすることになる。良も参加を希望するが、充てられた役は王子様。
英国の名門スタルトウィン家のアルバートが留学してくる。伯王の憧れ、向坂遥巳(さきさかはるみ)が筆頭執事なのだ。良は世話係になるが、天然で人懐こいアルに伯王はヤキモキ。大使館のパーティーに出席するふたりを見送るが、執事は入れない。しかも婚約者探しも留学の目的と向坂に聞いて。
隼斗が女子生徒の専属になる?

伯王がもやもやするのをにらにらする巻。自分がキモかった。たまに読むとこの少女チックが嬉しくなる。ドレスアップの良は可愛かった。伯王の独占欲は、女の子には嬉しいよね。
23話の後のヒトコマのアル、めちゃ可愛切なかった。朝宮薫子も活躍。
                         2010/1/04


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2010年01月02日

蜜×蜜ドロップス(完) 全08巻

【蜜×蜜(みつみつ)ドロップス】 全08巻  /水波 風南

蜂城学院(ほうじょう)普通科高等部の萩乃柚留(はぎのゆずる)は、家庭の事情で家計を助けるため夏休みにホテルのカフェのバイトで稼ぎまくっていた。そこに金持ちワガママな集団がイチャモンをつけてきて。彼らは同じ学校のセレブな九華科(くげ)の連中だった。中でもリーダー格の煉夏可威(れんげかい)に目をつけられ、“HONEY”に任命される。
HONEY制度とは、普通科から選ばれ、彼ら(MASTER)の生活の面倒の一切を見る世話係で、学費が免除されるのだ。最初はお金に目がくらんだ柚留だったが、ファーストキスを奪われたばかりか強引でレイプまがいのセクハラばかりな可威に傷つき、HONEYを返上しようと決意、それは退学(DROP)を意味するのだったが。
しかし家では可威の家から援助され借金のカタがつき、弟も私立進学を諦めなくてすむと喜んでいた。可威の気持ちもわからないまま、柚留はHONEYとしてやっていけるのか?
可威の幼馴染みの桜樹那由太らに助けられ、HONEYを持たないMASTERの百合丘千駿(ゆりおかちはや)、可威の許嫁の司竜茅架(かやか)も絡んで。

最終巻短編
「氷点下のマリア」
片桐澪菜(みおな)は真冬の朝道に倒れていた男を助けるが、抱きつかれて逃げ出す。予備校でその男、陸弥に声をかけられる。

「恋愛祈願」
飯塚桃は家庭教師の梅内竜矢と両想いになるが、受験が終わるまでおあずけされていて。

さすがの少女コミック、通称少コミ。タイトルは聞いていた人気漫画。200万部を売り上げる。ドラマCDに、ゲームにもなる。
うーん、これって小学生も読むんですよね? 少コミらしいといったらそうなんだけど、性描写、すごいよね。さすがに小学生がBLに夢中って聞いた時はかなり衝撃だったけど、これを読んでいると、さもありなん、って感じ。
だけど、とうの子どもたちはしれっと読んでいるんだろうなー。怖い。
どんどんエスカレートしていくんで、クラスメイトの前での授業中のキスにも驚かなくなっていく自分がいる。

読み始めて最初の印象…「よくこんな名前、思いつくよな」(←そこかい)
絵はとくに女子がかわいい。
煉夏家といい、蜜蜂に花という基本設定。メイドの派生なんだけど作り方は上手い。
イケメンでみなが憧れる、ツンでとくにふたりきりの時にSが入る“MASTER”に、ダメHONEYと罵られ翻弄されながらも実はめちゃくちゃ愛されているという、ハーレクインの変容版。しかもふたりになるシーンはすぐにエッチモード全開で調教されていくという……。
書いてて、これが普通の少女漫画かと驚いてしまうけど。これも少コミのお約束です。

柚留と可威、それぞれの“HONEY”に対する意味合いが違うところが、この作品の肝。
百合丘の歪み方はなぜそうなったのか、もうひとつくらいエビが欲しかった。
茅架は気の毒になった。

面白くなくはないのに、どんでん返しもわくわくしなかったし、キャラに感情移入できなかったのは残念。
柚留の親も最悪、非道すぎる、娘をお金に換えるなんて。「花男」の時も憤ったけど、それ以上だ。
よく「悪役だけど憎めないんだよねー」のキャラっている。話の組み立て方はそういうキャラを活かすものなのに、憎々しくて困った。出てこないで欲しいとさえ、思ってしまった。
好きなのは言動が理解できる那由太と絃青(げんじょう)くらいだったのに。作家さん、ご自身の作ったキャラクター、愛していないのだろうか? なんか使い捨ての感覚だ。
wikipediaの、わりと登場しているキャラの説明が少ない理由がわかった気がした。

関係ないけど、作家さんの直筆がキレイで好きな文字。
                         2009/12/31

《こんなふうにおススメ》
TL(Teen's Love)と呼ばれる「性描写のある少女漫画」のジャンル。
読みやすいとは思います。

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:水波風南
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2009年12月30日

真 カルラ舞う!(完) 全08巻

【真 カルラ舞う!】 全08巻  /永久保 貴一

変幻退魔夜行 カルラ舞う!」「新・変幻退魔夜行 カルラ舞う!」の続編。

01〜04巻 和歌山、名草戸畔(なぐさとべ)の紀伊編。
04〜08巻 スサノヲと吉備津彦編。山口県須佐、広島県三次。
08巻 辰王の奈良ボディガード編。

ボニータにて連載。これだけ掲載誌が変わっても続いているのはすごいと思う。
実際はそのままの内容なので、掲載誌が休刊しなければ44巻だ。たぶんまだ続くのだと思う。
「真」になってから、主役ふたりの恋も進む。ちょっとだけ少女漫画らしくなる。

和歌山はここに登場しているところに行ったばかりなのでとっても興味。
なぜ名草戸畔は身体をばらばらにされたのか。同じ伝説を持つ平将門、八面大王など、その意味を知りたい。(これにはそれは描かれていませんが)
名草山は美しい飯盛山だったし、淡島神社は怖かった。
伊太祁曽神社が元々は今の場所じゃないと聞いて、妙に納得する。なんか違和感を感じていたから。聖地で良いところなんだけど。
リアル剣持さんの見解は納得できることが多くて理解が深まる。

作者は多一族の血を引いているかと思うくらい地図に三角形を描く。実際、不思議な三角形が日本には多いし、それは呪術的意味合いの口伝だろうから書物はない。仮説を立てて、それを越えることはないのだが、気づくことも多くて面白かった。

何度も言うけど、次は青年誌が良いと思う。
筋山霧子さん、また登場して欲しい。
                         2009/11/25

《こんなふうにおススメ》
絵もキレイになって読みやすいです。

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:永久保貴一
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2009年12月28日

新・変幻退魔夜行 カルラ舞う!(完) 全18巻

【新・変幻退魔夜行 カルラ舞う!】 全18巻  /永久保 貴一

変幻退魔夜行 カルラ舞う!」の続編。
この続きは、「真 カルラ舞う!

01〜02巻 諏訪恐霊祭
03巻 安倍清明の末裔
04〜06巻 奈良の太陽神
07巻 伊豆の事代主
08〜10巻 吉備の護法神
11〜12巻 吉備死闘編/スサノオ
13〜14巻 カルラ外伝/安倍清明
15〜16巻 出雲の暗黒神
17〜18巻 カルラ外伝/安倍清明(青春編)

秋田書店、サスペリア連載。
青年誌に移行をいたく希望。そちらの方が喜ぶ読者が多いから。

また読み出してしまった。最初が諏訪だったのでついつい。これは面白すぎた。
伊豆も考えさせられた。
民俗史好きな人にはやめられない面白さ。
絵も綺麗になって、話も読みやすくなってきた。
平安編も面白いけど、現代の方がわくわくする。

同じように古代史研究している友人と話してて、ここに描かれている考察の資料をコピーして渡したら(「真・カルラ舞う!」の最終巻で奥付は2009年初め)、「それって資料元が古いと思うよ」と言われた。うーむ、漫画家さんは大変ですね。
ただ今、友人間を回し読み中。
                         2009/11/12

《こんなふうにおススメ》
前シリーズの不満はだいぶ解消されている。
オススメ。


タグ:永久保貴一
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2009年12月21日

天上の虹 21巻まで

【天上の虹】 21巻まで  /里中 満智子

第41代天皇、「大倭根子天之廣野日女尊(おほやまとねこあめのひろのひめのみこと)」、「高天原廣野姫天皇(たかまのはらひろのひめのすめらみこと)」こと、女帝であった持統天皇の生涯を描いた物語。
その生まれから、天武天皇の正妻として、また自身が立った皇(すめら)としての政治、その周辺の人々をドラマチックに仕立てている。

悪役として書かれることの多い、う野讚良(うののさらら)だが、この作品はひとりの女性として、自立と苦難、そして恋愛を通して、生き方を浮き彫りにしていく。とても好感が持てる。
多くの謎を秘める古代史、特に今の日本のベースになったこの時代を知るには、わかりやすい作品。おススメ。
天武天皇の時代に天皇という言葉が生まれ、その後、律令(国家が定める法律)が出来、今の日本という仕組みが形成され出したのがこの時代である。

作者は、記紀(日本書紀と古事記)からストーリーを構築しているが、作品内にもあるように、発掘などで新しい発見があるたびにその整合性を苦労されているに違いない。
近年、諸説、多い。例えば小林惠子さんの説では、実は持統は高市皇子であり、男性であった……などもあるが、私自身は「それはないだろう?」と小林派と議論を戦わせたことがある。韓国も偽書が多いらしく、それを元に考えていっては大きく間違ってしまうと思うのだ。

今となっては、記紀編纂の際と、後の桓武天皇の時代に燃やされた数多くのそれ以前の文献の存在に思い馳せるのだが、私以上に歴史学者は残念な気分なのだろうな。
しかし、長屋王の痕跡(「親王」の表記)が、大阪のダイエーの敷地内から出てきたりすると、実際にはもっと複雑だったのだろうと思える。記紀とは、唐に対しての外交書だったからだ。真実とは違うところにあるのかもしれない。
伝えられる歴史とは、いつの時代でも、どの国でも、勝者のみの歴史である。

それらを全て理解し、踏まえた上で、研究に研究を重ねてこの作品を世に送り出していく作者に最大の敬意を払いたいと思う。
もっと注目されて良い佳作。
                         2007/10

《こんなふうにおススメ》
日本の古代史の輪郭をなぞるのに、とてもおススメ。天皇家の血筋に関心も持てるし、何が謎なのか、よくわかる。
まずは、これを読んで、ざっとその歴史観を身につけ、専門書に移るとわかりやすいと思う。
                         2009/1/21UP

17〜21巻/
珂瑠皇子を巡っての思惑。高市皇子の急死。皇太子争い。そして珂瑠皇子が指名される。弓削と紀皇女の恋。忍壁皇子と記紀編纂。持統譲位、太政大臣へ。文武天皇誕生。氷高皇女と新田部皇子の恋。長屋王と吉備皇女の結婚。宮子の出産。

今は全編描き下ろしのこの作品、新刊が出たのでまとめ読み。

持統も年老いて、周囲も次々に亡くなっていく。恋愛模様を中心に政治やそれぞれの想いが語られていくのだが、夢を持つ若いキャラがいなくなってきていて読んでいて辛い。氷高でさえ立場に翻弄されているように見えてしまう。
それでも最後まで付き合いたい。持統の生涯をどこまで描く予定なのか。

大津の息子が多氏の養子になっていたのが面白い。多氏族は古代史においても謎が多い呪術的な側面もある家系。
史(ふひと)と三千代の策略が怖すぎる。どうしても、どんな書物を読めば読むほど、藤原氏族に肩入れできなくなっていくのはどうしたものか。
                         2009/12/18
                         2009/12/21UP

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:里中満智子
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2009年12月20日

おひっこし?

