2009年07月07日

赤ちゃんと僕(完) 全18巻

【赤ちゃんと僕】 全18巻  /羅川 真理茂

榎木家の長男、小学5年生の拓也は、一ヶ月前に母が事故で亡くなり、33歳の父とともに赤ん坊の弟の実を子育てする羽目になる。
父は仕事で忙しく、育児は拓也にのしかかる。
拓也もまだまだ遊びたいし、甘えたい盛りの子ども。それが辛い日々だったが、実に必要とされている自分を感じ、兄として成長していく物語。

2巻短篇。「タイムリミット」
三宅響呼。好きになった吉田くんが3日後に転校する。三年間の片想いが積もる。
デビュー作。

4巻短篇。「Secret Boyに手え出すな!!」
BL? デビュー二作目。
野木真は、真面目で非の付けどころのない富士枝銘(めい)に片想い。転んだ時に手を差し伸べられたのだ。
しかし彼は、興奮すると人格交代する、三重人格者という厄介なモノを抱えていた。
好きになったのがたまたま男子(はーと)のノリ。ちなみに掲載は花とゆめ。

6巻短篇。「ばかでかるくてわがままで」
頭は悪く性格が軽い篠原亜紀。彼氏の浦和洋はしっかりしているが、一見ダサくも見える。我侭な亜紀はいつも洋を振り回すばかり。
女の子は、相手に好かれている実感があるとワガママになるもの。

15巻短篇。「夏と君のイラジエーション」
続祭は幼馴染みで大人しい舞田桜の言動がいちいち癇に障る。好きな気持ちは充分なのに。先輩が舞田にアタックすると聞いて。

累計発行部数、1770万部。少女漫画歴代売上15位(2009年6月現在)。
花とゆめ。テレビアニメにもなる。

基本構成が一話完結。
長期連載の中で、いつから読んでも大丈夫だったのも人気の秘密だろう。子どもから大人まで楽しめる、イマドキ希有な物語。
拓也と実の兄弟の日常を中心に、家族というものを描いた作品。ふたりの兄弟を応援する漫画。

ノートに描いた切り抜きなどもあって時代を感じさせる。
他の作品の合間あいまにちょこちょこ読み進め、読了までにだいぶ時間がかかってしまった。そんな息抜きができる貴重な作品。

拓也は連載スタート時はまだ10歳。男の子なら甘えたい盛りのはずなのに、必死に子育てする拓也が健気。そして最初の巻の方では、それを哀れにも感じてしまった。
2巻でびっくり。実って2歳だったんだ。1歳くらいかと思ってた。絵、幼すぎないか?
お兄ちゃん大好きになっていく実が可愛い。拓也は偉い、ホントに偉いぞ。君を抱きしめたいぞ。たっぷり子どもをやってて良いはずなのに、一足早く大人にならざるを得ないってちょっと辛いことなんだよな〜。

拓也の友人たち、ジャイアンみたいなゴンちゃんは可愛いし、クールな藤井くんもいい。その弟や妹たちも楽しい。
こんな兄弟姉妹、少子化の昨今、貴重だ。

7巻で父親の春美の仕事っぷりが出てくる。
サイドストーリーではない、周囲の風景が描かれていくとそれはそれで厚みが出る。
江戸前、仕事しろ。

描かれる男性陣は、天然で、大人でも少年っぽい人が多い。
男ってやっぱ子どもだよね、そんな感じに表現されている。

なんでこんなに連載が続いたんだろうとずっと疑問だったか、和むんだな。
赤ん坊と小動物にはみな和んで幸せな笑顔を引き出せる……それってCM界の常識と同じ法則。なるほど。

中盤からは、子どもがぶち当たる大事なテーマにも触れ出していて、しかも丁寧に描かれていてとても好感が持てた。
内容的に子どもだけじゃなく、大人としても考えさせられるテーマも多かった。
大人でもそれは難しいんじゃないか? と思う部分も。
作家さん、頑張った。描くということは伝えるってことだもんね。

ラストは山場を持ってきたかったからなのだろうけど、うーん、ここまでする必要があったのだろうか?
                         2009/7/03

《こんなふうにおススメ》
少女系では確かに異色なテーマかも。
影響を受けた人は多かったらしいですね。るろ剣でも、赤ちゃんのモデルにした、とあった。

↓ アマゾンに表紙があがっていなかったので、コミックセットのみ。

【コミックセット】


タグ:羅川真理茂
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2009年07月06日

いとしいキミ

【いとしいキミ】 全01巻  /末次 由紀

遊園地が隣接している丘の上の高校で起こる恋愛風景。

・「July」
高校三年生の住友まゆみは、奈良崎に二年間も片想いしていた。夏休みに入る前に告白しよう。そう決心してその覚悟を親友の咲にも話すが、奈良崎は一学期を終えたら鹿児島に転校するという。

・「August」
観月ちはやは理系クラスで、クラスに女子は四人しかいない。男子は遠慮なくて苦手なのだ。しかも臆病で、階段も手すりがないと降りられない。
中学から一緒だった久遠寺(くおんじ)とは一緒にいてもほっとできる。

・「September」
サッカー部の高須賀先輩に告白した藤生ちとせ(ふじお)。ずっとずっと好きでアタックしていたのだ。つき合えることになって。

全てが表題作。それぞれのタイトルは、サブタイトル。

とにかく台詞が良いのだ、この作家さん。
そしてキメのシーンがなんとも……上手い、ツボを心得ていらっしゃるというか。
詩的な表現やときめくシーンがいっぱい。

まゆみは恋心をなかなか伝えられない。
「泣くくらいなら、なんでもっと頑張んないの」咲の言葉、その通り。
私は性格が咲だったなー、中高校生の頃から。

ちはやとちとせという名前にどきり。

私も軽い階段恐怖症なので、ちはやの怖さはとても理解出来る。

ちとせの「つきあうより先に、好きになってもらわなきゃならなかった」
あああ、大人だって失敗するのだよ、その辺りは。
難しいよねー。

この作品もういういでした。
ごちそうさま。
                         2009/7/03

《こんなふうにおススメ》
末次作品、少しづつ昔のものに手を出し始めています。
じわじわきます。



タグ:末次由紀
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2009年07月04日

眠れない夜をかぞえて

【眠れない夜をかぞえて】 全01巻  /北川 みゆき

短篇集。
・表題作。
保坂琴美は、テレビ番組の収録直後、バニーガールの格好のまま失神する。ADで熊の着ぐるみを着た久世裕人(くぜひろと)に助けられ……。
琴美は一年前、テレビドラマのプロデューサーで不倫相手とスキャンダルを起こし捨てられてから不眠症だった。裕人に生意気な口を叩いたが、脱ぎ捨てられた熊には本音が言えて。

・「1オンスの恋人」
三田村名奈(なな)が友人の詔子の代理で入ったバイトは、テレクラまがいの電話のオペレーター。呼び出されて待ち合わせした先でナンパされる。
そのままナンパ相手の水谷俊哉が忘れられなくて、俊哉のバイト先のスキー場まで出向いてしまう。

・「いつか好きだといって」
彼に振られて一緒に行くはずだったペンションに、失恋旅行の桜井真純(ますみ)。
ペンションのバイト、市井敦希(あつき)と親しくなる。大学生という敦希は強引な女子大生に辟易していて、つい真純は自分が高校生だと嘘を吐く。
一夜の想い出に彼とベッドを共にするが、教育実習先の生徒が敦希。大学生と偽っていたのだった。

・「You're my only shining star」
真山紗雪(まやまさゆき)は、人気アクション俳優で現役高校生の藤崎圭に憧れて、エキストラのバイトを始める。その仕事中、圭の付き人で双子の拓海(たくみ)にぶつかる。

少女コミックCheese!
中高生の少女対象らしいが、表題作の表紙がいきなりベッドシーン。さすが、少女コミック(まったく褒めてない)。

どーしても主人公に感情移入出来ない。共感が少しもできない女の子たちなのだ。
軽くて、嫌みなところがあって、頭も悪すぎ。
でも、その彼女等だからこそできる冒険みたいなものに憧れるのかな?
うーむ、わからん。
禁断とか、芸能界とか、憧れるんだろうなー。
でも少女漫画はファンタジーなのだから、もっと楽しく夢を見させてと思う。

それに少女漫画なのだから、アヘンとか大麻とかを気軽に扱わないでほしい。
いろんな意味で好奇心から影響される女の子たちがいないで欲しい、そんな母心になってしまうのだ。
                         2009/6/28

《こんなふうにおススメ》
この作家さんのファンの方に。
少コミファンにも。



タグ:北川みゆき
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2009年06月25日

金色のコルダ 12巻まで

【金色のコルダ】 12巻まで  /呉 由姫(原案/ルビー・パーティー)

星奏学院の二年生、日野香穂子は音楽には無縁の普通科の女子高生。
音楽の精に見込まれて、音楽家の生徒たちとコンクールを競うことになってしまう。魔法のヴァイオリンを手にして勝負に励むが。
音楽科には、同じ二年生のサラブレッドとして育ったヴァイオリンの月森蓮、三年生に、スポーツの得意なトランベット奏者の火原和樹(ひはら)、華道の家元に育つフルート専攻の柚木梓馬(ゆのきあずま)、一年生には、マイペースなチェロの志水桂一(しみずけいいち)、クラリネットの内気な冬海笙子(ふゆうみしょうこ)らがいた。同じ普通科でピアノの名手、土浦梁太郎(りょうたろう)と、香穂子はコンクールに参加する。

のだめ」のような、内容はコメディでも音楽への取り組み方が真面目なクラシック漫画の名作があるので、なかなか難しいところはあると思う。コメディ要素もあちらの方が断然面白いし。
絵は好き。かっこいい男の子たちそろい踏み。乙女ゲーム的要素もばっちり。
しかし内容は、当初のファンタジーでは辛くなってきて、魔法が解けた先、どう話を展開させるのか。ストーリーはもたもたしているので、まあ、まったり読むのが良いんでしょうね。
                         2008/1/30

UP追記>
そういうことだったのかっ!
すみません、勉強不足でした。コミックス先行のアニメ化、ゲーム化だと思っていたのですが、元々ゲーム作品から派生したものだったのですね!
恋愛シミュレーションゲームなのだそう。ネオロマンスシリーズの三弾目がこれ、だったのだそうです。(最初が、アンジェリークシリーズ、次が「遥かなる時空の中で」)
だからだったのか、ファンタジーとスポコンが同化してて違和感たっぷりだったのだ。納得。
                         2009/6/24


10巻/
音楽コンクールが終わる巻。
香穂子はヴァイオリンに魅せられてこのまま続けることを決意する。

最初はファンタジーで始まって、途中から恋愛も絡めた音楽ものになっていく過程で作者も着地点が難しいだろう。
それぞれの回想と演奏がメインで、このまま最終巻になるのかと思った。あまり長引いても良くないんだけど。
(まだ、ゲーム原作だと知らなかった時期の感想)
                         2008/05/09

《こんな人におススメ》
クラシック音楽を知らない人の入門に。
カッコいい男子をたくさん見たい人に。

11巻〜12巻/
まったくの素人に戻ってしまった香穂子は実力をつけるべく、ヴァイオリン教室を先輩の王崎の個人レッスンを受けていた。
選抜合宿の選考に、柚木が辞退したと火原から聞いた、土浦と香穂子。
香穂子のクラスに、女生徒たちが噂するような転校生、加地葵が転校してくる。そして香穂子に言う。「君に会いに来たんだ」
加地葵が香穂子に夢中になったプロローグも。
パラレル宮廷音楽篇も入った11巻。

12巻。火原が一躍CMスターに。
柚木と火原の仲直りに香穂子も一枚関わる。
加地は土浦も香穂子に興味があるのに気づく。
土浦と香穂子の合奏。
月森への香穂子の想いに句づいた土浦は、譲れないと思いコンクールに出る決意を固める。
月森は留学を決めて……。
月森の恩師の早乙女は、香穂子に「レッスンを望むならコンクールで入賞してからにしろ」と言い放つ。それに向け、月森が個人レッスンを買って出る。

絵の上手さは抜群。キャラも魅力的。ほんとに好き。好み。
たぶん、好きな絵ではベスト10に入る。

名前で、これから大事なキャラになってくるのかわかるのがこの作品。
万物自然の何かが名前に入っているからだ。
加地葵が香穂子の手にキスしながら言った台詞……うっすらと背中が寒かったけど、これ、ゲームだと女の子たちの萌えなんでしょうねー。
鳥肌する私が異常なのか?
11巻はこの新キャラ、加地を愛でる巻。かっこ良くて親切で頭も良い……しかもヒロインに夢中という、最後の一点だけはどのキャラにもなかった強みを持って登場。

12巻の表紙はアラクレっぽい。
中味は面白さを取り戻してくる。次巻に期待したくなってきた。

今更だけど、ゲーム原作だと知って、冬海笙子のキャラが薄くなった意味がわかったなー。恋愛シミュレーションに女子、他にはいらないもんね。
元々がゲームだとわかると見方が一気に変わる。これはこれでありなんだなー。
でも、それを知らないとイマイチな作品。難しいものですね。
そもそも「のだめ」とは立ち位置が違う。比べてごめんなさい。
                         2009/6/24

【コミックセット】


【コミックス】

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2009年06月23日

スプラウト(完) 全07巻

【スプラウト】 全07巻  /南波 あつこ

池ノ内実紅(いけのうちみく)は高校一年生。バイト先で仲良くなった三年生の片岡先輩が彼氏。
しかし、職員室で見かけた男子にはっと気を取られる。
そして父が会社を辞めて下宿を始めると聞かされる。急に生活が変わる不安と、アメリカにいる兄がそれを先に知っていたことなど、実紅は拗ねる。
加えて彼、楢橋草平がその下宿人のひとりだったことも気にくわない。草平の彼女が、学校で人気の美少女小澤みゆきで、女子からはやっかみでウザミユとも言われているのも引っかかる。その想いが嫉妬だと気づくのに、そんなに時間はかからなかった。
下宿人は、女子大生の巨乳美女の谷山清佳、大学院生で明るいギャルゲオタクな滝川直治(なおはる)らで、始まってみれば楽しい日々。
実紅は自分の恋心と葛藤し始める。

別冊フレンド。
人気があると聞いて読む。

等身大の話で好感が持てた。
主人公が異様に格好良かったり、特殊能力系の話ばっかり読んでいた後だったから。
どこにでもいる子たちが迷いながら、自分たちの生きていく道を模索していく。

草平の心の内を、相手に投影させた描写は見事。それを本人にも気づかせたところが良い。
オザミユの独白が一切ないのも上手い、こういうの難しいのに。

実紅がいくら草平に対して一目惚れだったとしても、最初のこだわりにはあまり共感ができなかったのだ。
それが下宿人との交流の中で思い遣り、温かさを学んでいきながら、大人になっていくのは理解出来る。
人を好きになることが子どもっぽい感情でしかなかった実紅、なのだ。

見開きの構成が素晴らしかった。全体で見せようとしているのがわかる。

いいなー、こういう大きな家で合宿みたいに暮らしたい。楽しそう。
こういう作品はそういった群像劇、疑似家族的なものに流れていきやすいけど、草平と実紅の心の動きから軸がぶれないのは秀逸だった。
                         2009/6/19

