2012年03月06日

BAKUMAN バクマン。  17巻まで

【BAKUMAN バクマン。】 17巻まで  /小畑 健(原作/大場 つぐみ)

真城最高(ましろもりたか)中学三年生14歳。あだ名はサイコー。絵が得意で、何度も表彰されている。しかし、何事にも最初から諦めてしまっているイマドキのティーンエイジャー。クラスメートの亜豆美保(あづきみほ)に密かに片想い。
その亜豆を授業中にスケッチしていたノートを、学年トップの秀才、高木秋人(あきと、あだ名はシュウジン)に観られる。そのノート返却の条件に、一緒に組んで漫画家を目指そうと誘われる。秋人は漫画好きのギャンブラー体質だった。
しかし、最高には断る理由があった。叔父が売れない漫画家だったのだ。だが秋人は、宝くじも買わなきゃ当たらないと説得する。最高は取り合わなかったが、いきなり秋人は最高を亜豆の家に引っ張っていく。秋人は亜豆が、声優を目指していることを知っていたのだ。
亜豆に「マンガ家になる!」と告白する秋人。目を輝かせる亜豆に思わず最高も叫ぶ。もし、それがアニメになったら、その声優をやって欲しいと。即答する亜豆に、そのまま最高は伝えてしまう。「そうなったら、僕と結婚してほしい!」。照れながらも亜豆はそれを約束してくれる。
最高と秋人の二人三脚が始まった。ふたりがライバルたちとともに、漫画家に駆け上っていくサクセスストーリー。

週刊少年ジャンプ。漫画とはどういうものなのか、それがわかる作品。
夢を持って進んでいる人には絶対にオススメしたい。

気になって気になって気になって仕方なかったが、「DEATH NOTE」だってまだ感想をまとめていないのに、中途半端なのはどうよ、と、手をつけないで積んであった。
「ヒカルの碁」だって先に読みたい……。しかし、とうとう我慢出来ず。

面白すぎる。どうしよう、好きな作品ベスト30に入る予感。そして、漫画好きにはたまらないコネタも満載。漫画読み慣れてから、トライした方が面白い作品。でも、もう止まらない。
もしかしたら、私には少し早かったかも? とも思ったけど、これを読んでからと読まずとは、漫画の読み方、捉え方がまったく変わる。ここに上げられている漫画はすべて読んでみたくなる。このノックに元気を貰えて嬉しい。

漫画家を目指している人は必見。漫画家になるために必要なことが描かれている。
内輪ネタまでバラしちゃって、しかも、ここまでやるのであれば、自分たちも業界や読者から「試されている」ことになる。これってすごい覚悟。この作者たちの関係をそのまま活かしたような作品。たぶん作者たちが共同作業してきた「DEATH NOTE」で感じた感覚からスタートしたのではないかと思う。

中学三年生でこんなに頭が良いものか? そこは驚くけど、こういう子もいないわけではない。
それと驚いたのは、ちゃんと「家庭」も描いている。当たり前のイマドキの家族の会話が、そのままそこにある。普通の家ってこんなふうなんだ、と思えた。
漫画はファンタジーが多くて、それはそのまま自分たちとだぶらない。でも子どもたちはこれを読んで、ものすごく共感するんじゃないかな? 将来のこととか、親にどう話すのかとか、自分の家を他とは比較出来にくいから、これはすごいことなのじゃないかしら?
ここの、最高がマンガ家になることを家族に相談するところ、正直言えば泣きそうになった。最高がベランダで父親に電話するシーンでは泣いた。

良い編集者に出会ったことも運。服部さん、優秀。人としてもバランス取れているし。
ちなみに、ここで描かれている編集者はすべて実在のジャンプ編集部の人物。編集部ってすごい。どんだけ戦場。まるで証券取引場の勢い、そのままではないか! 編集者には編集者の戦いがある。

ラブストーリーとしては、最高と亜豆はお互いに気持ちも確認しあっている両想いなのに、一緒にはいない。メールもたまに。電話も一回だけで、それも4巻で。
すれ違いどころか、まったく会わないで繋がるふたりってすごい設定。しかもお互いに婚約しているつもりだし。これでどこまで保たせるのか、かえって興味津々。かつてこんな“純愛”があったろうか? 究極の純愛を徹底してやるつもりなんだと感じる。

作品のテーマから学ぶことも多く、ついそればっかり追ってしまうけど、この作品自体の構成もとても良く出来ているのだ。
キャラも魅力的だし、ここで語られていることがそのまま通じている。

とうとう連載まで追ってしまった。我慢出来なかった。3巻の微妙な終わり具合に……。現在、5巻相当まで進行中。
連載していると、時系的にはいつまでもその時期に滞ってしまって「永遠の高校二年生」なんてのはよくあるのだけど、こっちは中味が進み過ぎ。
2009年の3月に中学卒業になっているので、5巻目の高校三年生はもうかなり進んでます。
2巻で一度、「こんなにHow Toっぽくて、ちょっとな」と思った部分もあったけど、これからがますます拍車かかって面白くなってくる。やられたって感じ。4巻目は悶えるほど、面白い。やっぱ、ジャンプってすごい。
最初は胡散臭く思った新妻エイジ、連載分ではもう可愛くて可愛くて仕方なくなっている。
                         2009/6/14