【おひっこし?】 全01巻  /山田 ユギ

白泉駅前商店街の不動産屋(有)神山商事。
神山邦明は大学院を辞めてふらふらしているところを叔父の会社に拾われて半年の24歳。刑事ドラマファンの社長、元ホストの柴田和巳、通称スマイリー武田智晴、バイトの川野サキら癖のある同僚らの物語。

メロディ。
BL作品で活躍中の山田ユギの一般作品。

不動産屋を中心に出会いと別れのお話。
社長と花ちゃんの話はじんときた。

なんだろう、実力派なのにこの作品はキレが悪い。妙にまとまって普通のお話になってしまっている。弾けた持ち味がないのが残念。
難しいものだなー。

この作家さんはすごく面白いんだよ! と宣伝したいので、次作を期待しています。
                         2009/12/18

《こんなふうにおススメ》
人情的な話の得意な作家さん。次回も期待しています。


タグ:山田ユギ
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2009年11月22日

変幻退魔夜行 カルラ舞う!(完) 全18巻

【変幻退魔夜行 カルラ舞う!】 全18巻  /永久保 貴一

いやいや、長いシリーズなんですよ。
出版社と掲載誌が代わるとシリーズが変わるんですが、そのまま内容は続編です。
続きは「新・変幻退魔夜行 カルラ舞う!」→「真 カルラ舞う!

01 変幻退魔夜行 カルラ舞う! 全18巻
02 新・変幻退魔夜行 カルラ舞う! 全18巻
03 真・カルラ舞う! 全08巻

一気読みしました、面白かった。何度も読み直したいです。
まだまだ続く予感です。現在で44巻ということですよね? すごい。「ガラスの仮面」と、タイですよ(2009年11月現在)
一応、少女漫画カテゴリーですが、歴史や民俗学が好きな男子がファンになるんじゃないかなー。

浅園学院高校二年生の、学年主席の頭脳の持ち主扇翔子と、運動神経抜群で合気道の名手扇舞子は双子の姉妹。
扇家は代々隔世遺伝で霊能力の強い者が生まれ、邪法「迦楼羅神教」によって、時には国家レベルの案件も扱う大きな事件を人知れず治めている一族だった。念術を操る舞子と超感覚を持つ翔子は、三十八代教主を祖母から引き継ぐ。
内閣調査室の後藤の命を受け、“呪詛返しの闇の死繰人(シグルト)”と呼ばれる陰陽師の剣持司らとともに、警察では手に負えない難解な事件を解決していく。

内容は、こちら。
01〜03巻 奈良怨霊絵巻
04〜05巻 仙台小芥子怨歌
06〜11巻 飛騨怨霊絵巻
12巻    冬樹裂風録
13〜16巻 瀬戸内怨霊経
17巻    辰王鬼礫行
18巻    伏見狐勧請戸籍譚

短編は、
2巻「お宮さん」
3巻「怪談古屋の守」
6巻「白粉婆」
11巻「アヤカシの墓地 マギーへの手紙」

最初のこのシリーズは月刊ハロウィン。後にこの雑誌は「眠れぬ夜の奇妙な話 ネムキ」になる。朝日ソノラマから朝日新聞社出版本部へ。ハロウィン少女コミック館。
「ハロウィン」って雑誌を聞いたこともないと言ったら、うちのスタッフがかつて読んでいた。びっくり。
86年より長期連載のシリーズもの。アニメ映画にもなっているらしい。
この作家さんが原作の「御石神落とし」が予想外に面白かったので、こちらに手を出す。

「カルラ」に「迦楼羅」が当てられていて、あーっと思う。これはヒンズーの火の霊鳥ガルーダだ。
インドネシアはバリ島に行くと至る所にいらっしゃる。ガルーダ航空のマークでもあるし、インドネシアの国章もそう。元々はインドの神。仏教国のタイの国章もこの鳥。
日本では不動明王の後ろの炎、あれを迦楼羅炎(かるらえん)という。烏天狗に影響したとも言われる。
弁財天や毘沙門天らの七福神への習合など、ヒンズー系の神様も上手に編集してしまう我が国においても、この霊鳥の位置づけは微妙なのだ。日本は水神の国で、水に因む言語はかなり豊か。蛇や竜神信仰は根強い。そのナーガ族と敵対するのがこのカルラ族。そのあたりを踏まえて楽しみに読み出す。

最初はかなりオカルト作品。ホラーが苦手なのでひびる。カテゴリーはサイキックホラー。夜中に読み出し怖い思いをする。

真言密教の力のある家にまつわる話に聞くような物語を、丁寧に描いている。
「スケバン刑事」の匂いもある。連載当時は人気だったんだろうな。
解説が面白くてたまらない。困ったのはなんども本を閉じて調べ物に走っちゃうこと。

怨霊モノは、この作品のテーマのひとつ。
権力者、力があるとは不幸でもある。
死後、さまざまな呪術に使われるケースは事実あって、江戸では平将門が知られている。

最初のシリーズの構成としては、主役は魅力的な女子高生なのに、恋愛モードは怪しい周囲の男同士ばかりで、正直BLで多少の免疫がなかったら辛かったと思った。
歴史の勉強の糸口を広げるために読んでいるので楽しいが、普通に作品としては物足りないことも多い(追記:ちなみに、これらはシリーズを重ねるごとに緩和されていく)。

まず、歴史的設定に引きずられて、キャラたちが可哀相な扱いなのだ。誰がどんな趣味で何が大事で信念はどんなものか、みたいなものは一切わからない。作者が語りたい話に基づいて勝手に動かされている。あまりにも希薄なので、かえってどんな言動でも矛盾がない。キャラそのものがぺらっとしていて感情移入もしないからだ。
悲しいシーンでも、人としての良心として悲しく感じるだけでそれ以上にはならない。キャラとの交流にならないのは、凶悪な事件を三面記事で読んで、人としての個々の良心で感じるのと似ている。
これは「御石神落とし」でも感じたもので、人を描くのにあまり興味がない作家さんなのだと思ってしまった。
人間模様まで描けていたら、どんなに名作だったか。
それは、歴史的なもの以外の設定にも言えていて、描きたいこと以外は無頓着なのだろう。「鋼の錬金術師」「ランドリオール」ってすごいよな、そんなことをやたら感じる最近。

歴史的な仮説はとにかく面白い。そちらに興味があればそれだけでもとてもオススメ。
聖徳太子と、藤原家、山の民、ニギハヤヒ……ああ、そういうことはあるよねーと楽しめる。
白虎の話は可愛らしかった。狐の戸籍も好き。身近な信仰を大事にしようと思う。
後半は社会問題に絡めていて、好感が持てた。

まだまだシリーズは続いていて、絵も綺麗になっていて、話も面白くなっていく。
期待。
                         2009/11/10

《こんなふうにおススメ》
民俗学的な楽しさは素晴らしいです。
こんなに面白いのに、と、欲が出ると望むことはありますが、それはそれ。

【文庫版】

タグ:永久保貴一
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2009年11月21日

S・A(スペシャル・エー)(完) 全17巻

【S・A(スペシャル・エー)】 全17巻  /南 マキ

腕力、知力、スポーツと、幼い時から滝島グループの一人息子滝島彗(たきしまけい)に、一度も勝てたことのない一般庶民の大工の娘、花園光(はなぞのひかる)の夢はライバルの彗に勝つこと。
そのためには日夜努力を惜しまず、お金持ちの子女の通う私立校に通わせてもらっていた。
その学校は成績上位7名をS・Aとし、特別扱いされていた。サラブレッドな特別クラス、学園理事長の息子で放浪癖の持ち主狩野宙(かりのただし)、航空会社社長令嬢で女子好きの東堂明(とうどうあきら)、音楽一家の双子の山本芽(やまもとめぐみ)と山本純(やまもとじゅん)、動物好きなスポーツメーカー会社オーナー子息の辻竜(つじりゅう)らとの友情と恋愛の物語。

少女漫画の王道。
王子様もお金持ちのハンサムも出てきて、ヒロインは鈍感だけどモテまくり。ライバルの彼と、恋人同士にもなる。
ご都合主義のお約束な展開ばかりだが、面白く読めるのは、キャラの面白さ、可愛さと、物語運びのテンポの良さ?
まあ、個人的な好みで言えば、絵も好きだし、楽しいです。

アニメにしたら、面白くなくなるんだろうな。そこまで引っ張れる魅力はない気がする。
テンポを守ってコメディに徹するべきかも。
メディアミックスしにくい、けど、やりようなのかな?
2008年春からアニメとのこと。
                         2008/1/7

11巻/
むーん、11巻、面白くなかった。面白かったのは巻末の読み切りだったという……。
テンポが落ちてきたなー。少女漫画の定めか。
                         2008/1/30

12巻/
やっと気づいた! フィンの男装設定はBLファン層狙いだったのか!!
まあ、ここでいろんなことをツッコんだら、「じゃ、読むんじゃねーよ」と返されるだけなので。
だんだん、このキャラが見たいから、動いてくれて喋ってくれたらいい少女漫画になってきてはいる。
「光のこと、みんな好きだよ、仲間って良いね」ってやたらと出てきて、ここまでいくとうざい。まあ、そういう漫画なんですけどね。読者が光に自己投影して、恋愛も友情もすべて手にいれて、なおかつみんなにイイコイイコされる話ですから。