《こんなふうにおススメ》
家族的コミニティは好きなので、この設定は楽しかったです。
毎巻の最後の見開きの、庭からの家の風景、好きだー。

【コミックセット】


【コミックス】


タグ:南波あつこ
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2009年06月21日

僕の初恋をキミに捧ぐ(完) 全12巻

【僕の初恋をキミに捧ぐ】 全12巻  /青木 琴美

垣野内逞(かきのうちたくま)は心臓病で入退院を繰り返している。8歳の時、主治医の娘、種田繭(たねだまゆ)がいつも病室に遊びに来て、ふたりは恋に落ちた。
繭は両親が話しているのを盗み聞きして、逞が20歳まで生きられないことを知ってしまう。でも繭はそれを否定したくて、夜中に逞と四葉のクローバーを探しにいく。どうしても見つからず泣いていると、何も知らない逞に慰められる。そこで繭は将来は逞のお嫁さんになると誓う。
12歳、小学校の修学旅行先で診てもらった医師の不用意な言葉で、逞は自分の寿命を知ってしまう。しかしもっとショックだったのは繭がその事実を知っていたことだった。
繭を悲しませたくない一心で、逞は繭から離れることを決意、中学受験をして中高一貫の全寮制校に入学する。しかし繭も負けてはいず、逞に内緒で紫堂学園に入学していた。しかも学年トップの成績で。
学園には生徒会長で寮長の鈴谷昴(すずやこう)、そしてその弟の律は逞と同室になる。
小学生、中学生と経て、高校生から、逞と繭の試練の恋の物語。
10巻には番外編の「もっと生きたい」子どもの頃のふたりの話。オカルトでちょっと怖い。

7巻短篇/「ほしいものが、あるんだ〜卒業式前に」
図書委員長の拓実先輩は、ぶっきらぼうで無愛想で近寄り難い。福山と廊下でぶつかった拍子に唇が重なってしまう。先輩は「責任を取って結婚しろ」と言うが。

8巻短篇/「メールの返事くらいくれよ」
水野景子はクラスで接点のない橋本達彦からメールが突然来て驚く。それがほんとに橋本からなのか確信もない。その時から橋本が気になってしまう。
橋本くんは、矢野立芳(はるか)の従兄弟。

11巻短篇/「彼は行けもしない甲子園を目指す」
地味でブスで成績も悪い佐藤珠美に告白して振られた、モテる水澤ヒカル。佐藤が自分に好意をいだいているのだと勘違いしたのだ。佐藤は野球部のマネージャーでヒカルをスカウトする。
ヒカルのユニフォーム、格好良すぎ。

12巻の番外編に「僕は妹に恋をする〜矢野くんのワンダフル・デイ」
矢野立芳の頼と郁の兄妹に振り回されている日々。

少女コミック。話題作。
この秋に実写で映画になる。

恋愛をテーマにしているんだけど、それに隠れるように大事なモノを描いている。
脳死は生命の死なのか。
最近は死を美化する小説などが多かったので、この挑戦は嬉しい。若い子たちにはイノチを大事にしましょう、なんて言われても、正直ピンと来ないかもだけど、こういう漫画なら感じ取り方が多いと思う。
私が繭だったらどうするだろう? 難しい。
どんなに想像してもリアルの前には儚いもので、その気持ちなんてきっとわからないと思う。

前作の「僕は妹に恋をする」でタブーな恋愛の後、恋愛だけではない物語を作りたかったのかも知れない。その姿勢がまずすごい。
生きていきたいという想いがひしひし伝わってくる。

恋愛漫画としては……恋する想い、キモチがそのまま詰まっている。
感覚から感情から、ひとつひとつを伝える為に、話が作られていると言っても過言でない。

キメのシーンが上手いんだな。印象に残る絵。
ひとつひとつ大げさなんだけど、全体がものすごく計算されていて、隙がない。
溜めとか、ライバルを出すタイミングとか、絶妙。ちょっとしたところが悶える程に上手いのだ。すごすぎる。

ドラマチックに、「男子が女子のことを好きで好きで堪らない、しかもそれを命がけで」という、女の子が最大限に望む設定をきちんとやっている。ドキドキさせたまま、読者を煽ったまま進んでいく。
改めて上手い作家さんだと思った。

作者が男子キャラにめちゃくちゃ感情移入しているのがわかる。
すでにキャラと疑似恋愛していて、それがそのまま読者に伝わるのだろう。女子キャラに自己投影しやすいのだ。

個人的には好みじゃないのだけど(絵も、女性の顔の半分が目で埋まっているのがイヤ)、それでも上手いものは上手い。

性に目覚める年頃の読者に合わせて、内容も沿っている。
親が子どもに読ませたくないのもわかるけど、やっぱりこういうのも子どものうちから読んでおいた方が良いよね。

とても真面目な作家さんと思う。話をかなりしっかり作り込んで、絵も最初からイメージして、描いている気がする。
そういう姿勢は尊敬。
読みやすい。
できれば全巻終了してから一気読みがこの作家さんの作品の読み方としておススメ。なかなか進まないので、これ連載だとめちゃくちゃきつい。
最終巻は爆泣した。

年齢的に親の立場も考えちゃうけど、自分の子どもが繭でも逞でもきつい。
幸せなカタチに導いてあげられるのか、人間力が試される。

「僕は妹に恋をする」のスピンオフでもあるので、逞たちの二年後輩に結城頼が出てくる。
一文字の名前、好きなのかな。そんなキャラが他の作品にも多い。
すでに代表作のある作家さんですが、まだまだ本命はこれからな気がする。

ツッコミを入れさせていただけるのなら、亡くなってから2年目が、三回忌です。
それと中学生なのに、ホストに見えるのはこれいかに。

短篇もそうだけど切り込むようなタイトルばかり。

ちょっとネタバレだけど、ラストは夢オチに見えてかなり……。
理由は、繭のミニスカート、夜に家族で陸橋? なところ。

「僕は妹に恋をする」はあまり好きじゃなかったけど、これは秀逸。
読み応えがあった。
                         2009/6/19

《こんなふうにおススメ》
面白いです。見せ方(魅せ方)が上手すぎる。
他の少女漫画とは、傾向がだぶらないのもすごいです。



タグ:青木琴美
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2009年06月20日

お兄ちゃんLab.

【お兄ちゃんLab.(ラボ)】 全01巻  /立野 真琴

池沢菫(すみれ)中学三年15歳。長男の浅葱は社会人二年目の24歳。次男の大学生19歳は藍。三男の紺は同じ学校の高校部の二年生。
菫には、三ヶ月前につき合い出した三島君がいる。
四人の兄妹愛の話。

別冊花とゆめ。
各話オムニバスで、菫、藍、浅葱、紺の順番。
紺だけ、父親の親友の息子で、両親の死とともに引き取られた、本当の兄じゃない。
紺と菫の恋愛はどうなるのか。

藍は子どもの頃から苦手だった、学級委員長の貴子と再会する。
浅葱は初恋の人、葉子と出会う。
葉子みたいな自分のことしか考えてない女性はキライ。
紺は菫の気持ちに気づき、兄でいるために、告白してきた水瀬とつき合うが。

悲しいことに、私はこの作家さんに感覚が合えないんだと思う。
面白いとか、ダメとか以前に、よくわからないのだ。
どーしてそうなるかな、以前の問題で、なんでこういう設定なのかが理解出来ない。私に理解する能力が足りないのだ。そんな自分が残念。
そういう作品もあるんだなってことで。
                         2009/5/19

《こんなふうにおススメ》
読み込みの深い方には、向いているのかもしれません。



タグ:立野真琴
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2009年06月17日

Deep Love ホスト(完) 全02巻

【Deep Love ホスト】 全02巻  /吉井 ユウ(原作/Yoshi)

姉と慕ったアユがエイズで死んで、義之は手術で命を長らえたが、希望を失ってしまう。
アユが見てきた世界を少しでも知ろうと、ホストになる。
心を亡くした義之はどんどん伸し上がっていくが、ある日公園で盲目の少女アユに出会う。その少女はレイナの娘だった。

シリーズの順番は、
01 アユの物語
02 ホスト
03 レイナの運命
04 パオの物語

「ホストって××らしいですよ」「そのソースってどこからよ?」
うちのスタッフが上げたのが、この作品。
キャバクラマーケティングの話の中で、出たのだけど××が何だったか、もう忘れてしまいました。
その後にどれだけお金があっても、私たちはホストに使わない性質なのが判明。だってもったいないじゃんと思うところがすでにアウト。
だけどその生態には興味があるので読む。
読み終わっても、××が何だったか憶いだせなかった。

義之がレイナの娘のアユに出逢い、必死になる。
今度はまたレイナにアユの生き様を伝える為に、次のシリーズになっていく。
ハードな人生で、読んでいて辛くなるけど面白いです。
                         2009/6/5

《こんなところに注意》
シリーズの最初から読まないとわからないようになっています。



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2009年06月16日

Deep Love アユの物語(完) 全02巻

【Deep Love アユの物語】 全02巻  /吉井 ユウ(原作/Yoshi)

高校生のアユ。カラダを売って生活している。
一回5万。その金額設定は「わかりやすいから」
居るところはなく、たまにホストの健二のところにいたり。
虚無の人生に意味はない。
ある日、花鉢を育てていたおばあさんと知り合う。虐待を受けている犬を拾い、育ててもらう中でそこに出入りするようになる。
その老女は、夫を戦争の特攻で亡くし、ひとりでこつこつ内職をしながら質素に生きていた。そして捨て子を息子のように育てていたが、捨てた親が後に現れ、取られてしまったこと。その息子は心臓病を患っていたことを知る。
アユは老女の死を迎え、娘を名乗り、その義之の手術のために真面目に働くことを決意する。

このシリーズのホスト篇を読もうとして、こっちが先だと知る。話がわからなくなるのも残念なので、読む。
ドラマにもなった作品。元は、携帯サイト小説が原作。
シリーズの順番は、
01 アユの物語
02 ホスト
03 レイナの運命
04 パオの物語

累計で250万部(小説)は売れたらしい。
評論家は黙殺している作品らしいが、そもそも文学と同列に並べる方がおかしい。その時代に出てくる「風俗断片」のようなものなのだ。

アユの「なんで幸せにならなきゃいけないの?」は少し考えさせられた。
この作品のテーマとは違うけど、人は幸せになる為にもがく。でも、たまに疲れてしまうので、「別に幸せになんてならなくてもいーじゃん」と思えれば、それはそれで一時の心の安寧になりそうな気もする。
いつでも頑張らなくて良いのだ。これでいいと思っていた日々に急に陽が当たって、気づかされることは必ずしも幸せに結びつかないこともある。改めでそんなことも感じた。

話が脱線。
期待しなかった分なのか、思った以上に面白かった。

アユもレイナもハードな人生だ。
今はこういう女の子、多いのかもしれない。どうか自分を大事にしてください。

レイナ篇はこのシリーズの三部作目。
続編のホストの話は、義之が手術を成功させて、ホストになるところかららしい。
                         2009/6/5

《こんなふうにおススメ》
読んでいて辛いとこが多いけど、都会ではこういう子、最近多い気がする。
「なんて愚かなんだろう」と一言で済んでしまわないで、オトナはそれについて、真剣に考えていった方が良い。


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2009年06月14日

ハルコイ

【ハルコイ】 全01巻  /末次 由紀

短篇集。

・表題作。
本田綾子(りょうこ)50歳。50歳でも春はくる。
おせっかいから友だちになったのんちゃんこと、春宮のどかは23歳保育士で、彼氏いない歴も23年。ところがのんちゃんにも春がやってくる。
ランチボックスを買いに行くリストランテの店長さんに恋してしまったのだ。相談を受けた綾子は張り切るが。

・「指輪の片想い」
北大路繭子はウエディングプランナー。人様の結婚式を演出しながらはや30歳。
バツイチの恋人、氷室憲祐(ひむろけんすけ)は一線から中に入らせてくれない。

・「美彩食堂」
三森美彩(みつもりみさ)は派遣社員で26歳。実家の洋食屋がイヤで飛び出し、玉の輿を狙って合コンの日々。
BMWに乗っている竜ヶ崎晋太郎は、自営業の飲食店を経営と言う。美彩はその名刺の場所に行ってみるが、そこはオンボロ食堂で。

・「ななつの約束」
幼い七菜は母とふたりで引っ越しする。翻訳の仕事で母はぼろぼろになって。
母親の笑顔を見たくて、祖父母の笑顔の写真を撮る為に、バスに乗る。

BE LOVE。
超おススメの一冊。もっと早く出会えば良かった。
面白すぎるし、泣けた。
この作品も、「ちはやふる」と同じように復帰後の一冊。
短篇で元の勘を取り戻して、「ちはやふる」に入ったのだと思う。

気合いの入り方がまったく違う。これも評価が高かったので、ずっと読みたかった。
末次作品は友人にも頼んで集め出して、そろそろ冊数も揃ってきたので、一気に読み出そうと思っている。楽しみ。
この作品と「ちはやふる」以前はすべて絶版になっているので、どんなに面白い作品だったか、それだけでも伝えていきたい。

最初から泣ける。
少女漫画で主人公を50歳にするって、どんな視点! でも、それが新鮮で一気に惹き込まれる。
のんちゃんが好きになった相手を見定めている時の綾子の台詞に爆笑した。
「やだ。私好み。応援出来るかわかんないわ」
のんちゃんに「旦那さんがいるのに」とツッコまれても、しれっとしている綾子が、おばさんの特性を表していて笑う。
でもこれは個人的な性格。私は残念ながら、こんな可愛いおばさんにはなれないんだろうなー。
のんちゃんと綾子のふたりの会話は、女子学生みたいで楽しい。良いなー、同じレベルで楽しめるって。私の場合、自分が年上で相談相手になっちゃっている姿を、改めて客観的に反省。
オチが見えてるぞと思った私が浅はか。思わぬどんでん返しに、やられた、泣けた。上手い。

この作家さん、桜が好きなんだなー。ちはや……の、新再登場と構図が似ている。
「どれだけ泣いても、桜は咲いてくれるから、喜ぼう、この春を」
作者自身の心境なのかもしれない。

次の話の、繭子の素直さ、明るさは可愛い。
それでも女子って悩むんだよね。わかる。
「自分が幸せじゃないときこそ、人の幸せに触れられる仕事を喜ばないと」そのとおり。
自己反省した。最近の自分を見直したくなった。

「美彩……」は、爪を短くして、久々に思いっきり握れる、に共感。

どの作品の主人公も、勇気を出して、大事なモノを手に入れていく。それが共感に繋がっている。

あえて難点を言えば、キャラの描き分けができないこと? どの作品にも、同じ女子と男子が出てくる。
話が違うので、別人だとわかるんだけど。
                         2009/6/03

《こんなふうにおススメ》
これ、ほんとにおススメの一冊。
私のベスト30には入ります。



タグ:末次由紀
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2009年06月10日

ミモザでサラダ

【ミモザでサラダ】 全01巻  /森生 まさみ

ヨーロッパのあるお金持ちの家、純粋で騙されやすいとミモザ・グリーン・ハーネットを心配していた祖父が亡くなる。
ミモザは莫大な遺産を12歳で受け継いだ為、命を狙われることになる。受け継いだ中に、ミモザを守るボディーガード仕様の人工知能型ロボットのカイル・マクシミリオンがいた。
ミモザの命令だけはパーフェクトにこなすカイル。エネルギー源はチョコレートとお酒。カイルがミモザを守る日々が始まる。
ロボットだけに感情が欠落してニコリともしないカイルのことが、ミモザは気になってたまらない。祖父が亡くなってから、たったひとりの家族と思うようになる。

『ココロのベスト30』で、Wrlzさんが勧めてくださった作品。ありがとうございます。

ミモザの純粋ピュアが、周囲を明るくしていくのが見どころ。

まだまだ子どものミモザが可愛かった。
オトナになってきてからの話は、恋愛になっていくんだけど、好みとしてな若干テンションが下がる。

運転手さんの「子ども相手に手加減なしっ!」のツッコミに笑った。
警部はホントに良い人だなー。
カイルは人に恵まれている。良かったね、と素直に言える。
カイルの明治時代の書生みたいな格好はどうにかならないものか。