《こんなふうにおススメ》
賛否両論らしいですが、私にはめちゃくちゃ面白く感じます。
すでに周囲に勧めまくっています。良く出来てる。挑戦的なのも良い。
                         2009/6/18UP

4巻/
コンビ解散か? シュージンは約束の期日までネームが出来なかった。サイコーは引導を渡す。服部はなんとかもう一度ふたりでやらせたい。画策するが。
離れて沁みる相手の存在。ふたりがやろうとしていたこと、偶然にも探偵ものだった。コンビを密かに再結成。服部を逆に驚かそうと、ふたりは半年でネームを5話作ることに。見吉も協力する。
亜豆美保は、歌も歌うアイドル声優の道まっしぐら。
サイコーたちは春休みまでに8本のネームを仕上げ、金未来杯を目指すことになる。福田真太、中井巧朗、蒼樹紅、平丸一也、ライバルも揃ってきて。

実名がバンバン出てきてドキドキする。連載読みの今、ちょっと懐かしい巻。
どちらかというと業界ネタばかりで、私は面白かったけど、興味ない人にはつまらないかも。編集者ってほんとにすごいなー。
話の作り方が面白い。上手い。

わけわからん、間界野昂次。そーいえばどーなったんだ?
新妻エイジが可愛すぎて、ほんとにもう。

ただ、これだけヒロインに共感出来ない少年マンガも珍しいですね。あえて難点を言えば。
                         2009/8/06 8/11UP

5巻/
いよいよ「疑探偵TRAP」連載がスタート。二人とも16歳。
担当が服部から港浦吾郎(みうら)に変わる。熱さと勢いばかりの港浦に二人は不安も持つ。
アシスタントも決まり、ジャンプの新年会で同じ連載作家たちと知り合う。
蒼樹紅は間界野と組むと言い出し、中井は自棄になって蒼樹のマンション前の公園で漫画を描き続ける。
亜豆は事務所から写真集出すのを勧められていて悩む。
連載が始まって早々からアンケートに振り回される。試行錯誤しながらも人気は定着してきて。

この作品に出てくる編集者は実名で実在人物が多いのだけど、この港浦さんは違う。この後、主人公たちとある意味のバトルが始まるから、なのかも。
この巻は漫画の描き方説明が多い。仕組みに興味があるから楽しいけど、ジャンプのメイン読者はどうなんだろう。
連載追っていて感じたのは、高浜さん顔変わってないか?
平丸の担当の吉田さん偉い。
新年会のサイコーの決意は泣きそうになった。
ジャンプのアンケートシステム、ほんとに噂通りなんだな。こんなストレスのかかる仕事、きついよなー。絵を描くのが好きで、話も考えるのが楽しく、しかも競争好きじゃないとジャンプの作家って出来なさそう。
「ラッコ11号」って、「神のみ」みたいな漫画なのかも。ストーリーではなくて。
                          2009/11/05 11/06UP

6巻/
コミックス1巻の発売も決まり、連載も調子が上がってきて盛り上がっているところに、サイコー倒れる。手術も要して3ヶ月の診断を下される。しかしサイコーは描くのを諦めない。悩んだシュウジンは亜豆を病院に呼ぶ。
編集長は、「高校を卒業するまで休載」の決断。それに対し、新妻エイジに福田組、揃ってボイコットを宣言。ジャンプは5作休載の大事になる。

なんと早売り見つけて読んでしまった。わーい。通常発売は、年明け4日。
宝島社の「このマンガがすごい!2010」の今年のトップになる。

だいぶ登場人物の紹介が人数増えたなー。
面白さは加速。連載を巡って加熱、読んでいる方もオーバーヒート気味。
逢わない純愛にも一区切り。
                         2009/12/29 UPも。

7巻/
「疑探偵TRAP」打ち切り。二人は保険として大学に行くことに決める。
そして「亜城木夢叶に笑いは必要なのか」 担当編集者の港浦とバトル。異例の読み切り掲載。笑いかシリアスか。
アシスタントに来ていた高浜は連載が決まる。
蒼樹紅は恋愛モノに悩み、大学で岩瀬に声をかけられる。そして動物園でばったり会った蒼樹と高木秋人は意気投合、お互いの創作のために協力しあうことになる。

この作品の面白さは編集サイドがきっちり描かれていること。作家とぎくしゃくしてくるのがメインの巻。
エイジの言う「亜城木夢叶は主人公に自己投影しない」って、なるほど。これは物語作りに大きい。
この二人の努力はすごい。若い人を煽る作品。若くはないけど、もっと頑張れるなーと気合いを入れ直せた。
連載追いでの今の最高の悩みがここら辺ですでに出ていたのに気づき、感じ入る。
この原作者さん、女性にコンプレックスないだろうか? やたらつっかかる女子が多い気がする。岩瀬怖えー。やっと蒼樹さん好きになれた。
                         2010/3/07 3/09UP