ちょっとは褒めようよ。
本筋の話に戻った後半は少し面白くなってくる。絵もコンテもきれいだし、上手。
そして王子様とお姫様コスプレでのキスシーンを演出するため”だけ”にこのストーリーなのも偉い。そういうツボどころを押さえててうまい作家だと思う。つまり私が”読者”ではないということだ。
内容は黒泉と白選の戦いがメイン。伏線がところどころに出てくるので15巻くらいで終わるかも。売上げとの関連かな。
                         2008/4/15

13巻/
彗のロンドン行きも一段落の巻。このまま失速するのかと思ったけど、お約束の行事でたらたら話が進む。
もともとが面白かっただけに、キャラが動けば良い漫画になってきているのが残念。
                         2008/5/09

《こんなふうにおススメ》
言いたいこと言ってますが、なまじキャラの表情が良かったり、惹き込ませる魅力があるので、期待料というか……。連載少女漫画の中では、好きなんですよねー。新刊、楽しみにしているんです。

UP追記>
アニメ2クールですけど、2話で挫折。
想像していた通りで残念。そこは裏切って欲しかったなぁ。

ちょっとビジネスの視点から……。
アマゾンのリンクを貼る時に、検索すると売れている順番から出てくる。そうすると、その作品がどのような位置で捉えられているのかもみえてきます。
例えば、この作品は、見事に新刊から順番に売れている。ということは、アニメにも影響されていなくて(影響されていたら、途中で初期の巻が多く混ざる。新規ファンがいるから)ずっと毎回購入していく単行本派が多いということ。連載を追って、かつ単行本を買うのではなく、この作品そのもののファンが多い。
それなら、もう少し、最近のお話をコミックス化する時に、考えてみては? と、余計なお世話ですが、感じたのでした。
                         2008/9/06UP

14巻/
彗のライバル登場。病院の御曹司でありながらバイトに明け暮れ、しかも成績は彗を追う光と同列二位の常盤庵(いおり)。
光は天然で転校生の常盤に構い、彗の嫉妬は頂点に達する。

だらだら続く予感。二人の恋のスパイスとして常盤を出してきたんだろうなー。
彗に匹敵するルックス。でも、ストーリーの組み方のお陰で存在感がないのが残念。
                         2008/11/07

15巻/
GWにみんなでフィンの国に行く話。フィンは竜を好きな自分を自覚していないが……。
ただでさえ光にメロメロの彗が、うっかり惚れ薬を飲んでしまい。
芽はママが二年ぶりに帰ってきて、とにかくダミーの彼氏を作るのに奔走する。

私は↑言いましたね、確かに。15巻くらいで終わるのではないか?と。いやいや。まだまだ続きそうですよ。
下野紘さん、代永翼さん(あ、ふたりとも「おお振り」か)ファンとしても、アニメは2話で挫折しましたが、コミックスは意地で追って行こうと思います。

光とフィンのコスプレ合戦に笑った。ストーリーに関係ないのに(笑)。
フィンの国のオチ、どっかで読んだことがある……なんだっけ。えらく強引な解決方法……。フィンの悩み、今まではなんだったんだっ!
アリサの「少食の男など滅びてしまえ」激しく同意したい。
ちなみにこの巻、「常盤庵はまったく出てこない」(声を大にして言いたい。16巻は出てくるらしいが……。ずいぶんなキャラ構成)

コマの運びもレイアウトもとてもうまいのに、チカラのある作家さんなのに…この閉塞感はなんだろう?
みんなくっついちゃって、ここから先、どうにも進展しようがないという少女漫画の定めかも。
あとはお約束の、ロミジュリ状態の彗と光の結婚式か……。
                         2008/12/05
                         2008/12/06UP

16巻/
実は17巻で完結しているのに、やっと16巻を読んでいる。

常盤庵は、ヘアメイクのコンテストのモデルを光に頼む。彗にも宣戦布告し、もしも1位になったら自分の望みを叶えてと、光と約束する。中間テストは、彗と同率一位に。庵の望みは「滝島と別れて」。
彗が社長代理として仕事しているところに、コンテストの一時通過の資料が……。滝島グループが主催していたのだった。彗と庵の対決。
そして光は彗にプロポーズする。滝島父にそれを見られ大事になる。光の困った顔を見て、彗はプロポーズを断る。
ロンドンから滝島祖父もやってきて。なりゆきで光は滝島祖父と原宿デート。

光の鈍感ぶりとおせっかいにも飽きてきた。
可愛いね、光ったらっ! なんてもう思えない。うざいなーって思ってしまった。正直、殺意さえ湧いた。

光からのプロポーズも唐突で、感情移入できなかった。
読み切る根性がなく、途中何度も挫折。
やばい、この作品嫌いになりそうだ。泣きそう。
                         2009/9/20
                         2009/9/22UP

17巻/
光は滝島祖父のトラウマになっていた妻への悔恨を癒し、やっと認められる。
仲間の態度に明がぐれる。
光に引っ越し騒動。それを真っ向から阻止すべくSA主催のイベントに彗は力を入れる。そして、光の誕生日に向けて、彗は。

グレた明は可愛かった。彗をムカつかせたのは爆笑だった。

打ち切り感が強いが、素人の私でも気になる作画の崩れまくりだとか、作者さんも連載が嫌になっていたのでは?
なかなか楽しいキャラたちは報われたのだろうか?
なまじ面白かっただけに残念。
それでも最後はなんとか着地して、スペシャル・エーらしかった。次に期待。
                         2009/11/17


タグ:南マキ
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2009年11月12日

ヨルカフェ。(完) 全03巻

【ヨルカフェ。】 全03巻  /円城寺 マキ

高遠妃菜(ひな)は、親子とほど違う邦和と恋愛結婚、しかし夫は病気で世を去り二年で未亡人になってしまった23歳。
資産家の夫の財産はかつての妻と子に、自分はビル一棟とそこの喫茶店「QUEEN'S CAFE」を譲り受ける。夜だけしか営業していない喫茶店。そこはイケメン三人組が店を切り盛りしていた。
元プロテニスプレイヤーで妃菜がファンだったの沢渡颯士(そうし)25歳、東大法学部に通う南条望(のぞむ)21歳、無料に弱い店長格の雪村美澄(よしずみ)26歳。
無自覚の天然で大食大飲、しかも酒乱の妃菜。亡き夫の店を守ろうと奮闘するが。弁護士の藤堂も絡んでのラブストーリー。

プチコミック。

同じ系統の漫画ばかりを読み続け、疲れ切って、癒されたくて手にした作品。
主人公に感情移入できない、なぜ? なかなか乗れず癒されない。
酒乱に陥ると男を襲う妃菜と、普段の天然ぶりの対比が可愛いはずなのに。

だらだら展開かと思いきや、2巻で一気に進んで面白くなってきた。
個人的には佐倉実嘉が好き。
三人の男子を愛でる作品。

妃菜ってよくいるタイプの女子なのかも。だけどやっぱ好きになれない。
自分のことでいっぱいいっぱいで相手のことまで気が回らず、傷つけてから大騒ぎするタイプだからだ。しかも同じことを繰り返す。
男性はこういう女子を見守りたいんだろうね。男は必ず許しちゃうのだ。
種としてのずるさを持っている妃菜。そういう女性の弱さとずるさを描いたなら、秀逸な作品。
ちなみにこういう隙だらけの女性はモテます。恋愛指南書にどうぞ。
バカ正直で損ばかりしている男前な女子は、きっとむかつくと思うけど、何が自分に足りないのか見えてきます。
                         2009/11/11

《こんなふうにおススメ》
女には嫌われるタイプだけど、妃菜はモテ女。
勉強になります。



タグ:円城寺マキ
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2009年11月07日

八雲立つ(完) 全19巻

【八雲立つ】 全19巻  /樹 なつみ

七地健生(ななちたけお)は大学四年生。祖父までは刀の研磨をしていた家系に育つ。父はサラリーマンになり、家にはたった一本飾り刀が残される。
49年に一度行われる秘祭、古代出雲族の神和祭(かんなぎさい)の取材に行く大学の演劇サークルのOB、今は劇団主宰の北野についてバイトとして島根県松山市維鈇谷村(いふやむら)にある道返神社(ちがえし)に赴く。どうせならと曰くの刀を奉納してこいと家族に言われそれを持参。その晩は地元の名士で居合道の宗家、布椎家(ふづち)に世話になる。
その祭りは巫覡(ふげき、シャーマン)として神の真意を汲む布椎家宗主の交代が真の意で、長男の闇己(くらき)が神剣迦具土(カグツチ)を受けて宗主となる。
道返神社はスサノオを祭神とするがご神体の七剣のうち六剣が盗難で消失していた。父の遺志を継ぎ、負の巫覡にならないよう、そして1700年の怨念を昇華させることを誓った闇己。
健生の持参した刀が神剣とわかって、鍛冶師と巫覡の“兄弟”としての因縁が始まる。それは過去からの悲劇なのか。

7巻収録「左の炯(けい)」
壱宮哲(いちみやあきら)は事故でプロテニスプレイヤーとしての将来を絶たれる。リゾートのテニスコーチに雇われて、アジア系のケイを知る。彼のテニスの潜在能力を知り、強引にテニスに誘うが。

「LaLa」に1992年から2002年まで連載。
表題は、スサノオが詠んだとされ、最古の和歌と呼ばれる(諸説ある)歌の枕詞から。

出雲神話に興味があったので手にする。
少女漫画ファンにも評判が良いので楽しみだった。4巻過ぎたらノってくると聞いていたが最初から面白い。

居合いの立ち振る舞いの絵の美しさに感嘆。
設定が非常に細かい。
七地健生と闇己の関係を、前世という形で安易にしなかったのは共感。奥行きが出たと思う。
七地の無神経さにはイラッと来る。狂言回しは好かれた方が良いのに。ただ誰に対しても分け隔てないところは共感できた。

とても好きな題材でよく取材もされている作品なのに、なにか気持ち悪い感覚があって好きになれない。面白いと思うのに波動がダメなのかも。そういうのを感じるのは大事なので、その感覚を噛みしめながら苦しんで読んだ。すごく残念。
当然のことだけど、作者の念て作品にストレートに出るモノなんだな。始めて実感でき、それはありがたいことだった。
後半はとても面白く感じた。勢いが創作に見事に転化した様子に感じる。

漫画なのでいろんな創作はあって良いとは思う。古代編の創作は面白かった。
収束に向かう力量は見事。
迦具土、水蛇(ミズチ)、建御雷(タケミカヅチ)、山祇(ヤマヅミ)、沫那美(アワナミ)、狭土(サヅチ)、草薙(クサナギ)が神剣の銘。