番外編のカイルの情熱と、それに比べると冷静なミモザにちょっと違和感を感じるが、それがイマドキの女の子でもある。
                         2009/5/31

《こんなふうにおススメ》
時代はだいぶ古そうなんですが、ミモザの設定はイマドキの女の子。
キモチが逆転すると冷静になるのが、イマドキっぽい。
まだまだカイルに夢中のミモザも見ていたかったけど……
幼い頃のミモザが可愛すぎる。



タグ:森生まさみ
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2009年06月09日

ひみつきち

【ひみつきち】 全01巻  /中原 アヤ

短篇集。

・「彼氏のひみつ」
高校一年生の池内加奈。
喫茶店の同じ席で静かに本を読んでいることの多い金田京一に憧れ、告白してOKをもらう。喫茶店のマスター曰く20歳と聞いていたが、実は京一は非常にオトナっぽい小学6年生だったのだ。

・「わたしのひみつ」
男っぽい女の子、遥広子14歳。
絡まれている男子、小竹純を思わず助けてしまったり、見た目も中味も漢前。
その実、クラスメイトでアイドルタレントの吉永拓人を好きになったり、女の子の部分もいっぱい。小竹にそれを知られ、口止めに柔道を教えることになる。
小竹は手芸部で料理なども得意な男子。それを広子に教えてくれることになってふたりの取引は成立する。

・「彼女のひみつ」
高校二年生の上原星史は友だちの彼女のエリに片想い。
雨の日、エリと一緒だった星史は……。

・「ぼくのひみつ」
売れない芸人の息子、中学二年生の川島笑(えみ)。
何もかもがイヤで、引越した先の東京で一から出直そうと決める。しかし、父が芸人だとクラスメイトにバレてしまい。

いいよねー、中原アヤ。
特にナーバスになってたり、ストレスフルの時には癒される。ありがとうございます。

やっぱ、関西弁が一番合う。テンポがホントにいいんだよね。

誰にでもそれぞれの事情と立場で、ひみつがある。
それを上手に生かして描いた作品。楽しい。
                         2009/5/22

《こんなふうにおススメ》
中原アヤさんの作品は、私の心の安全地帯。
もったいないので、目に見える場所に積んであります。
どーしても辛い時に読みたい癒しの作家さん。



タグ:中原アヤ
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2009年06月01日

マスカラ ブルース

【マスカラ ブルース】 全01巻  /咲坂 伊緒

短篇集。
・表題作。
マッチョ型の男らしい子が好きで、ホレっぽい小橋麦乃(むぎの)は困った癖があった。告白すると、そのとたんに恋していたキラキラのキモチが冷めてしまうのだ。そうすると身の周りも無頓着になって、マスカラ付けることさえ忘れてしまう。
そんな些細な本人さえ気づいていない麦乃の変化を、ずっと恋のお悩み相談で聞いていた秋也(しゅうや)は気づいていた。
気楽な男子の親友の秋也といると麦乃は楽。ところがある時、ちょっとした秋也の配慮から、麦乃は秋也を好きになってしまったことに気づく。でも、怖くて告白出来ない。

・「ロマンスの輪郭」
津田は、クラスメイトの高須賀に興味津々。一見怖そうな高須賀なのだが、高校に入学したての頃、下校時にバスを追いかけ転んだ際に、津田を助けてくれた男子に似ているのだ。パニクっていたのと逆光で顔はわからないが、首筋に黒子があったのを覚えている。
それが彼にもあって、それから津田は気になっていた。気になっていても、想いの伝えられない女の子の気持ち。

・「私が私であるために-長い夢-」
朝比奈ひかるは頼まれたら断れないお人好し。街で美容師の眞島瑛士(ましまえいじ)に声をかけられ、カットモデルをやる。
瑛士の真面目さ、優しさにいつの間にか惹かれていくひかるだが、ひかるには秘密があって。

ストロボ・エッジが思いのほか面白かったので、他にも手を出してみる。

この作家さんの大きな特徴なのだけど、絵の構成が少女漫画の王道なのだ。
演出がもろ、なのだけど、それがいい。
何もかもが少女漫画のキホン。うーん、ここまでベタだと素晴らしい。
アオリの入れ方、コマのバランス、見事。
適度にオシャレで、でも、行き過ぎのアートっぽさまでいかないので、どんな読者層も置いていかない。
ホントに良く出来ている。教科書みたい。

表題作は楽しい。男子の気持ちまで伝わってくる。
「ロマンスの……」はういうい。

続きはどうなるんだろう? って思うところもあるけれど、短篇ってまとまっているから良いよなー。
最近、放置プレイな作品、読み過ぎなのか?

最後の話は、重くなるテーマなのにさらりと少女漫画の枠内で収めたのは、かえって秀逸。
                         2009/5/30

《こんなふうにおススメ》
楽しく、The 少女漫画を堪能出来ます。おススメ。



タグ:咲坂伊緒
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2009年05月28日

高校デビュー(完) 全13巻

【高校デビュー】 全13巻  /河原 和音

中学時代はソフトボールに全てをかけていた長嶋晴菜。高校生になって、少女漫画のような恋愛に憧れ、高校デビューすることを決意する。しかし、どうしたら“彼”ができるのか、男子にウケる女の子になれるのか、さっぱりわからない。
街でナンパされようと、勘違いな姿で立っていて、小宮山ヨウと出逢う。ヨウを師匠として女道を歩もうと決意、条件の「俺を好きにはなるな」を守ろうとし、好きな男子を作ったりするが、いつの間にか想う人は……。

9巻までは、主人公の晴菜と、先輩でデビューのための師であり「好きになってはいけない人」のヨウを中心に、晴菜がヨウの友だちの田村史也を好きになったり、ヨウの妹で小悪魔なブラコン麻美と絡んだり、ヨウへの気持ちに気づいたり、ヨウの恋愛トラウマなどの話が続く。
二人がつき合いだしてからは、ヨウの親友の朝丘のちょっかいや、体育祭の話など。

ヨウが『リボーン』の雲雀恭弥に見えて仕方ないのは私だけ?
ツンデレで、ありのままな天然晴菜を愛してくれるという、少女憧れの展開。人気があるのもわかる気がする。
                         2007/12

10巻/
いきなり10巻から『恋愛カタログ』でいう笹錦さんキャラが出てきたんですけど……これって、少女漫画の常道なのかな? 晴菜のTシャツが可愛かった。まんまじゃん。
                         2008/4/15

11巻/
笹錦さん(『恋愛カタログ』の)的キャラのオンナとのバトルで別れかける二人。笹錦さんに比べて可愛げがないよなー。ヨウと晴菜の一泊旅行計画。
どこまでも晴菜が天然で、それも王道なのかなあ。いい加減、ちょっとうざい?  
                         2008/6/22

12巻/
ヨウと晴菜の一泊旅行。王道的なオチ。ヨウは推薦で東京の大学を受験することになり……。
雑誌での連載は終了。13巻までらしい。
12巻までは、遠恋になりそうな二人で終わる。舞台は札幌らしいので、高校生にはかなり遠い。
漫画的には晴菜の天然は可愛くて、少女の憧れの同性に見えると思う。でも、それってヨウみたいな素敵な彼氏がいるから成立するってとこもある。男からはあまり相手にされないタイプだよね、実際は。「晴菜って良い友だち止まりなんだよね」レベルな。
その晴菜が素敵な彼とラブラブしちゃってる。愛されちゃってる。そこが多くの少女たちに勇気を与える漫画。
ありのままの自分を愛してもらいたい。それって女の子の理想。
早くラストまで読みたくなってきた。13巻は12月発売。
                         2008/10/4

《こんなふうにおススメ》
作者さんがベテランで、王道な内容の中にも余裕が感じられ、安心して読めます。
できれば、ラストまで単行本が揃ったら、一気に読みたい作品。
                         2008/10/4UP

13巻/
とうとうこれで最終巻。やっと読めた。

ヨウに、東京には行かないで、と言った晴菜。冷静になって、それを撤回する。
行かないと言い切るヨウだが、推薦された大学から合格通知が来る。晴菜は明るく振る舞うが、ふたりはお互いに気持ちを持て余す。
お祝いパーティーや、みんなでスキーに出かけたり。スキー場でナンパされた晴菜。ヨウは気が気じゃなくて、ヤキモチをやく。
ヨウの母親に会う晴菜だったり。
みんなに晴菜のことを言い含めながら、旅立つヨウ。そして一年後……。

最終回に向けて、この巻を終わらせるために、残りのページ数と戦った感のある最終巻だった。急いで風呂敷畳もうとするのが見えてきて、ちょっとしらける。
それまで、ういういの心情や晴菜の天然ぶりを楽しむ作品だったのに、この巻は感情移入より、どちらかというとストーリー、エピソードを追うのが中心。キモチはわかる。難しいよね。
最初から、普通に読んでいけば、そんなに違和感がないのかもしれない。納得するのかも。

晴菜がナンパされて、それにヤキモキするヨウは可愛い。これって、最初の話に掛けてあって、それは楽しかった。
晴菜が成長出来て良かったね、というのが、一年後もあって。
どうもお疲れさまでした。
                         2009/5/27

追記> 最終巻、じっくり読み直し。前言撤回。面白かったです。通しで読まなくても。
晴菜は最後まで晴菜だった。「晴菜を変えてやる!」と意気込んでいたヨウが、結果として晴菜によって変わっていったんですね。恋って良いですね、それが、テーマ。
良くできた少女漫画でした。うん、オススメ。
                         2009/9/29


タグ:河原和音
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2009年05月27日

Over The Moon

【Over The Moon】 全01巻  /宮城 とおこ

短篇集。

・「満月」
双児の兄妹、ナオとアキラ。アキラは満月になると気がおかしくなる。そのアキラを養うため、ナオはスリ行為を繰り返す。

・「W〜double〜」「CAN'T LIVE WITHOUT YOU」
「もうひとり、自分がほしい」と願った川村亜由。「もうひとりの私」を名乗る少女リィンが現れる。亜由に呼ばれて仮想月(リリト)から地球にやってきたという。
この仮想月と地球は表裏一体、それぞれにW(ダブル)と呼ばれている同じ魂を持つ者がいるという。
ふたりでひとつの魂を共有しているため、亜由とリィンも感情や現象が常にシンクロしていく。

・「オタクの花道」
梅原あゆむ、17歳。頭脳明晰、容姿端麗。でも、オタク。四コマ。

・「NEUTRAL」
人造人間、ホムンクルスを創る技術者たち。しかし、ゆつきは失敗作と言われていた。性別が無い中性だったからだ。
ゆつきを製作した狂の息子の竜と、ゆつきの話。

エキセントリックなファンタジー。この作家の初めてのコミックス。
全話においてツッコミどころは満載だけど、それはそれ。

言動不一致のバカな亜由もうざいんだけど、それも含めてたぶん、雰囲気を楽しむ作品なのだ。
四コマが一番面白かった。

奥付けは97年。地球をエヴァと読ませるのも、この時代って感じ。
この頃の絵って、初期の高河 ゆんに似ている。こういう絵、流行ってたよなー。
こういう作風も。そしてテーマも。

今までに読んだもの、いろんな作品の中で、何か引っかかるものがある作品があった。それがなんだかわからなかったのだが、これを読んで納得したものがある。
些細な問題でもそれを飲み込むというより、あえて表面化させて、アイディンティティを壊していくのがカッコいい、みたいな、そういう風潮に対しての疑問だったのかもしれない。
この、たった一冊の短篇集なのだけど、時代というものを感じてしまった。
だけど、こういう蓄積、試行錯誤が、今の豊富なコンテンツを生み出していく要因になっているのには違いない。

この作家もBL(ボーイズラブ)を描いているのだが、そのあたりの“揺れ”も風潮だったのだろう。
ここで、BL論を展開するつもりもないけど、軽く少しだけ。
BLは、70年代から竹宮 惠子に代表される反社会的な立ち位置から、80年代の多様文化の許容を経て、90年代は精神の“揺れ”の位置づけになっていく。
この90年代半ばで、この道は大きく二つに分かれる。それまで辛うじて保っていた表面張力が溢れるように、爆発していくのだ。
それまでの流れの延長線にあたる、“揺れ”たままの、成長期間においての葛藤や人生の模索をBLに預けていく道と、今のお気軽ブームの前身にあたる「もうさ、いろんなこと考えるの面倒じゃない? このジャンルってアバンギャルドで面白いし、それはそれで良いじゃん、楽しければ」的な、ファンタジー要素へと一気に爆発するのだ。
この後者はとても日本的で、江戸の「ええじゃないか」にも現れるように、黒船来航や、明治維新の時なども、民衆に同じような現象が起きている。
良いか悪いかは別にして、風俗文化の成熟のひとつとしてみると、私はそのジャンプをどこかで信じている。

そんなふうに、漫画やアニメを通してその時代を感じてみて、気づくことも多い。
バブル崩壊以降、価値観も大きく様変わりして、内面追求に移行していくのだが、お手軽表層主義が一気に変わるわけでもなく、模索する時代が続くのだ。それが90年代だったのだろう。
2000年を越えてから、バブル期の浮かれた風潮を肌で感じていない若い世代が台頭してきて、これが超個人主義になり,細分化されていく。

例えば、アニメに関して言えば、それまでは、高河ゆんや庵野秀明らの影響は強かったんだと思えるのだ。
行き当たりばったりのエヴァンゲリオンに対しての、サンライズやBANDAI、毎日放送のチームのマーケティングってほんとにすごいと思う。そういうMBAチックな構造の作り方も、ベースが出来たのはこの時期。それまではコンテンツビジネスそのものだって、行き当たりばったりだった。
2000年以降、京都アニメーションを始めとする小さなスタジオや新しい制作会社が現れ、フロッグマンなどのインディーズレーベルが活躍し出すのも、その時代の流れとリンクする。
非常にシステマティックに無駄を少なく、様々な要素を理解した、マーケティングがし尽くされて動く会社が増えている。

「秋葉原の功罪って、今まで皮膚一枚下にあったモノを、皮膚の上に認識しちゃったことだと思う」
秋葉原に住んで、そこで仕事をしている友人の名言。
表面化した精神的病理は、自然の中に溶け込んで、そのままにあるがままに生きる選択になっていけば良いと思う。
最近、アキバ的なものを感じるたび、そう思うのだ。
                         2009/5/19

UP追記>
作品の感想というよりは、時代論になってしまいました。
でも、そのままUP。

《こんなふうにおススメ》
個人的にはこの作品は好きじゃないのですが、この作家さんの思考の流れに沿ってみると、外せないです。
そこは面白いと思う。
この作品にある、揺らぎや危うさを、BL作品で回収しているのも興味深い。



タグ:宮城とおこ
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2009年05月07日

飲みに行こうぜ!

