2008年10月02日

覇王・愛人(完) 全09巻

【覇王・愛人】 全09巻  /新條 まゆ

※タイトルの「・」部分は、黒ベタハート

ハードコア恋愛漫画。
病気の母と双子の弟たちを支え生きる女子高生、秋野来実が、バイトの帰りに助けた見知らぬ男。
その男は香港マフィアの黒幕だったのだ。数日後、拉致されて香港へ。
のちにその、黒龍の恋人になって過酷な人生を送る物語。

あまりにも過激な性描写の連続で、キャラに感情移入できず。ツッコミどころは満載なのですが、少女向けポルノとしてありな位置なのでしょうか?
                         2007/11

UP追記>
この作家さんの作風をわかってくると、「なるほど」と思う。
普通の高校生が送るには、かなりな人生だけど、まあ、漫画だし……。好きな人は好き、でしょうねー。
                         2008/10/2

《こんなふうにおススメ》
新條まゆ作品を読破したわけではないけれど、代表作のひとつだと思います。



タグ:新條まゆ
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2008年09月19日

戒音

【戒音】 全01巻  /由貴 香織里

双子の兄弟が巻き込まれた殺人事件。人気ロックバンドのカリスマだった兄。
その殺された兄の代わりに、弟が人気ロックバンドのボーカルをつとめ上げることができるのか。

一巻のみのお話としては割とまとまっていたのでは?
少し後味悪かったけど、それも好みです。
絵は好きな人は好きでしょうね。
                          2007/11

※うわーん、時間が……。
また後ほど、ちゃんと修正します。


タグ:由貴香織里
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2008年09月17日

抱きごこちはいかが?

【抱きごこちはいかが?】 全01巻  /星野 リリィ

星野リリィさんのデビュー二作目の短篇集。
・「奥サマは大ピンチ!」 たぶん、これは星野さんの幻のデビュー作「奥サマは女子高生!?」の続編。高校生の山口美春は、教師で旦那サマのナツキとラブラブな毎日。しかしある日、売り言葉に買い言葉で取っ組み合いの喧嘩になる。同じ頃、クラスメイトの優奈が、ナツキに告白すると言い出し。動揺する美春。
・「素肌でさわってよ」 中学生のみゆ。学校を休んで彼氏の新が血相を変えて飛んでくる。病名はオクテの新が、エッチしてくれないというもので。
・表題作。ちょっと太めの愛里。見ているだけで良かった憧れの小島センパイが、電車の中で愛里の肩にもたれて寝ている! 目が覚めたセンパイにそのまま拉致される。
・「てのひらいっぱいの君」 幼馴染みの彼、信(シン)とつき合うミーナ。高校が別々になってもやっていけると思っていた。しかし信は部活を始めて。
・「カウントダウン2・14」「もっとHug me」 大人しくスマしていると思われている水沢こゆきは、舟木ユータに告白されてつき合うようになる。しかしそれはユータの彼女だったアキの作戦だった。
・「ママだって女の子」 子どもが生まれてからすっかり母親のアヤ。同じ悩みをママ友のえりりんも抱えていて、一ヶ月に一度お互いの子どもを預かりあうことにする。

まいった、とにかくエロエロ。これって成人漫画に入るのでは? 
困ったなあ。でもなー。リリィさんだからなぁ。一応、カウントしておきます。

すでに手に入らない絶版本。何気に入った本屋で見つけて驚喜してしまいました。それがまさか、こんなにエロだったとは……。
絵、すごい可愛いのに……。こういうのを描いてらしたんですね。こういう作品から、今のような進化を遂げる作家さんていらっしゃるのだろうか? そっちに興味が出ます。

拙い作品もあるけど、絵はこのあたりでは完成されていて上手い。キメの表情も驚くくらいイイ。構成もよく出来ている。
女の子はめちゃキュートで男の子はカッコいい。どの作品もラブラブで可愛らしい。
でも、ポップなのはもっと後の『ミックス・ミックス・チョコレート』あたりで、また今はこのデビュー頃に戻った感じ。その変化が面白い! 

こんな昔に、さんざん男女のエロ漫画を描いて、次は男同士のBLを極め、そして今はアクション漫画に挑戦していらっしゃるこの作者さん。天晴。
そういうのって本来は苦手なはずなんだけど、この作家さんだけは別。ついて行こうと思う。そんな自分が一番、謎。

初見がこの作品じゃなくてホントに良かった。リリィさんファンにはおススメ。
これでこの作家さんで未読はデビュー作のみ。真面目に探す旅に出るかな。
                         2008/9/01

《こんなふうにおススメ》
まあ、普通に18禁にしてもいいんじゃないか……。でも、少女漫画カテゴリーなんだよなー。日本も謎。



タグ:星野リリィ
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2008年09月15日

P×P

【P×P】 全01巻  /吉住 渉

プリンセスとプロフェッサーで、P×P。
聖桜学園では、一見役立たないモノばかりが盗まれる現象が頻繁に起きていた。怪盗はPを名乗っている。
一方、高校三年生、副会長の姫乃ゆりは、同級生のIQ250の天才、須佐祐真にぞっこん。
怪盗のまねごとをしていたのは……。

短編「BABY IT'S YOU」 
バレー部を引退した紅実は、顧問の深町が好き。深町は思わせぶりな態度で……。
そんな折、宝塚研究会に男役の公演を頼まれる。

ごくごく普通の少女漫画。
嫌みのない絵もかわいらしく上手い。無難な内容で楽しめる。
小学生か中学生だったら夢中になったと思う。
                         2008/1/8

《こんなふうにおススメ》
残念だなぁ。当たり前かもしれませんが、子ども向けのものはもう受け付けなくなっている。
とくに「りぼん」連載系。中学までは、クラスで回し読みするくらい好きだったのに。
少女のココロをいまだに大事にされている方には、おススメ。ほっとして読めます。
過激な作品、多すぎますもんね。



タグ:吉住渉
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2008年09月14日

火宵の月(完) 全14巻+外伝

【火宵の月】 全14巻+外伝  /平井 摩利

歴史もの、陰陽師と野猫の恋物語。
鎌倉時代、陰陽師の土御門有匡に、野猫の妖が「あなたの子どもを産みたい」とやってくる。しかしどうみても少年。火月(かげつ)と名乗るそれは、発情期に交わると相手によって性別が決まるという。

父親の平井和正の『狼男』へのオマージュ?
発情期間に交わった相手の性別で、性が決まるという野猫族。
登場時に少年の姿だったのが人気だったのだろうけど、物語の中盤から方向性がぶれた。読者の意向があったんだろうな。
それだったら最初からBL要素でいけば良かったのに。狙いと設定がずれてしまって残念。

作者の思い入れが強過ぎて、下手な二次作品のようになってしまって、しらけることがあった。
エンタテイメントとして読者に伝えることを忘れてしまったのか、作者の力量なのかはわからない。
なにも考えないで読めば充分に楽しめる。

ただ、『幻魔大戦』の作者で知られる父親の平井和正の影響はかなり受けていると思う。ちょっとした歴史に潜む霊性みたいなものの解釈は、すんなりと設定に入っていて、とても上手いと思った。
こういうのも、幼い時からの理解って大きいもんなんですね。感心した。
                         2007/11

外伝『蜜月』

『火宵の月』のその後。
陰陽師の有匡と妖猫の火月に、双子の子どもが生まれての話。
妖猫族の琥龍と禍蛇は、禍蛇が成人して。
有匡のライバル文観と妹の神官は、子どもが生まれることになって……三つの話。

読者サービス、その後の話です。
みんな、幸せになって良かったねっていう。
設定もキャラクターも話も面白いのに、なぜか抜けないマイナー感。作者の意識?