闇己の母親、最低で勝手。自分の後始末を子どもに押しつけるなと思う。
伏線だとわかっていても憤る。こんな母親っているんだよね。

フリートークの上目線がちょっと辛かった。
                         2009/11/04

《こんなふうにおススメ》
作者の創作はかなりありますが、古代史のベースはよく調べてあって面白かったです。

【文庫版】


タグ:樹なつみ
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2009年10月08日

アマテラス 04巻まで + 番外編

【アマテラス】 04巻まで + 番外編  /美内 すずえ

千倉沙耶は、非科学的な考えにも耳を傾ける柔軟な医師である父健史と、大自然に囲まれ神事を守ってきた実家を持つ母の安耶子の間に生まれる。
大病院を経営する祖父と父、家族に愛され育ち、弟の真史も生まれて幸せに育つ。
沙耶は幼い時から勘の鋭い不思議な娘だった。その魂は、スサの娘クシュリナーダの生まれ変わりだったのだ。
高校生になり、16歳の誕生日に封印されていた沙耶の力が解放され、目覚める。
後見人の白上老、かつての臣下ジュリアス・レイアらに守られ、“運命の人”スサノオを探しながら、宇宙の命運に巻き込まれていく。
地球はかつての光と闇の記憶を取り戻し、再び神軍と魔軍の戦いが始まる。日本神話を元にしたSF。

番外編「倭姫幻想まほろば編」
本編にもちらりと出てくるカメラマンの大庭直日古(おおばなおひこ)。
元伊勢取材で三輪に向かい、過去に落ちて倭姫と出会う。

ASUKA。角川だから出せたのかな?
今から20年前、1986年からの始まった作品。まだ続いている。
20年以上前は、日本のスピリチュアリズムは戦前から一度分断されて、西洋から入ったモノの吟味を始めだしたばかりの時。シャーリー・マクレーンの書物が発行されて、一般人は驚きと共にそれを迎えた時期だ。その頃にすでにこれだけの内容を発表しているのが感嘆。
4巻で本編は休載状態、番外編は1巻。ファンとしては、「ガラスの仮面」をなんとかしてねの心情だと思うので、こちらはいつ再開されることか。

古代史を追いかけて秘境に行くと、そこには美内さんの足跡が必ずある。どんな僻地、場所であっても、だ。友人にこの方と親しい人が何人かいて、話を聞くとその人柄が偲ばれる。
直接作家さんから伺ったわけではないが、この作品はある方に降りてきたメッセージを元に作られていると聞いたことがある。数年前、優しい面立ちのその方にお目にかかったのだが、たいへんご高齢でありながら達者に舞を舞われた。
この作品を読むと感じるが、きっと多くの取材を重ね、研究されたのだと思う。先の人は、そのおひとりなのだろう。
美内さんは、精神世界の研究団体を主催されているとのこと。真面目に研究されているのだと思った。
「エースをねらえ!」の山本鈴美香さんは宗教団体の教祖になってしまったそうだけど、立ち位置はまったく違う。既存の宗教に対しての疑問は作中で語られていて、例え何かの宗派に傾倒していたとしても、この作品の魅力は充分に楽しめる。
沙耶の祖母の、自然に感謝しながら生きる、命あるものを神とする考えは、日本人の元来持っている信仰そのものだ。

さて、感想を書くのに再読。
古文書から様々な文献、仮説を踏まえて、大胆な説が展開され面白い。
エンタテイメントとしてSF仕立てを楽しめればいっそうのこと。日本書紀や古事記を読んでいたら、もっとわくわくすると思う。知らなくても作中で丁寧な説明もある。
古代史ファンとしては、番外編も続きを読みたい。これは、ニギハヤヒ伝承に繋がっていくのだと思う。

最近、沙耶みたいな子どもは増えているそうだ。でも、沙耶のように理解ある環境に育っているわけではない。
これに限らず、多くの文化を理解し、多様な価値観を受け入れられる大人育てがまず必要なのだろう。
是非に完結して欲しい。
                         2009/10/06

《こんなふうにおススメ》
最近流行の、いわゆるスピリチュアル本は苦手です。ピンク系の表紙のヤツですね。
でも、これはそんな甘いのと違って、ほんとに面白い。そういう世界が苦手な人にもオススメ。



タグ:美内すずえ
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2009年10月07日

僕はキスで嘘をつく(完) 全02巻

【僕はキスで嘘をつく】  全02巻  /藤間 麗

北園銘子(めいこ)は、本が好きな高二の少女。図書館に入り浸るのが癒しの時間。
陽が差してうとうとしたある日、銘子にキスして去ったのは誰か。
図書委員で女子を侍らせている3年の篠田忍、大人で隙のない3年の御子柴京一郎(みこしば)、クラスメイトの最上、年下で最上の陸上部後輩の蜂屋(はちや)か? それぞれが銘子に仕掛けてくる。

1巻短編「ソプラノ」
五谷友美(いつや)は緊張しがちで周囲から冷たいと誤解され、転校してから友だちもいない。心の癒しは中庭に響くソプラノの歌声。今日こそ友だちになろうと向かった先で邪魔されたのが、築山奏(かなで)だった。

2巻「杏奈の髪が長い理由」
美容師の真島尋之に恋して3年。10歳も年の差はあるけど、杏奈は好きな気持ちをこめて髪を伸ばす。

「はっかドロップス」
晴子は最後のドロップを舐めている時、高階にキスで取られてしまう。

Cheese!
絵がキレイで手が伸びる。設定は乙女ゲーム。

ポージングが上手い。男子が美しく見える。少女漫画には大事ですね。
そしてコマの見せ方も。読者を煽る構成ってこういうのをいうんだろーなと思った。

ステキな男の子たちに優しくされ、煽られ、ちょっといじわるもされちゃう。
短くすむ話を2巻まで引っ張る。でも楽しかった。

「黎明のアルカナ」がえらく評判が良く、そっちも気になっていた。この2巻にそのキャラ設定も収録されている。
                         2009/10/05

《こんなふうにおススメ》
最近文字数の多い作品読むのが多かったので、絵で魅せてくれて楽でした。こういうのも大事。



タグ:藤間麗
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2009年10月02日

イタズラなKiss(未完) 全23巻

【イタズラなKiss】  全23巻  /多田 かおる

高校3年になって相原琴子は入江直樹に告白。しかし瞬殺。しかも周囲には無鉄砲と呆れられる。
入江はIQ200のクールな天才で、成績でクラス分けが決まる学校でもトップのA組。ルックスも運動能力も飛び抜けている。
琴子に「バカな女は嫌い」と言い放って振る。
成績の悪い集まりであるF組の琴子が2年間の片想いを失意に終えた日、新築の家が欠陥工事で崩壊してしまう。板前である父は、家が建つまで親子で中学時代の親友の家に世話になると言い出して。向かった先は、なんと入江直樹の家だった!
意地悪だけど琴子には振り回される直樹と、不器用だが一途で元気な琴子、正反対のふたりのラブコメディ−。

短編1巻。「ボクが泣く」
大学生の福永友美はバイト探し。友人レイの親戚のベビーシッターを引き受ける。
紹介の交換条件で連れて行かれた店で、レイが目当ての女性に人気のウエイターに助けられる。
シッターのバイト中、公園で声をかけてきたのが彼、名取卓哉。隠していたのにあっという間に子どもたちに囲まれ、子ども番組のお兄さんだとばれてしまう。なんと友美はその番組の着ぐるみアイドルにそっくりと言われ。

20巻。「ピンクの雪が降ったら」
子安真粧美は猫を拾った雪の日に東雅貴と出会い2年、歌ェ門と名付けたその猫とともに暮らしだしてから1年。
出張の朝、プロポーズされて有頂天になったが、ニュースで雅貴の乗った飛行機が落ちたと知る。しかし雅貴は乗り遅れたと帰宅して。入れ替わりに歌ェ門がいなくなるが。

別冊マーガレットで1990〜99年まで連載。少女漫画では人気の作品、累計2700万部を売り上げる。アニメにもドラマにもなって大ヒット。
しかしながら作者の急逝により、未完に終わる。アニメ化では、その後の展開が描かれて完結し、話題にもなった。残念ながら未見。
「思い出の漫画って何?」の質問で、相手が女子の場合、必ず出てくるこの作品名。

きっかけは直樹または琴子が作り、それを琴子が突っ込んで話を大きくし、挑発された直樹が何とかする。たまに直樹の小さい意地悪のおまけつき。
それが主な構造で、その中でお互いを理解していく。

ヒロインの妄想癖はお約束。
当時、少し読んだ時は(しかも流し読み)、なんてひどい男なんだろうと思っていたが、改めてちゃんと読むと、直樹ってしっかりした責任感もある誠実な男だ(ただ、自分の感情に対して疎いだけ)。琴子が子どもに見える。
そこが女の子の王子様願望をくすぐったのだろう。
人気があったからそのまま連載は続いて、特別なクライマックスは無く、ふたりの性格のバタバタが楽しい、そんな感じ。

金ちゃん、狂言回しキャラで、作者に好かれただろうな。そしてあまりにもベタベタな下町の関西弁が見事! と思ったら、作者が大阪出身だった。
入江母もパワフルな個性の持ち主。だいぶ笑った。

入江直樹のモデルって、冷たい福山雅治だったんだ。
それにしてもヒロインの相手がこんなに悪役顔で良いのかと驚く(アニメ版はそうでもない)。

琴子のファッションは当時のトレンド。女の子に人気があった所以もわかる。
こんなに一途になれる琴子を正直羨ましいと思った。
テニス部はすぐ辞めるのかと思ったけど、一度決めたことはやり遂げる根性が琴子の魅力。でもそれも連載が続くにつれ、うざくもなってくる。
裕樹の「白衣の核兵器」に笑った。

欲を言えば、キャラの心情や言動に深みが出れば、もっと面白かったはず。全体が表面的なので、大人の読者の気持ちまでは掴めない。
でもそうなっていたら、こんなには売れなかったとも思う。エンタテイメントって難しい。

未完なのは、ほんとに残念。
また、勉強熱心だったこの作家さんが、円熟してなお、今の時代にどんな作品を表現していくのか見てみたかった。
                         2009/9/15