【飲みに行こうぜ!】 全01巻  /二ノ宮 知子

・表題作。
六菱物産営業二課の社内的にも注目のエリート美人社員、丸山佳子(よしこ)。同僚の佐野は、社内結婚したいNo,1。
しかし、ふたりとも飲み出すと、ザルを越えて、枠で(底が元々ない)。

・「瀬戸の花ムコ」
作者、二ノ宮知子の結婚までのドキュメンタリー。

・「おかしくて震えるホラー 蔵出し11連発」
ホラーギャグ。
除霊師、白石君子が遭遇する奇怪な事件のショート、11作品。

・「チビが来たりて紙を食う」
楽屋落ち。猫のチビとの闘い。

二ノ宮知子初作品。
強力すぎる。破壊力あり過ぎ。

営業二課はひたすら飲む。飲み続ける。
ここまでくるとキモチ良いけど、店まで壊して、それも毎日。
飲み代、よく続く。

結婚までの道のりの話は、縄文すぎる! に最初から爆笑。

ホラーは、こんな繊細な線の絵を描いていたのかっ! とびっくり、驚き。
そして、除霊しない霊能者の君子に笑った。

チビの根性、天晴。
                         2009/5/06

《こんなふうにおススメ》
呆れるけど、ほんとに楽しい。



タグ:二ノ宮知子
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2009年05月03日

天才ファミリー・カンパニー(完) 全11巻

【天才ファミリー・カンパニー】 全11巻  /二ノ宮 知子

全国トップの頭脳を誇る天才高校生の夏木勝幸は、母一人子一人。証券マンだった父を6年前に亡くし、製菓会社の企画開発部長である母親良子の仕事を手伝い、己の頭脳を駆使してサポートし、出世させるのが生き甲斐。
その母が突然再婚を決め、今までの人生ではまったく縁のないタイプの父弟ができる。
義理の父の田中荘介と弟の春に振り回されながら、ガールフレンドの永沢京子を助け、周囲の人々をきっかけにチャンスを掴んでいく、ITサクセスコメディ。
勝幸は持ち前のIQを活かし策略を練って進むが、義弟の春の天然ピュアな性格に助けられることが多く、それによる様々な出会いから、新しい価値観を学んでいく、のだが……。

二ノ宮知子が好きだから、評価は甘々です。
ツッコミどころはあるけれど、まだネット社会になる前に描かれた作品としては、よく調べているのでは?
毒のある頃の二ノ宮知子、良かったなー。

ステレオタイプと、ぶっ飛んだ人を共存させるのがなんて上手い作家だろうと思う。
春には驚かされるし、もっと笑えるのは、どんなに影響受けても根本は変わらない主人公。これはのだめにも言えること。
ガンとして根っこが動かないのだ。その安定感はかえって安心さえする。
この、勝幸が良い人になってしまわないのも作品の魅力。
漫画って、最後はよくありそうなベタな「みんなのお陰で生きている、ありがとう!」ってなりがちなのが、そうでないのが嬉しかった。
毒のある(何度も言うけど、この作家さんのは闇じゃない)作品、これからもよろしくお願いいたします。

ちなみにこれ、ホリエモンの愛読書ともして知られていたことがある。
                      2007/11、2009/5/01感想補足。

《こんなふうにおススメ》
二ノ宮作品の中で、これ、かなり好きです。
一時は、のだめよりファンだった。

【スペシャル版】
表紙の絵が出ているのがこれだったので。


タグ:二ノ宮知子
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2009年04月24日

オトダマ-音霊 01巻まで+

【オトダマ-音霊】 01巻まで+  /新田 祐克

人の可聴領域外の音が聴こえてしまう、音感過敏症の音無要(おとなしかなめ)。科学警察研究所をドロップアウトし、“音屋”として生計を立てていた。
かつては“警察庁の耳”とまで呼ばれ音響捜査官として、特捜本部長で警視正の双子の弟で、警部だった永妻恭秀(ながつまやすひで)とコンビを組んでいた、が、二人とも今は警察から離れ、恭秀はストーカーの退治屋などを稼業にしていた。
その“聴こえないはずの音”はたまに死者の声まで拾ってくる。
唯一の理解者の恭秀とともに、要は事件に巻き込まれていく。
恭秀の兄の永妻恭優(ながつまやすひろ)警視正、元精神科医でFBIの研修から戻った唯敷(ただしき)警視らが絡む。
都内で「連続婦女宙吊り殺人事件」が起きて……。
他人の死を予知出来る、死体愛好者の古玉招映(こだましょうえい)は要を狙う。

新書館のウィングスにて、毎回読み切りの連載。
こういう媒体ってカテゴライズ難しい。現在は少女向けらしい。

絵はあまり好きじゃないけれど、上手いと思う。
写実的なのもこの作家さんの特徴だけど、あまりにもノンフィクションな部分もあって、ここまで特定させる物は良いのか? とちょっと心配になる。
そのこだわりが、やがて問題になってしまったわけだけど。

話は理詰めで、めちゃくちゃ面白い。
火曜サスペンス劇場みたい。
なんで? って思うところも多々あるけど、ページ数の関係だろう。
よく調べているし、そこがマニアックで面白さに輪をかける。

先に書いた「ちはやふる」で作家さんの盗作問題に触れましたが、この作家さんも現在不遇中。
一番辛いのはとうのご本人で、もうミソギは終わったのではないでしょうか……。
早く復帰して欲しい。応援しています。

主に活躍の場はBLで、どちらかというと社会派的なものも描いて人気作家。
これは初めての一般作品進出だったのだが、上記の問題でこの作品はこの巻のみで続きは発刊されないと思う。極めて残念。
因みに連載は2巻発刊分に一話だけ足りずに終了。
2巻めは、要と恭秀の出会い。二人と、要の姉でヴァイオリストの結の話。
うぉぉぉ。面白いのにっ! しかも、一番大事な犯人が捕まる直前で>< 連載終了。
悔しいので、2巻目分はノックに入れておく。
どうかどうか続き、出してくださいっ!

BL界の大御所だけあって、この絵を見るとつい、主役二人は実は恋人同士なのではないかと思ってしまう、腐った目線自重。
                         2008/11/24,2009/4/24感想

《こんなふうにおススメ》
続編が読みたい……魂からの叫び。



タグ:新田祐克
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2009年04月17日

夢から醒めても恋してる

【夢から醒めても恋してる】 全01巻  /坂井 久仁江

相原万里香の恋模様を綴る。
・「朝比奈」
万里香は見た目はイマドキの派手目な女子大生だが、優等生をさらりと演じる為に陰では努力を怠らなかった。
図書館の閉館間際、貸し出しの本の冊数でカウンターで大もめしているとき、館員の朝比奈が助け舟を出す。
万里香は恋人の史彬(ふみあき)がいたが、興味はオトナの男の朝比奈に移ってしまって。彼を誘い出すのに成功し、夢中になる。

・「三上」
25歳になった万里香。
同期で恋人の三上智也に誘われて競馬場にやってくるが、そこで元カレの友人、黒崎一彦にばったり再会する。
万里香は結婚を考えて、条件の良い三上を落とそうとしているのだが、街でも偶然に黒崎に会い、気持ちが揺れる。

・「黒崎」
万里香とつき合い出した黒崎の話。

・「夢のつづき」
万里香の妹、弓絵の恋。10年思い続けた史彬と結婚し、イラストレーターの仕事も上手くいって、順風満帆のようであったが。

すっげー。この発想はなかった。
いや、あるのだけど、ここまでオンナを晒すことは無いかも。まるで林真理子の手法みたいだ。
レディースコミックって案外面白いのかも!
今は、国枝 彩香の名前でBLにシフトしている作家さんだけど、レディースも是非是非続けて欲しい。とにかく上手い、面白かった!

現代はどの女性だって、普通に数人の男性と恋に落ちる。落ち着くまでは何人かとつき合って、自分を磨いていくものだ。
憶いだしたくもない恋もあるし、忘れられない相手だっている。しかしそれは親友には話せても、なかなかオープンな話題ではない。秘め事になっているかもしれない。
それを万里香という女性が、恋愛遍歴を重ねて成長していく姿を描いている。
青年漫画ではこれはだいぶ見かけるけど、男性相手に商売をしている女性や、悪女で描かれることが多い。女性への処女信仰はまだあるのだ。
でもなー。こっちがより真実に近い。共感が持てた。

万里香は至ってどこにでもいる普通の女性。
意地っ張りでワガママで、でも思い遣りもあって。特別良い子でもないけど、ひねているわけでもない。
読みながら、万里香のモノローグに「あった、あった。そんなこともね」と微笑ましく思えるのは通ってきた道だからか? 同年代だと、同族嫌悪かもね。

性格の正反対の弓絵で締めくくったのも秀逸。
こちらは、スタンダードな恋愛模様といったところ。
                         2009/4/14

《こんなふうにおススメ》
読めて良かった、久々に心に沁み入るようにそう感じた作品です。



タグ:坂井久仁江
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2009年04月16日

今日から(マ)のつく自由業! 05巻まで

【今日から(マ)のつく自由業!】 05巻まで  /松本 テマリ(原作/喬林知)

渋谷有利(ユーリ)は、野球が好きなごくごく普通の高校生。
友人の村田健がかつあげされていたのを助けようとし、代わりに不良たちの餌食になる。不良たちに、公衆トイレの便器に突っ込まれ、そのまま流されてしまう。
流れ着いた先、そこは異国の地。知らない星で、有利はこの眞魔国の27代目の魔王だと伝えられるのだった。
そこは魔族と人間が争う地だった。ユーリは持ち前の正義感でその戦いを終わらせようと考える。
魔王になることを決意、教育係のギュンターと、前魔王の息子の三兄弟、コンラート、グウェンダル、ヴォルフラムに守られ、魔族と人間の共存の為に、ユーリの挑戦が始まる。
まずは、魔剣モルギフを手に入れる旅。
異世界ファンタジーコメディ。

「まるマシリーズ」と呼ばれるラノベ原作(2009年1月UP時現在既刊21巻)の、漫画版。
アニメ、ゲーム化されている人気作。
アニメはNHKなのだが、NHKってすごいよね。軽く腐ってるの、ちゃんとやるもんな。
まあ、BLもどきではある。漫画の絵師は、BL漫画家さん。
有利の婚約者が男であること以外は(ここはさらっと流してみるが)、普通のファンタジー。

有利の思い込みの激しさでみなを引っかき回すところ、正義感の強さが話の軸になっている。
有利を支えている三兄弟と教育係の格好良さと楽しさを愛でる物語でもある。
それにしても見事に女が出てこない、出てくるんだけど関係ない(笑)。

こういう話を素直に楽しめないくらいには、私はドリームを見なくはなっているんだなー。はいはい、良かったね、と冷めて思ってしまう。
高校生くらいの時期に楽しみたかった。

とはいえ、ちょっと面白くなったところで終わった。4巻読ませてください。
6巻まで漫画も刊行中。それまでラノベを読むかアニメを観るか……。
                         2008/5/18

《こんなふうにおススメ》
アニメ、そして原作も読まないと……だそうです。
うちのスタッフ曰く。

UP追記>
これ、少年系? 少女系? どっちなんでしょう?
一応、媒体が、「月刊Asuka」なので、少女系に入れておきます。
                         2009/2/01UP

4〜5巻/
4巻は前巻から続く話。
モルギフを発動させる為には、人間の命を必要とする。亡くなりそうな人々を探して病院を駆け回るが、かえって元気にさせる始末。
その折、コンラートが「命の最後に立ち会う仕事」のチラシをもってくる。死を目前の同年代の少年を励ますというものだが。
ユーリは早速申し込みをする。しかし連れて行かれたのはコロシアムだった。
そんなこんなでモルギフは発動。
5巻は、ユーリのそっくりさんが現れて。罪人として囚われているのを助けにいく話。

前に読んだのはすでに一年前ですからね、すっかり内容を忘れて読み直してしまった。

漫画、読み慣れたんだなー。前はそんなに面白く感じなかったけど、まとまっていると思った。
アニメもラノベもまだ手つかず。

ちなみに、眞魔国に行っている間、地球時間は動いていないけど、眞魔国に戻るまでにはユーリは行方不明とされている。
どーも、行ったり来たりは故意なの?

ギュンター一人いれば、立派な国王として歴史に残るのが笑う。
記録ってすごい。

「永世平和主義」って良いなあ。
ユーリは選手としては大したことなかったけど、名監督というタイプなんだろうな。

村田健って面白い。
ユーリの婚約者のヴォルフラムの嫉妬深さもツッコミとして面白くなってきているし、全体構成は少女向けとして良く出来ていると改めて感心。

ラノベ、面白いんでしょうね、きっと。
女子高生だったら、大騒ぎしてたのかも。いいなー、今の時代。
                         2009/4/14


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2009年04月13日

裏切りは僕の名前を知っている 05巻まで

【裏切りは僕の名前を知っている】 05巻まで  /小田切 ほたる

桜井夕月(さくらいゆき)は養護施設、朝陽院で育つ。
愛されて育ったが迷惑をかけてはいけないと、高校に入学し、新聞配達をしながら自活を目指していた。
朝陽院を卒業した若宮奏多(かなた)を頼りアパート探しをしていたが、身の危険を感じる嫌がらせの手紙が届くようになり、身辺に不穏な事件も起こり始める。

夕月を助けてくれた叢雨十瑚(むらさめとおこ)と九十九(つくも)の姉弟や、ゼス(ルカ・クロスゼリア)と名乗る、夕月にとって不思議な安心感を持つ人にも出会う。
そんな日、兄と名乗る祇王天白(ぎおうたかしろ)が院にやってきて、夕月を引き取りたいと申し出る。
しかし自分の居場所を探している夕月には、朝陽院を捨てられなかった。

ワルプルギスの夜と呼ばれる、悪魔(デュラス)の力が強くなる日、院の子どもたちが誘拐され、夕月は自分の本当の力を知ることになる。
夕月は祇王一族のひとりであり「神の光」を内在する癒し手だったのだ。
十瑚らはその一族であり「戒めの手(ツヴァイルト)」と呼ばれる戦士であった。罪深き血族(ブランド・ゼス)であり、魔王の血の十字架を背負うゼスは、本名を名乗り、夕月は自分のマスターだと告げる。
夕月は、天白の元で暮らす決心をする。
みなが住む黄昏館には、ツヴァイルトの碓氷愁生(うすいしゅうせい)、蓮城焔椎真(れんじょうほつま)がいた。
この世を壊そうとする悪魔と、祇王一族の戦い。

4巻で、鎌倉に待機の、降織千紫郎(ふるおりせんしろう)、蓬莱黒刀(ほうらいくろと)のツヴァイルトが参加。
5巻は、天白と冷呀(れいが)、夜御(よみ)の過去篇。

自分自身の備忘録として、人物は、呉羽冬解(くれはふゆとき)の妹が綾。
式部為吹(しきべいぶき)と、椿姫(つばき)は姉妹。夕月の母親、観月は式部家の長女。
神命正宗(しんめいまさむね)は椿姫の弟子。


新刊が出て、もうワケわからなかったので、読み直し。

私がこの作品を「少女漫画だ」と言ったら、友人に驚かれ「えっ? BLでしょ?」
違いますってば。
でも、媒体が「月刊Asuka」であるので自由度が高く、しかも運命の男女のルカとユキの生まれ変わりが、今生は男同士になっているというのからも、友だちの感じ方はわからなくもない。
作家はどちらのジャンルにもまたいで人気がある。乙女系ともいえる絵柄もその理由のひとつだろう。
元々は長い間、BL作家として活躍。初コミックスが96年出版。
90年代に活躍し、その後はプロの仕事を休業し同人作家業に、2005年からこの作品の連載が始まる。
初期の頃の作品の方が読みやすい。この作品もそうだけど、視点がコロコロ変わって分かり辛いのだ。でも、初期の頃はそれがあまりない。
最近は、作品に情報を盛りだくさんに入れ過ぎなのか?
絵は初期に比べてこだわりが強く細かい。

最初は設定があり過ぎて、整理していくだけになる。面倒くさいが、巻末の用語集とともに読むべし。
5巻でまだまだ真実も明かされていないし、導入部分。どんなに壮大な物語。
まだカードが出揃わないので、どんな話になるか予測もつかない。