「妄想はエンタテイメントでなくてはならない」
私にもある、思い込みをそのまま外に出してしまう危うさ。整理されず、消化されずに表に出してしまう未熟さ。
うーん、これは同族嫌悪ですね。気をつけよう。
                         2008/1/12

《こんなふうにおススメ》
面白い設定なだけにもったいないというか……。諦めきれない微妙さなんですよね。
妄想はかき立てられて、好きな人は絶対に好き。

【コミックスセット】



タグ:平井摩利
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2008年09月10日

昔久街のロジオネ

【昔久街(なつかしまち)のロジオネ】 全01巻  /夢花 李

短篇集。
・表題作。親と離れて一人暮らしをはじめたヒメユカ。そこに不思議な少年が現れる。
・「一丁目桔梗屋の姫様」 杏はヤクザの三代目の娘。自分の代になって立場と組を守る為に、力のある組の息子との縁談を受けねばならない。でも好きになったラーメン屋のアルバイトの彼を諦めきれず。
・「僕のシャララ。」 出来損ないの魔女が、人間界に少年の涙を取りにくる話。
・「ROBOT」 未来の話。ロボットの切ない想い。

この作家さんの作品は、水が流れるような一片の詩。切なく、でも遠い日に忘れてしまった感情を憶いださせる。
私の中のもう無くしてしまったと思っていた繊細な何か、まだ残ってたんだなーと驚かされる。そんなもの、とうの昔に捨ててしまった気がしていた。

絵もキャラも何もかも好き。女の子は可愛いし、男の子はカッコいいし。
泣きそうになるくらいでたまに発狂。好み。
この人の作品においては、何も感想が述べられない。とても個人的な主観のみ。そんな自分が一番残念。

ヤクザの杏の話は特に好き。わかりやすいのと、コスプレを思わせる衣装が最高。
                         2008/4/02

《こんなふうにおススメ》
オチ無しの作品集なので、不満が残る人がいるかも。
でも、夢花李という作家さんの特徴を現している気がして、好きです。
ちなみに、佐原ミズさんの別名義。



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2008年09月07日

僕は妹に恋をする(完) 全10巻

【僕は妹に恋をする】 全10巻  /青木 琴美

双子の兄妹の近親相姦、恋愛。
幼少の頃から自分の双子の妹、郁(いく)に恋をしてきた兄の頼(より)が、高校生になって、想いを押さえられずに一線を越えてしまう。兄に比べて精神年齢の幼い妹は、引きずられて恋愛に至る。二人の苦難の恋愛を描いた作品。

ジャニ系で映画作品にもなる。

双子でも親が違うってありえるんですね、勉強になりました。
やっぱ、刺激のある方向に少女漫画もどんどん進んでいるんでしょうね。性描写にたっぷりページ割くってすごいわ。1巻分まるまる使っているんじゃないかな?
内容は好みに分かれると思います。私はあまり好きじゃない。
特筆することは特になし。
                         2007/12

スピンオフが「僕の初恋をキミに捧ぐ」。
紫堂学園の登場人物が重なっている。
                         2009/6/19


《こんなふうにおススメ》
禁断の恋って、それに酔いますもんね。でも、なんでこんなに人気なのか……。

タグ:青木琴美
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2008年09月05日

放課後保健室(完) 全10巻

【放課後保健室】 全10巻  /水城 せとな

木曜日の放課後、普段はそこには存在しない地下の保健室。そこでは、夢をみる「授業」がある。
その夢の中では、自分の本来の姿になって「現れる」。その姿は元の姿形がまったくわからない程に変化しているので、学校の誰が授業に参加しているのかわからない。
夢の中で誰かの中にある鍵を見つければ、そこから卒業できるというもの。卒業してしまうと、その存在すらクラスメイトの記憶から消えてしまう。
上半身は男、下半身は女として生まれてきてしまった真白(ましろ)は、その授業を通して内面を見つめながら揺れ動いていく。
やがて、紅葉(くれは)や蒼(そう)ら、友情と芽生えるものも生まれてきて。

うっわー、ヤバい、面白い。読み入ってしまった。
最初は真白に感情移入していたんだけど、だんだんうざくなってくる。真白の"正論”がなんともきついのだ。たぶん、人の中の「どろどろしたもの」を、表面的に取り繕う偽善が鼻につくのだと思う。
それは作者の意図している展開で、なんともうまい。誰でもそういう部分があって、それを受け入れ乗り越えるのがテーマだろうけれど、なかなかそれを描きこなせない。これだけ主人公に同族嫌悪できれば、してやったりだと感じた。
”子ども”の自分から卒業するのには、とても良い漫画だと思う。完全主義の人にもお勧め。私自身にはかなり堪えた。
ラストはこういう落としどころにしたんだ……と、胸に抱えるものも残すけど、秀逸。
登場人物はみな、色の名前。

ちなみに、BL作品でも活躍している作家さん。そちらにも伝説になった作品がある。
                         2008/3/2

《こんなふうにおススメ》
かなり異色な作品です。ずっとこのテーマを、作家さんが温めていたとか。
内面をじっくり描くのは、ほんとに上手いなと感じ入ります。
読み終わった後、かなりモヤモヤするのも良い感じです。


タグ:水城せとな
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2008年09月03日

CRAZY FOR YOU(完) 全06巻

【CRAZY FOR YOU】 全06巻  /椎名 軽穂

高校生の不器用な初恋物語。
女子高に通う高村幸。天然で不器用で思い込みが激しい女の子。
合コンで知り合った男子のユキに執着して、友だち巻き込んで、みんなでぐちゃぐちゃになるんだけど、最後には無理矢理なハッピーエンド。

この作家さんのペンネーム、ユーミンからでしょうか?

なんですかね、嫌いです。うざくて。
でも、青春時代の恋ってそういうものなんでしょうね。自分勝手な正義感で、キャラクターが動いていきます。
読んでいて、主人公がイタクて仕方ない。

作者はその年頃の、めちゃくちゃな恋をわかっていて描いているのでしょう。そこはうまい。
でも読者は、同年代限定だな。それでいいんだけど。彼女らの意見を聞きたい。

ここまでムカつかせてくれるのは、かつて、そういう青春を送った記憶なんでしょうかね。
ただね、ここはすごく評価できると思うのは、良くできているよ、青春時代のしょっぱい恋の描き方が。と、いう部分です。
                         2008/1/2

《こんなふうにおススメ》
漫画評価って、「面白い!」「好き!」みたいな高基準か、「なんだかね」「つまんなかった」の低基準に分かれると思うのですよ。それって、興味があるかないか、だけだと思います。
「嫌い」ってある意味では、興味があるということ。それはそれですごい。話題に出来るということです。
これ、ダメだったな。キライ。でも、この年頃の女の子の感想は、めちゃ聞いてみたいです。みんな、どうだったの? この作品。

【コミックセット】



タグ:椎名軽穂
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2008年09月01日

リストランテ・パラディーゾ

【リストランテ・パラディーゾ】 全01巻  /オノ・ナツメ

自分を捨てた、売れっ子弁護士の母親オルガの結婚相手ロレンツォに、娘であることをバラすためにローマにやってきたニコレッタ。
その旦那が経営するレストラン「カゼッタ・デッロルソ」は、オルガの趣味で老眼鏡の紳士ばかりが働く、味はもちろん、人気の店だった。
ニコレッタはそのうちのひとり、クラウディオが気になって。オルガを脅迫し、レストランで働き始める。

今、もっとも気になっている漫画家さん。
「とらのあな」でキャンペーンをしていて、その独特な絵に興味があった。やっと読めた。

とても好き。個性的な絵も雰囲気も。なんだか洒落たカフェの壁にかかる絵のようなイメージ。
ワイングラスに注がれるワインの表現で、そこに音や香りがあった。
大人がカッコいい漫画は好き。
紳士マニアって少し理解できた気がする。いろんな“萌え”があるんですねー。

表題は、日本語にすると「天国レストラン」。
『GENTE〜リストランテの人々〜』が、この作品の外伝にあたる。「カゼッタ・デッロルソ」が出来る前からの話。

もしかしたら、「マンガ・エロティクスF」ってすごい面白い雑誌なのではなかろうか?
この作品も連載されていたし、気になる作家の作品はここに掲載されたものが多い。
単行本派としても気になる。
                         2008/8/28

《こんなふうにおススメ》
久々に、「キタな」と思った作家さん。もしかして……好きな作家ベスト10に入るかも。すごい期待。現在、既刊を読みまくってます。



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2008年08月29日

愛を歌うより俺に溺れろ!(完) 全05巻

【愛を歌うより俺に溺れろ!】 全05巻  /新條 まゆ

ラブコメ、もどき。
女子校の宝塚的プリンス桜坂水樹(さくらざか みずき)と、男子校の乙女な姫存在の白石秋羅(あきら)の恋物語。かっこいいのにウブな女の子と、見た目は姫なのに漢な男の子。
水樹が中心となったガールズロックバンド「青き薔薇(ブラウエローゼン)」を通じて、恋が深まる。ボーカルの秋羅が男だということはメンバー以外は知らない。

キャラ的にとても面白い設定なのに、うーん、残念なところが多い。絵は悪くないし、面白いはず…なのに、読みにくい。
物語を進める力なのか。構成力か?
最後までリズムに乗ることなく、キャラに感情移入もできず、残念。

水樹が妙にヘタレなところや、秋羅がただ黒いだけなのも、原因かも。
水樹のヘタレは女の子というより男の子特有のヘタレっぷり。まずここが感情移入しにくい。見た目が男の子っぽくて、実は中味はとっても女の子なら、ここは女の子の性格でないと。
そして、秋羅の水樹への愛情が“理由”にしては、精神的にトラウマがありそうな黒さ。乙女とのギャップにしても、素直に水樹が惚れるタイプと思えない。これだと水樹が頭悪そうにみえてしまう。

でも読後感の印象は強いのが、この作家さんの特徴。それだけでもすごい。

現在、媒体が変わって続編が「月刊Asuka」で『愛俺! 〜男子校の姫と女子校の王子〜』として連載されているらしい。そちらはどうなのでしょうか?
                         2007/11

