2012年04月15日

大奥 07巻まで

【大奥】 07巻まで  /よしなが ふみ

逆転大奥。
時は江戸時代。将軍家光の世に、赤面疱瘡と呼ばれる流行病が若い男子の命を奪っていく。
100年弱の月日をかけて男子の数は、女子と5:1の割合に減ってしまう。女子は子どもを産む為に高いお金を出して子種を買う。将軍も、世の大役もほとんど女が司るようになっていく。
そんな時代を作り出したのは何か? 将軍吉宗は謎と歴史の真実に迫ろうとしていく。

メロディ。

すごいすごいすごい。とにかくすごい。
こんな作家と同時代を生きていられることが嬉しい。圧倒的だ。言葉がない。
心の憂い、生きること、今でなければ理解できない本質が描かれている。何度も読み、じっくり向かい合いたい。

春日局に脅迫されて還俗させられた有巧(ありこと)が、家光の境遇に同情して彼女に執着していくまでの様は圧巻。
じっくり描けていて感じ入った。すばらしい力量。

男女が逆転しているのだが、基本は歴史で語られていることに忠実。それがまた面白さに拍車をかける。

将軍吉宗の台詞。「その『しっくりこない』という我らの感じ方そのものに、事の本質があるのやもしれん」
そのまま、本居宣長の世界だ。………。
                         2008/6/28

《こんなふうにおススメ》
覚悟もなくうっかり読み出しちゃいました。いつの間にか引きずられてしまった。
よしなが作品では一番好きです。作者の代表作になるのでは。
生きるって辛いけど、誰でも一度は死を考えたことはあると思うけど、でも、やっぱり人を誰かを好きにならずにはいられない。そんな気分が残ります。
男性に読んでいただけるとまた嬉しい。
                         2008/8/24UP

4巻/
有巧と家光から、家綱、綱吉に将軍も変わっていく。

男女が変わるというだけで、これだけ歴史の見方が変わってしまうのか。
ジェンダー論にはそれほど興味はなくても、そんなふうに感じる。
牧野成貞の悲劇は、歴史として語られているものはもっと悲しく感じるのが、ここでは綱吉の女のエゴが表に出てくる。
男女が逆転しただけなのに、これだけ受ける印象が違うのかと驚く。どれだけ多くの思い込みで物事を見ているのか思い知らされる。
それを狙って描いているのであれば、この作家はすごい、恐ろしいくらいだ。

そもそも大奥は、徳川幕府の将軍システムを円滑に保存させるべく出来た腑抜けた仕組みだが、イメージとしては時代と運命に翻弄された可哀想な女性たちだったのだ、今までは。
しかし、こういう見せ方が出来たからこそ、違った見方が出来ていく。
そして、思う。あらゆることがパラダイムシフト可能なのではないか?
それに気づかせてくれた貴重な作品。
                         2009/3/05、3/09UP

5巻/
実写映画が決定。
京の貧乏な公家の出の継仁は右衛門佐(えもんのすけ)と名を改め、後に大奥総取締になる。対峙する桂昌院は柳沢出羽守吉保に大典侍(おおすけ)を連れてこさせ、綱吉の側室とする。しかし右衛門佐と大典侍は京からの旧知の仲だった。ふたりの幕府に対する策略とは。そこに世継ぎの松姫が急逝し。大典侍の増長ぶりに右衛門佐は京からまたひとり新典侍を呼び寄せる。右衛門佐の側近、秋本の秘密。なかなか世継ぎに恵まれずの、生類憐れみの令。赤穂浪士。そして幼き吉宗。

猛者たちの化かし合い。時代の駒である切なさ。
緊張の糸は切れず、変わらず壮絶。綱吉の赤穂浪士の採決は、創作とわかっていてもこうきたかと唸る。
                         2010/2/25、2/27UP

6巻/
綱吉と右衛門佐。
綱吉は姪の綱豊(家宣)を世継ぎに指名する。紀州藩主の綱教の死と、それを継いだ妹の頼職(よりもと)も急逝、吉宗が後を継ぐ。
家宣と側付きの間部詮房(まなべあきふさ)、そして左京。

ここまで人を描けるモノなんだなぁ。切ない。
                         2010/9/04、UPも。

7巻/
尾張家四代当主、徳川吉通の頓死。月光院と江島。紀州と尾州の次期将軍争い。柏木の戦略。江島、計られる。
没日録を読み終わる吉宗。吉宗の改革。

歴史上の江島は、山村屋の生島新五郎に入れあげるとされているが、こちらの江島は清い。歴史とは、多くの切なさと阿鼻叫喚で作られている気がした。
それにしても、ここに出てくる吉宗くらいさばさばしてみたい。
                         2012/1/30、4/15UP

【コミックセット】


【コミックス】

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2012年04月14日

Real Clothes -リアル・クローズ- (完) 全13巻

【Real Clothes -リアル・クローズ-】 全13巻  /槇村 さとる

新宿の大手百貨店「越前屋」のリビングふとん売り場に勤める天野絹恵、27歳。大学の時から9年のつきあいの恋人、自動車ディーラー営業の山内達也ともうまくいっているし、日々は充実していて仕事にも満足している。
その真面目な仕事ぶりで、営業3部婦人服売り場に移動になる。転部先は多くが憧れる花形部署のエリートコース。絹恵を推薦したのは婦人服の統括部長に就任したばかりの伝説の神保美姫。神保はまったく新しい婦人服売り場を作る使命を負っていた。神保のサポートにやり手カリスマエリートバイヤーの田淵優作がつく。田淵からは「自分を知らない小太りのサル」と罵倒される。
相談相手の先輩社員の林、はっきりした性格の契約社員佐々木凌(りょう)、アシスタントバイヤーで絹恵のチームのニコラら、仲間たちと切磋琢磨していく。学生時代のトラウマから洋服嫌い、オシャレ嫌いになっていた絹恵の覚醒。自分の幸せとは何か。恋と仕事の成長物語。

集英社「You」。ドラマにもなった作品。観ていない。

基本ストーリーは、この作家さんの独壇場である自分探しが軸。
過去の発表作と画しているのは、仕事の内容に踏み込んでいる点。そこは面白い。これが青年誌だったら、もっと細部の葛藤まで描かれるのだろうけど、片側だけの、天野絹恵のみが語り部でもったいない。工場とか、下請けとか、もっと見たかったな。
個人的好みとしては、働く女性の物語として「働きマン」は秀逸だった。こちらも良く調べていてリアルなんだけど、読者が諭され、説教される感覚にされるのが否めない。