祇王天白の名前はなんだか怪しい占い師みたいだ。
秘書の式部さんは式神っぽい。でも、女官の役職の意味の方だろう。
この作品もMac泣かせの名前の数々。漢和辞典、大好きなんだろうな。私も好きだけど。編集者さんも大変。
蓬莱だって、難しい方の字だよ。十瑚も、湖だと思ってましたよ。
                    2008/2、2009/4/13感想

《こんなふうにおススメ》
乙女系好きな人にも。カッコいい男の子たちのハーレム漫画です。
でも、ゲームみたい。設定多すぎだよなー。

【コミックセット】


【コミックス】


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2009年04月10日

絶対彼氏。(完) 全06巻

【絶対彼氏。】  全06巻  /渡瀬 悠宇

井沢リイコは、幼馴染みで隣人の浅元ソウシに世話を焼かれている、通販好きな恋多き高校生。
その朝も石関に告白するが速攻、秒殺で振られる。
自棄になって、胡散臭い関西弁のセールスマンから聞いたサイトにアクセスしてしまい、“夜の恋人”等身大フィギュアのお試しキャンペーンを注文してしまう。ところが届いたのは、人間と見まごう美青年のアンドロイドだった。
フィギュアはリイコに名前をつけられ、天城ナイト(てんじょう)としてリイコの恋人になるべく精進し始める。
それをそばで見ているソウシも気が気ではなく。

短篇は、6巻目に「お星サマにはさせません」
永津知真(ちま)は霊感が強い高一女子。いつも電車で見かける彼が気になっていた。
叔父に頼まれ、男子校をお祓いに行くと……そこには彼、司紀陽(つかさきよう)がいて。見かけなくなったと思っていたら、文化祭の準備で一緒に亡くなった生徒会役員たちとともにいた。
知真は彼らの思い残しを手伝って、成仏してもらうことを約束してしまう。

「少年アロマティック」
香吹薫継(たぶきたきつぐ)は、校内で怪しいバイトをしている。
香道一家に育った彼は、人のフェロモンを嗅ぎ分けることが出来るのだ。
バイトとは「縁組香」、つまり男女のフェロモンを嗅いで、相性の良い縁組させていた。
しかし同じ学年の山岸初音だけはフェロモンを感じない。

やられた。こんなに面白いとは!
一気に読んだ。
テンポは抜群に良いし、笑えるし、ボケとツッコミのタイミング最高。上手い。魅せる。
代表になる作品が多いので、この作家さんはずっと気になっていた。
さすが、それだけのことはある。
ドラマになって人気があったのだが、あえて読もうと思っていなかった。
でも、ふっと手にしたら(理由は、テレビをまったく観ない……(観ないんですよ、DVDしか。電源入れるの半年に一度くらい……)私が、ネットニュースで「水嶋ヒロ結婚!」を観て、どんなのに出てる人なんだろー、と調べたのがキッカケでした。世事に疎すぎ)一気に読み切った。

リイコはめちゃガサツで無神経なサバサバした女なんだけど、女性から反感を持たれるタイプじゃないのもイイ。
でなければ、こんなイケメン二人に愛されて、どこか酔うタイプだと「おいっ!」とムカついてくるからだ。ここのバランスは絶妙。

リイコの、「人を好きになるって世界中のみんなだって、ちゃんとわかっているのか?」の疑問は共感。好きなんて主観だもんね、わかりにくいし、勝手なものなのだ。
「誰かの特別な存在になりたい」のも、人類共通の誰もの願いじゃなかろうか?

ちっちゃいナイトに爆笑した。

テンポ良過ぎ。リイコのツッコミ最高。

宮部サンは、宮部みゆきから?
イイ味出してて好き。

ナイトとソウシに感情移入してしまった。
どんなふうに収めるのかハラハラしたけど、絶妙な終わり方。
これ以上の締めくくりはないと思える。すごいなー。脱帽です。
最後はちょっと泣けた。

どこまでも自分を愛してくれる、等身大フィギュアか〜。……。(←なんか考え込んでいる、笑)
短篇も面白かった。

ドラマの方は、リイコとソウシは高校生ではなく、上司と部下の関係らしい。
                         2009/4/03

《こんなふうにおススメ》
かなり面白かったんですよ。月並みな台詞かも、ですが、おススメです。
この作家さんの他の作品も読みたいです。

UP追記>
ドラマスペシャル観ました。
個人的な話としては、今のスケジュールで2時間ドラマって、時間的にきついけど、面白かった、上手かったなー。
この設定あってこそ。もうね、秀逸。

【コミックセット】


【コミックス】


タグ:渡瀬悠宇
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2009年04月08日

QP -キューピー(完) 全02巻

【QP -キューピー】  全02巻  /おおや 和美

隣り同士に立地している、光女子高等学校と男子校の望学院。その両校を繋ぐ中庭に、合同サークルが設けられていた。
そのひとつ、「超常現象研究会」略してQPには、望学院の美を競う、塚原基(つかはらもとき)と遥貢(はるかみつぐ)がいた。
阿川千尋は、遥を気にする親友の岸田藍にほだされ、「なんらかの能力を持っていなければ入れない」この研究会に入部してしまう。
しかし、千尋と基は、一緒にいると貧乏くじを引く最悪の相性だったのだ。

1巻短篇は、
「最後は天使のチェックメイト」
皆川財閥のお嬢様の愛子は誘拐歴3回に及ぶ。天然な愛子が一目惚れした相手は、校内の不良を束ねていると言われる福王和樹だった。

「みるく・ぼーい しゅがあ・がーる」
遠野先輩の家に行く途中、吉村美琴は青年に声をかけられる。迎えにきた遠野の弟、忍だった。

2巻短篇はQPの番外編。「ホーリーナイト」
中学生の時の遥貢の話。事故にあった有名歌手の志方桂花の霊と過ごす。

「尚之くんの素敵な日曜日」
千尋の弟の尚之は、遥と基に憧れている。QPの4人と一緒に出かけるが、異常なあれこれが起こっていく。しかし、4人が脅威のコンビネーションで切り抜けていくのに、驚く。

別冊少女コミック。連載は88年から。
昔はこういうのが少女漫画だったなー。なんかこそばゆい。
特に女の子のキャラ設定が、です。
今は、自然体の女の子が人気。これも流行がありますね。
千尋がうざく感じる。気の強いわりにはっきりしないところ。
男子もやたら乱暴。これも昔の流行だな。20年そこらで変わるもんですねー。

絵も運びも上手い。少女漫画で人気があったというのもわかる。

後半、急にオカルティックになる。
もちろんQPだから、なんだけど、いきなりの路線変更に見えるくらい、シーンが変わる。

先生、授業中に生徒に手紙を書くのはやめましょう。

「尚之くんの素敵な日曜日」が一番面白かった。
この路線で連載してほしかった。
                         2009/4/03

《こんなふうにおススメ》
今はBL系で活躍の作家さん。かつては少女漫画で人気。



タグ:おおや和美
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2009年03月11日

腐女子彼女。 02巻まで

【腐女子彼女。】 02巻まで  /神葉 理世(原作/ぺんたぶ)

大学生の武藤大河(たいが)は、好みの女性がいたために、興味のないアパレル関係のアルバイトを決める。
その会社の入社三年目の事務職員、飴谷結子が、その一目惚れした年上の女性の名前だった。
商品をミスで無くした日、結子に探すのを手伝ってもらってから距離が近くなる。
初デートで告白したら、「腐女子を認めてくれるならOK」と返事を貰い、意味もわからず頷いた大河。
腐女子彼女との新しい日々が始まる。

主人公の男子の名前が、すでに腐女子好みなのに笑った。

告白時に腐女子宣言するのだが、それって実際はどうなのでしょうか。
黙っていて、バレていくものなのでは……と思ったけど、この場合は彼がぞっこんだったから、なんだろうな。

ところどころ801ちゃんと内容は絡む。
でも、あちらはチベくんの文才が天才的なので勝ててない気も。
オリジナルの原作は面白いのでしょうか?

一年前に読んでいたのだが、感想を書いてなくて読み直したら……。
ストーリーに完璧についていけてる自分に驚く。すごいなー。学習の成果。
腐ネタに対してのツッコミスキルが上がってしまって、ヒトコト言わずにはおれない大河には爆笑した。よくわかる。
それにしても、セバス、あんたは偉い。

名言は、「隙がないのは、萌えがない」
なるほど。

ここで改めて表記することでもないけど、腐女子とオタクな女子は違う。
オタクな女子は、健全に(?)アニメや漫画が好きな女子のこと。
腐女子は、普通のアニメや漫画を、BL(ボーイズラブ/男同士の恋愛)仕様に、勝手に許可なく改変したり、BL漫画や小説、BLCDに入れ込む女子をいう。
私は、腐女子DNAは存在すると思っていて、それがなければよくわからない、私にもまだ理解不能な、深い(腐海)世界なのだ。
                          2009/3/09

《こんなふうにおススメ》
腐女子を理解するのに良いよ、と言ってたんですが、それでも結子の言動はマニアック。
可哀想な大河を愛でるお話です。



posted by zakuro at 03:41| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月10日

正しい恋愛のススメ(完) 全05巻

【正しい恋愛のススメ】  全05巻  /一条 ゆかり

それなりにルックスも良く、成績も悪くなく、友だちにも恵まれている高校生の竹田博明は、可愛い彼女の美穂もいて、学生生活にもとくに問題はないのに、獏とした不満を抱えている。
友人の護国寺洸に誘われ、出張ホストのバイトを始める。
生活に刺激を求めていただけだったが、ある日、自分を買った女性、岬玲子にうっかり感情移入する。
妙齢の仕事もできる姉御肌な女性は、なんと恋人の美穂の母親だった。

年相応の彼女と、人生の酸いも甘いも知り尽くした美女とに揺れる、若い男の話。

恋愛に「正しさ」なんてないと思うけど……。
ちょっと説明チック、説教臭いのはなんだかなーと思ったりするのだが、そういう漫画が読みたい年頃があったことに気づく。
話は大御所が描くだけあって面白い。

ただ、年増な女の願望が凝縮されているように思えて、きついなーと思ったのも事実。
若い男が自分の為に悩んだり、じたばたするのを見るって楽しいんだろうな。

イマジンの美津子さんの方が共感できるのは、人生の目指す好みのためかも。
忙しくても、男を買う発想はないな。それが素敵な生き方で、奔放で固定概念からも自由な女だとも思わない。そんなに頻繁に、いろんな若い子たちを喰らうって、どこか壊れている気がしてしまうのだ。

時間ができれば読み直して、ライブ感のある感想は書きたい。
                         2007/9 感想は2009/3/09

《こんなふうにおススメ》
オトナの女性のストレス解消には良いのかも。



タグ:一条ゆかり
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2009年03月08日

トレイン☆トレイン 03巻まで

【トレイン☆トレイン】 03巻まで  /影木 栄貴

猿田朝日はその昔、まだ子どもの頃、ローカル電車の運転士だった今は亡き父に、こっそり運転席に乗せてもらって見た光景が忘れられなかった。
高校を卒業し、晴れて憧れの電鉄社員として一歩が始まる。研修を終え、南北沢駅、通称ミナキタに配属が決まったが……。そこはイケメン駅員駅として有名スポットだったのだ。
お金持ちで不良駅員の松丸北斗、本業はアイドルタレントのクールな益子つばさ、実は女性の古川ひかり、東大出身の元ヤンキー藤沢快慈ら、彼らが共通するのは電車オタク、癖のある同僚たちの中で、父親のようにの秋田助役、宮城主任が見守りながら、朝日が成長していく物語。

つだ みきよの「プリンセス・プリンセス」を読んでいて、コラボしていたので、こちらも慌てて読む。

予想外に面白い。
話の進行は、電車や電鉄会社の抱えるものが中心で、駅員さんたちの苦労が偲ばれる。
それが面白い。
イケメンぶりは二の次で、良く出来ている。

モデルは小田急電鉄の下北沢駅。
作者の学生時代の、この駅でのアルバイト経験が生かされている。

4巻は果たして出るのだろうか? 大いなる謎。
                         2009/03/04

《こんなふうにおススメ》
期待していなかったのですが(すみません!)面白かったです。
電車好きじゃなくても楽しめる。
駅員さん、いつもありがとう! そんな気持ちにちょっとだけなれる。




タグ:影木栄貴
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2009年03月07日

プリンセス・プリンセス(完) 全06巻

【プリンセス・プリンセス】  全05巻 
【プリンセス・プリンセス+】 全01巻  /つだ みきよ

河野亨は高校一年が始まって二ヶ月目に、男子校の名門校、藤森学園高等部に転校することになる。
初日から、周囲の特異な状況に不安になって。
それは、男子校に潤いを与える“姫”候補として、値踏みされていたからだった。
河野が姫に選ばれ、晴れて、四方谷裕史郎、豊実琴のプリンセストリオが決定する。

「プリンセス・プリンセス+」は、次世代の姫になった和泉巴と松岡桐矢へ。
元姫三人に徹底的に鍛えられる。
金持ちで天然の和泉と、両親を早くに亡くし貧乏ながら頑張る松岡。最初は険悪な二人だったが、誤解が解けて。

ファミリー・コンプレックス」の次男、坂本秋良、「続・革命の日」の恵の恋人の豊実琴も同級生として出てくる。両方読んでおかないと、4巻くらいになったらよくわからなくなるはず。
ついでに、影木 栄貴の「トレイン☆トレイン」ともコラボしているので、そっちも読んでおかないとわからない。

タイトルはプリンセスが重なっているのに、女子はほとんど出てこない。
出てきても、「革命の日」の実琴のお姉ちゃんの麻琴と、彼女の恵くらい。

あっという間に、河野が馴染んだのには笑った。あんなに引っ張ったのに。

河野の妹が出てきた時、四方谷がその状況を心情化するのだが共感した。
自己中ってあるよね、微妙なところでキモチを押し付けちゃうって。難しい。
この作家さんの、初めて共感出来た作品。良かった。

とはいえ、なぜペンネームを分ける必要があったのかわからないほど、BLモドキ。
普通の友情物語、のはずなんだけど。端々が。たまーに台詞にかゆくなる。
まあ、これがこの作家さんの作風なんだと思えた。

人気の秘密は、男の子三人が女の子になることで、直接的な感情移入をせずに、愛でられるからかもしれない。構造はBLと一緒。
男子が「二次元しか愛せない」と言って、バリアーを張るのと似ている。

アニメにもなっていたんですね。
どんなふうに演出するんだー? と、1話だけ観てしまった。一話観、多いな。
四方谷がかなり長髪。
髪が信号機なのが笑った。

河野と四方谷がだんだん双子みたいなシンクロキャラになっていくんだけど、前々作の麻琴と恵のように、これは作者と盟友影木栄貴との関係そのもののミラーリングなんだろう。
その仲良しを作品にまで出してどうなんだろう? って思うけど、中高生女子にはウケが良いんだろうな。

コスプレさせたくって、しかもストラップパンプスとブーツの両方を見せたいがために、わざわざ話を作っている根性には笑える。それはそれで偉い。
姫三人のコスプレを愛でる作品。
                         2009/03/04

《こんなふうにおススメ》
一番おススメしたいのがこの作品なのだけど、リンクが多過ぎて、過去作を読まないとわからないのが……。



タグ:つだみきよ
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2009年03月06日

本屋の森のあかり 01巻まで

【本屋の森のあかり】 01巻まで  /磯谷 友紀

郊外にも店舗展開している須王堂書店の支店に三年勤めていた高野(こうの)あかりは、東京本店に転勤で26年間暮らした愛知の岡崎を離れる。
本店には、副店長で本好きの寺山杜三、派手だけど姉御な主任の佐古栞、あかりと同期で嫌みばかりの美男子、加納緑、BL同人作家でもあるコミック担当のアルバイト森下紀子らがいて。あかりの奮闘する日々を描く。