《こんなふうにおススメ》
少女漫画の今を語る上で、この作家さんの存在は大きいと後で知りました。
過激なセックス表現で、少女漫画そのものの存在理由を揺るがしたり、現在でもその言動は注目される方だとよく聞きます。





タグ:新條まゆ
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2008年08月25日

愛がなくても喰ってゆけます

【愛がなくても喰ってゆけます】 全01巻  /よしなが ふみ

よしながふみ本人が、同居人でアシスタントの後輩S原氏や友人たちとの食べ歩きを中心に描いた作品。
作者が選出した実存する美味しい店が毎回出てくる、グルメ案内漫画。
どちらかというと、作者の地元がメイン。

どの店もメモしておきたくなる。
中トロを食べたあとの沈黙はわかる(笑)幸せだよね。
塩を使うときの日本料理とフランス料理の違いは面白い。万能ネギの話はじーんときた。食事を美味しく分かち合える友だちは大事。

そしてS原氏のことを描いたのは、きっと彼の侠気をしっかりと愛でたかったんだと思う。よしながさんの信頼だと思った。こんなこと描くと普通は嫌がられるものね。

ところで私は、美味しいときはわりと黙っちゃうので、もちろん「美味しいねー」と語り合うのではあるけど、ここまで蘊蓄を語られると嫌になってくる。
これは漫画で伝えなきゃならない使命があるので仕方ないのかもしれない。「美味いよねー」では収まらないのだ。
それから作者の作風が作風なので、面白おかしく作者の私生活を見せてくれても、「あまり見たくなかったなー」と思ってしまう。見せない方が神秘的で良かったのに。残念。オヤジが入っているのは別に良しとして、なんですが……。という理由により、よしなが熱烈ファンには勧めない。
でも、食べることが好きで、美味しい店を開拓したい人には是非。
お腹空いている時に読むのは地獄です。

追伸としては、この本で作者のフェチがわかって、『フラワー・オブ・ライフ』に繋がってくる特典はある。
                         2008/8/19

《こんなふうにおススメ》
食べること大好きな食いしん坊へ。
余談。
ちょうど読み終わった翌日、古くからの友人の店に。六本木のミッドタウン前の美味しいレストラン。腕の知られるシェフからガスパッチョの試食を。わーい! と美味しくいただいたのですが、友人はそれを一口食べて「酸味が強すぎる、男性客には出せない」 そのまま手つかずになりました。
充分美味しかったんですが、プロって大変。女性の方が酸味好きですもんね。残り打ち捨てられたスープを見ながら、私には飲食は無理だ〜! と思いました。ちょっとダメでも残らず食べちゃうもん。それだと教育にならないんですもんね。
食べたいからずっと素人でいい……。



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2008年08月23日

こどもの体温

【こどもの体温】 全01巻  /よしなが ふみ

妻を亡くした酒井高紀とその息子の紘一を中心に日々の出来事をしっとり描く。各話読み切り。
最初の話は、なかなかうまく育ったと思っていた中一の紘一が「女の子を妊娠させた」と飛び込んでくる。
次は、妻が亡くなって一年。妻の実家に泊まり、その父親と料理をつくる話。
高紀の高校の山岳部時代の後輩の高木が亡くなった。一緒に谷川岳に登った帰りに事故にあった綾小路と黒田。黒田は脊髄を損傷して下半身不随になっていた。綾小路は黒田の一生の面倒を見ることに決める。
紘一のクラスメイトの西園寺はバレエ少年。離婚した母と再会した時に手を繋ぐことが出来ずにそれを心残りにしていて。
そして最初の話の続きになる。ふたりが中学三年になって。卒業式を迎える一週間前のこと。

背景がないところがまたいいんだよなー。心情が浮かび上がる。
短い中にもぎゅっと詰まっている。最後のショートショートに、この作品のテーマが詰まっている。
素晴らしい作品をまたもありがとう! と思える。
                         2008/6/30

《こんなふうにおススメ》
大奥」の次に好きなよしなが作品。じんわりきます。



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2008年08月22日

西洋骨董洋菓子店(完) 全04巻

【西洋骨董洋菓子店】 全04巻  /よしなが ふみ

ある日突然、会社員だった橘圭一郎は思うところあって仕事を辞め、主を探していた骨董品の店をケーキ屋にする。
縁あって、魔性のゲイだけど最高のケーキ職人の小野裕介、網膜剥離で夢から離脱した元世界チャンププロボクサーのケーキ好き神田エイジが橘の元で働く。後に財閥の家系である橘の世話係だった小早川千影も仲間入りして。
橘は小野が人生でたった一度高校時代に振られた男。エイジは小野を神のように崇拝している。

カテゴライズは一応レディース系。
現在フジテレビでアニメ放映中。椎名桔平、ジャニーズの滝沢くんでかつてドラマにも。

ああ、ヤバい、めちゃめちゃケーキが美味そう。
よしなが作品はお腹空いている時は毒になる。とくにこの作品はダイエット中の人は要注意。橘のケーキやアフタヌーンティーの説明はもはや神の領域。食べた過ぎる(日本語になっていない)。
しかも作者のケーキやデザートに対する想いが絵のリアルさになって読者を直撃する……。見ているだけで幸せになってくる。重ねて言うがダイエット中は読んではいけない作品である。
ショートケーキって日本独特のお菓子なんだ。なるほど納得。そういえば他の国で見かけたことってなかった。初めて気づいた。
クリスマスのお惣菜のシーンは悶える。フランスやスペインのバールや総菜屋に行きたい……パリも良いけど、プロバンスからマルセイユ辺り、南の方の。
実際にイイ男たちのケーキ屋があったら流行るだろうなー。美味しくて使っているアンティークな食器も高価な本物で……。

内容の方は伏線が張られまくっているんだけど、お菓子の美味しそうな表現に見蕩れてまったりしてしまう。
なんでも出来るくせに打たれ弱い橘や、いつでも捨て身な小野などの話に気を取られているうちに、物語の展開を忘れてしまいそうになる。
立ち位置を橘に絞って言えば、その打たれ弱さやなんでも器用にこなすけどうまくいかない(達成しない)理由が、幼少時の誘拐事件にあったのではないかと感じたのかもしれない。橘の自分探し、小野の自分を大事にしていく感覚を取り戻す話と言えるかも。

誰でも取り返しのつかないことをした記憶はあって、やり直したくて足掻くことがある。
やり直せれば良いけれど、そういうものばかりでもない。それでも明日は誰にでもやってくる。

大きく不満を言わせてもらうなら、サイドストーリーが同人誌にあって、それを読まなければ全部の本当の流れと各人物の心情がわからないということ。このコミックスだけでは語れないのだ。
もちろんハードな表現があって、一般商業誌ではそれを表現できなかったのだろうけれど、それってどうなんだろうと疑問を感じる。
                         2007/8(感想は2008/8/20)

                    →同人誌はこちら 西洋骨董洋菓子店同人誌

《こんなふうにおススメ》
一番最初に読んだよしなが作品。でも、煙にまかれたような気分になった。他の作品を読みまくって戻ってみると、納得したり理解する箇所が増える。
いつものような斬りつけてくる表現はほとんどなく、オブラートに包んであるのだが、やっぱり痛みは透けて視える。初見だとそれに気づかない。上手い。
よしなが作品を一通り巡ったら、また読みたい作品かもしれない。
同人誌は手に入りにくいけど、この作品のファンなら全部目を通してみたいところ。小野が中心で、実際の4人の心情はもっとドロドロしていたという話。





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2008年08月20日

彼は花園で夢を見る

【彼は花園で夢を見る】 全01巻  /よしなが ふみ

旅先で世話になった男爵家に居候することになるファルハットと、男爵の物語。
楽師をしながら、自分を拾ってくれた兄のように慕う人と旅を続けている。
一夜の宿を借りるため、美しい花園が広がる男爵の屋敷に世話になる。そこに住んでいたのは因縁の娘だった。

この作品はBLに入るのか悩んだけど、世の中カテゴリーは少女系になっていたのでこちらに。BLに理解がなければ、そのまま問題なく読める作品。

よしなが作品を語ることって、私にはできないだろうなと思う。どこをどう切り取っても結局は芯から外れてしまいそうだし、くるっと丸ごと包んで述べるには、まだまだ人生を掘り下げていないからだ。どこを通しても自分をさらけ出してしまう。それが“痛み”になるのかも。
かえって、好きか嫌いかで話す人に真実がある気がしてくる。でも、ノックなので書かねばならない辛さ。