前を向いて元気な時に読む作品。そうでないと「もっと頑張んなきゃいけない」呪文が発動して、読んでいて苦しくなってくる。面白くても楽しくないのが、最近の槇村作品。
例えば、双葉公彦のブランドの行方はどうなった? 成果は余り描かれない。もっと進めと次へと、実りを手にする前にお尻を叩かれてしまうのだ。中途半端な気がしてモヤモヤする。ストーリー的に、双葉公彦話のそれ以降の始末はついている。

洋服に詳しくなるし、自分のスタイルというものを考えさせられる。服を愛すとは、自分を知ること。セルフプロデュース。すごい服にも自然にしていられる自分。
お直しの技術の知識は持ちたいと思った! パンツスタイル、キレイに見せたいよね。女に生まれたことにあぐらをかいてはダメって、効いた。体脂肪計、買うことを決心した。
幸せの形は人それぞれ。でも見た目が良いのはプラスではある。

読み応えがあるのが、9巻最初くらいまで。特に1、2巻はわくわくした。それが後に失速していく。
ネームもストーリー運びも、見事なんだけど、手慣れた感じでバサバサ進ませられる。絵は5巻くらいから、ベテラン作家さんが「慣れ」で流して描いている感じで荒くなる、とっても残念。
特に後半は魅力がない手抜きでがっかり。確かに作品は内容が伝われば良いのだけど、エンタテイメントとして読者をがっかりさせちゃいけない。プロとして。
キャラがどの作品も同じ。実は表面的記号分けのみで、全員が作者の代弁者だと言うことに今気づいた。深みがある人物像にならないから、結論が似てしまうのだ。
相手を理解する振りして、話を聞きながらも、最初から答えを用意している感じ。
素晴らしいベテラン作家さんだからこその、気になり方なのだ。新人さんだと手放しに褒める。これから伸びていく伸び代だから。
12巻から最終巻に持って行くクライマックスの作り方は絶妙。さすがの大御所。

26話扉の編んだ花、可愛い。
「仕事は筋肉。サボったら心も体もどんどん世界についていけなくなる」って台詞、最近聞いたなぁ、どこかで。
小西まみの宇宙、すごい。夢を現実化させる手法として知られているが、彼女のように軸があるのがすごい。
物事を通す「電波」は「感動」とか「愛してる」「好き」ってコト。
猿屋さんの尾行、笑った。
槇村さんて、アネモネ好き。私も1番好きな花。あちこちに描かれてる。それにしても、最近の少女漫画、花で飾られるコマ、少なくなりましたね。
                         2011/8/30、UPは全巻一緒。

13巻/
絹恵は田渕に答えようとするが、返事は一ヶ月後と先延ばしされる。美姫に会い、絹恵が婦人服に行った本当の理由を聞かされる。吉永の妊娠。リアル・クローズ展開へ。田渕は中国へ。

ラスト。
最近、絵を描くことが好きなんだろうなと思う作家さんを集中して読んでいたので、こう愛がない殴り書きみたいなのが悲しくなる。でも、お話のクロージングは上手いなあ〜、やっぱりさすが大御所。
                         2012/3/29、4/14UP

《こんなふうにおススメ》
漫画を読まない方々で、向上心の固まりの女子に。カツマーなら良さそうです。

【コミックセット】

【コミックス】

タグ:槇村さとる
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2012年04月13日

乙嫁語り 03巻まで

【乙嫁語り】 03巻まで  /森 薫

19世紀、中央アジア。カスピ海周辺の地方都市。
山を越えて遠くの村から嫁いできたのは、8歳年上の娘だった。アミル・ハルガル20歳。花婿はカルルク・エイホン12歳。
シルクロードの遊牧民と定住民が織りなす物語。

隔月刊の「Fellows!」にて連載。
とにかく絵が見事。素晴らしすぎる。正直、感動して泣きそうになった。
細工や装飾の見事さといったら! このテンションでずっと描かれるのですか? と心配になってしまうくらい。
良い仕事だなー。読んでいる人に頑張ろうって気持ちまで起こさせる。作品に作家さんの愛情が、随所に滲みだしてきて、幸せになる。
すっかり絵は洗練されてきていて、これを観ていると「エマ」では極力初巻からのイメージを崩さないよう努力されていたとわかる。

実は先月に発売になった後、盛り上がりも一段落していたし、ゆっくりUPする予定だったのだ、しかしこれをみてしまったからには! →「コミックナタリー 森薫特集」 観て〜〜!
動画で、絵を描かれている作業が観られるんですよ!! 絵心のない私ですら、大興奮。
すぐに感想UPしたくなってしまったのだ。(基本的に何をUPするかは半月前には決めているので番狂わせだけど嬉しい)

話の素晴らしさはもう安心して読んでいられるので楽しくて仕方ない。
アミルは可愛らしいし、カルルクは末頼もしい。まだまだ幼いカルルクだけどしっかり妻を守っていこうとしているし、カルルクが風邪をひいただけで狼狽えるアミルも可愛らしいのだ。
良い夫婦になっていくんだろうなと微笑ましい。
カルルクはどんな男に成長するんだろう。ショタ嫌いなのに、うーん、とても嬉しいのがここにいます。

次巻が出るのはまだまだ先の様子。
楽しみに待ちたい。
                         2009/11/23

《こんなふうにおススメ》
これがどんな作品に育つのか、正座して期待。
次巻まで一年か……。

2巻/
アミル、友だちができる。パミルはしっかりもので、婚期を逃しがち。
アミルの実家から、アミルを連れ戻そうと伯父たちがやってくる。町総出でアミルを守る。そしてカルルクなりの男らしさも。そしてアミルの心の変化。
布支度。イギリス人の居候、スミスの旅が始まる。

絵の素晴らしさは言うまでもなし。
なごなごしていた話がダイナミックにもなってきた。アミル実家の横暴さに、町の人たちが立ち上がる連帯は頼もしい。
嫁心がつくって言葉があるのか調べちゃった。ちなみになさそう。意味はなんとなくわかる。里心の反対語。

布支度は読み応えあり。もう異世界に飛ばされる。感化されやすいから刺繍したくなる。
スミスは、参与観察法で研究。次巻からはスミスの話とのこと。
                         2010/6/16、UPも