One more Kissと、Kissに連載。
この作家さんの初コミックス。

本屋さんでアルバイトしていた経験なのかと思えるくらい、よく取材している(働いたことはないそう)。

読んでいて心がほっとする。ほのぼのタッチも作風に合っている。
かなり面白いし、好きな作品。
本を読みたくなるし、本屋さんに行きたくなる。
こういう作品がもっと増えて欲しい。

毎回タイトルは、いろいろな作品がモチーフになっていて、本の紹介にもなっている。
宮沢賢治の回は、本を読み直したくなった。

既刊はすでに4巻。手元に1巻しかなくて残念。
続き、早く読みます。

余談ですが、ジュディマリのYUKIちゃんの本名(旧姓)と一緒ですよね、漢字は違うけど。
                         2009/03/05

《こんなふうにおススメ》
かなりおススメ。元気になれます。


タグ:磯谷友紀
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2009年03月05日

ファミリー・コンプレックス

【ファミリー・コンプレックス】 全01巻  /つだ みきよ

美男美女揃いの坂本一家。
両親は若々しく、兄の春海、姉の夏流、妹の冬姫……と、みな美しくカリスマ性をもって人気がある。しかし、次男の秋良だけが平凡で、家族仲が良い分、疎外感を感じていた。
兄妹4人の日常の悩みを中心に話が進む。

前作で貶してしまったので、褒めたいと思って「プリンセス・プリンセス」を読みかけたら、こちらから繋がっていることが判明、この作品に手をつける。
なるほど、坂本次男が次作にも登場なのか。

ちょっとBL、百合系が匂うのがこの作家の特徴。
夏流の女子校生活は、なんか自分の頃を憶いだして懐かしい。
よく後輩から告白されるんだよね、女子校って。

衝撃だったのが、作者の網膜剥離の体験談。なまじのホラーより怖かった。
いつ大病しても良いように、お金だけは溜めとかなくちゃな、と変なことを思った。
                         2009/03/03

《こんなふうにおススメ》
これを読まないと、次の作品がわかりません。


タグ:つだみきよ
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2009年03月04日

革命の日 + 続・革命の日(完) 全02巻

【革命の日】【続・革命の日】 全02巻  /つだ みきよ

吉川恵(けい)は、神明、立待、鳥羽らと、下克上カルテットと女生徒に騒がれる程の男子。生徒会長の河和田まで何かと気にかけてくる。
そんな男子として生きていて15年。貧血が続いていて、ある日倒れて。
運ばれた病院で、真の性別は女だったと宣告される。

親子の問題が多く出てくるのは作者のトラウマ?
せっかくの話なのに、まとまっていないのが残念。

恵の昔の仲間たちにカミングアウトも、もっと溜めて欲しかった。
昔の仲間もあっさり受け入れ、みなでプロポーズも安易過ぎ。
コメディにしちゃうにも中途半端。
最初はBLっぽかったのが、百合系にもなってて、まあ、別名の蔵王大志でどちらも描いている作者さんだからそうなのかもしれないけど。
シリアスを期待した分だけ、軽い萌え系になっちゃってるのが残念。
                         2009/03/03

《こんなふうにおススメ》
この作家さんのファンの方に。
まだ他の作品を読んでいないので、そっちに期待……。



タグ:つだみきよ
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2009年03月03日

かえで台風-タイフーン-

【かえで台風-タイフーン-】 全01巻  /桃栗 みかん

楓は、代々由緒ある忍者の如月家の跡取り娘。
家を守るには婿を取らねばならない。そして、自分より強い男子を迎えねばならず、勝手に山を下り、家出する。父の玄舟はそれを三郎に追わせるが。
空手道場を営む父の元で育ったユースケと偶然出会った楓は、空手はとうに辞め、弱いけど優しいユースケに惚れる。

短篇は「気ままに女子高生」 
高校生の森村陽一の母は、肥満を気にしながらもずぼらで体調不全で薬に頼る日々。
ある日、薬の飲み合わせか、突然若返って痩せてしまう。調子に乗った父は、母を陽一の高校に転入させる。

なんと!! マーガレットコミックス!! ぶ〜けに連載だったらしい。
でも、どこをどう読んでも、少年漫画的展開なのは……。
少年誌になって良かったですね。

女の子はほんとに可愛い。楓ちゃんの髪型イイ感じ。

桃栗みかんは、「いちご100%」(週刊少年ジャンプ)の河下水希の別名。
ちなみにこの「いちご100%」は、最終回に満足いかないとの声を聞くことが多くて、まだ手が出せていない。

絵、上手い、キレイ。
これが初期の作品なんだー。バランス良いし、プロってやっぱ違うよね(←何を今更)。

すもももと、違うのは、最初から楓とユースケが相思相愛なこと。
モモコと違って、楓がセクシーなこと。

面白かったのに……。完結して欲しい。
                         2009/03/03

《こんなふうにおススメ》
この作家さんのファンの方に。完結してないのが悔やまれます。

UP追記>
桃の節句ということで。



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2009年02月25日

イマジン(完) 全11巻

【イマジン】 全11巻  /槇村 さとる

不動産ハウジングメーカーに勤める飯島有羽は真面目で几帳面なOL。
母の飯島美津子は建築家として名を馳せ、またその美貌と言動で、時の人でもあった。が、男にも生活にもだらしなく、有羽は母の面倒を見ながら堅実な人生を歩む。
そこに田中洋介が有羽の部署に転勤してくる。地味だけれど、真面目な性格の洋介に有羽は惹かれていき……。
ウブな有羽の恋愛を通し、母娘を描く。
遠距離恋愛、美津子の大人の女としての恋愛、そして離婚した父との親子などをテーマに、オトナの女には無意識では“なれない”ことを伝えてくる。

実は想い出深い作品。
この作品がドラマになった時、美津子の仕事を描くためにと、プロデューサーから軽く職業取材をされたことがある。
そして逆にお願いして、当時私の関わっていた物件をロケ地として撮影していただいたのだ。
ありがとうございます。
懐かしい。10年なんて、あっという間の日々ですね。

初見はその時に読んだ。そして一気にのめり込んだ。
美津子の生き方がとっても新鮮で、学ぶことが多かった。
考えさせられ、気づいたことが多いのだ。
感覚的なもの、しかし人生には大事なことを描くのが得意の作家さんだと思う。

今は親友が、槙村さんとたまに講演会のパネリストとしてご一緒することが多いのだが、最初の頃、「私の青春は槙村さんだった。学生時代によく読んで、ずいぶん泣いた」と話したら……
「アタマ、大丈夫?」と言われたそう(笑)。
もう……お人柄も大好きです。
                         2009/2/25に感想

《こんなふうにおススメ》
女性には特におススメしたい。
年代が進むにつれて、その時々で何度でも読みたくなります。

【文庫版】

タグ:槇村さとる
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2009年02月24日

OUT

【OUT】 全01巻  /二ノ宮 知子

人気急上昇のイラストレーター、森川真子。
ヒモ同然の居候男、歌田一郎と暮らしている。
彼、歌ちゃんは、爆発物や変なスーパーロボットを工作したり、怪しげな友人たちがいたり、謎だらけの男。
この男、マコにとって幸運を運んでくる男か、それともクズなのか? 

短篇で「勝負しようぜ!!」 
剣道の名門道場のライバル、月島家と、名城家とを親に持つ、里子と忍の真剣勝負の恋物語。

初期の作品。トレンディー漫画っぽい。

変人を描かせたら、なんてイキイキしているんだっ! 二ノ宮知子!

ドンペリのラッパ飲みに大爆笑した。

真子のトンチンカンさは実は笑えない。
流行もの好きのミーハーで情報に流されやすく、自分が無い勘違い女のデフォルメだからだ。
それと比べ、変人キャラはしっかり自分を確立している。
ここの落差を見せるのが、この作家さんの面目躍如なところ。

ツンツンの男の人、ほんとに好きだよね。

話も毒があって(ありまくり)面白い。
うーん、ついていきます。
                         2009/02/24

《こんなふうにおススメ》
のだめ好きは、好き嫌いが分かれるかも。私は、もちろん大好き。



タグ:二ノ宮知子
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2009年02月22日

サイキック・ドクター越智啓子の不思議クリニック(完) 全05巻

【サイキック・ドクター越智啓子の不思議クリニック】 全05巻  /堆木 庸森村 真琴(1巻のみ)(原作・監修/越智啓子)

※ 復刊版のソノラマコミック文庫は、全03巻。

大学病院に勤め、そして海外留学までした精神科医が、スピリチュアルなチカラを持って患者さんたちを癒し、治していく実話を元に描かれた作品。
過去世(前世)療法、退行療法、フラワーエッセンスやアロマテラピーなどの効果を、様々な臨床実例であげている。

「サイキック・ドクター神澤美香の不思議クリニック」が手持ちの本の題名。
当初、原案ネタ元の、越智啓子さんは監修にあたっていたのだが、後に発表された、実際に治療を行った症例が多数書かれている実話の本(多数出版されています)が有名になってしまい、一番最初に越智さんを紹介したこの漫画作品を復刊するにあたって、開き直ったのだろう、偽名を正して本名に戻している。
こんなにスピリチュアルな、一見怪しげな内容なのに、復刊は、朝日新聞出版(ソノラマコミック文庫)って……世の中も変わったなぁー。すごいよね。

この先生、実際にお目にかかり、私もセッションを受けさせていただいたことがある。詳細は書けないが、とにかくすごかった。
一緒に同行したメンタルを長年患っていた友人は、治療が終わったら、病いが「消えて」しまったのだ。
そばにいて、本当に驚くべき出来事だった。

越智先生、今やすっかり有名になってしまい、予約が取れなくなってしまった。
私たちはラッキーだったのだろうな。

難病を患う患者さんたちは、世の中に大勢いる。
こういう治療、もっと知られ、認められていったら良いですよね。
                         2007/ 
                         2009/2/22感想を記録

《こんなふうにおススメ》
スピリチュアルな治療ってどんなものなのか。興味のある方にオススメ。
具体的に生活や人生に役立つ実例も出ています。

【ソノラマ文庫版】
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2009年02月17日

ときめきトゥナイト+ときめきトゥナイト番外編-星のゆくえ-(完) 全31巻

【ときめきトゥナイト】【ときめきトゥナイト番外編-星のゆくえ-】(完) 全31巻  /池野 恋

中学二年生の江藤蘭世(らんぜ)は、吸血鬼の父と狼女の母との間に生まれた、生粋の魔女っ子のはずだったが……何にも能力のない女の子。
弟の鈴世(りんぜ)とともに家族で暮らすが、できそこないの娘を嘆き両親は喧嘩ばかり。それもいつものことで、蘭世はすっかり慣れっこになっている。
転校した初日、隣りの席のちょっと不良の真壁俊に恋をして。その俊をめぐってライバルの神谷曜子に噛み付いた瞬間、相手の姿に変身してしまう。
永遠の愛と家族や仲間との絆を中心に、蘭世の恋の行方と冒険を描いたどたばたラブコメファンタジー。

三部作構成。一部は、蘭世と俊の恋。
二部は、なるみと鈴世。
三部と番外編は、蘭世の娘、愛良。

82年から94年まで、集英社の「りぼん」での12年の大連載。
その間、作者は23歳から35歳へ。女性が自身についていろんなことを考える年代に描き続けたいうのは、どんな感じなのだろう。
ちなみに、昭和50年代半ばまでは、女の幸せは結婚だった時代。連載は、昭和57年からスタート。
まさに蘭世は、当時の女の子の理想だったのだろう。

女の子の恋するキモチがいっぱいに詰まった作品。
女の子の願望や妄想がそのままストレートに出ていて、それがストーリーの軸になっている。
大人になってから読むのは気恥ずかしくなるが、ここまで素直に表現されていてそれが肯定されていると、思春期には影響を受けると思う。

1話目はあまりにもベタで笑った。すごい王道。なんだか「りぼん」らしくほのぼのした。設定もベタベタ。
カッコいいちょい悪だけど親思いの同級生に憧れる、純真で天然でドジッ子で、しかも積極的(ここがかつての少女漫画的王道。実際には矛盾がある設定で、今はここのトラウマのようなモノが中心に描かれることが多い。リアル化してきているともいえる)にアプローチする、ちょっと訳ありな可愛い主人公。ライバルはヤクザの娘で……。
蘭世は当時の少女の憧れだったんだろう。可愛らしくて、魔女で、空想好きの女の子。じたばたはするけど、ご都合主義極まれりの、全世界が蘭世の味方をしてくれる。
まとめて読むよりも、小学生か中学生の時代に連載で楽しみたかった。なんか懐かしい。
こういう時代だったよなー。こういう漫画が女の子に支持され、楽しまれていたのだ。
ツッコミどころは満載、でも、それさえも楽しめる。
一種のハーレクインロマンス。今はこれだとベタすぎるので、そんな設定はBL方面に行ってしまったのかもしれない。

最初の頃の巻は、体罰シーンも平気であるし、親の台詞も「それ、言っちゃいけないだろう?」ということを平気で言ったりして、しかもそれがギャグでとらえられている。
なるほどなぁ、花より男子のつくしの両親が酷いのも、デフォルトだったのか。
今の時代だと、編集部が差し止めするんだろう。
どんな酷いことをしても言っても、決して揺るがない家族の絆というものがかつてはあって(作中はそれが描かれている)でも、今はそれが簡単に揺らいじゃうから、親子の言動さえも規制がかかる。
不自由な時代になったのか、社会が神経質なのか、人の心が研究されてきた成果なのか……。どちらにしても今は、みんなが生きにくい時代であるのは間違いない。

素人の私でさえ気づく。スクリーントーンがない! 手描きだ!
たまに見かけるけど、ほとんど最初の頃はトーンを貼っていない。

これを少女時代に読んできた女の子たちが、今は母になっている。
ちなみに1968年生まれの蘭世は、今年41歳。
蘭世は、エトランゼ(異邦人)から。

14巻、蘭世の身につけていた指輪が光って道を示すくだり、まるで天空の城ラピュタのようと思ったのだが、連載は昭和61年の秋で、ラピュタ公開はその夏。
良いんでしょうか、こんなにパクリで。
平和な時代だったんだなぁ。他にも元ネタがはっきりわかるようなエピソードが多数。
今じゃ、きっとこの作品は出来ない。

16巻のポセイドンの使い、神谷曜子に大爆笑した。まるで大仏。
ギャグ漫画なのだけど、素直に笑えたのはそれくらい。
大人になってしまった自分が恨めしい。

本編といえる話は、番外篇を含めて16巻まで。
あまりに人気で、終わらせられなかったのでしょうね。
最後は破綻気味なのは若干残念。

番外編の31巻目は、作者が書き残したエピソードを入れている。
まあ、ああいう形でなければ、読者も納得しなかったんだろう。
                         2009/02/16

《こんなふうにおススメ》
昭和の時代の少女漫画の代表作のひとつ。いろいろと考えさせられました。
「マンガ・エロティクス・エフ」のインタビューでは、アニメ化が最初から決まっていて連載が始まったとありました。集英社的メディアミックス初めての作品。