一言でいえば、切ない作品だった。
日本にいるとついすべての人は平等だと思ってしまうけど、海外に長く滞在するとその薄っぺらさがみえてくる。人は存在においては平等な権利はあるけど、環境においては不平等だからだ。
それをそのまま受け取ると、この切なさは当たり前になってくる。「仕方ないよね、それが人生だもん」みたいな。諦めではなくクールに割り切れる。そこに生まれた自分が仕方ない。そこでチャンスがあるのならアメリカにでも行って一旗あげるか、という発想になってくる。
この作品だけでなく、よしなが作品にはそんな不条理がいっぱい出てくるんだけど、それは海外文学では繰り返し書かれてきたことではあって、それに切なさを感じる自分の甘さを突きつけられるし、それで良し!としてしまうには、まだまだ青い使命感が邪魔をする。
まあ、何にせよ、考えさせられるのです。
なんか、パール・S・バックの『大地』を小学生の時に読んだショック感を憶いだすんですよね。だから読後感は疲れる。
                         2007/10(感想は2008/8/19)

《こんなふうにおススメ》
よしなが作品を読んだ後って、「もやもやするよね」とよく言われる感想ですが、それがこんな思いからなのかな、と。なので、好きかキライかどちらかに分かれる作家さん。
私は好きな方なんですけど。
まだまだ何にもわかっていなかった時(今もそうだけど)、中学生くらいでめちゃくちゃ背伸びして読んだフランス文学の感覚を憶いだす。でその頃の、体感覚が一気に蘇るんですよね。カラダにしみ込むって怖い。



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2008年08月19日

フラワー・オブ・ライフ(完) 全04巻

【フラワー・オブ・ライフ】 全04巻  /よしなが ふみ

花園春太郎は白血病で一年学年が遅れるが、めげない明るい青年。三国翔太という親友も出来、真島ら強烈なキャラクターたちに囲まれて過ごす青春物語。

タイトルの「フラワー・オブ・ライフ」は、精巧なバランスを持つ幾何学文様の意味合いの方ではなく、「人生における最も輝いている、花のような時期」のこと。

秀逸な作品。笑えて考えさせられて、じんとくる。
ト書きのツッコミ最高。笑った。まさかこんなに爆笑もののコメディだとは! 
この作者さんは、どういう脳の構造をしているんだろう。何気ないことなのに、実は人生においてとても大事なことばかりが詰まっている。それを丁寧に、それぞれに合ったキャラクターで話が構築されている。

食にまっとうに向かう作者、弁当の描写も笑える。必ず料理上手が出てくるのがよしなが作品の見どころ。日々の生活をいかに丁寧に生きているかが滲み出てくる。その丁寧さは私にはないところ。見習いたい。

キャラも冴えてる。お姉ちゃん最高。姉弟愛がいい。まるまるした三国もいい。真島の学力論はめちゃ納得。私もそれだ。
漫画を描いている武田隅子は、よしながさん本人がモデルじゃなかろうか? 高校生の時に描いていたという『ベルバラ』の同人誌が、秋葉原のまんだらけで7万円近くで売られていた!

1巻おまけ、大爆笑。コミケ事情もよくわかっておかしい。ネットが蔓延してサークル事情が今のようにわかるまで、今までどうしてきたんだろう? 同人ファンのみなさんは。
それにBL解釈も考えさせられた。4巻に神田明神が出てくる。

考えさせられることが多い作品だった。
春太郎がクラスの挨拶で白血病をカミングアウトした時は、たんなる明るい正直な少年にみえる。それがすべての伏線になっているとは思わなかった。
子どもとは「生きる重み、人生の険しさを想像できない人」をいうのだ。または「勝手な自分の思い込みだけで信念を構築し、相手の立場を考えずに突っ走る人」。
大人にもそういう人はいて、壁や傷つくことで自覚し学んでいく。それを春太郎と翔太、編集者の立ち位置で描き分けたのが絶妙。
彼のような単純な正義感は私にもあるもので、それが結果、周囲に迷惑をかけることがある。正義感を振りかざす人には多くある傾向でもある。
空気を読むチカラと想像力、そしてやはり経験値だ、どれだけ体験を積み上げてモノにしているか、だ。自分の言動が相手にどう影響を与えるか。相手がどう受け取り感じ、行動にしていくのか。それをイメージする力だ。
とはいえ、相手の方にその想像力がない場合も多い。みんなが発言する土俵は同じ高さ、同じ大きさが大前提だよね。
このあたりがとても丁寧に描かれていて、それが「大人になること」で、春太郎の成長になった。いつも人生になんらかの疑問と追求する力がない限り、こんな作品は書けない。
                         2008/6/28

《こんなふうにおススメ》
よしなが作品は好きだけど、たまに「痛む」と言われます。問題点を突きつけてくるからだと思う。痛みは、きっと「若さ」。痛まなくなった時、鈍感になったか、一皮剥けたか、そのどちらかだと感じます。



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2008年08月18日

天は赤い河のほとり(完) 全28巻

【天は赤い河のほとり】 全28巻  /篠原 千絵

古代ヒッタイト王国の魔性の皇后の魔力で、現代から拉致されタイムスリップしてしまった、日本人の中学生鈴木夕梨。命からがら助けてくれたのが、その国の第三皇子、皇后と敵対する次期の王候補だった。
遠い古代でだんだんと、その皇子カイルに惹かれていく。この国に残って国と皇子のために生きていくか、それとも魔力を行使し再び現代に戻るか? 運命に翻弄される。
夕梨がユーリと呼ばれ、伝説の女神イシュタイルに神格化されていく歴史ファンタジー。

基本的には恋愛ベースの少女漫画なんだけど、歴史的にもうまく絡めていて、読み応えあり。とても面白かった。

ユーリが普通の女子中学生で、しかも歴史的なことは何も知らないので、古代に知識的にはまったく役に立たないけれど、持ち前の運と行動力で切り開いていくのはスカッとする。最初は無謀すぎて勝手すぎて感情移入できなかったけど、それも成長として後半の布石であれば作者はあっぱれ。
身体的能力が万能すぎるのはどうもと思うが、古代の中ではその現代の身体能力は高く評価されるのかな。

作者の物語の構築能力がすごい。ダレないし。
要所要所の場面で、私だったらどう物語を作っていくだろう? と、ずいぶん考えながら読んだ。
                         2007/9

《こんなふうにおススメ》
田村由美さんの「BASARA」と比べられたりするんでしょうか。あちらは別のパラレル日本って感じだけど、壮大さは変わらない。こちらも創作なんだけど、基本は歴史からあまり外れないので、その縛りも上手く絡めています。大河物語はスケール感が好き。
続きやスピンオフは、小説になっているそうです(この作家さん自ら執筆)。

【文庫版コミックセット】


【文庫版】


【コミックス版】


タグ:篠原千絵
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2008年08月17日

こどものおもちゃ(完) 全10巻

【こどものおもちゃ】 全10巻  /小花 美穂

子役の女優、沙南(さな)の、子どもなりに成長していく仕事や恋に悩む姿を描いている。メインは小六から中一の話。
どたばたが、だんだんイジメや恋、仕事へのプロ意識、出生の秘密などになっていく。もちろん元来子ども向けなので、そんなに深くまで掘り下げない。

大ヒットし、よく話題に上る作品。
面白いと聞いていたのだが……2巻まではペースに乗れず、苦痛。
まあ、子ども向けの漫画に文句を言う方が間違っているのだ。これはジェネレーションギャップ。これが「りぼん」なのだ。
娘のいる親の気分で読めば、また違うのかも。だけど、親としても、子どもと一緒に夢中になれる作品は確かにある……と感じてしまう、これは私の好みかも。

子どもが簡単に人を好きになるところは納得。
4巻くらいからシリアスも出てきて、読めるようになってきた。それでも表面的なのは致し方無し。あまりつっこみすぎて子どもに理解されなくては本末転倒。

こういう本を作っていく大人たちは大変だ。子どもを理解しないと、描ききれない。説教臭くなってもいけないけど、楽しませて、それなりに「為になる」必要がある。
子どもたちは、こういうところから社会を見ていくのかもしれない。

時代性をみる必要もある。連載は94年から始まっている。バブル後、時代の揺り戻し。
集英社の「りぼん」という老舗の媒体で、イジメや、子どもながらの仕事への意識、そして小学生の恋愛、または大人でも乗り越えるのに課題になるだろうその出生などが、実際に小学生向けの漫画に描かれるのは、当時、画期的なことだったに違いない。
その意義は大きい。そんな挑戦が新しい時代を作っていく。
                         2008/2/27

《こんなふうにおススメ》
当然のことながら、子どもは夢中になると思う。恋もあるし、子どもの世界から見たら、ちょっと憧れの大人の事情にもなるのかな?
少女の、大人の世界を垣間みる、初めての入り口になるのかもしれませんね。