3巻/スミスの旅。
待ち合わせ場所に案内人がおらず、探している間に馬と荷物を盗まれる。同じ場所で盗難に遭ったタラスのパオに世話になる。老いた義母と暮らすタラスは、兄弟5人に嫁いだ女だった。スミスはタラスの義母に、タラスを貰ってくれるよう頼まれる。断り切れず、こっそり旅に出るのだが、スパイ嫌疑で捕らわれたりするうちに決心。しかし事態は二転三転。スミスはアリとアンカラに向かう。「パリヤさんはお年頃」も収録。

秀逸さに心が解ける。文化の違いでの考え方が表現されている巻。スミスさんの存在、大きい。私たちの現代的な感覚からの違和感をそのまま肩代わりしてくれ、理解が深まる。
表紙絵に驚く。100年前の「南部菱刺し前かけ」(青森南部の昔のエプロンですね)の刺し子刺繍の衣装にそっくりで、思わず展覧会で声を上げてしまった。文様の流れを追うだけでも、民族や文化に触れるなぁ。楽しい。いつかそんな研究したい。
買い食い、めちゃ楽しそう。食べ物美味しそうな作品は大好き。
                         2012/3/11、4/13UP


タグ:森薫
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2012年04月12日

坂道のアポロン 08巻まで

【坂道のアポロン】 08巻まで  /小玉 ユキ

船乗りで家を空けることの多い父を持つ西見薫。1966年、初夏。高校一年の始めに、横須賀から親戚のいる長崎に身を寄せることになり、長い坂道の上にある東高に転校する。薫は転校ばかりでそのたびにストレスを抱えていた。
後ろの席の川渕千太郎は喧嘩っ早く、クラスはおろか他校生徒からも恐れられている硬派だった。薫は初日にパニックを起こしそうになり屋上に向かうが、そこに先客、サボっていた千太郎がいた。千太郎と幼馴染みのクラス委員をしている迎律子(むかえ りつこ)は面倒見が良く、薫は一目惚れする。
縁が出来て、誘われて寄った律子の家はレコード屋で、秘密の地下室はジャズの練習場になっていた。薫がピアノを弾くと知り、律子は地下室に連れて行く。そこには学校をサボってドラムを叩く千太郎がいた。魅せられ、薫もジャズにのめり込んでいく。
三人で海で遊んだ時に知り合ったひとつ年上のお嬢様、深堀百合香に千太郎は恋をする。
千とボン、リッコを巡る青春と恋に友情、そしてジャズの物語。

短編。
第1巻「種男」
仕事に追われ乾いた女、志田。いつもの店で飲んで仕事の愚痴でくだを巻き、帰りに売れ残りの妙な植物をもらい、翌朝、その植物の奇妙な実から男が出てくる。
第2巻「インターチェンジ」
高速道路の出口を10回ループすると、忘れたい想い出をキレイさっぱり忘れられるという。
第3巻「バグズコンチェルト」
羽虫が恋をした相手は野球部のエース。
第4巻「エレベーター・チャイルド」
エレガの仕事中に一人乗った老人。やがてエレベーターは空を突き抜け宇宙に飛び出す。老人はどんどん若くなり、どこかで見たことのある子どもになっていた。
第5巻「天井娘」
床から音がする日々。文句を言いに言ったら、天井に張り付いている娘がいた。
第6巻「夜警」
ショッピングモールの夜警、柳瀬。仕事中に女性に出逢う。さっきあったマネキンはすでになく。

小学館「月刊flowers」。
「このマンガがすごい! 2009」オンナ編で1位になっていたので知っていたけど、はっきりいって表紙買い。1巻の線の細めのメガネ男子が好みだっただけという。それがこんなにも当たりだったなんて……感激して泣けた。
男性にも読みやすいと思う。オススメ。
この春からアニメにもなる。

66年という年は、ビートルズが来日して、武道館で6月30日より3日間公演をしている。そして68年からは学生運動が盛んになって、70年安保闘争に入っていく。
桂木淳一が東京の生活で挫折する背景と、雑踏から切り離されたような地方でジャズにのめり込む千とボンがいて、それを百合香が結んでいる。
そしてオイルショックと高度成長期を迎える、そんな時代。

繊細な薫、大胆でバンカラな千太郎、面倒見の良い律子、それぞれに個性的で、仲良し三人に共通しているのは誠実で正直で優しいところ。
出てくる人物の胸の痛み、迷い、悩みが直に伝わってくるようで、切なく苦しく、そして優しい。がっつり感情移入できて共感できる。

昨年夏には、YouTubeで音を探してBGMにして、何度も繰り返して読んでいた。

絵の構成は見事。映画のワンシーンのようだったり、何気ないシーンでも気になるところが多くて、ここぞというところで感激させてもくれる。
行間という言葉を感じる漫画作品はなかなか出逢えない。次のコマへの移行が、絶妙にフェイドインしていったり、よく漫画に見られる、一拍、景色のコマを入れて場面転換とかのお約束なんか超えちゃって、雰囲気を壊さない丁寧さがあって、ホントにホッとする。
小雨降る休みの日に、ミルクティーで身体を温めながら、隣家の庭に咲く早咲きの木蓮を眺めている、そんな揺蕩う幸せな午後を想い出した。

短編はflowers増刊の「凜花」。これら短編の不思議な世界観も面白い。
どの短編にも外れなしってスゴくないですか? シュールでどれも傑作なのは特筆すべき。

「波の上のアポロン」は私も見たいです……。
8巻は区切りの巻。9巻は大学生編に入り、そして完結、最終巻。
                         2012/1/30、4/12UP

《こんなふうにおススメ》
どなたにでもオススメできる青春物語。ドラマや映画にもなりそう。

【コミックセット】


【コミックス】

タグ:小玉ユキ
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こ【小玉ユキ】

【小玉 ユキ】 こだま ゆき

坂道のアポロン
タグ:小玉ユキ
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2012年04月11日

ぬらりひょんの孫 21巻まで

【ぬらりひょんの孫】 21巻まで  /椎橋 寛

関東平野にある浮世絵町。妖怪が集う奴良(ぬら)一家は、妖怪総本山として奴良組72団体、構成妖怪一万匹の大所帯だった。
妖怪の総大将、そして魑魅魍魎の主である“ぬらりひょん”を祖父に持つ奴良リクオは、その一家の三代目を望んでいた。それまでリクオは妖怪は「カッコいい」と思っていたが、小学校で「妖怪は人間に迷惑をかけ嫌われる存在」と知ってからは悩む。クラスメイトの家長カナ(いえなが)に「それなら、彼らの上に立てる立派な人になればいい」と言われるのだが。
その帰りの、カナたちが乗ったバスが事故に遭う。リクオはいじけていて乗らなかったのだ。「妖怪は人間に畏れられる存在」として反対する木魚達磨を押切って、リクオは人間を辞めると宣言、変化する。そして妖怪を引き連れて、カナたちを助けに行く。
しかしリクオのその血は1/4のクォーター。人間に近かったのだ。一日の1/4しか妖怪の姿になれないリクオ。4年経って、中学生になってもまだ三代目は襲名出来ずにいた……。リクオの変化はあれ以来起こらず。
リクオを守るため、クラスメイトに化けた妖怪たち。及川氷麗(つらら)として通う雪女ら。陰陽師一家の花開院ゆら(けいかいん)も転校してくる。