《こんなふうにおススメ》
その時代の空気がわかる作品。
今だったらどんなものを送り出すのだろう。この作家さんの作品、もっと読みたかった気がします。

【文庫版】


タグ:多田かおる
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2009年09月18日

めろあま・レクチャー

【めろあま・レクチャー】  全01巻  /つづき 萌重

・表題作。
2年の赤坂心寧(ここね)は他学年からも人気。しかし、エッチをさせないという理由でつきあっていた先輩に振られてしまう。
その場でひとり、経験がないから怖いことを呟くと、それを1年で優秀な藤岡瑛史(えいじ)に聴かれてしまい……気絶するほどの快感を知りたくないかと問われる。心寧は男を誘惑できるくらいになりたい、自分を変えたいと思い……。

・「甘く濡れて。」
宇佐美乃雪は先輩の矢口亜郷(あさと)に傘を返そうとして、ラブシーンに出くわしてしまう。その傘は、雨宿りしていた初対面で借りたのだが、傘代としてファーストキスを奪われてしまったのだ。

・「NUDEに恋して」
美術系高校の2年生、彩実果は赤沢彩実果(あみか)。
1年の水泳部で女生徒に人気の岡部天澄(たかすみ)の写真が出回っている。それを観て、デッサンモデルを頼み込む。
天澄の条件は、ヌードモデルかセックスすることだった。

Cheese!。ちょっとエッチな中高生女子のための雑誌らしい。
セックスをテーマにした恋愛になるのは、どうやらこの雑誌の特性なんだろう。
いやいやいや、いろんな漫画を読んでいるくせに、こういうのを手にするとお母さんの気分になってしまいますよ。

基本的な方向として、小学館の少女誌はエッチ系が入って成り立っている。
しかし同じ小学館系でも、少女コミック、ベツコミはけっこう読み応えはあるのだ。むしろ面白い。お母さん気分にならないし、娘が読んでいてもたぶん一緒に盛り上がれる。
でも、Cheese!はダメ。子どもたちには読ませたくない。
なぜだ? セックス観の捉え方がダメなんだと思う。
どの作品もそうなのか、検証はしてみようとは思っている。
でも子どもたちには人気なんだろうなー。

作者の初コミックス。
同じCheese!の「眠れない夜をかぞえて」より面白かった。

この作品のノリと構成、キャラ設定は、ファンタジーBLによく似ている。少女漫画になるとこうなるのか。
あり得ないだろう? というツッコミをモノともせずに進む。そしてシンデレラストーリー。ハーレクインは健在。
そうか、BL作家の萌えどころと、作者の感性が似ているのかもしれない。なるほど、面白い。
BLはダメだけどエッチなのを読みたいという方にオススメ。
                         2009/9/17

《こんなふうにおススメ》
上記に書いたように、BLはダメだけどエッチなのを読みたいという方にオススメ。



タグ:つづき萌重
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2009年09月16日

きみはペット(完) 全14巻

【きみはペット】  全14巻  /小川 彌生

海外留学経験もある高学歴、新聞記者で高収入、背もモデル並みの三高な女、巌谷澄麗(スミレ)。
5年つきあった男に浮気され、部長のセクハラにキレて殴ってしまい、外報部から生活情報部に左遷になる。
頭痛を抱える日々の中、マンション前に“捨てられていた”男子を拾う。食べさせて泊めたのは、以前飼っていた犬のモモに似ていたから。
家出中だが才能溢れたモダンダンサーである彼は、スミレのペットになると自ら決め、モモの名を貰う。
そのモモと、大学の先輩でスミレの初めての人である蓮實滋人(はすみしげと)との間で揺れ動く、恋愛物語。

Kiss連載。ドラマにもなりヒット。ドラマは少し観たけれど、原作の方が断然面白い。

期待以上の作品で感激。面白いし、心に沁みた。
かつて、女性の迷う心理に踏み込んだものは、一条ゆかり作品のような、ある種の正しさをもって押しつけてくる概念に説得させられそうになったり、槇村さとる作品のような、心理的に入り込みすぎて主人公と一緒に泥沼化したりして、自分を見つけていくモノが多かったが、人生を重ねていくと、それらは読むのが厳しくなってくる。
自分なりの価値観が構築されてきて、それとぶつかるからだ。価値観に正解はない。

この作品の秀逸さは、スミレのずるさをずっと読者に容認させたところ。
現実、女の子たちはずっと頑張ってきて、まだ頑張らせようと多くの漫画作品は尻を叩く。そういう作品が2000年以前は主流だった。
この作品は、恋愛に関しては、実はスミレは流されただけなのだ。他で頑張ってるんだから、恋愛くらいはシンデレラでいいじゃん? という、もしかしたらそれは、女の子の究極の願望なのかもしれない。
もう、そんなに頑張らなくてもいいよ、と言って欲しい人のための作品なのだ。
これが2000年代なんだろうな。

仕事場にリアリティがあるのは、作者が新聞社勤めの経験を生かしたためらしい。
基本はスミレの恋愛を中心とした話だが、メディアに関わる葛藤なども取り入れ、読み応えがある。

スミレがバカ正直に、しかし潔く生きているので、モモと蓮實の間をふらふらしてても、嫌悪キャラにならないのがすごい。
スミレの「期待されると(周囲の)それに応えようとして、(自分が)楽しむ余裕がなくなる」身につまされた。自分もそうだ。
スミレのモノローグは、心当たりありすぎで倒れそうになった。そう素直に言うのが恥ずかしいし、痛いけど。

ここからは独り言。
でもなー、スミレのペット状態を容認できるのは、それって30半ば過ぎの達観してから、だろう? とは思う。27歳では若過ぎ。
モモは我慢強いなー。
いいなぁ、ペット。自立した女の最後の夢かもしれない。

モモのいたずら、最高。爆笑した。
合田武志はネタじゃなかった、驚いた。ちなみにジャイアンは漢字が違う、剛田武。
絵もすごく好き、とくにポージングが。
妹想いのスミレの姉もいいキャラで大笑いした。
ラストの巻のスミレ家族の話は、気持ちはわかるけどふざけ過ぎ。楽しかったけど。

4巻ラストのキャラ分析。完全に私はBタイプ。
こんなブログ、やっている時点でアウト。
ユリちゃん最高、大好き。ユリちゃんみたいな性格に生まれたかった。

上手くまとまって、思いっきり楽しめた作品。
                         2009/9/07

《こんなふうにおススメ》
すごく頑張っている女性にオススメ。息抜きできるはず。
男性はこれを読んでどう感じるのか、それを聞いてみたいです。

【コミックセット】


【コミックス】


タグ:小川彌生
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2009年09月14日

お兄ちゃんと一緒(完) 全11巻

【お兄ちゃんと一緒】  全11巻  /時計野 はり

3歳で両親を亡くし、祖母に育てられた宮下桜。その祖母にも14歳で逝かれてしまう。
天涯孤独を覚悟した時、一緒に暮らすという腹違いの兄たちが、祖母の手紙を持って押しかけてきて……。
彼ら前妻の息子たちは、長男で作家の25歳正(まさし)、次男で国語教師23歳隆、19歳のフリーター剛、高二の四男武。
昔は一緒に暮らしたこともあるというが桜には記憶がなかった。
極度なシスコンの兄たちとの物語。桜は中学二年から高校卒業まで。

短編。
1巻「パラレル TO THE ワールド」
16歳のかっこいい北原秋(しゅう)と、女顔の美人三崎貴男は、父親が親友の幼馴染み。
秋は貴男が好きだが想いを伝えられない。お互いの性別が入れ替われば良いのにと考えていた。

2巻「ガクチュー」
小松都、14歳。一見クールに見えるがホントはきゃいきゃいしたい。密かに人気が高い麦倉と、二人三脚の種目を組むことになる。

3巻「まほーの使い方」
三鷹はクラスでなじめていない。手品師の両親と仕事で馴染む時間がとれなかった生い立ちと、手品を否定されたトラウマを引きずっていたからだ。
一ノ瀬悦古はそんな三鷹にまとわって「まほうを見せろ」と詰め寄る。

4巻「ヒミツの扉のくぐり方」
寺島千香と祥平は双子の姉妹。千香はいつも夢見がちで祥平に笑われていた。
憧れの王子様を探しに男子校に潜りたいと夢見ていたら、祥平と入れ替わってしまう。
祥平の親友、大久保朋也が千香である祥平を助ける。

6巻「サンタのいる街」
作者のデビュー作。
ユキのバイト先に黒須が入ってくる。自分をサンタだという変わった青年。ユキに小さなサンタをプレゼントしてくれて。
これは実はかなり大人な話だと思った。

7巻「白雪姫の童話」
書く小説が未完ばかりで書き上がらない大学生の処に、突然家に押しかけてきた白雪と名乗る少女。
誰のために物語を綴るようになったのかを思い出す。

9巻「きみとぼくのうた」
芸能プロが経営する男子校に通う坂上信ノ介は、音痴だが歌が好き。隣接する進学校である女子校から美声が聴こえて、塀を乗り越えると花島歌(かしまうた)がいた。

花とゆめ。作者の初コミックス。
ストーリーの設定はお約束なもの。これがどのように盛り上がっていくのか、それが見所。
ノリが「幸福喫茶3丁目」に似ているのは、今の花ゆめの傾向なのでしょうか?

どこまでも、兄弟妹が仲良し。

絵がだいぶ変わる。初期の頃のほうが今風。スケッチのような絵に変化。どっちも好き。
でもこの作品なら、初期の頃の方が合っているかも。
絵の構図で、どきっとするものも多い。

最初の部分は、読んでいくとふつふつ湧き上がる疑問。
まず、正が女装シーンが多すぎるのと女言葉がメインなので、ヒロインの相手役の位置として不安定なのだ。読者の応援までの感情移入ができない。まるで百合系? とまで思ってしまう。
しかし、兄弟たちにそれに太刀打ちできるキャラもいないのだ。つい鈴木くんを応援したくなって困った。
もっと正の格好良さ、男らしさも多かったらメリハリがついたかもしれない。
正の女装はなまじの美少女キャラより可愛いのもお約束。ホスト部ノリで、それもそれ、なのかな。
6巻くらいでようやく兄弟たちのキャラが立ってくる。長かった。恋愛モノになってくれて嬉しかった。

この作品で学んだ大事なことは、少女漫画は誰と誰がくっつくのか、それはあらかじめ決めてある中で、その二人がどのような過程で結ばれていくのかを楽しむ、それが王道なのだということ。

遊園地で桜たちのデートを阻止する姑息な正の手に爆笑した。このくらい弾けてくれるとおかしい。
好きなキャラは小塚兄妹と、鈴木くん。

短編がどれも秀逸。感動した。それってすごい才能では?
短編の、ちびっこサンタがマルボロ吸う姿にやられた>< この短編の話、めちゃくちゃ好き。
デビュー作もさすが。おじさんキャラがなんとも良いんだよねー。