【コミック】


【完全版】


タグ:小花美穂
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2008年08月16日

23:00

【23:00(にじゅうさんじ)】 全01巻  /マツモト トモ

ストリートダンスの話。
滝本緑は高校に入学、そこには緑が男嫌いになった原因、横暴で派手なため目立つ兄タケシがいた。
タケシと須刀(すとう)は、ジャイアンとスネオコンビと言われ知られている。ふたりは緑のクラスメイトの比嘉に声をかける。比嘉の兄たちはダンスをしていて、アングラでは知らない人はいないカリスマなのだ。須刀はいち早く、その比嘉の才能を見抜く。

緑が当て馬なのか? と、吏加(りか)が出てきて面食らった。女の子の描き分けは髪型のみなのでなかなか見分けがつかない。どの物語も一緒の髪型の女の子がいる……うーん。

単巻ものだから残念だけど、これもあっさりと終わってしまった。余韻だけ、めちゃくちゃ大きい。
あまりにもまとまらなすぎて、続きを読みたいのかどうかさえもわからない。
せめてコンテストを中心に、もっとダンスでキャラを動かしてくれたらドキドキしたのになあ、もったいない。設定もキャラも良かった。
                         2008/8/14

《こんなふうにおススメ》
単巻なのでさらっと読めます。この作家さんの初めの一冊でも良いかも。




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2008年08月15日

美女が野獣(完) 全05巻

【美女が野獣】 全05巻  /マツモト トモ

親の転勤で、通っている私立成蹊学院の女子寮に入寮することになった山下詠美。
同室は、美人だけど女体を含む肉体フェチの美術部の黒川操(ミッサン)、隣の部屋のホスト系女王で柔道部の桂木涼(すず)とはすぐに仲良くなる。
初入寮の裏儀式で男子寮に潜入、生徒から怖れられている大きな男、鰐淵貴美とそのルームメイトの乾と知り合う。

最初の導入部分、わかりづらかった。何回か読み直しちゃった。
エイミの話し方は少しのだめに似てる。性格は違うけど。自分が相手を好きでいることを理解・自覚していないという天然なところはかなり違う。ああ、家は九州だから「通りもん」なんだー。なんか嬉しい。
鰐淵、上半身裸が多いです。さすがお色気担当。

寮生活は楽しそう。しかもどんどん馴染んで身を構わなくなるのは、作者の実体験らしいがかなり笑えた。わかる。

ビリヤード台は手づくりできるものなのか? ミリ単位をはるかに超えた水平とか大事なのではないだろうか?
操の妹の豊が言っていた「告れないで28巻まで続いた話」ってなんの作品ですか〜〜?
気になる。

終わり方はどうも……。鰐淵と下貫の抜き差しならぬバトルくらいは読みたかった。
打ち切りだったんですか? って聞きたくなる。せめてあと1話欲しかった。これじゃ納得できない……。おまけ漫画で誤摩化された感じ。残念。

短篇は「解・禁」 近未来の話。戦争と災害で土地の40%を失った世界。人は売買の対象にもなっていた。密猟で捕獲された東洋人の女の子。髪が黒いため魔物と怖れられる。診療所に拾われたKは、ドクターの助手として彼女をみていた。
人としての情が移っていくところなど、キレイだった。
                         2008/8/13

《こんなふうにおススメ》
話はそんなに切迫していなくても、緊張感ある作風のこの作者。その中でもこれはまったり読める方だと思います。



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2008年08月14日

英会話スクールウォーズ(完) 全02巻

【英会話スクールウォーズ】 全02巻  /マツモト トモ

外国人に対し恐怖症が多少なりともある高校生の有栖川希子(きこ)は、父のNY転勤のため母親に英会話スクールで学ぶことを強制される。
そこには“ありす”と100円均一で缶詰を取り合った、金髪の美男子イシュ・G・キルロイと、その友人のイタリア系のカートが講師としていた。
隣りに住む幼馴染みの石原史郎は希子が好きでアメリカには行かせたくない。

「ありすのための日本語でいう空耳フレーズ」が最高。英語フレーズの読みが、おかしな日本語で綴られているのだけど、発音はそちらが抜群に良くなる……大爆笑した。ああ、ほんとに最初からこうに教えたら、楽しくて英語アレルギーってなくなるよね。

内容は楽しく読めたのだけど、作者の苦悩が伝わってきて、申し訳ないけど大笑いした。主人公たちが恋に落ちてくれないって……。どちらもツンデレ。そういうことってありますよね。
だけど、残念。これから面白くなりそうな予感で終了。
うーん、もったいない。そのうち番外編でもやってほしい。
                         2008/8/13

《こんな人におススメ》
英会話に挫折した人にも。気軽にもう一度トライしたくなると思う。




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2008年08月13日

キス(完) 全08巻

【キス】 全08巻  /マツモト トモ

小学生の頃から知っている。その手の繊細さを好きになった、初恋だった。
高校生になってその初恋の人と、キスから恋がはじまる。その恋人はピアノ教師でまだまだ自分は子どもで。一途なカエの初恋と、紫の上に対する年上の五嶋の大人の不器用さが絡み合う。
ライバル、気になる人が現れたり、悩みながら手探りで進む恋愛物語。ふたりを中心に周囲の恋も描かれている。

マツモトトモの初コミックス。
半年ぶりに読み直し。いろんな漫画を読んだ後だけあって、力量がわかるようになってきた。
美大系の人のなのか、見開きのバランスが非常に良い(短篇はとくに)。美しい。
だんだんと人物ポーズも格好良くなってくる。見応えがある。
4巻あたりから面白くなってくる。5巻のオヤジのポーズは自然で良いな。
たぶん、ファッション誌の男のポーズを真似たんだろう。『のだめ』とは違った形で楽曲が出てくるのも楽しい。聴きたくなる。
カッコいいシーンが欲しいのはわかるけど、ピアノ教師はピアノに足を載せないでしょ。
7巻の真上からの五嶋のカットはキレイだった。
ストーリーは平凡だけど、絵でみせる作家。特別な深みがあるわけじゃない、切り取って雰囲気でみせる。でも、それがこの作家の良さでもある。
内容は紫の上的な話、女の子の成長と恋がテーマ。五嶋がオトナすぎるきらいがあるけど。そのあたりの事情もちゃんと書いていて、好感がもてた。
                         2008/3/12

《こんなふうにおススメ》
多感な高校生、大学に入りたての頃だったら、絶対に夢中になっていました。
絵もアートっぽくてオシャレだし、背伸びがカッコいいっていうか。今はそれが懐かしい感じ(苦笑)。
もちろん、今でも好きな作家に入ります。





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2008年08月11日

彩雲国物語 03巻まで

【彩雲国物語】 03巻まで  /由羅 カイリ(原作/雪乃 紗衣)

ライトノベル『彩雲国物語』の漫画版。
名門の紅(こう)家のお嬢様、秀麗(しゅうれい)。しかし、家は貧乏に没落。仕える人はひとり、静蘭(せいらん)だけ。
背に腹は代えられず、彩雲国の国王である主上に王としての自覚を促すために、妃として後宮に送り込まれる。期間は半年。秀麗は国王を立派に教育できるのか。

個人的には彩雲国はこのあたり(秀麗が劉輝(りゅうき)を教育するところ)が一番面白いと思うんですけど。しかし、アニメしか観たことの無い私に語る資格はもちろんない。
だんだん話は大きくなっているのだけど、マンネリ化していくんだよね(アニメ)。
登場人物はやたら多い。みんな、秀麗に惚れる。
アニメはほとんどBLファンと乙女ゲームファンの受け皿としてしか機能していない気がする。
やってはいけない設定も多いので、反面教師として勉強になったし、こういうのもありなのかと学んだところも多数あり。
ファンに言わせると、「小説はすごい面白い」そう。ちゃんと小説も読みます。
コミックスはこれはこれで面白かった。やっぱりキャラ設定した人の絵が一番。
                         2007/10

3/
燕青(えんせい)が登場。
秀麗が吏部で男の子に変装してバイトする話。
アニメでは秀麗が後宮勤めしていた話までが面白かったと思っていたけど、どうしてどうして。原作はもっと面白いのかもしれないと初めて思えた。静蘭、いいなあ。
                         2008/7/08

《こんなふうにおススメ》
歴史的裏付けはないファンタジーなんですが、よく出来ています。
乙女ゲーム的お約束な感じですが、原作がきっと面白いんだろうなぁ。読んでみたいけど……。



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2008年08月10日

満月をさがして(完) 全07巻

【満月(フルムーン)をさがして】 全07巻  /種村 有菜

「りぼん」に連載された、少女向けサクセス&ラブストーリー。
小学生の病弱な少女、神山満月(こうやまみつき)が歌手への道を目指す。
そのサポートを可愛らしい死神コンビ、タクトとめろこが支えるファンタジー。
歌手になるときは、彼らの力で16歳の少女に変身する。タクトと恋に落ちる恋愛も交えて。

かわいいよね、頑張れ。という感じ。小学生から中学生の少女には楽しいかも。
クリーミーマミ、セーラームーン、プリキュア路線。
2002年からテレ東系で一年間アニメになっているんですね。
                          2007/12

《こんなふうにおススメ》
子ども向け漫画です。子ども心、彼女らの流行を知るには良いのかも?