週刊少年ジャンプ。
巻数はいっているのに、手元に一冊しかなかった。残念。
絵が何とも魅力的。ぞくぞくした。

ここでいう「畏れ」は、「特別な存在として畏れ敬われる」に近い意味合い。「畏」とは、「鬼」が「ト(ムチ)」を持つという象形文字らしい。こういう設定はわくわくする。
覚醒したリクオ、カッコ良すぎ。
カラス天狗、めちゃ好き、かわいい。
妖怪一家をヤクザの仕組みと同じような設定にしたのがわかりやすくて面白い。
早く次も読みたい。
                         2009/6/28、6/30UP

《こんなふうにおススメ》
一冊しか読んでないのに、偉そうに言えないが、楽しい。
                         2009/6/30
20巻時点。ジャンプ史上に残る作品になっていると思う。
                         2012/3/17

2巻/
カナとゆらが窮鼠に捕らわれ、覚醒したリクオが助けに行く。
GWに妖怪修行に出た清十字怪奇探偵団。場所は清継の別荘のある捩眼山(ねじれめやま)。そこは牛鬼組の山だった。

ツッコミたいところはあるのだけど、いやはや面白い。バトルも臨場感がある。
妖怪の特性よく調べているなぁ。早く巻数、追いつくことに決めた。
                         2009/9/28、10/03UP

3〜8巻/
3巻。牛鬼の本心と過去。鏡の妖怪に襲われるカナ、そして誕生日。奴良組本拠地浮世絵町の危機。リクオは組を引き継ぐ決心を詩、若頭襲名。四国の妖怪が奴良組を潰そうとする。
4巻。四国八十八鬼夜行、隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)玉章(たまずき)が奴良組に挑む。犬神。
5巻から6巻。四国との決着。妖怪脳に依頼のあった邪魅退治。
7巻から8巻。花開院ゆらの兄たちが奴良町に殴り込み。ゆらは京都に。祢々切丸の過去。リクオの祖父と珱姫(ようひめ)の出会いとなれそめ。羽衣狐の復活。リクオは修行のため遠野へ。

やっとまとめて読めた。感想もまとめて。
妖怪モノとしても調べこんでいるし好きな作品。禹歩が出てきたのにはちょっと驚く。
構成の妙で台詞を読ませるシーンがあって、これ失敗しやすいのに上手かった。
最新刊の8巻はロマンス。面白かった! ぬらりひょんのじいちゃん、若い姿がとにかく格好良くて惚れる。
納豆が目玉オヤジみたいで鬼太郎が読みたくなってきた。
リクオはたぶん自分を好きと言い切るカナには違和感、デリカシーのある女子はこんな言い方はしない。いくら中学生であってもだ。
コーラに薄荷飴入れてる子ども、いると思う。私が小学生なら間違いなくやる。
                         2009/12/07、12/12UP

9巻/
遠野修行編。かまいたちのイタクがリクオの指導係に。畏を武器にする訓練が始まる。
羽衣狐京都侵攻計画。花開院陰陽師と羽衣狐擁する妖怪との闘い。リクオは遠野の仲間を引き連れていざ京都へ。

柳田好きなので新章は楽しい。宝船、カワイ楽しい。
今年アニメ放映決定。なんかジャンプらしくなってきちゃったなー。微妙にちょっとだけ残念。
ツッコミどころは満載だけど楽しさと面白さが勝る。でもひとつだけ。九尾は「NARUTO」と被らないの?
                         2010/2/06、2/09UP

10巻/
花開院陰陽師、ゆらの義兄たち、秋房と竜二の戦い。秋房は羽衣狐に操られていた。ゆらは秘術破軍を召還、十三代目が現れる。陰陽師は一旦退き、羽衣狐は最後の結界を落とすのか?
リクオは戦略要塞「宝船」で京都に向かう。船中で奴良組と遠野、激突。京の門番、白蔵主(はくぞうず)とリクオの対決。宝船、京都に不時着。

物語は違うんだけど別な意味で進行はリボーンぽくなってきたなー。ジャンプらしいといったらそうなんだけど、ちょっとなー。話は面白いんですけど。
リクオ格好良くなったなぁ。
                         2010/3/31、4/07UP

11巻/
宝船、鴨川に突っ込む。リクオたち京都に。白蔵主に伏目稲荷に向かえと言われ。
天邪鬼の淡島vs京妖怪二十七面千手百足。リクオは十三代秀元、ゆらと合流。そして土蜘蛛。

淡島の名が面白いなと思っていたら、そんなオチか。でもなんで遠野? と、疑問はあるけど。
4コマ楽しい。
                         2010/7/04、7/05UP

12〜14巻/
12巻。土蜘蛛に氷麗を人質にされる。牛鬼との修行。百鬼夜行の真の強さとは。羽衣狐は鵺を産む準備を始める。首無と京妖怪茨木童子。首無と毛倡妓の過去。

13巻。奴良組と花開院が組んで。しょうけらと青田坊。鞍馬の天狗たちに襲われるリクオ。鏖地蔵(みなごろしじぞう)の思惑。リクオは父、鯉伴(りはん)の業である鬼纏(まとい)を身につける。土蜘蛛の千年ぶりの本気。

14巻。羽衣狐と会うぬらりひょん。リクオは百鬼夜行で弐條城へ。羽衣狐が産む鵺とは……。羽衣狐と安倍晴明の真意。羅城門の鬼童丸。

危機に入ると修行のパターンはジャンプって感じ。他にないのかな。受け入れることで強さを得るのは、今の「BLEACH」と同じ展開。ここまで重なっていいの?
でも、バトルの間に奴良組のそれぞれの過去が語られ、百鬼夜行に入るまでの理由が出てくるのは面白い。