ちょっとしたイラストやカットがホントに上手い。悶える。
絵本の挿絵で見てみたい。
                         2009/9/05

《こんなふうにおススメ》
和み系。
できれば冬の寒い日に、ココアなどを飲みながら、毛布にくるまってよみたいような、そんな作品。

【コミックセット】


【コミックス】


タグ:時計野はり
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2009年09月13日

アラクレ(完) 全10巻

【アラクレ】  全10巻  /藤原 規代

若村幸千恵(さちえ)は母一人、子一人で育つが、大好きだった母親が死去し天涯孤独の身の上になったと思ったら……迎えにきた実の祖父はヤクザの組長だった。
世話係として幸千恵についた、部屋住みの五十嵐楽十(らくと)は、学校ではひとつ年上の生徒会長の王子様。ラブコメ。

笑わせて楽しませる。気軽に読めてテンポもいい。うまい。少女漫画のツボを押さえている。

難をいえば、ヒーロー役の男の子の正面の顔がかっこ良くないこと。アニメでいうと作画が崩れているとツッコまれそう。顔、長すぎるし、ちょっと不気味です。
女の子、すごくかわいいのにね。これで男の子がかっこよかったら……顔って大事なんですね、はじめてそう思いました。

初恋や好きになる気持ちの切なさも出ていて、好感が持てる。
あとは脇キャラをもっとうまく演出できれば。

タイトルは、たぶん、荒くれ者から?
                         2008/1/27

4〜5巻/
ふたりが、それぞれ自分の気持ちに気づいていく巻でした。メインの話にプラスして、お約束の季節ものと学校内のイベントものが入っている。
何度も言うようだけど、五十嵐楽十の顔はどーにかならんもんか。爬虫類顔に見えて……それで感情移入がいまいち……。そうか! 鼻の下が長過ぎるのか。そういう変なことばかりが気になった。
チョコ雪崩は、私も見たいぞ。
これ、長い連載になりそうですね。10年くらいの。
                         2008/3/3

6巻/
幸千恵の幼馴染みが教師で担任になる話。元ヤクザの料理屋をみなで助ける話。ひろった猫の話など。
相変わらずのテンポの良さ。これがこの作家の持ち味。
恋はなかなか進まない。
                         2008/5/09
                         2008/9/18UP

7巻/
進学をなかなか決めない楽十に学校側は気を揉む。担任の強引な家庭訪問。
幸千恵がもらった遊園地の招待券から、杏真と楽十のバトル。
うっかり、常磐組のお嬢のみどりに絡まれることになった幸千恵。みどりの矛先は楽十に移って、楽十はしばらくみどりの世話係をすることになるが……。

幸千恵の無茶に楽十がツッコむ。その関係はそのまま変わらない。楽十のやきもきする姿を楽しむ漫画なのだ。
あんなに気持ち悪いと思ってた楽十の顔が少し良くなった気がする。
デフォルメコマが増えた。

この作品の魅力は、世話役の楽十が幸千恵のシアワセ中心で動いていること。幸千恵が全てなのだ。
他にもそういう作品ってあるけど、どちらかといえば「僕が幸せにしてやるんだ!」的な。これは、幸千恵が幸せだったら身を引いても良い、幸千恵が中心。その献身ぶりが人気なのだと思う。

幸千恵は一見天然ぽいけど、実はそうじゃないんだよな。かなりわかってる。
でも、肝心なところの幸千恵のモノローグがないところもうまいと思う。
絵も躍動感があって上手い。
                         2008/10/06

《こんなふうにおススメ》
楽しく笑って読める。それって貴重。

8巻/
みどりの家で小間使いさせられる幸千恵。みどりの世話係をさせられている楽十をつい引き止めてしまって、お互いの気持ちが通じあう。虎太郎が頑張る。
表紙も杏真。杏真が出逢った幼女の柚季。末期の祖母に邪険にされているが、その本心は……。
夏休みに入り、組のみなでリゾートに。楽十の誕生日を祝う。そこで楽十の父親が登場。
まだジレジレしているのだが、幸千恵は楽十に気持ちを伝え、それを受けて楽十は父親に立ち向かう勇気を得る。

カーテン縫いながらホットケーキ焼くのに笑った。
気になったのは杏真のおじいちゃんの病院でのシーン。男女は同室には決してなりません。
ウサギ、かわい過ぎ。

良いところで終わってしまった。
前巻よりも続きが気になるのはシリアス展開だからかも。
                         2008/12/20  UPも。

9〜10巻/
9巻。楽十は父と再会。一緒に暮らそうと言われ、悩む。
杏真は幸千恵に告白。杏真は楽十にも宣戦布告。しかし、同時に楽十が大事にしている、幸千恵が幼い時に送った葉書を見つける。
楽十は家を出ることを決意。

10巻。気持ちが通じ合った幸千恵と楽十。楽十は父と暮らしながら京都の大学に通い、自立したら幸千恵を迎えに来るという。
幸千恵の修学旅行。楽十父が倒れ、楽十は京都に。大事なく、楽十は幸千恵を追って、京都でつかの間のデート。幸千恵は、待たないで楽十を追うと宣言。

最後だからと楽しみにして読んだが、やっぱり途中まではもやもや。
幸千恵の、好きだという気持ちさえわかんない天然ぶりにもイラッときたし、楽十父の勝手さも。杏真も良いヤツにまとめたかったのかも、だけどキャラじゃないまとまり方に見えた。
ういういってやつじゃないんだよなー。なんだろ、この気分すっきりこないのは。
ラスト巻で判明。幸千恵の元気いっぱい、漢な前向きキャラがずっと出ていなかったからだ。最後にはそれが出てほっとした。
話は好きなのだ、だからこそ。

安井金比羅宮の縁結びって知らなかった。
組の皆さん、良い人たちだなー。

こんなにじっくり単行本を追って読んだ作品もまだ少ないので、完結まで読めたことにも感動。
楽しかったです。ありがとうございます。(これを読み切って、少女漫画の読了カウント1,000冊突破)
                         2009/9/11


タグ:藤原規代
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2009年09月08日

プレゼント

【プレゼント】  全01巻  /いくえみ 綾

短編集。
・表題作。
文学少女の川田亜希(かわた)は、中2のクラス替えでD組に。新しい友人たちができる。
友だちになった桜井玲奈は、事故で留年した杉浦好子を虐め、亜希が密かに気になってた近江が止める。クラスという世界がすべて。近江は転校していく。
18歳になり、付属の短大に進学が決まる。
四人目の彼氏の井原は亜希にべた惚れ。急にカラオケ屋にバイトを決めてきて。友だちたちと冷やかしに行った亜希だが、そこに近江の姿を見つける。
21歳。就職した会社をセクハラで辞め、弱小出版社でバイト。亜希は自分の立ち位置を決めていく。

・「おうじさまのゆくえ」
1年3組川北阿弥(あみ)に恋した2年の住田晴可(はるか)。
あみの理想の王子様に向かって奮闘する。

・「あなたにききたい」
児嶋紗英は、短大を卒業して就職予定の20歳。同窓会の通知が届き、いとこの結婚式に出る日に重なって、一度は断るが思い直して出席する。
そこには記憶にほとんどない高木歩がいて、紗英と友だちになりたかったと話してくる。

別冊マーガレット、クッキーから。
積んでてあって、読むつもりはなかったのだが読み切る。

表題作。ドロドロして持て余す自分を抱える時代は、誰にでもあるんだと思う。
どーしてこんな話、描けるんだろう。思春期の頃に出会いたかった。そして明日を乗り越える力のひとつにしたかった。
切なすぎると、涙も出ないもんなんだなー。

晴可の外しっぷりには大爆笑した。でも和んだなー。

最後の話は怖かった。
視点を、嫌われそうなキャラの紗英にしたこともすごい。
                         2009/9/01

《こんなふうにおススメ》
昔、読んだ作家さん。そろそろまとめて読むつもり。
じんわり、胸に響きます。



タグ:いくえみ綾
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2009年08月22日

NANA 21巻まで

【NANA】 21巻まで  /矢沢 あい

ドラッグ、セックス、ロックンロール。
同じナナという名前を持つふたりの少女の、少し異常ともいえる結びつきと、その少女らに絡む男たちとの恋愛と、音楽と、サクセスストーリー。

少女漫画で単巻平均発行部数、歴代第一位。

1〜18巻/
物語の進行は、想い出を辿る形式であり、出会いから時系列に追っている。
なんだろうね?女の子の感傷がテーマなのかな。人気があるのはわかるけど、ここまで売れる理由がわからない。
ファッションはオシャレ。参考にしたくはなるかも。
ちょっと不良っぽい男の子に惹かれたい、そんな女の子心なの?
                         2007/11

19巻/
やっと出た19巻。前の内容忘れちゃった。
ハチの台詞回しは相変わらず可愛い。その能天気さと、性格のアマ甘さって同居するもんなんだろうか? ハチの人生舐めているイマドキの女の子っぷりはイヤなんだけど。
私がハチが嫌いなのは、自分の失敗をすぐに忘れて次にいけることなんだよな。私だったら無理。人を傷つけたことも覚えているし、そんな自分は許せない。
いつまでうだうだ進むのかな、この話。漫画に読み慣れたのか、前程つまらなくなくなった。
                         2008/6/19

                         2008/7/17UP

20巻/
レンは薬に依存して自力では止められない。ナナはひたすら仕事の日々で、すでにレンと会うことが怖くなっている。
奈々(ハチ)はナナに会おうと大阪まで行く約束をするが、トラネスのメンバーにボイコットされた落ち込みが酷いタクミを置いていけなかった。ハチが大阪に行けないことを知ったレンは車を飛ばすが。

たぶん、これで次巻に渡ってのクライマックスなんだと思う。いよいよナナが失踪した経緯に入るんだろう。
作品の中のモノローグがきつすぎて、ますますよくわからなくなってきた。
後でまとめて読んだら面白かったと思えるのかな。
タクミってハチ命って感じになってきたなぁ。クールだったのに。残念。
                         2008/10/08

《こんな人におススメ》
イマドキの若者事情を知りたい人に。
《こんなふうにおススメ》
オシャレのバイブルには良いかも。
表紙にも物語があるんですよね、とてもキレイです。
                         2008/10/11UP