UP追記>
読んだ時、「うわー、もう私には理解できないセカイだ!」と思いました。
これで娘でもいたら話が盛り上がるんでしょうが、もうわからないジェネレーションです。
でも、描いているのはもちろん大人で、作家さんのすごさを感じました。
仕事柄、どんな路線にも話を合わせられると多少なりとも自信があったのですが、軽く、もろく崩れ去ったのを覚えています(苦笑)。世の中の広さを知った井の中の蛙ですねー。良い経験でした。



タグ:種村有菜
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2008年08月09日

恋愛カタログ(完) 全34巻

【恋愛カタログ】 全34巻  /永田 正実

高校生から大学生にかけての、恋愛そのものをじっくり追った恋物語。
合コンで知り合った高田修平に一目惚れをした花本実果。シャイを克服、アタックしてOKをもらう。少しづつお互いを知りながら恋を進めていく。親友カップルや、妹と弟ら家族も巻き込み、はたまたライバルも現れ……。

長いよね。ここまで引っ張る意味はなかった。
男女の恋愛は、くっつくまでにドラマがあって、同性同士だと、くっついた後にドラマがある……は真なり。
物語を動かすのに、無理矢理に困った状況を作り出さないといけないプレッシャーが読者に伝わってしまった。周辺の話を強引に絡めているのが辛くみえる。
でもそれが二次元のセカイでも、このような身近に応援できるカップルがいるってことが十代少女たちの心の支えになっているのかもしれない。

※一部、ネタバレあります! 注意!

主人公と、その相手役のキャラの影が薄い。
隆司と種の、弟と妹カップルが面白く強力なキャラクター、ういういで楽しかった。いっそのこと、一回連載を終わりにして、弟と妹カップルを主役に仕切り直せば良かったのに。

途中で脇キャラの話に、良い台詞がある。特に笹錦望のあたり(キャラもダントツ)は上手い。
しかし、その台詞だけでこれだけの巻数を費やさせるのは暴力。

絵はうまい。下くちびるの表現がかわいい。
12年の連載で、絵を変えなかったのがすごい。作者の意地と意図を感じる。他の作品は変えたけど、これは極力変わらないようにしたそうだ。

それにしても、ラストがウエディングって、少女漫画の王道なんですかねぇ……。
                         2007/12/29

《こんなふうにおススメ》
やっぱり、34巻のボリュームってあります。
いろいろ読んで感じたけれど、普通の恋愛をこんなにふつーに描けるって、やっぱすごいかもしれない。等身大の恋愛がそこにあります。そういうのって読者の支えになりますよね。
それと、主人公カップルが第01巻でつき合い始めるのに、もちろんいろんな試練(大げさだけど)はあるけど、ここまで引っ張れるってすごいことです。
時間が経ってからこそわかった、この作品の良さでした。
こういうのって一気読みより、連載を一緒に追うのが良いんでしょうね〜。でも、12年って。





タグ:永田正実
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2008年08月06日

罪に濡れたふたり(完) 全18巻

【罪に濡れたふたり】 全18巻  /北川 みゆき

失恋の傷心旅行でローマに出かけた鈴村香純。立ち入り禁止の遺跡に入り込み、日本人の青年に怒られる。その後お詫びに食事を奢り、話しているうちに売り言葉に買い言葉で言い争い、入り込んでしまった先で香純は暴漢に襲われる。助けてもらった興奮状態のまま、青年と一夜を共にする。
帰国後、幼い頃離婚して離れていた父が死んだことを母から聞かされ、葬儀で会った青年は別々に育った弟で、ローマで恋に落ちたその人だった。

近親相姦な恋愛もの。刺激的な内容と大コマで引っ張っていく。
ヒロインがバカ女過ぎてとても辛かった。ネットの感想で「ただの自己陶酔が延々と続く」に笑った。
恋とは往々にして自己勝手なものだけど。相手と酔うというより自分の思い込みに酔うって感じ? それは『僕は妹に恋をする』も同じ。シチュでドロドロさせるのではなく心情でやったら良いのに。安い昼メロみたいに見えてくる。本当の地獄って外にあるのではなく内側にあるもの。
愛し合っているから良いのよねっていう傲慢さはそれでも良いんだけど、二人の絆というよりも香純の勝手な思い込みを弟の由貴がひたすら赦していくという、そこがすでにファンタジーで心が通じ合っているとは思えないんだよな。「運命」って便利な言葉だ。
リピはしない。
この作家の描く女性陣のプロポーションの良さは羨ましい。
景色にまんま写真を使うのは反則。表紙も過激すぎて店で買うのは躊躇するかも。
                         2008/4/24

《こんな人におススメ》昼メロファンに。

UP追記>
毛色の違った作品をUPしてみました。
自ら出版関係の親友が無類の漫画好きで、毎月呆れる程漫画を買っていて……。
私がまだ漫画をまったく読んでなかった頃、「何がおススメ?」って聞いたらこれを。
3冊読んで挫折したのが5年前でした……。読み慣れていてもダメかも。
趣味が違うところが面白い仲良しなのでした。それにしても、なぜこれだったんだろう?

【文庫版】


【コミックス版】



タグ:北川みゆき
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2008年07月31日

メディックス

【メディックス】 全01巻  /西村 しのぶ

医学部に通う生徒たちの日常。わりとリアルな学生生活が淡々と描かれる。

医大生の日常ってこんな感じなんだろう。専門用語も教科も出てきて、よく描けている。細部にわたっていて感化されて勉強したくなってくる。
たぶん、舞台は関西。
バブル時代に描かれたのだろうな。懐かしいようなそんな匂いがする。

後書きの作者の言葉が胸にしみた。そうなんだよね、あの頃は生き急いでいた。なぜなんだろう。1990-92まで連載されて、2006年に単行本化。

会話の中に、村上開新堂(丸太町)の好事福盧(作中では「こうじぶくろ」とあるが、「こうずふくろ」が正しい)が出てくる。
これは、池波正太郎の「食卓の情景」(1980年発行/新潮文庫 P301)にも書かれている。著作権に抵触するかな、でも抜粋。
「材料は蜜柑である。それも、紀州蜜柑の大きなやつ。この中身をゼリーにする。蜜柑の実をしぼったジュースへ、キュラソーをそそぎ、ゼラチンでむっちりと固めたものを、また蜜柑の皮へつめこみ、パラフィン紙で包み、蜜柑の葉の形のレッテルをひも(原文は「ひも」に傍点)で下げる。古風な、いかにも明治・大正をしのばせるデザインなのだが、いまも変わらぬ。村上開新堂は、明治末年の開業で、好事福盧は、初代の店主が工夫考案した洋菓子である」
うーん、モダンだよね。
似たような菓子で、老松(京都市上京区北野上七軒)の夏柑糖も作中に登場。こちらは寒天で固めたもの。気になる。

京都に一年は絶対に住んでやる!と、思いも新たにしてしまった。
                         2008/1/9

《こんな人におススメ》バブルの時代、記憶にある人は懐かしいかも。想い出におススメ。



タグ:西村しのぶ
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2008年07月30日

働きマン 04巻まで

【働きマン】 04巻まで  /安野 モヨコ

編集者、松方弘子28歳。男スイッチが入ると「働きマン」になる。
松方、その周辺の人間にスポットを当てながら、仕事に対しての取り組みを描く。

働くことを通して人間を描く。それぞれの立場、考え、信念を、視点を変えて見せていく。
うまい。人間をしっかり描いて、ストーリーを丁寧に進めている。なにか特別な事件が起きたり物語があるわけではない。そこに人がいるだけだが、人を感じ人について考えさせられる。読み応えあるなぁ。肚を括った人の仕事(作者自身のこと)だ。
「仕事しかしない人生だった」と後悔して死にたいか、「仕事したなー!」と満足して死にたいか。人生を考えさせられる。

松方が、仕事し過ぎか振り返った時に、友人の言葉「鍛えた筋肉が違うだけ」に沁みた。
それと、自分のベストは尽くしたけれど、入校が間に合わなかったっていうヤツ、経験あるなぁ、そういうこと。辛かったな、などと自分と大いに重なった。
松方が仕事ができるのは、彼女が運が良いわけでも、特別な才能があるわけでもない。
ひとつひとつ目の前の仕事に向き合い、それに精一杯取り組み、自分なりに考え答えを出していく。そのしっかり向き合う姿勢が、チャンスと人との関係性(縁ともいう)を手にしていくのだ。
                         2008/2/19

《こんな人におススメ》働くことを夢みる学生さん。新卒で働きだした人。働いて社会がわかってきた30代半ばの方。
 ※松方と同年代の働く女性はあまり読まない方がいい。自分と比べて凹みます。松方の働きっぷりって三十代で管理職になったばかりの人に似てる。普通、ここまでできる人って、そんなにいませんから。でもそれを過ぎると、その時代を懐かしめるので三十代半ばの人にはおススメ。
《こんな時におススメ》仕事ってどんなものか、仕事から何を学ぶのか知りたい時。働くことに勇気を持ちたい時。