【コミックセット】


【コミックス】


タグ:池野恋
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2009年02月09日

天狗神

【天狗神】 01巻まで  /夢花 李

日本国土がまっぷたつ。しかも国民も東西に分かれて、戦争を始めてしまう。
内戦が当たり前になるくらい時が過ぎて、東雲(しののめ)と水雲(もずく)の双子の兄弟は、閉鎖された空間ではのんびり平和に暮らしていた。
兄の東雲は不思議な力を持っており、東雲にお願い事をすると叶うと言われていた。
その兄と間違われ、水雲は鬼たちに取り囲まれる。鬼は、東の神である東雲を連れて、西の神との戦いを治めようとしていた。
水雲が兄を助けるため、命をかけて平和を祈願出来る不浄なき人間を、一ヶ月以内で探すというところまで。
水雲の過去世と、頓鈍坊との間にできた絆の話もまだまだ続く。

出張先が、熊野古道の山の奥。旅先の読書にベストだと思い持参。
内容は歴史ものというよりスペースファンタジーが強い。
過去世の話の方が面白いかな。

BLかレディースか、ぎりぎりまで悩んだ。
この作家さんのこの名義だとBLになりそうな部分も大なのだが、鬼畜設定にならない人なので、兄弟ではそれ以上にあり得ないと思い、レディースカテゴリーに。

「夢幻アンソロジー」という季刊雑誌に連載、なかなか単行本化されないのは不安になる……。
巻数は書いてないのだが、まだまだ続く。第一巻のこれは、まだまだ何も描いていないに等しいくらい序章。
大好きな作家さんなのだが、未完作が多過ぎてそれも不安。

話は、西の神が役行者の生まれ変わり、東雲が泰澄の生まれ変わりというもので、それも今後の展開として興味。
設定的には、無理やりくっつけた感もあるのだけれど。

絵、ほんとに好き。
続き、楽しみにしています。
                         2009/02/07

《こんなふうにおススメ》
「てんぐじん」と読む。
絵、変わらず美しいです。ツッコミどころは満載。続き出ると良いなあ〜。
こんなに漫画を読むようになるまでは、発刊されることって実はとても大変なものなのだと、知らな過ぎました……。
作家さん、頑張れ。そして出版社も……。



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2009年01月29日

NICO SAYS

【NICO SAYS】 全01巻  /小野塚 カホリ

短篇集。
・表題作。
ニコは幼いときからのトラウマを抱えていた。それが兄の月人にバレると嫌われると思い、しかしその心の膿みは日ごと大きくなり、その穴埋めのように実の兄に抱くように強要する。
ニコの壊れていく様を描く。

・「熱帯」 
夏休み、生活指導の教師に強姦された麻衣子。学校に四日間監禁され、快楽を味わいながらも心に空洞ができる。

・「キス」
紗英子は先輩の岡田が好きで、告白する。彼女がいることは知っていたけど、気持ちは抑えられない。
岡田の彼女の珠花子はそれに感づいて、友だちを唆し、紗英子に暴漢を仕掛ける。

・「めかくしおに」
さほとなっちゃんは幼馴染み。好きで仕方ないけど、いろいろ不安で。

狂気と恋心がこの単行本のテーマになっている。
濃い。詰まった感じ。
人が人生を歩む中でバランスを取って生きることって、実はとてもたいへんなことなのではないか? 

ヘタで仕方なかった頃と作者の弁だが、こういうのはきっと本人にしか、または絵描きにしかわかんないんだろう。
美大に通っていると感じるような、スノビッシュなものに憧れる感じがいっぱいに散りばめられている。
                         2008/6/28

《こんなふうにおススメ》
岡崎京子、桜沢エリカの継承、そんなイメージ。
でも、個性はしっかり際立っていて、おススメな作家さん。



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2009年01月08日

あさきゆめみし(完) 全13巻

【あさきゆめみし】 全13巻  /大和 和紀

日本が誇る古典の名作、紫式部の「源氏物語」を漫画にしたもの。

帝の御子として生まれた君に、寵愛した父帝が、政権争いに巻き込まれぬように臣として氏を与える。
成長した青年は、源氏の君と名乗り、数々の女性と浮き名を立てる。
光の君と呼ばれたひとりの男を巡っての、女性たちの生き様、恋愛模様、人生のあわれを綴った物語。
10巻までが光源氏が主人公。11巻から二部として、薫がメインになる。

原作について多少……。
正直、幼い頃はなぜこれが日本の名作になるのかわからなかった。
何もかもを持ち合わせた王子様である色男が、ありとあらゆるタイプの多くの女性とやりまくっている話じゃないかと嫌悪感すらあったのだ。
それでも古典も読んだし、現代語訳も読んでみた。尊敬している多くの作家が、この作品を研究し読みもどいていたからだ。
でも今いちピンとこない。丸谷才一氏、大野晋氏さえも源氏物語から話をするのに、この作品の良さが、当時、私にはわからなかったのだ。
ところが漫画とはいえ、今回、その意味合いを理解することが出来た。大人になったということなのか?

1000年程前の作品である。
内容は、今風に言ってみれば、光源氏の恋愛攻略ゲームである。あらゆるタイプの女性を、粋なやり方(それが失敗することもあるが)で光源氏が攻略していく。

多くの人々が、この作品を通して、恋愛とは何か、女性とはどういう生き物なのか、そして無粋ではない教養のある生き方、人生の無情さなどを学んだのではないだろうか。
インターネットはもちろん、映画もテレビもない時代。
私自身、平安時代の知識をそれほど持ち合わせていないのが残念だが、情報の少ない中で貴重な恋愛指南書だったに違いない。

もちろん、恋愛だけでなく、様々なタイプの女性の生き様は、そのまま女性のロールモデルとしても学べる。
多くの女性たちがこの作品に、女性としての生き方を見いだしたのだろう。

そして光源氏と女性たちの駆け引きがこれだけの間、多くの人々の心を掴んだのは、文体はもちろん、ユーモアや様々なエッセンスも豊富だからだ。
日本はコンテンツの豊富な国だと言われるが、もう1000年も前に攻略ゲームの名シナリオがあったわけだ。
歴史的にもこのコンテンツ層の厚みは誇れるのかもしれない。
多くの作家が魅了されるのは、作り手側にとっても、このシナリオに学べる要素が多いからだろう。特にゲーム作家や漫画家には格好の教材だと思えた。

この作品の良さがわかってこそ、いわゆる人生を理解しはじめた“オトナ”ってやつなのかもしれない。

ここに登場する女性たちは、運命とは自分の力では変えられないことを理解している。そういう時代だったのだ。
その中で恋に、愛に生きていく。
もちろん現代だって変わらないところもある。どうしてもままならないことがある。“諦め”を知り、それを味方につけた時こそ、女性としての“オトナ”なのかも。辞書によれば、これを“悟り”というらしい。

この作品は忠実に原作を漫画化している。
光源氏の女性に対しての甘えっぷりとマザコンぶりも忠実。
後半の人生の儚さまでしっかり描き通している。
一時的な遊びというよりはひとりひとりの女性と向き合って恋愛しているところはすごいと思う。

漫画作品として、当時をリアルに再現しようとした細やかさに感服。
観ているだけで、風俗や文化を学べる。
漫画ならではの素晴らしさ。
作者のこだわりとプロ意識が完成された名作だと思う。

あれだけの大作を、テンションを変えずに読み手を飽きさせることなく、描ききった力量に脱帽。
また解説本の、作者の光源氏に対するクールな見方はかなり共感。
読んで良かったと思えた佳作である。

漫画作品になったからこそ、『天上の虹』から観る、内容の似通いを感じて、歴史とは繰り返されるものなのだなと、感慨深かった。
                         2009/1/06

《こんな人におススメ》
「源氏物語」に興味のある方、当時の文化に触れたい方にも。

【コミックセット】


【コミックス】



タグ:大和和紀
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2009年01月07日

GREEN〜農家の嫁になりたい〜(完) 全04巻

【GREEN〜農家の嫁になりたい〜】 全04巻  /二ノ宮 知子

吉川和子(わこ)は料理だけが得意なずぼらな娘。東京の調理師学校に通っている。
男の好みははっきりしていて「髪がさらさらの、目鼻立ち整った、スタイルの良い男」
親友の知美が良い男を紹介してくれるというのでキャンプに来たが、いきなり相手に失望。
凹んで川まで来たらおばあさんが倒れていた。介抱しているとその孫の誠がおばあさんを探しに来て。現れた小野誠はまさにワコの理想の王子様だったのだ。
農業を営む小野家。ワコは怪我をしたおばあさんの代わりに農家を手伝うことを宣言、翌日から住み込み出す。農家を舞台にしたラブコメディ。

叔母から勧められた作品。舞台になった秩父に叔母が住んでいるのだ。
モデルになったのかなと思える知った家もちらほら。
作者も秩父出身。
本編中に出てくる秩父弁、最高。
個人的な話で恐縮だが、祖父母を思い出す。ここに出てくる日々のあれこれが、とても懐かしく思える。誠のように夏休みはずっと秩父で過ごしていたからなー。

主人公のワコがちょっとうざいんだけど、これが作者の面目躍如な部分。『のだめ』だって最初はうざいじゃないか。でも、それがなぜかだんだん可愛くなっていくのだ。

コメディだけど農業部分は“なんちゃって”じゃない、しっかり取材していて、会話の合間でも絵で農業を見せている。すごい。

お姉さんの、「誠はブラック・ジャックにだってなれる程の医者の腕前」に対して、ワコの、「ブラック・ジャックはもぐりなんじゃ?」に大爆笑した。
ワコの操縦がどんどん上手くなっていく誠が微笑ましい。
やっぱ上手いなあ、二ノ宮知子。とにかく笑えた。

ほうれん草の話はじーんとくる。
そして、誠ばかりを追っていたワコが、農業に目覚めていく姿に感動する。
                         2007/10

《こんな人におススメ》
「え? ここまでやっちゃうの?」というブラックユーモアのある二ノ宮知子さんが好きです。これはおススメ。
のだめは今や国民的漫画になっちゃって……そこまでやれないからなぁ。



タグ:二ノ宮知子
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2009年01月04日

ハーレムビートは夜明けまで 04巻まで

【ハーレムビートは夜明けまで】 04巻まで  /高嶋 上総

魔界の王国の後継者である王子のカイト。
自由な生活が欲しくて、グラマー美女に変身できる愛猫レブンと、人間界に逃げてきた。
二人と、その追っ手を中心に巻き起こる冒険ファンタジー。
カイトは、姿を変えて(本人の意思と関係なく変わってしまった)九条ヤマトと名乗り、高校生活を楽しんでいる。朝倉大樹という親友もできて。
レブンは美女保険医になり羽賀を名乗る。
その王子を引き戻そうと捜す追っ手も化けて人間界に潜入。高校生の冬真、用務員の蒼夜……実は大樹もそうだったのだ。
しかし、とうとう婚約者のヴィータ王女も生活指導の教師として乗り込んできて。
正体がバレないように人間社会を楽しむ王子と、追っ手との闘争物語。

好きな作家さん。
絵がアニメチックになった……というより、D.Gray-manリボーンなどのジャンプ系に近づいた感じ。連載的にはこっちの漫画の方が古いんだけど。
こういうキャラ設定って何か元ネタあるんでしょうか、二次的な。

ファンタジーコメディで友情物語?
実力も画力もある作家で、元々はBLでデビュー。

それにしても絵、めちゃくちゃ上手いんですけど。
この画力でつい見逃しがちなのですが、この作品のストーリーは破綻気味。
4巻あたりは作者もヤケになっているような気がする。

カイト周辺にすでに追っ手が集まり過ぎで不自然。なんでピンポイントでカイトが生活している高校が分かっているのに、カイトに辿り着けない!?
ヤマトが天然呑気過ぎで、人間界に執着する意味合いが伝わってこない。しかもヤマトが追っ手を誰一人認識してないところも不自然。そんな王子が継ぐ魔界はヤバいんじゃないのか?
転校生ばっかりだし。
カイトとヤマトの間にキャラ変化が大きくて違和感。ヤマトが異様に子どもっぽすぎるだ。
それに追っ手も呑気。
大樹が本当の姿を現した時に、疑いもなく受け入れるヤマトと羽賀先生、それって自分たちが何者だかを言っているようなものですよー。いいの?

構成が行き当たりばっかりなのかな?
そこらあたりの緩さがスピード感の落ちる原因なのかな。
絵はスピード感溢れる実力なのに……。

この作品、ASUKA連載らしいけど、媒体違いのような。
少年系の方がいけると思う。
                         2008/1/09

《こんなふうにおススメ》
イラストもかなりいける作家さん。ファンの方に。



タグ:高嶋上総
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2009年01月01日

夢見る古都 01巻まで

【夢見る古都】 01巻まで  /星野 リリィ

豊かで美しい国ゴエティメア国の王女オリガ。魔法に傾倒していた。
そろそろ身を固めないとならないが、幼い頃からそばにいた親衛隊長のジョットが気になる。
父の国王や国民への手前もあって「あっと言わせられる魔法の品を持ってきた者を夫にする」とおふれを出す。品が集まる度、オリガは首を横に振る。
そのうちのひとつ金の輪サークレットを頭につけた途端、オリガは異国の城にいた。そこはアベドと名乗る姫がいた。
アベドは、オリガと似た境遇を持ち、オリガの手にした魔法の数々と同じ物を所有していた。親友になったアベドにオリガはたびたび会いに行くが……。

「マンガ・エロティクス・エフ」に連載されている作品。
この雑誌は読んだことはないのだが、気になる作家さんが多く描かれている。
この作品で、割と自由度の高いオトナの雑誌と理解。

星野ファンとしても、うーん、テンションが上がらなかった。
世界観は作者の得意とするファンタジーなのだけど、伏線の張り過ぎ?
たぶんキャラの心情が表面的なのだと思う。ファンタジックな部分に囚われてしまい過ぎで、しかもそれぞれに謎を持たせようとし過ぎて、描き込まれるものが軽過ぎてしまった結果だ。
この作家さんのファンでなければ続きは読まないかもしれない。もったいない。
伏線って難しいですね。そこの部分はとても勉強になった。2巻に期待。
                         2008/12/31

UP追記>
好きな作家さんから、新年をスタート。でも、辛口でごめんなさい。
                         2009/01/01

《こんな人におススメ》
星野ファンと、ファンタジックな話が好きな人に。
やっぱり詩的な表現はすごい上手い、好きです。



タグ:星野リリィ
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2008年12月27日

風と木の詩(完) 全17巻+番外編

【風と木の詩】 全17巻+番外編  /竹宮 惠子

1880年、南フランス、プロバンス地方に位置するラコンブラード学院。
両親を失ったがバトゥール家の継承権を持つセルジュ・バトゥールは、父が青春を過ごした学院にやってきて入寮する。
同室になったのは誰にでも躰を許すと噂される問題児のジルベール・コクトーだった。
ジルベールは奔放で脆く、セルジュは彼に翻弄されていく。

前半部は学院に来たセルジュとジルベールの生活。
中盤はそれぞれの生い立ち。
後半部は、セルジュの愛を取ったジルベールがオーギュストの手から逃れて……。

今から32年前から連載が始まった作品。
安保闘争から約10年後(wikiによると安保の頃の構想がこの作品の基盤になっている)。
当時の反体制、自由への渇望と精神を無視して、この作品は語れない。
作者は背徳への美を描きながら、背後にはその主張を展開している。

1976年といえば、村上龍が芥川賞を取り、邦画が大ヒットした。「およげ!たいやきくん」が流行って、ピンクレディーがデビュー。
前年にベトナム戦争が終結している。この年にジョン・レノンは育児休暇に入る。「イマジン」のヒットは1975年。
そんな時代にホモセクシャルを真っ向から扱うって、どんな社会派だったんだろう。衝撃を持って受けとめられただろうと思う。
子どもで、なおかつ漫画を読む環境になかった私でさえ、この作品の名前は知っていた。
小学生から中学生になりかけるくらいの年頃からの同性愛なんて、今だって問題にされるはず。
ダダイズム的な古典作品を継承、と文学なら言えるかもしれないが、当時は“子どもたちの読み物であった漫画”からしてみると、ずいぶん叩かれたことだろうと思う。

名前からして同性愛者だったジャン・コクトーの影響も受けているはず。
寺山修司の解説を読みながら……退廃の美学は、今はどこに行ってしまったのか。
雁字搦めに思考能力を奪う体制や圧力に対し、個人の尊厳を持って自由に叫ぶ、それが根底にある。
でも、体制そのものが崩れてしまった今、戦うべき相手がオブラートに包まれ、甘くシャンティされてしまった今は、共有認知的良識がなければそれらは存在しない。
個人的にはその美学は自己陶酔にも思ってしまうのだが。

シナリオ、よく練られてる。
行為ひとつひとつに、思想的裏付けがある。その人物の生い立ち、背景、感じ方、それぞれの立ち位置から行動が繋がっている。
当たり前のことなんだけど、最近の漫画でそこまで考えられているのってどのくらいあるのだろうか?