21巻/
薬を止められないレンは、パパラッチから逃れるために暴走、事故死する。
ナナの誕生日に死んだレンを悼む巻。

もうそろそろ、終結に向かった方がいい。
なんだか作者の自己陶酔感が強くて、物語に感情移入できず、冷めて読んでしまった。

何しろ単巻では日本で一番売れている少女漫画なのだ。
編集部も言い出しにくいだろうな。
                         2009/8/12

【コミックスセット】


【コミックス】

タグ:矢沢あい
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2009年08月20日

えいえんのすむところ

【えいえんのすむところ】  全01巻  /榎本 ナリコ

・表題作。
羽田とりこは久しぶりに故郷に帰る。ずっとそこには帰っていなかった。
散歩に出て、過疎化で廃校になった母校に寄る。懐かしく思った時、クラスメイトだった刈谷咲也に会う。彼はあの時のままの姿で。
とりこの初恋だった彼は、事故で17歳でこの世を去ったのだった。

・「星の光はむかしのひかり」
小山内一人(かずと)は友だちもいない内気な少年。クラスの百井春花が好きだが、春花に恋人が出来て密かに失恋する。
このまま世界が消えてなくなればいいと願って、目を覚ました翌日。16歳だった自分はどこにもいず、42歳の男が鏡に映っていた。
息子だという一也(かずや)に記憶喪失扱いされ、春花そっくりな一也の彼女が気になって仕方ない。

コーラスで連載。
面白かった! 特に、2作目。これは私自身がすでに親の年であるのが関係しているのだろうけど、せつなくて困った。
夏花の存在がどうなのかはわかっていたけど、ストーリーのオチも読めなくて、最後までハラハラできて楽しかった。
絵も良いし、読み応えのある一冊。
                         2009/8/01

《こんなふうにおススメ》
優しい絵なのですが、けっこう切り込んでくる内容で。
面白かったです。



タグ:榎本ナリコ
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2009年08月09日

心霊探偵八雲(完) 全02巻

【心霊探偵八雲】  全02巻  /都戸 利津

小沢晴香は明政大学の二年生。友人の美樹が幽霊騒ぎに巻き込まれ意識がはっきりしないまま入院しているのをなんとかしようと、学内の噂を頼りに映画研究同好会の部屋にいる斉藤八雲を訪ねる。
彼は「超能力者」だと学内では囁かれていた。映画研究同好会の部屋に“住む”彼は、霊の姿が視える体質だったのだ。
晴香に巻き込まれ、事件を解決していく物語。

1巻短篇。「メール×トモダチ」
横山ひとみは、周囲と出来るだけ関わりを断って生活したがっていた。面倒になるとリアルは関係が切りにくいからだ。
“蝶々”とHNを名乗り、“いつでも切れる”メル友に会いに行くが、相手の“蜜蜂”は予想とは違っていた。

花とゆめ別冊。
原作はベストセラー小説。
都戸利津さんのオリジナル作品「環状白馬線 車掌の英さん」が面白すぎたので、こちらも。これは原作あるのだが。

都戸利津の作品が放つ温かみはないが、面白い。きっと原作が面白いんだろう(未読)。

「死んだ人間が無差別に他人を殺そうとしている(と、勝手に被害者意識で思い込む)なんて、死んだ人間に失礼だ」その通りだ。
「死は逃げ込む場所じゃない。それまでの人生を全て抱えていく場所だ」これも共感。
スサノオの和歌も上手く入れている。

原作がある漫画は、絵描きさんが消化しきれずがっかりするものも多いのだが、これは楽しかった。
短篇は、デビュー作。今後も期待。
                         2009/8/04

《こんなふうにおススメ》
八雲が、クールで,実は人付き合いがヘタで…。
設定に上手く萌えも入れていて、それは小説らしいなと思いました。
眼鏡とかね。
女の子、好きだろうと感じます。だから、少女漫画なんだなー。



【原作はまだまだ続きます】

タグ:都戸利津
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2009年08月08日

環状白馬線 車掌の英さん

【環状白馬線 車掌の英さん】  全01巻  /都戸 利津

環状白馬線の車掌さんの英(はなぶさ)さん。
一見、口べたで素っ気ないふうな接客なのだが、そこにはさり気ない思い遣りが詰まっている。そして、英さんの電車に乗った人は……。
乗客と英さんの物語。

作者の初のオリジナルコミックス。
別冊花とゆめ。

エマ」の森薫さんのブログで大絶賛だったので、気になって読む。
わざわざブログで奨められるだけのことはある。この空気、好きだー、癒される。
森 薫びっけ、共通する、心を温かくする作風なのだ。

話の繋ぎが素晴らしい。

品の良いクラシック映画を観ている気分。
読後にも充実感を与えてくれる、嬉しい作品。

泣けた、めちゃくちゃ泣けた。
ああ、幸せだったー。自分の行為が世界のどこかで、自分の知らないうちに誰かを幸せにしているかもしれない。自分が知らない誰かから、幸せを貰っているように。

絵も素晴らしい。
余談ですが、チビ英さん、悶えるほど可愛かった。
次の作品もとても楽しみ。
                        2009/8/02

《こんなふうにおススメ》
親しい友人には特に、「読んで読んで〜〜!」とおススメしたくなる、素晴らしい一冊。


タグ:都戸利津
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2009年08月02日

BOYSエステ(完) 全07巻

【BOYSエステ】  全07巻  /真崎 総子

私立永谷学園高校の小岩井静香、16歳は、ダイエットを試みてもすぐにリバウンドしてしまう体質。
高校に入って初めてできた彼氏に、ホテルでその三段腹を萎えられ目的を果たせず。しかも彼が友人たちと陰口を叩いているのを聞いてしまう。
一方、県立北高校に通う16歳、赤城響は包茎の悩みがあるが、家計は火の車でバイト代も入れていて、手術費用を捻出するどころではない。

学校の理事長の息子、敷島七里(しきしましちり)は登校拒否している静香のもとに訪れ、男性が施術師のエステティックサロンの研修所の被験者になるのを勧める。
痩せられると静香は飛びつく。
一方、響は割の良いアルバイトを探して、姉の勧めるままに齢を誤摩化し、ボーイズバーの面接に飛び込む。特技を聞かれて、姉相手に強制されてきたマッサージを披露、系列のエステ研修所に入るのを強く推される。

それぞれの事情を抱えて入所。
静香の担当に響があたる。
静香は二ヶ月で痩せられるのか、響は痩せさせられるのか?
イケメン揃いのエステシャンに囲まれて…と、いう願望物語。

短篇。
3巻。「SとMの関係」
日向雛江は、彼氏の浅井敦史の自己中に振り回されてばかり。
親友の瀬戸愛子にも、いい加減に別れろと説教されている。
敦史の浮気現場に遭遇してショックを受ける。
優柔不断な雛江は、敦史と別れられないまま、愛子に紹介された鮎原光一郎と会い出す。

7巻。「ダサかわ」
ダサい、キモいと言われ続けて18年の女子高生、芦辺吉伊(あしべよしい)。
たった一度だけ見たことのある男子に焦がれていた。
ある日、吉伊は呉にナンパされる。ついていくと、後から来たのは奈良尾裕斗(ゆうと)で吉伊が憧れた人だった。呉は裕斗に、吉伊の“改造”を頼む。

デザートに連載。
エッチ系の得意な作家さんなんだなー、短篇を読んでとくにそう思う。

ハリセンが出てきたのには笑った。このあたりから、のめり込めた。
読んでると、ふつーにダイエットしたくなってくる。

二等身かわいい。男の子たちの言動がオモチャみたいでかわいい。
でも実際に彼らがそばにいたら、その言動にむかつくんだろうなー。
こういうのを、リアルでかわいいと思った時に、若い子に貢いだり、ホストクラブで散財しても良いと考えちゃうスイッチが入っちゃう気がする。ありえそうにない。

静香の甘ったれぶりはたまに、いや、かなりムカつく。
ハリセンくらわしたいのは静香のほう。
こんなにお金と時間をかけたらキレイになれない方がおかしい。安く見積もっても1ヶ月に70万は最低でもかかっている。それが全部タダなんて、どんなにファンタジー。しかも、2つのサロン掛け持ちなんて(←八つ当たり)。自分でも努力しろ。
両親もダメ過ぎ。
さくらの方を応援したくなって困った。お金払っているし、ね。

でも読んでて気づく。エステとはなんぞや、という漫画なのだ。
すごいなぁ、エステって怖い。

一番感心したのは、包茎のこと。
よく知りませんでした。大変なんだなー。詳細にありがとうございます。

「ふられるということは、自分見直しのいい機会だから、自分の足元見つめてみたら?」
まったくだ。

正しい読み方は、4巻まで読んで、そこでスピンオフの「BISEXUAL」を読み、それから5巻から読んでいくのがベスト。
敷島七里と名糖吉馬の関係が、話の流れに大きいからだ。
少女漫画なのだけど、「BISEXUAL」は、がっつりとBLストーリー。しかもそちらが面白かったので、二度びっくり。

吉馬、かわいい。
短篇含めて主役の女の子に共感できないから、も、大きい。

男子の顔の見分けがつかない。
途中、「こいつは、たぶん□□」と、想像しながら読んだ。

いろんなところでむかつく、このやるせないキモチはどーしたらいいの?
                         2009/7/29

《こんなふうにおススメ》
割と面白いんだけど、ムカツキ度も大きい。
スピンオフで、話に厚みが出るって、どうなのか?