タグ:安野モヨコ
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さくらん 01巻まで

【さくらん】 01巻まで  /安野 モヨコ

吉原の置屋、玉菊屋に売られた少女きよ葉が、遊女として大成していくまでの話。
幼少時は花魁が恐ろしく、何度も脱走を試みそのたびに厳しい折檻を受ける。
売れっ子の粧ひに導かれ花魁になる決意をし、気性の強さも持ち合わせて吉原人気の女郎になっていく。

蜷川実花と組んで、映画にもなって大ヒット。

切なくエロく、相変わらずの安野作品。この人の姿勢は大好き。
作品をしっかり伝えようとしている。ちょっとしたエピソードはほんとにうまい。
                         2007/12

《こんな時におススメ》安野ワールドに浸りたい時の絶妙な一冊。続き、あるらしいですね。


タグ:安野モヨコ
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2008年07月26日

キャットストリート(完) 全08巻

【キャットストリート】 全08巻  /神尾 葉子

青山ケイトは子役の女優で名を馳せたが、舞台で大失敗して、そのまま引きこもり生活に入る。
7年経ち、ふと外へ出た時に、ひとりのオジさんからフリースクールに誘われる。そこには元天才サッカー少年で名を馳せた佐伯玲、ロリータファッションにこだわる野田紅葉、ITオタクの峰浩一らがいた。
社会からドロップアウト(とされている)の仲間たちと自分を見つけていく。

※一部、ネタバレあります。注意!

やっぱり構成力あるんだな。すごい。
重めの内容なのに、読みやすさでぐいぐい引っぱり面白い。しかも相手に考えさせているのに、説教臭くない。
花男』(現在未読2007/12)のイメージがあって、読みたくない作家だったのだけど(超偏見)、読んでみるとうまい。
引き込まれるしキャラも立って、言うことなし。少女漫画の王道って感じ。力がある作家だとわかる。作品も読みやすく無駄に長くなく絶妙なバランス。
ラストの、ケイトが幼かった頃の自分に手を引かれて、舞台に再び立つ姿には泣けた。
こういう作品を代表作としてほしい。
                         2007/12

《こんなふうにおススメ》神尾葉子さんを知るには、この作品をお勧めします。バランス良いし秀逸。




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2008年07月24日

フルーツバスケット(完) 全23巻

【フルーツバスケット】 全23巻  /高屋 奈月

母が事故死して、テント暮らしを余儀なくされた女子高生の透。
勝手に棲みついているその土地は、学校の憧れの王子、草摩由希らの家のものだった。
そのテントが土砂で流され、家事を条件に居候することになったが、草摩家には実は多くの秘密があり。

勧められていて、想像していた内容がまったく違って驚いた。聞いていた話は「イジメの物語」。確かにそんな部分もあるが……。
ノリは『ホスト部』の感じもあるんだけど、無駄も多いのだけど、心に沁み入ってくるシーンが多いのは、大事なことをきちんと伝えているからだと思う。
漫画連載だから仕方ないのかもしれないが、伏線張らずの後出しが多い。どうにも後から構築していったのが見えて、それがきつく唐突に感じる。
カレカノ』のようにサイドストーリーも多すぎる。軸をぶらさない他の漫画(BASARAとか、天の河だとか)が秀逸に思えてくる。
それでも、この作品は面白いと言える。絵はバランスが悪かったり、描き分けがきいていなかったりするけど、そこは個性とも言えるので、保留。
特に難点は、ネームの位置が読みにくいことが多々あること。とはいえ、話全体は印象に残る。最後まで失速しなかったのも大きな評価。
言葉の表現力で、作者が古典を読み慣れている印象もある。

透が敬語なのは、子どもたちに対して、大事かも。自然と覚える。良い台詞も多い。
透みたいな性格で、世の中すべてはわたっていけないけど、そこはとても漫画的だけど、それでもそういうピュアなものを信じていこうというのは、大事だと思う。
大人しそうに周りに振り回されているようで、自分の考え、やりたいことはしっかり通す。その優先順位がはっきりしているのは大きい。
ちなみに、フルーツバスケットとは「なかま」のこと。

これは少女漫画全体の感想なのだが、漫画を読んでこなかったものとして感じるのは、別マはオーソドックスな万民受けのエンタテイメントで、花とゆめは侮れなくて、少フレは少女趣味の過激、という分類で良いのだろうか。
                         2008/3/1

《こんな人におススメ》
思春期の女の子に。
《こんな時におススメ》
いろいろと影響を受けたい時に。






タグ:高屋奈月
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2008年07月22日

家族のそれから

【家族のそれから】 全01巻  /ひぐち アサ

高校生の八木沢徹と妹の恵は、母親で小学校教師のハツ子をインフルエンザで亡くす。その母には一ヶ月前に結婚した26歳の同僚、ケンジがいた。
残された三人の新しい家族の模索が始まる。

「ゆくところ」は四季賞を取った作品。
ホモセクシャルの高校生のトラウマと、半身が不自由なクラスメイトの、やり場のない感情を淡々と日常の中に描く。

悩んだけどこっちのジャンル(少女レディース系)に入れた。ひぐちアサのデビュー作。
やはり心情をしっかり描ける人が面白い漫画家なのだとつくづく思う。よくもこんな微細なこと描けるもんだよな。
いきつくところまで落ちて悩んで、結果を自分なりに出した人の表現だと思った。ひぐちアサ、侮れず。
                         2008/7/3

《こんな人におススメ》ひぐちアサさんのファンは絶対に、です。



タグ:ひぐちアサ
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2008年07月20日

スーパーダブル 01巻まで

【スーパーダブル】 01巻まで  /星野 リリィ

星野リリィの一般系へ再挑戦の第一弾。
スーパーダブルと呼ばれる少女ラブと少年ダイヤの二人組アンドロイド。
エネルギー切れでジロウに拾われる。
ひつこく彼らを追い回すダンデライオンの手から逃れるために、しばらく身を潜めるが。

わかりにくいところもあるけど、たっぷりと女の子も満喫できて嬉しい。
メイプルシロップとハチミツがエネルギーなんて、可愛すぎる。
                         2008/5/16

《こんな人におススメ》『プリキュア』系、好きな人は是非に(笑)。


タグ:星野リリィ
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2008年07月19日

彼氏彼女の事情(完) 全21巻

【彼氏彼女の事情】 全21巻  /津田 雅美

通称、カレカノ。
見栄のためにどこまでも優等生を演じる宮沢雪野。自らの望まれない出生のために頑張り続ける有馬総一郎。
二人が出会って、見栄をやめる約束を交わし、自分を取り戻すラブストーリー。前半はコメディ、後半はトラウマに向き合った重い話の展開になる。

男女の恋愛は、くっつくまでが見どころだけど、これはそれを超えた展開で注目に値する。
有馬が心を閉ざしてからは、サイドストーリーが中心になってしまい残念だったが、後半加速するところは秀逸。
庵野さん、続きをアニメにしたら良いのに。
最後は少女漫画らしくまとめてしまったけど、うまくできていた作品だと思う。
                         2007/8





タグ:津田雅美
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花ざかりの君たちへ(完) 全23巻

【花ざかりの君たちへ】 全23巻  /中条 比紗也

アメリカに住んでいた芦屋瑞稀は憧れのハイジャンパーを追って、男子校に性別を偽って編入する。しかもそこは全寮制で、目的の佐野泉と同室になってしまう。
ハイジャンパーの道を捨てていた佐野にもう一度飛んでもらうために奮闘する。

瑞稀が女装(女の子なんだけど)して、ダンスパーティーで佐野と踊るまでは面白かったんですけどね、なんだろう? マンネリ化?
最後はムリヤリ終わらせて残念。女の子の瑞稀より、男の子姿で佐野とのラブシーンの方が萌えたのはなぜ? BL要素があったのが、人気の秘密なのでしょうか。

フジ系列のドラマははちゃめちゃだけど、ある意味、少女漫画の王道で、大ヒット。
なんだよ、男の子がかっこ良ければ数字とれんじゃん。納得いかず。
                         2007/10

【コミックスセット】


【コミックス】


タグ:中条比紗也
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2008年07月18日

りんご日記(完) 全02巻

【りんご日記】 全02巻  /中原 アヤ

りんごは幼い時に母を亡くしてから、父と二人暮らし。
気のいい父の会社は倒産で、知り合いを頼って大阪に引っ越し。ところが、間もなくアパートは火事で燃え、近くの銭湯の家族に拾われ居候となる。