しょうけらって、三尸のことなんだー、興味深い。道教の話をキリスト教に置き換えてるのはめちゃくちゃだけど、それを含めて楽しめた。
夏に遠野に行ったので、遠野妖怪は嬉しく感じる。
蘆屋道満と安倍晴明の立ち位置が、通説とひっくり返っているのも面白い。
鯉伴もカッコ良すぎ。これでぬらりひょん三代お目見え。ジャンプらしくなってきたなぁ。
                         2011/2/17、2/27UP

15〜20巻/
15巻。黒田坊を鬼纏(まと)うリクオ。vs鬼童丸。羽衣狐、鵺を産む。vs羽衣狐。番外編の浮世絵中奇譚も。
16巻。晴明(鵺)誕生。山ン本五郎左衛門とは。奴良組、全面抗争に向けて、リクオが三代目襲名。晴明が地獄から戻るまでの準備に入る。つらら組。正月。切裂とおりゃんせ。
17巻。中学生リクオ編。切裂とおりゃんせが続き、人喰い村。地下鉄の少女。百物語組。
18巻。江戸時代。遊び人と名高い鯉伴編。山ン本五郎左衛門の生み出す妖怪たち。
19巻。妖怪と化した山ン本。山ン本の身体から生まれた百物語組。鯉伴と黒田坊の杯。件が産まれる。件の予言はリクオの殺害。人間の憎悪がリクオを襲う。都内で命をかけた鬼ごっこ、奴良組vs百物語組。
20巻。前巻から続く。リクオの正体を知る同級生たち。リクオの変化。渋谷は地獄絵図に。

久しぶりのまとめ読みは途中で止められなかった。充実感たっぷり。クライマックスに向かってる。
今後残っていく作品になったんだなぁと感無量。そういう意味では漫画読み新参の私は、こんなリアルな伴走をしたことがなかったのだ。
勢いづいている巻が続く。絵、ほんと見応えがあるし。お話も。シリアスとコメディのメリハリも楽しい。
箸休めのお話も楽しかった。日本の妖怪は生活に密着しすぎて面白い。そしてこれらの話も実は今後の伏線なのも上手くて唸る。怪談や都市伝説の出来方って納得できるものがある。
最初はツッコミどころ多かったけど、今は感心するほど調べてあると思う。小ネタもピリリ。わかる人にはわかるような。

鯉伴はそーとー強い半妖だったんだな。鯉伴編を読みながら、木綿着物が欲しくなって困った。
いよいよリクオの正念場が始まる。面白すぎるよ。
カナはいつヒロインになれるのか、ずっと待ち遠しかった。清継団の頼もしさ。
                         2012/3/10、3/17UP

21巻/
百物語組の面の皮、玉三郎の目的はリクオの母、若菜。圓潮は妖怪青行燈を語る。清継たちの後方支援。安倍晴明の子孫、御門院家(ごかどいん)。

奴良組vs百物語組編は一区切り。少年漫画らしい印象で終わった。
                         2012/4/07、4/11UP

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タグ:椎橋寛
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2012年04月09日

ノノノノ (完) 全13巻

【ノノノノ】 全13巻  /岡本 倫

野々宮悠太の名前で、高校に性別を偽り入学、ハイジャンプでオリンピックを目指す。その正体は、野々宮ノノ。女子はジャンパーの選手にはなれない。双子の兄の名前で、北海道から長野に越してきたのだった。
長野のウィンタースポーツの盛んなこの高校には、同級生に同じジャンパーの全国大会日本一の天津暁、フィギュアでメダリストの興梠(こうろぎ)みかげもいた。
彼らにスポーツ雑誌の編集者の与田らが絡み、オリンピックを目指す。

やばい、久々にキタ。最初の3ページで鳥肌が立つというヤツです。きっと面白い、その予感。与田みたいなことを言うけど。そう感じて、裏切られなかった。

絵がたまに怖い。
野々宮の性格がイマイチ確定しきれていないのだけど、そんなことも忘れるくらい面白い。
スキー競技は面白いし、それ以外のエピソードも楽しい。

コウロギ、いいヤツだなー。可愛い。
獅子舞のところは、ちょっとうるっときた。
コウロギの試合も描いて欲しい。
この高校の女子の制服、どんなコスプレだと思った。
そらさんも優しい。

コマにもう少し溜めがあると良いのに。特にクライマックスのところで、2カットくらい余分に描かれていると、もっとドラマティックになる。
それって編集者の力量? でも、それを上回るくらい、今後の展開が楽しみ。

連載、気になる。今でさえ、連載追っているのが増えているのに、これ以上はもう怖い。でもね、やっちゃいましたよ。最新まで読んじゃいました。連載。だって、野々宮の怪我、気になっちゃったんだもん。
ネタバレだけど、6巻は暗いぞ。でも、現在進行中の7巻の半ばまで読めて良かった。そのあたりの流れは秀逸。
                         2009/3/30

《こんなふうにおススメ》
スポーツ競技の闇の部分も描かれていて、かえって好感が持てる。
これからどんな展開になるんだろう。とっても楽しみ。

6巻/
ノノ、まさかの大転倒で救急車で運ばれる。このままだと悠太の正体がノノだとバレてしまうと焦った岸谷。気絶したままのノノ。
父、由良悠介とノノが抱えてきた壮絶な過去の回想篇。怪我の後遺症を抱えながら、金メダルを目指して飛んだ父。大失敗のジャンプで、日本全国からの非難が集中する。その父は悠太を通して世間に復讐しようと考える。しかし、才能は妹のノノに出て……。由良一家が崩壊していく様を描く。

連載を追っているので、この巻は辛すぎて読み直しには時間がかかった。不幸な一家をじっくりと描いた、とにかく辛い一冊。
でも、なぜノノが悠太の名を語るようになったか、男になってジャンパーとして生きていくのか、それが語られるとても大事な巻でもある。
実際に、こんな話はあるのだと思う。
モーグルの上村愛子選手が、高校生の美少女で持ち上げられた後、金メダルの里谷選手の陰に隠れるようになって、非常に辛い時期を送ったことをインタビューで読んだことがある。決して失敗したわけではないのに、それだけ精神的ダメージを受けるのだ。
甲子園の選手も、自責の念だけでなく、周囲の扱いで引っ越しを余儀なくされることも聞く。
自分で努力しないで、周囲に期待しているだけな人ほど、そういう仕打ちをするよね……。
読み応えのある作品で、これからも期待。
                         2009/6/10、6/27UP