文体が古典文学を読んでいるよう。フランス戯曲なんて、こんな感じに訳されてた。昔は名訳が多かったのだ。訳者は日本語にも繊細に長けていた。
バルテュスとかバタイユとか……ちらちら向こうに見えてくる。

感情部分の感想では、反社会的なモノが美化され過ぎ。
それを“青春”と片付けてしまうのも気持ちが悪かった。
好みの問題としては、絵は好きじゃない。
構図は素晴らしい。でも、あまり好きなカットではない。
ここは超個人的な感想部分。

パスカル、良いなあ。こういうキャラ好き。

名作と言われた理由もわかる気がした。
これは読まれるべき作品と言える。
                         2008/12/26

番外編/
本編の三年後。残されたセルジュのその後。
アリオーナ・ロスマリネとジュール・ド・フェリィの過去と今。
                         2008/12/26

UP追記>
結末のつけ方は「なんだかなー、そう締めくくっちゃっていいの?」みたいな一抹のがっかり感はあったんですが、上記のような時代とともに生きた作品としてみると納得出来るものがありました。
連載は8年続き、折しもバブル最盛期で終わっている。つまり、あのラストは「理想の終焉」だったのかなと思えます。戦後、もっとも変動した時代かもしれません。
感傷的に言えば「美学の死」だったのかもしれませんね。
最後まで失速することなく、ハードな世界を描き続けてこられたこと……すごいです。

《こんなふうにおススメ》
ずいぶん漫画を読んできて、ここまで「時代」や「思想」というものを感じさせられた作品はなかった気がします。
漫画史を考えるのなら、読むべき作品。
安保闘争、少し考えたいと感じました。

【コミックスセット】


タグ:竹宮惠子
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2008年12月11日

私と王子様

【私と王子様】 全01巻  /星野 リリィ

短篇集。
・表題作。金髪のハンサムは某国の皇太子。社会勉強のために日本の高校に留学するが、日本語もペラペラですでに学校のアイドル。本当の目的は花嫁探し。王子を煙たがる花岡ちよりにプロポーズする。
・「カラダからじゃダメ?」 アカネは家庭教師の柾広先生を好きになってしまい。柾広はアカネがテストで100点を取ったらエッチをしても良いという条件を飲む。
・「恋する夏祭り!」 初子(ういこ)は従兄弟の悦治が好き。年にそんなには会えず、夏休みで田舎に行った時、去年の告白の返事を迫る。
・「夏を待てないッ♡」 水泳部のハレナは泳ぐことが何よりも好き。彼氏の佐倉くんを誘って、海開きしたばかりの海に行く。
・「巨乳喫茶」 すごいタイトルだよな。深夜に開いている喫茶店の話。内容は……書けない……。

どんな内容であっても、ツッコミどころ満載で内容にたまにムカついても、デフォルメキャラが可愛くて、この作家さんの作品はすべて許してしまえる私はすでに病気。

前半の二篇以外は成人系漫画。要注意。分けたら良いのに。
表題作とその次はほのぼのしていて中学生でも読める。
他はなぁー。ちょっとなー。編集が乱暴すぎると思う。

ちよりの寝起き頭可愛過ぎ。
いつも寝坊助なのになんでお弁当が作れるのか謎。ちっとも感想になってないじゃん。

夏祭りの話は手抜き感たっぷり。

ハレナは可愛いんだけど太眉が気になって仕方なかった。そこは作者さんも言及していて可笑しかった。

喫茶店の話に関しては……何も言うまい。
                          2008/10/08

UP追記>
なんでしょうね。初期の作品も混ざっているそうですが、手抜き感が多い本でありました。BLとかほんとにうまいんだけどなぁー。「ざくろ」も力入ってるんだけどなー。

《こんなふうにおススメ》
それでもこの作家さんが好きな人に。


タグ:星野リリィ
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2008年12月08日

BASARA(完) 全27巻

【BASARA(バサラ)】 全27巻  /田村 由美

砂漠に生まれた双子。世界を変える運命の子として育てられた兄のタタラ、そして妹の更紗(さらさ)。
圧政を強いる王の末子の赤の皇子に襲われ、村を焼かれ、兄のタタラはそのまま殺されてしまう。
運命の子としての役割を全うするため、妹の更紗は身代わりを買って出る。
タタラとなった更紗と出会う、赤の皇子の朱理。
ふたりを巡る日本改革ファンタジー。

天は赤い河のほとり」の日本版のような感じ。
こちらは歴史には沿っていない完全オリジナルファンタジーなんだけど。
それでも熊野や沖縄あたりの表現は面白かった。
砂漠あたりって中国地方かな? そこから畿内、熊野、東北に向けて話が進んでいく感じ。
歴史好きから見ても、大河ファンタジーとして秀逸だと思える。物語のスケールから見て、この感想が1/100も語れていないのがかなり悔しい。かといって、ネタバレもしたくないし。

生き様に学ぶことも多く、考えさせられた。
長篇でも読み応えがあって面白かったし、余裕があれば読み直したくなる。
力のある作家さんだと思えた。

敵役の事情や心情、それぞれのキャラクターをちゃんと描いていて好感が持てる。
勧善懲悪を見たいわけじゃない、面白い話が読みたいんだな、読者って。

外伝の2巻はそんなに必要なかったかも。ファンサービスかな?
どうしても思い入れのあるキャラクターが多くなっていくので、戦物って感情が入りやすくなりますね。

ちなみに、「バサラ(婆娑羅)」とは、「カブキもの」の意味合い。
今でいう、パンク(Punk)のこと。
                         2008/2/24

《こんなふうにおススメ》
日本史って難しいし、男の人が好きなものでしょ?って思っている人にもおススメかも。
でもできれば、日本史を知っている方がファンタジー具合もわかって、なお面白いんじゃないかと思う。
かえって、こだわりのあり過ぎる歴史好きには、まったくおススメできません。

【コミックスセット】


【コミックス】

タグ:田村由美
posted by zakuro at 18:43| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月06日

LA QUINTA CAMERA 〜5番目の部屋〜

【LA QUINTA CAMERA 〜5番目の部屋〜】 全01巻  /オノ・ナツメ

デンマークからイタリアに語学学校に通う為にやってきたシャルロット。
ヒッチハイクしたトラックに荷物を全部忘れてしまい、途方に暮れているところ、ルーカに助けられる。
語学学校に行ってみると、手違いで下宿先がいっぱいになっていた。そこで男子留学生に紹介する下宿にアテンドされてしまい……。
ところがそのアパートの住人たちは、その日に初めてイタリアに到着したばかりのシャルロットの知っている連中ばかりだったのだ。
そのアパートの住人たちの日常の風景。

ルーカがリリー・フランキーさんにそっくりで爆笑した。

ホントにいい味出してる作家さん。大好き。
この話はきっと、作者が留学していた時の話がベースになっているんだろう。

楽しいけど、胸を締め付けるような切なさもあって……この作家さんの作品はなぜか故郷への慕情を誘う。
それが余韻になっていつまでも響いてくる。
                         2008/11/04

《こんなふうにおススメ》
読んでいて素直に楽しい。楽しく描いているのがわかります。応援してます。



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2008年11月03日

乙女ケーキ

【乙女ケーキ】 全01巻  /タカハシ マコ

女の子たちのショートショート。『百合姫』に連載されていた。
・「あかいかさ しろいかさ」 笹木さんはクラスメイトの女の子らしい野村さんに憧れている。赤い傘が似合って。野村さんは彼女が“女の子”になりたいことに気づく。
・「ぬいぐるみのはらわた」 泉は友だちの理佐が好き。彼女が愛するぬいぐるみになりたいと思う。理佐はサッカー部の中林が好きで。タイトルがシュール。
・「みちくさ」 幼馴染みの女の子が感じる複雑な心情。
・「タイガー・リリー」 ウェンディ役を後輩のゆりが演じ、トラはタイガーリリーを演じた。遠い昔の想い出を胸に、歳を取った今でも大事なものを抱える。
・「ショートカット」 沢ちゃんと一緒、なんでもお揃いに真似したがるゆかり。
・「氷砂糖の欠片」 光子は友だちの比呂に冷たいと詰られる。誕生日に何が欲しいのかを聞いたのだ。光子の父は黙って家を出ている。母は落ち込みながら父の好きな梅酒を作ろうとしていた。
・「夏の繭」 ナツと繭。大人になりかける微妙な時期の女の子たち。
・「サンダル」 絹絵はしっかりもので小枝にいつも注意している仲良し。好きな先生の吉井の前で失言して落ち込む。
・「彼女の隣り」 彼の元カノを夢にみる女の子の話。
・「乙女ケーキ」 一緒にする「初めて」はいつも仲良しと。

百合系コミックスの代表作にもなっている作品。

憧れと嫉妬と自己愛と自己嫌悪。いろんなものが入り交じっているケーキのような思春期の女の子たち。

氷砂糖が光る話は、子どもと大人のそれぞれの情景が入っていて好き。

「夏の繭」の中表紙。なぜ、水着で濡れている子が靴下と上履きはいているんだろう? この話はわかりにくかった。
意味することは理解できるんだけど、その感情をこの年頃の女の子が理路整然と口に出せるだろうか? そして整理してそれを収めて次に行ける程のオトナではまだないような気がする。
だからこそ、カラダは大人になりかけ、でも中味はまだまだぐじゅぐじゅ悩むくらいのアンバランスが欲しかった。
この世代のまだ混沌として、感情に育つ前のカオスな心情を表現するのは難しい。
作者はよくそこまで迫っていると思う。

暗いというより、黒いのもある。女の子は残酷だけど、実際に行動しない、その方が圧倒的に多い。

百合系を知りたいならこの作品、と聞いたけど、あまりぴんとこなかった。
でも、できるだけ内面に迫ろうとする努力は感心した。
                        2008/8/28

UP追記>
百合系ってBLよりずっと難しいと思う。
心情のみの勝負だからかもしれない。そこに漂うものを掴むって、かなり難儀。
このジャンル、発展していくのか、追っていきたい。
ブームは男子が支えていくのかなあ。

《こんな人におススメ》
女の子の本音(?)に触れたい人に……。



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2008年11月02日

ツンデレ!〜眼鏡カフェへようこそ

【ツンデレ!〜眼鏡カフェへようこそ】 全01巻  /兄崎 ゆな

執事眼鏡喫茶のツンデレ男子たちを巡る恋愛物語。
短編でそれぞれ主役が変わっていくのがまとめられている。

タイトルに惹かれて読む。
イケメン眼鏡男子に、ツンデレながら想われちゃう、ごくごく普通の女の子という設定。
その女の子と彼、いろんなタイプを集めた物語。

まあ、お姫様願望を満たすってヤツですかね。
絵はかわいい。

基本設定はどの話も一緒。新條まゆ的な感じ。
強引にエッチされちゃって有無は言わさない、みたいな。
こういうの、流行なんですかね?
                         2008/6/06

《こんなふうにおススメ》
気軽に読めて、考えなくて楽しめる。
ちょっとエッチな話が好きな人には良いかも。



タグ:兄崎ゆな
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2008年11月01日

とらわれの身の上(完) 全05巻

【とらわれの身の上】 全05巻  /樋野 まつり

先祖から代々仕えている昂上家のご主人様が行方不明になってしまう。その家を守ってきた執事の黒石親子は、その行方を探し求めていて。
息子の黒石恵はその財産で優雅な生活を送っていたのだが、そこに中国人に育てられていたお嬢様の鈴花が発見される。
日本に戻ってきた鈴花。しかし鈴花の目を見ると、思わず反射的に仕えるしまう恵。
それは呪いによって、主従関係が決められてしまったからなのだった。
それが、お嬢様に恋するわけにはいかない、から、この恋を成就させたいに変わっていく。

こう書いていると、基本的な設定は面白いのに、何が混乱の元なのだろう? たぶん構成。
途中から、とくに呪いを解くために中国に二人で渡ったときから、急激に面白くなくなる。
シーンを変えて面白くないのは致命的。
うーん。難しいものだ。
                         2007/11

《こんなふうにおススメ》
まだ少女漫画を読み始めた頃の感想です。今なら違うのかな?
黒石父の若い時が、とにかくカッコ良かったのが印象に残っている。



タグ:樋野まつり
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2008年10月30日

バカでも描けるまんが教室

【バカでも描けるまんが教室】 全01巻  /新條 まゆ

漫画家への道のHow To漫画。

正直、とても面白かった。
新條まゆは好きな作家じゃないけど(すみません!)、この根性と、エンタテイメント精神は素晴らしい。気合いが違う。
見習う部分、勉強になるところ多し。

特に、好きなこだわりを追求していく姿勢は考えさせられた。
それが自分の持ち味になる。
                         2008/1/23

《こんなふうにおススメ》
それまでは「なんだかなー」と読んでいたのですが、この本で、この作家さんの並々ならぬ努力を知りました。
頑張る人、大好き。応援しています。



タグ:新條まゆ
posted by zakuro at 22:51| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月03日

悪魔なエロス(完) 全04巻

【悪魔なエロス】 全04巻  /新條 まゆ

憧れの天宮司恩に恋をした少女、桜井ミウ。少女らしい気持ちで、うっかりおまじないだと思って使った黒魔術で悪魔(サタン)を召還してしまい、悪魔に処女を捧げる約束をさせられる。
司恩が好きなはずなのに、サタンのことも気になって。ミウの恋は実るのか。天宮司恩とサタンの間で揺れていく。

この作者さん、エロいのが得意です。少女漫画でぎりぎり描くので人気があるのかな。
話としては、少女漫画の妄想を詰め込んだ内容。ティーンエイジャーの女の子たちの本音のニーズに合っているのかも。それを理解してやっているのであれば、この作家さん、強者です。
この作品に関しては、なぜサタンが堕落したのか、など、もっと内容に踏み込んでほしかった。
恋愛だけで、子どもたちは満足するのか? そこは疑問。
                         2008/1/10

《こんなふうにおススメ》
読者のストレス発散のようなジャンルに位置していると思います、この作家さん。
本気の作品、読んでみたいなぁー。

UP追記>
超個人的意見ですが、友人から聞いて憂虜すること。
この作家さんにも多くみられる設定なんですが、レイプされて、でも、それで恋愛になっていくという……それに憧れる少女たちが実際にいて、問題になっているそうです。
うーん、そこは、影響ってこと、考えていきたいなと思ってしまいました。

【コミックセット】




【文庫版】


タグ:新條まゆ
posted by zakuro at 17:10| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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