面白いよな、中原アヤ。テンポが良いし、女の子はかわいい。
ちょっと強引な大阪男の銭湯の息子、みっちゃんも楽しい。
変形コマはあまり使わないんだなと、改めて思った。読みやすいんだよね。『アラクレ』の変形だけっていうのを読んだばかりだから? 
花束で人を殴っちゃいけません。
                    2008/3/4

《こんなふうにおススメ》
将来姪が年頃になったら一緒に少女漫画を語りたい。そんな時に一緒に読みたいと思います。
中原さんは面白いし、そんなふうにホッとさせてくれる作品と言えます。



タグ:中原アヤ
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緋色の椅子(完) 全03巻

【緋色の椅子】 全03巻  /緑川 ゆき

※一部ネタバレもあるので、できればこれは読み終わってからがおススメ。

異世界ものファンタジー。
大きな橋のたもとにある貧しく小さな村ニオルズで育ったセツ。幼馴染みのルカがいつも支えてくれていた。
しかし、5年前に王家の血筋を引くと連れて行かれたルカを追い、セツは王都へと向かう。しかし、新国王のルカリア陛下は、ルカその人ではなかった。ルカはいったいどうしてしまったのか?
途中で王家と敵対するバジ家の娘クレアと親友になったり、刺客のドリィと助け合ったり……。セツのルカ探しの旅がはじまる。

赤の色が好きな作家だなぁ。
1/4にあったが、教室ものは集中線での効果が狙えるってなるほど。緊張感のある話が作れるのか!
セツが少女だとわかった時はかなり衝撃だった。一人称の違いは意識していたんだけど。
うまい。セツはナウシカを思い起こさせる。そう見だしたら、これ全体がナウシカの物語に類似する部分が多いことに気づいた。
セツの持つ「甘さ」も押し通せれば、義になる。あとはそれだけの力を身につけること。
切なすぎる。それがこの作家の真骨頂だとしても、だ。
読み終わったばかりでもやもやしていて、まだ整理がつかない。緑川作品にはそれがありがち。
もっと大河にして欲しかったなあ、こういうのは同人でやるしかないのか?この続き、大きく膨らませた話を読みたい。
                         2008/7/15

《こんなふうにおススメ》
ファンタジー好きな人へ。セツなさと冒険があります。



タグ:緑川ゆき
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あかく咲く声(完) 全03巻

【あかく咲く声】 全03巻  /緑川 ゆき

辛島は不思議な噂のある少年。無口で、だけどたまに笑うこともある……国府佐和はそんな彼が気になって仕方なかった。
そして彼を追っていくうちに、彼の不思議な声の秘密、警察の特殊部隊に所属し、辛島の協力を得ている川口誠示らと知り合う。
そこに謎の同級生、坂本も加わり。中学三年の彼らから高校生になって……。

2巻収録の短篇では、
・作者のデビュー作の「花泥棒」。精神的なものから花を食べてしまう癖のある少年の話。
・苦手なコーヒーを飲むと異常なくらいの運動神経の持ち主になる話。

初コミックス作品。
変形コマの使い方が上手い。生きている。何もかもが上手い、琴線に触れてくる。
デビュー作なんて信じられない。だからこそ連載になったのだろうけど。ついていきます。
1話めの、学校から辛島が消えて、犯人の占拠するビルに入るくだりが少し違和感がある。
警察のジャンパーに名前は入れていいものなのか?と思ったけど、これも伏線だったのか?(いや、違うだろ)
ここまで上手く描かれるとそんな重箱をつついてみたくなる……が、それすらどうでも良いんだけど。
まず五感や感情、そういうものをとても大事にしている作家であることがわかる。必要とされる大事さをわかっている人だ。
                         2008/7/12

《こんなふうにおススメ》
夏目友人帳』の欠片がすでにありますよね。この作家さんが知られていくのが嬉しいです。



タグ:緑川ゆき
posted by zakuro at 12:27| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アツイヒビ

【アツイヒビ】 全01巻  /緑川 ゆき

短篇集。
素晴らしい。秀逸。キャラが繋がっていく。

・川に落とした生徒手帳を拾う優等生。そこには殺人計画が書かれていて。
・机にあった花の落書き。それを描いた人を見つける。傷ついた池田は「壊れないもの」を信じたいが、信じられない。それを一途に思う後輩の女生徒。
・そしてラストの話は、この一連とは別話の事件もの。

うまいなあ。短篇がこんなにうまい漫画家って素晴らしい。短篇こそ実力がわかる気がする。
なぜか旅情を感じさせる、深みのある情緒感がある。
この作者はちょっとだけ目線をずらして、もう一度そこを眺めるんだと思う。それが心地よい。
表題の殺人計画の話は、どんでん返しが爽快で、一歩深い。
「花の跡」は秀逸。こんな作品に出会いたい。人の奥底に眠る柔らかいものを見つける感じ。
世界には多くのドラマがある。それに気づいて生きていくか、知らないかでは人生がまったく変わる。
                         2008/3/12

《こんなふうにおススメ》
短篇作品がこんなに面白いものだと思わなかった、そんな目からウロコの作品でした。



タグ:緑川ゆき
posted by zakuro at 12:15| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

蛍火の杜へ

【蛍火の杜へ】 全01巻  /緑川 ゆき

短篇集。
・旧校舎から聴こえてくるギターの音色。その優しさに惹かれているうちに、同級生の藤村と知り合う。
・表題は、毎夏、蛍が訪れる山神が守る森で、不思議な少年ギンと逢う話。
・忍者になると決めた椿。いつも寂しい顔をしていた楓を守るためだった。
・別れた父母に各々ついていった兄妹。8年もの間ずっと想いを手紙で伝え合ってきた。父母が復縁しまた一緒に暮らしだすが、想いと裏腹にふたりとも大人になっていた。

切ない話が多い。短篇の長さに、それぞれの話が合っていて、楽しめた。
情景が流れてくるようで良かった。
                         2008/3/4

《こんなふうにおススメ》
少女漫画の見方、これで一気に変わりました。男性にも読んでほしい。



タグ:緑川ゆき
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2008年07月17日

ラブ★コン(完) 全17巻

【ラブ★コン 〜ラブリー・コンプレックス〜】 全17巻  /中原 アヤ

中原アヤお得意のラブコメ。
高校一年、飛び抜けて長身の女の子、小泉リサは、クラスメイトのこれまた飛び抜けてチビの大谷敦士と、「巨人阪神」と命名されるほどの漫才コンビで息もぴったり。
最初はお互いの恋のサポートをしていた友人同士だったが、だんだん大谷に惹かれていく自分にリサは気がついて。勇気を振り絞り告白するが、あっさり玉砕。何度も諦めようとするが、その度に大谷の大らかさや優しさにほだされていく。
ふたりの恋を追った青春物語。高校を卒業した後の番外編まで収録。

女の子の心情を捉えて大ヒット。アニメ、そして実写映画化もされる。

とにかく好きな作品。
まず、キャラがいい。はっちゃけていて元気。
そして、中原アヤの真骨頂の、いっぱいいっぱいの女の子の心情がばっちりと描かれていて、切なく、楽しくなる。
好評だったからか、長過ぎた。見極めって大事。
                         2007/11/21

《こんなふうにおススメ》
少女漫画ってどんななの?っていうのには、これを勧めたいです。それから、大谷。男子のキホンだと思う。

UP追記>
その後もいろんな作品を読んだけど、『蟲師』のギンコと並んで、二次元的理想にあたるのは、この大谷。
イマドキ、こんな男の子、いるのだろうか? こんな男性と恋ができたら素敵だよね。女の子に生まれて良かったって、きっと思うに違いない。
ちょうどこれを読んでいたのが、お世話になった叔父が亡くなった、その葬儀に出る列車の中。悲しくて悔しくて。だけど、これで笑えて行けたのが良かった。
漫画作品のありがたさを感じた一瞬でした。


タグ:中原アヤ
posted by zakuro at 15:53| Comment(2) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

HANADA(完) 全02巻

【HANADA】 全02巻  /中原 アヤ

ラブコメ。ラブ★コンの前作品。
両親が若い頃に遭難したのを助けてくれたお礼として、一人娘をその恩人の息子に嫁にやるという話をまとめてしまう。その先は孤島の農家。その娘、花田蘭はいよいよ年頃になり、その息子の通う高校に転校するのだが……。

個性的なキャラ回しは作者の得意とするところ。最初は拒否していた相手を、どんどん好きになっていってしまう蘭の可愛さも、作者の手腕。
やっぱ、好きだなぁ、中原アヤ。設定に特別な面白さも、物語の奇抜さもないのだけど、テンパった女の子の心情を描かせたら、右に出るものいないでしょ。
読んでいて素直に楽しめる。

                         2008/1/2

《こんな人におススメ》この作家さん、少女漫画に慣れていない人にはおススメ。
《こんなふうにおススメ》恋愛したくなるんですよねー。



タグ:中原アヤ
posted by zakuro at 01:28| Comment(2) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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