7巻/
ノノは退院。天津と岸谷は決定、残るは一席のインターハイの座。皇帝とノノが争う。
“ノリコ”はルックスの怖さを指摘、イメチェンした皇帝。皇帝には皇帝の事情があって。いよいよインハイ。長野予選。

ずっと憎まれ役だった皇帝が一気にいい人になる巻。表紙も皇帝。
だいたいノノは自分の立場をわかっていなさすぎ。ノリコになる時間があったら自分のこと考えろって言いたい。別に女の子の姿観たいわけじゃない。
なんかパターン化しちゃってて、せっかく面白いのに残念。
                         2009/8/22、8/29UP

8巻/
ノノはジャンプを恐怖に感じ、皇帝との勝負に差が開く。天津の応援に耳を傾けるが、兄の亡霊もそばに出て。でも兄が語ってくれたのは。
天津の駆け引き。精神戦。皇帝とノノ、どちらがインターハイの切符を手にするのか。
天津は全日本ジュニアに招聘される。

恐怖を克服するノノ。自分の立ち位置を再確認する。
天津、凄すぎ。もうこの発想はプロレベル。これで一気に皇帝との勝負が面白くなる。
ところで、スポ根だけじゃなくエロいところも入れるのはニーズに合わせてだろうけど、女子読者はキモいと思いがちの方向。男子の妄想全開なんだよなー。爽やかエッチな感じに転換希望。岸谷、合掌。
                         2009/11/25、11/28UP

9巻/
ノノの奥信高校のライバル校のひとつ、北海道の雪野高校に現時点では最強と呼ばれる高校生の赫(てらし)が海外から戻ってくる。
ノノは誕生日の晩に、極悪非道な火野に脅されてレイプされそうになる。助けにきた岸谷は火野に刺されて。
ノノへの嫉妬が募る普通科の生徒にリンチされそうになったノノを助けたクラスメイトの佐藤健。

由維の「私には?」に笑った。久々にこの作品で笑った。
ノノに「ばか?」と聞きたい。
普通のスポーツ漫画にしてもらえないかな。もう読むの挫折しそう。ノノのヌードもエロいシーンももういいよ。表紙に騙されて買いそうな人がいて気の毒。
                         2010/1/21、1/23UP

10巻/
新潟、守門高(すもんこう)。コーチの元オリンピック選手の下里の下で不正な試合。ベテラン槇野慎二は?
岩手からは、遠野実業の伊東賢一。秋田の月山商業の禰宜田に鷲坂。北海道雪野高校、赫、真岡。インハイに向けてライバル手揃う。
開幕。
天津は世界に飛び立ち、コンチネンタルカップで優勝。

少しは面白さが戻ってきているんだけど、もうノルマのように惰性で読んでいる自分がいる。サービスシーンも嬉しくない…。
スポーツというより、TSもの好きな人に。
ツッコミどころ満載だけど、まあいいや…。岸谷フラグが気になる。
                         2010/4/25、4/29UP

11〜13巻/
11巻。インターハイ。悪天候の中、ジャンプすることになったノノ。しかし買収された審判は他の選手も不利にしていく。不正と実力。
12巻。一位の棄権。尻屋と赫。ノノの会心のジャンプ。岸谷の怪我。
13巻。死を覚悟した岸谷。ノノは日本代表のひとりに。

各登場人物のトラウマもテーマになっているのか、そちらをメインに描いているのだけど、作家さんのキャラの心情の掘り下げがわりと表面的で予測できちゃうので、読者が感情移入できるほど伝わってこない。キャラみんなが根本の性質に個性なく、同じ思考の回路なんだもん。金太郎飴みたいな。

気持ち悪さと不愉快なシーンが、あえてスポーツをテーマにした作品に描かれるから辛い。
まあ、でも、いつから「スポーツ=爽やか」になったんですかね、その内なる思い込みにも疑問はあるけど、そんなシーンに合うテーマで描いていただけると嬉しいです。

こんなにスタートと読後のイメージが変わった作品は稀。
特に、キャラたちが楽しそうにジャンプスキーしていないところが残念。プロじゃないんだから、高校生なんだから「好きだからやる」って気持ちを大事にして欲しい。12巻で、 ジャンプが好きと自覚したノノがいて少し救われた。
パスポートの性別とかツッコミどころは多いけども気づかなかったことにする。
                         2012/3/31、4/09UP

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2012年04月08日

海月姫 09巻まで

【海月姫】 09巻まで  /東村 アキコ

倉下月海(つきみ)18歳。幼い時に水族館で亡き母と観たクラゲに魅せられ、クラゲオタクとなる。
イラストレーターを目指し上京したが、おしゃれ人間には目が眩み、渋谷などは危険地帯。しかし同じような腐女子仲間のみが住む、男子天敵の共同アパート天水館(あまみずかん、通称尼〜ズ)で楽しく暮らしている。
日課になっている近所の熱帯魚のペットショップにクララと名付けたタコクラゲに会いに行くと、相性の悪いミズクラゲと同じ水槽にされていた。このままではクララが死んでしまうと慌てるが、イケメン店員に声をかけられない。通りがかった姫のような美少女が啖呵をきり、クララを助けてくれる。水槽と共にアパートに持ち帰った月海についてきて居座った美少女はそのまま月海の部屋で寝こけてしまう。おどおどしつつ、朝起きて月海の見たモノは……。なんと“彼女”は女装男子だったのだ。
イケメンで、政治家の父と兄を持ち、そして総理大臣の甥でもある鯉渕蔵之介。蔵之介の兄の修への月海の気持ち、月海をキレイにしながらときめく蔵之介を中心に、尼〜ズの面々である、着物ヲタで管理人の娘千絵子、三国志ヲタまやや、鉄道ヲタばんば、枯れ専ジジ、BL漫画家で引き籠もりの目白先生らが、活躍の奇想天外物語。

Kissに連載。アニメ化も決定。
とにかく面白い、オススメと巷の評判ではあったけど……。

なんでこんなに可笑しいんだろう。そして、この抜け感、テンポ。すげー。笑えて仕方ない。久々に解けて笑ったなぁ〜。
なんか、かっこいいのだ、新しい感じなのだ、上手く言えないのだけど(←いいのか、それで)。
KISSは「のだめ」も初期はそうだったが、シュールな笑いで真面目に描いたりする。

もう、期待感いっぱい。
萌えって偉大だ。
話題の作品はほんとにちゃんと読むべきなんだなー、納得しました。その発想かっ! と、わくわくするラブストーリー(なんですよね?)。
俺様なのに情の深い蔵之介は可愛すぎるっ! すっかりファン。
兄ちゃんの初心さにもはまってしまう。