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:真崎総子
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2009年08月01日

お伽もよう綾にしき(完) 全05巻

【お伽もよう綾にしき】 全05巻  /ひかわ きょうこ

幼い頃から“もののけ”に好かれやすく、両親のいない鈴音(すず)は、昭善尼の庵で育つ。
7歳になり、いじめっ子にいじめられている時に助けてくれた日高新九郎義景を、勝手に父と呼び慕うようになる。
新九郎の教えで、それらを退ける能力も育っていた。
しかし出会いから一年半後、妖術師の大木源八郎と一騎打ちした新九郎は、死んだものと教えられ……。
それから10年、すずは国を揺るがす跡目争いに巻き込まれていく。

歴史もののラブストーリーかと思って手に取ったけど、それだけでなく物の怪ものだった。しかも面白い。棚ぼた気分。
飯綱法まで出てきて、驚き、一気にのめり込んだ。
おじゃる様が飯綱狐ということらしい。

時代は500年前くらいの設定かと予測したが、室町中期とのこと。およそ550年前。

新九郎が眠っていて目覚めるまでに10年。つまりまだ19歳ということになる。すずは、18歳。
この流れの作り方は上手い!さすがだ。
名で縛るのも、これに関連づけていてそこも唸った。

新九郎が幼いすずに宇宙の理を話す時、背景にシェルピンスキーのギャスケットが描かれている。
フラクタル構造の宇宙を何気なく表現していて興味深かった。
音が宇宙を動かすOSであることもわかりやすく説明している。

修験道を修めた新九郎の術は主に真言密教に伝わるものが中心。
もっと道教的なものも取り入れて欲しかったけど、この時代は密教が主流だったと思う。
不動明王の真言が、1巻では微妙に違っていて、「音で捉えるからこれでも良いのかな?」と思ったのだけど、2巻ではよく使われているものになっていた。
源八郎も真言使っているのに、不動明王は壊しちゃうんだ……。

俄然、長く作品を発表している大御所のこの作家さんに興味が湧いてきた。
五郎太可愛い。そばにおきたい。
3巻ラストの、新九郎と源八郎の幼い姿にじーんときた。
                         2009/1/02
                         2009/1/03UP

《こんなふうにおススメ》
久々に、「続きが読みたい! 連載ってどうなっているの?」と思えた作品です。
楽しく読めます。

5巻/
おじゃる様の危機。生死を彷徨うのを鈴音は祈る。
鈴音と新九郎はそれぞれへの想いを自覚しているが、鈴音の中にまだ「ととさま」の新九郎がいることにも戸惑いを覚えていた。
貴船は大江家政を操り、自ら表に出ることなく伊摩の沢田城を攻めてくる。鈴音と新九郎は、おじゃる様と現八郎とともに貴船に向かう。

この巻でラスト。もっと続くような気がしていた。

許しと解放がテーマ。
こういうのって説教臭くなりそうなのに、しかも精神性の高い話を、少女漫画の中に見事に昇華している。作家さんの真の実力を垣間みる。
偏見ではないけど、阿字観の説明が少女漫画に出てくると思わなかった。

全体的に見ても、真言密教系、詳しい。すごいなー。
作者コメントを読んで納得、なぜ最後に蔵王権現が急に出てきたのか違和感があったのだ。権現は、明王や観音とは、少し様子が違うからだ。修験からきた密教、と、いうことらしい。
なんだかんだいっても面白かったなー。
                         2009/7/27

【コミックセット】


【コミックス】

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2009年07月27日

マリア様がみてる(完) 全08巻

【マリア様がみてる】  全08巻  /長沢 智(原作/今野 緒雪)

ライトノベル原作のヒット作のコミックス化。原作は2008年夏現在33巻刊行。
アニメ化もされている。いわゆる百合ブームのきっかけになった作品のひとつ。
男子支持率が圧倒的に高いので少年系? と思ったけど、マーガレットから刊行されているので少女系に。
「『マリみて』はコミックから入った方がわかりやすい」との意見も。

カトリックの伝統ある女子校、私立リリアン女学園。幼稚舎から通う福沢祐巳(ふくざわゆみ)。
ある朝、憧れのお姉様の小笠原祥子(さちこ)に服装の乱れを注意され声をかけられる。
学園には姉妹(スール)という制度があり、妹は姉から手取り足取り教えを乞う。
生徒会である山百合会には紅薔薇、白薔薇、黄薔薇といて、その三人の妹がそれぞれ「つぼみ」と呼ばれる。祥子は紅薔薇のつぼみ。
アクシデントから祐巳は祥子のスールに?

みなさま、ごきげんよう。
侮っていました、ごめんなさい。面白かったです。
わかりやすい。なるほどなあ。
百合とは古い見方をするとレズビアンを連想させるけど、イマドキの使い方は、「思春期の女子にありがちな、仲良しが高じていつもべったり親密に関係を育んでいる」総称をいう。
ちなみに薔薇族は古いイメージのまま。ライトになるとBoys Love(略してBL。業界用語だとB's)だが、それは肉体的関係も伴う。
いわゆる“百合”は、手を繋ぐこともドキドキする、もっと純情な間柄を言うらしい。そこが“萌え”と言われている。このジャンルのバイブルがこの作品。
「お姉様」と呼ぶ姉妹設定が萌えなのかー。

圧倒的に男子ファンが多く8割がそうらしい。男子には禁断のセカイ、甘い密たっぷりの秘密の花園なのでしょう。美しい妄想。ふふふ。それだってファンタジー。
と、思いながら、読んでいたら……なんだか女子校時代を憶いだしました。あるある! ってけっこう多いもんですねー。懐かしかった。
BLラノベで映画化された「タクミくんシリーズ」にも似ている。あちらはしっかり男子同士の恋愛だけど。

原作絵を知らない分、そのまますっと入って行けた。面白いし読みやすい。
絵も可愛らしく楽しい。コミックでも頑張っていて登場人物の内面に掘り下げる努力がある。きっと原作はもっと面白いんだろう。読んでみたくなる。売れているシリーズにはやはり理由ってあるものですね。

お姉様たちより祐巳が一番可愛いんですが……まあ、それが主人公の特権か。
うっかりはまる。なんでしょうね、この感覚。こういう“ういうい”は男女間作品では廃れて消えてしまっているのかなぁ? 面白い。
                         2008/8/26

《こんな人におススメ》
百合系って、「らき☆すた」も入るそうですよ。乙女系とも違う、このジャンル。
この作品はわかりやすいです。

8巻/
三年の薔薇様方の卒業。それぞれの想いと、別れを惜しむ。
信頼と友情と愛情、そして尊敬と絆。

うっかり、「まだ続いてるんだ」と思った私は薄情なやつ。ずいぶん前に出てたんですね、奥付は2008年1月。
これが最終巻。

まるで大正か昭和初期の女子校のようだった。こういうのが今はすっかり廃れちゃってて、その古き良き「道」に憧れるのもわかる。

原作はまだまだ続いている(36巻)が、コミックスはバランスの良いところで終了。
この引き際が素晴らしい。
                         2009/7/26

【コミックスセット】



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2009年07月26日

平成よっぱらい研究所

【平成よっぱらい研究所】 全01巻  /二ノ宮 知子

のだめカンタービレ」の作者、二ノ宮知子さんの酒飲みにまつわる、壮絶なドキュメンタリー的作品。
自らを「よっぱらい研究所」所長と名乗り、今でも所長と呼ばれているのはよく知られた話。
傍若無人な、伝説に残る酔っ払いぶりが見事。その武勇伝ぶりを綴っている。

96年が奥付。連載は95年3月から、フィールヤング。
今だったら、社会的に物言いがついて、描けないような内容。
作者の飲酒歴もすごい。

「まぁ、いいか」とは、ノンベが周囲と自分を誤摩化し、その場をやり過ごす言葉。
「私には神がついている」これも泥酔しないと言えない台詞。

酔っている時、うっかり死んでしまわないように気をつけよう、と、思うくらいの凄さなのだ。
限界まで勝負するというか……。
きっと、この本を出版されたことは、今や後悔されているだろう、とまで思ってしまう。
酔っ払いの生態のわかる本。
                         2009/7/24に感想まとめ

《こんなふうにおススメ》
この作家さんにはずっとついていく覚悟なので、このくらいの内容、めげるにあたらず、ですよ!



【文庫版】
↓ この方、作者さんと噂もありますが、真相をご存知の方、教えてください。

タグ:二ノ宮知子
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2009年07月10日

山田太郎ものがたり(完) 全15巻+ゴージャス

【山田太郎ものがたり】  全15巻+山田一家ものがたり ゴージャス  /森永 あい

※ 現在、ゴージャスは絶版。15巻が新たに発行され、そこに再録+その後の3本。

名門の私立一ノ宮高校の特待生、山田太郎。
成績優秀、眉目秀麗、スポーツ万能……唯一の欠点は超ド貧乏だった。
6人の弟妹とともに(これもいずれ10人兄弟妹になる)お嬢で経済感覚のまったくない母親を含めた大家族で、太郎はその一家の大黒柱なのだ。肝心の父親は放浪の旅。
しかしそんな事実をよそに、周囲は太郎をどこかのお坊っちゃまと勘違いし、憧れすら抱かれていた。
太郎の唯一の親友の御村託也は、茶道家元の跡取りで、この事情を理解し、面白がっている。
太郎一家とその周辺の波瀾万丈大貧乏物語。
物語は、太郎が大学院生まで続く。

ドラマにもなった強烈爆裂コメディ。
大好きな作家さん。なかなか感想をまとめられずに……。
とにかく大爆笑出来る、純粋に楽しめる作品。
どんどんテンポが上がってきて、面白さが増すのがすごい。

もうね、太郎の両親、正直ムカつくんですけど。
でも、漫画なんだし、どーして私はそこをなぜ笑い飛ばせないのか考えたら、うちの親たちに一部似ているのだった。
ああ、残念。

御村の黒さ、いや、天然? は最高。
一番好きなのは永原と鳥居ちゃんの二人。ツボ。これだけでスピンオフを読みたい。
杉浦先輩も美味しいキャラ。

絵も上手いし、タイミングといい、作者さんも描いていて楽しいんだろうな。
それが伝わってきて、こちらも夢中になってしまう。

太郎のバイトのシンジコスは、著作権の甘いエヴァだから可能だったのだろうか?
個人的には、御村の、綾波たちが来ている女子制服のジャンパースカートにウケた。
コスプレといえば、毎回表紙はこだわっている。

太郎の全国模試一位の実力って……あんなにバイトもして、家事もやっていて、いつ勉強出来るのだろうか? それも漫画だから楽しめるスーパーぶり。

御村とよし子のその後も(最終巻にはあるが、その後も)知りたいなぁ。(15巻未読)

※ ちなみに、この「山田一家ものがたりゴージャス」は絶版らしく、新装版の15巻にゴージャス再録と、「杉浦圭一ものがたり」「矢島敦士ものがたり」「山田よし子ものがたり」の3本が追加されているらしい……。読みたい。
                       2007/8読了、2009/3/22感想まとめ
                         2009/3/30UP


《こんなふうにおススメ》
楽しみたい! そんな時に。テンポも良くて、読みやすいです。
今の時代、この生き方は見習うべきかも。

15巻/
絶版のゴージャスからの再録と、「杉浦圭一ものがたり」「矢島敦士ものがたり」「山田よし子ものがたり」の3本が追加。

太郎を好きすぎな杉浦圭一のお見合いの顛末。
矢島は非常食からペットに昇格するが。
よし子は、高校生になってだんだん体型も女らしくなるのだが、子どもの頃に海水浴で、御村を追っかけてきた女を撃退した時に御村が言った言葉「大人の女の人はダメなんです」を真に受け、成長を拒否する。

相変わらずの面白さなのだけど、半分は一度読んだ作品なので、今まで以上のテンションは上がらず。
だけど、大人になった後のみんなのその後は、まだまだ見ていたいなー。
もう続巻はないのでしょうか?
                         2009/6/30

【コミックセット】


【コミックス(+15巻)】

タグ:森永あい
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