クラゲ、はまるとすごそう。
オタクの描き方は秀逸。ここでいう腐女子は、BL限らず、オタク全般を表している。

総理大臣、おちゃめすぎ、楽しい。
目白先生、見てみたい。

ああ、新刊まで早く追いつきたい。
男子にもかなりオススメ。
マニアックな後書き、実話自伝マンガにも笑える。
                         2010/9/10、9/11UP

《こんなふうにおススメ》
いや、もうね、やられました。今年の一押しかも。みんなに薦めています。
アニメも面白そう。

4〜5巻/
蔵之介は天水館を救うため、月海と千絵子を急き立て、クラゲをモチーフにしたドレスを作らせる。
大学の演劇サークルの衣装25人分を作り、ブランド「ゼリーフィッシュ」を立ち上げる。
月海は修への想いを石化、蔵之介はそんな月海に苛つき、自分の気持ちをカテゴライズできない。

我慢できずに本屋に走った。
楽しすぎる。めちゃくちゃ感情移入しちゃう。笑えて切ない!

蔵子可愛いなぁ。蔵之介を全面応援。どうなるのかほんとに楽しみ。

登場人物の素直さは、すっと胸にしみる安心さ。癒される。
変わっていても変態でも悪役でも、自分に正直な、根が真っ直ぐな人たちばかり。それがこの作家さんそのものなのだと感じる。
                         2010/9/12、9/21UP

6巻/
天水館に再開発の影が色濃くなっていく。追い込まれた尼〜ずたちは本気になる。修は月海のBeforeが一致。
ノムさん登場。まやや様のデビュー。蔵之介の策略。

なんでこんなに笑えるんだろう。ツボるジェネレーションもどんぴしゃりなんだよね。いちいちチェック入れたいとこ満載。大人のラブコメだ。なんでこんな絵が描けるんだろう、尊敬。KISS偉い。あとがきも必見。
ググったら作者さんが美人で驚く。ファンだーと騒いていた私に、友人が教えてくれた、東村さんの元旦那さんの元奥様が「性別が、ない!両性具有の物語」の新井祥さんだということ。なんかいろいろと深い。
                         2010/12/01、2011/2/11UP

7巻/
天水館でのファションショー。蔵之介の全国マスコミカミングアウト。そして母リナの願い。修と月海は接近。

クライマックスの巻でもある。ホント好きだ。愛している。最高、もうどうしよう。読んでてそんな独り言連発。
蔵之介になりたい。
いつのまにかアフロに逆らえない花森さんの晴れ舞台。参りました。予想斜め行き過ぎ。
パスタ食べる兄弟に泣いた。ありがとう!(アリスの谷村新司風に)
                         2011/4/23、4/25UP

※追記 5/07
もうもう、蔵之介のパスタが美味しそうで、悶えて作りました。レシピです。
【蔵之介のスパゲティレシピ】
基本、簡単カルボナーラですね。
材料は、スパゲティ(ソース絡めやすい細いのを推奨)、卵三個、牛乳、バター、チーズ、オリーブオイル、塩、胡椒です。
これで少なめ2人前。大人なら卵4〜5個使っちゃってください。
チーズは、蔵之介はこれ、使ってた。 こちらはママが使ってたやつ。
↓                  ↓
         

1 - お鍋にお湯たっぷり沸かす。パスタを茹で始める。
2 - 卵を卵黄のみ取り出し、良くかき混ぜておく。卵白入れちゃダメ!ここ大事!
3 - 大きめフライパンに、オリーブオイルを大さじ3つほど。
オイルを温めた後、バターを大さじ2つほど。牛乳を150mlくらい入れてよくかき混ぜる。私はこのあたり目分量です。たぶん蔵之介も量っているとは思えない。多めに塩、胡椒。胡椒は粗挽き黒胡椒を曳いたら美味しい。
沸騰して焦げ付かないように気をつけて混ぜながら、チーズをお好みで。かなり入れたほうが美味しいです。
4 - 茹で上がったパスタを手早くフライパンへ。大急ぎで良くかき混ぜる。
溶いた卵黄を入れて、すぐに火を止め、手早く混ぜ、皿に。完成。

私は最初のオリーブオイルの時にキノコ類を炒めてコクを出します。白ワインで風味を出してからバターです。チーズはコク重視でクリームチーズ。これもイケます。
一般のカルボナーラは、オイル使わずベーコン炒めて、以下同文。

蔵ママは、とにかく簡単に作らせてみたのでしょうね。素晴らしい。ごちそうさまでした。

8巻/
蔵之介はインド人に製作交渉。チームは崩壊しそうになるが、蔵之介は奔走する。修の手助け。

兄ちゃん、いいなー。萌える。
ほんとに好きな作品なんですが、ヲタ友以外には評判は普通。なんでですかね、もったいない。
あとがきにも笑った。
                         2011/10/30、2012/2/07UP

9巻/
再開発反対デモに参加を決めた天水館面々。修に花森の高度な恋愛指南。蔵之介は、服に興味のないメンバーで、高価なオシャレドレスを作る矛盾に気づく。デモ参加を渋っていた蔵之介だったが、皆に服の楽しさを知ってもらおうと、コスプレ協力を始める。デモ。月海の恋の自覚。花森は修と月海のデートを設定。ふたりのデートに蔵之介は荒れる。

花森さん笑った。ラストまで、お弁当でも笑かしてくれる。もう主役でいいよ。フルーツタルトホールはその通りと思います。
蔵之介って、作者そのものかも。性別も超えて自由にオシャレを楽しむところ。その蔵之介、この巻は切なかった。オシャレしないと人生もったいないと考えさせられた。
                         2012/3/30、4/08UP

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2012年04月07日

月の夜星の朝 35ans 05巻まで

【月の夜星の朝 35ans】 05巻まで  /本田 恵子

りぼんで絶大なる人気を誇った少女漫画「月の夜 星の朝」の25年ぶりの続編。

幼い頃に出逢って結婚の約束を交わした梁川りおと坂本遼太郎は、年頃になって再会し試練を越えて結ばれる。
22歳で結婚し、遼太郎はNBAで活躍するバスケットボール選手に。ふたりはアメリカに渡るが遼太郎は怪我で引退。流産をきっかけに写真にのめり込んだりおは、世界的フォトグラファーの九頭竜正彦に見初められアシスタントとして単身渡伊。
5年後、りおの元に遼太郎から離婚届が届く。慌てて帰国するりお。
35歳になったふたり。物語はそこから始まる。

遼太郎は埼玉県小花野高校の教師でバスケ部顧問に。
森村靖彦は泰西商事の人事課長でエリートコース。
製薬会社OLの浜田麻衣とは腐れ縁の恋人同士。
未亡人の小鹿まゆみはプロダクション会社を経営。
杉田聖子は人気歌手。
義妹の伊吹はバイク好きの夫と息子に囲まれ幸せに暮らしている。

離婚後の傷心のりおに小鹿が、日本バスケ界の期待の星、青木周平の写真集の仕事を依頼する。
青木の指名で、遼太郎が彼のトレーナーに。
もう顔を合わせたくなかったりおだったが。青木、遼太郎の同僚教師の山口詩文、アメリカから日本に長期取材でやってきた新聞記者のミランダらを巻き込んでの恋の行方。

創美社発行、集英社発売、office YOU。

まず、作品を取り巻く概要について。
賛否両論(否ばかりとも……)のこの作品。個人的には、どの作品の続編が作られようがそれぞれで有りではの意見だけど、この作品に関してはどうなんだろうかと感じた。
元々、砂糖菓子のように甘くコーティングされた恋に恋する物語。80年代の王道。
遼太郎が当時ちょっと悪っぽく見せていても範囲内の可愛らしいもんで、とにかく女の子のあこがれの夢を満載した少女漫画だったのだ。それを懐かしい甘い想い出として持っている読者もいると思う。
それを敢えて、読者の層がその年代になったといえ、残酷に侵してしまって良いのだろうか? むちゃくちゃ非現実だった世界観を、こちら側のリアルに置き換えて良いのだろうか?
この作品の特別なファンでなかったとはいえ(親友が夢中になっていたけど)、その疑問が根強い。
火曜とか木曜の22時台にやるような、しかも安っぽいドラマのようなお話になっている。違うキャラでやったら成立したのだろうか?
読中、独立した作品なら割り切れてそれなりに面白かったのにと感じた。

今が90年代だったらまだ有りだと思う設定で、団塊ジュニア世代のふたりはこう考えるだろうか? と考え込むこともしばしば。
2,000年を越えて、ますます価値観が変化している。今の30代はけっこう保守的、お金にもきっちり厳しいです。ここでの設定は40代後半以降の人たちがしていたスタイル。それってバブル経験してきた作家さんの年代なんだろうな。マーケティングって大事だ。

つい、「この作品のファンって、こういうのを読みたいのかなぁ?」と疑問がよぎる。元々はファンタジーなのに、リアルに描こうと考える作者自身がそれに没頭しすぎて、読者がすっかり冷めてしまうのだ。
最近の槇村さとるさんにもそういう傾向がある。いろいろと経験してきた大人の上目線で、読者を諭そうとか、教えようとかするからなのかな。

大人な話なのに、キャラクターが相手の気持ちを考えず強引に周囲を巻き込んで話を進める。それに萎えた。これも作家さんの性格なのかも。
これって子どもの世界にのみ許される手法。10代が主役の、社会に馴染まない子どもがメインの、少女漫画だから笑って許してもらえる設定なのだ。それが大人な世界にも描かれていて、げんなりした。
配慮だらけでにっちもさっちもいかなくなるのが、大人の不器用さで面白みになる。臆病さはどのキャラにもあるけど、肝心なところが強引みたいな。
愛すべきキャラたちが、空気の読めない大人たちになっていて、悲しかった。

この作品が漫画読みしててもまったく話題にならないのは、「読者も成長しているんだ。バカにするな」ってことなのかな。

内容について。
パターンは前作と一緒。波乱から安定、またトラブル。

りおに感情移入できない。まず、こんなに苦しむくらい好きな夫なのに、流産のトラウマだとかいろんな理由があるにせよ、師が厳しすぎるにしても、
「なぜりおは5年間一度も日本に帰らなかったのか。もしくは遼太郎に会いに来てもらうよう頼まなかったのか」。
何度も約束反故にされてそりゃ遼太郎もぶち切れるよね。離婚の覚悟しても仕事したかったと考えに普通に至ってしまう。

「自分は人を愛せない欠陥人間」と自虐するりおも、元々の作品に対して失礼な気がする。
りおの、自分は良い子でありたい性格は、真面目とは違う。相手への愛情を、身勝手に相手へのプレッシャーとして押しつける感情。それなのに、自分は愛し方を知らないと劣等感に酔うのはうんざりだった。(相手を高みに上げすぎて、それに酔いながら自分を成長させる「失恋ショコラティエ」の爽太の性格も似ているけど、自分のキモさを自覚し、客観的に観ているところで「たしなみ」がある。今の作品だよなと、あちらは感心)
そんなあれこれを放置のまま、また恋愛モード。
ぶれぶれな遼太郎にも共感できない。矛盾が多く、こんなに子どもっぽく執着する性格ならば、離婚時に揉めるはず。遼太郎は浮気する人じゃないと設定させるため、離婚させたのかなと穿って読んでしまう。
別な作品にして分けたらホント良かったのに。
そして35歳らしからぬ、りおの子どもっぽい行動。キャラたちが20代半ば設定ならまだ共感できそう。
海外生活長いと誰でもわりとさばさばしていくんだけどな。ロンドンとNYに長年住む妹を日頃見ていてそう感じた。
35歳からの遅い自立。主婦が自分の足で立ち上がることを自覚して頑張る姿としてなら、納得。でも、読者は、空回りの悪循環を読み続けたいわけじゃない。

火サス的にドキドキするのが、結婚決まった森村と麻衣ちゃんに絡む北岡瑞季。猟奇的で怖い。見どころ。でも、尻つぼみ。
周平のアメリカ行きと怪我の違和感は、もうファンタジー。

15話の扉絵の帯の結び、この夏の浴衣で着たい。

いろいろ書いたけど一番気になったこと。
絵って描かないと下手になっていくんだなととても怖いことに気づく。絵がとても上手い作家さんと、感心した記憶がある。巻を重ねていくとまとまってきて落ち着いた。ベテラン作家さんでもなんだ、びっくり。
いや、何事も日々こなしてないとそうなのかも。我が身を振り返らせた。大きな学び。
手書き文字の美しさには感動。
                         2012/3/20、4/07UP

《こんなふうにおススメ》
「残念な、やっちゃったパターン」として、周囲に勧めている最近。いいのか?


タグ:本田恵子
posted by zakuro at 02:46| Comment(0) | TrackBack(1) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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