8巻/
蒼樹紅は岩瀬を秋人に会わせる。岩瀬は秋人に、自分も漫画原作者になると宣言。
高浜のアシスタントに中井と加藤が入って仲良くなる。蒼樹紅は…。
秋名愛子名義の本から香耶に誤解をされる。最高と亜豆にも飛び火して溝が!
亜城木コンビはギャグに挑戦。
香耶と仲直りするためプロポーズする秋人。連載が決まったら結婚?
一方、蒼樹紅も連載を狙うことに。福田組の中井は。

連載を追っているから単行本は懐かしい感じがする。
ところで今更気づく…岩瀬のペンネームすごすぎ。
そして平丸さんの担当吉田氏、じわじわくる。すげーマネージメント。
やっぱり上手い、絵も話も。よくよく練られている。面白い。
                         2010/4/30、5/03UP

9巻/
服部は岩瀬原作、エイジ作画で仕掛ける。エイジ二本連載。最高たちもギャグ漫画「走れ大発タント」で連載が決まる。
秋人、見吉香耶の父に挨拶に行く。そして入籍。
エイジ、服部の想い。タントスタート。秋人、ギャグに苦しむ。服部の仕掛け。エイジは引っ張りだこ。
秋人と香耶の結婚式で。亜城木夢叶の決心。服部と港浦のタグ。

良く練られた作品、つくづく感心。ふたりが人に恵まれているのはその努力を周囲が認めているから。
エイジの頭の回転の速さは異常。天才っているんだよなー、ほんとに。エイジに仕掛けられたふたりの焦りは、すごくわかる。全身の血が沸騰したようになるんだよね、読んでて熱くなった。
服部さん、岩瀬じゃなくても惚れるよ。岩瀬の執着気持ち悪い。香耶は当初は苦手だったけど、いい女になった、可愛いし頼れる。
秋からアニメになるそうですが、教育テレビって、どうだろうか? 受験戦争の加速に荷担しそう。マンガって本来楽しむものなのに、こんなにアンケートのマーケティング中心なんてって思っちゃう。ビジネス側にいたとしても、だ。それでも編集部での話し合いのシーンは面白かった。
                         2010/8/04、UPも。

10〜11巻/
10巻。服部が裏で手を引いた港浦の編集。新連載の構想が決まっていく。サイコーとシュージンは服部を尾行。新連載へのネタが固まっていく。そして「完全犯罪クラブ」完成。“やり方”を変えるふたり。担当は服部に。岩瀬の決心。

11巻。連載を前にまだまだ質を上げていく。アシスタントに来た白鳥、森屋、折原。「PCP」連載。
「+NATURAL」はアニメ化に。主役は亜豆? サイコーはそれに耐え切れず。
亜城木夢叶のの欠点とは。秋名の真意。亜城木夢叶を煽るエイジ。ふたりの挑戦。

連載会議、私だったらこんなプレッシャーに耐えられない。

ここでいう完全犯罪って、ハルヒの校庭の落書き話も通じるよなと思った。「名探偵コナン」読みたくなってきた。
連載読みしているけど単行本ってまた視点が違って見えて面白い。
作中漫画にどっぷりしている時の話の方が好き。

エイジのライバル意識、すごい。まさに好敵手。
岩瀬、怖すぎだよー。
                         2011/2/04、2/15UP

12〜16巻/
12巻。「PCP」は過酷な試練を越えられるのか。ライバルの存在。秋人は「恋太&ピース」の原作も手がけることに。
13巻。スーパーリーダーズラブフェスタ。
14巻。18歳の七峰透が投稿してくる。邪道なやり方で連載へ。「PCP」と勝負。
15巻。七峰のアシスタントしていた中井。真城はクラス会へ。模倣犯から秋人のスランプ。
16巻。エイジVS福田組。岩瀬の危機。ベテランの持ち込み。

これは連載読みしているんだけど、感想のためにまとめて単行本読んで…気づいたことが多々。

岩瀬出てこなくなりましたね。うざくて嫌いだったので良いのですけど。
七峰透は、現代におけるネットと創作の関係から出る問題点をキャラ化していて面白い。悪意と高慢と自己愛の擬人化は、一見突飛に見えるけど現代の闇そのもの。「創作のルールはこういうものですよ」的な教科書みたいで引くところもあるけど、最低限の倫理ルールがわからない人が多すぎるからなんだろうな。
「シンジツの教室」は「進撃の巨人」騒動を彷彿させた。
七峰を咬ませ犬にしたのも、岩瀬の扱いと違って、大場さんの感情が透けてみえ興味深かった。

まとめて読むと密度の濃さに感じ入る。良く出来ている作品だと感動する。

吉田氏、ほんとすごい。編集というよりマネージャーだと思う。
単行本で読むと蒼樹紅が何で平丸を選んだのかわかる。そこまで彼女のモノローグがなかったのも秀逸。

この作品読むと元気出る。怠けてたなー、努力しようっと。

アニメへの企画の出し方が興味深かった。
制作会社が持ちかけるんだなー。編集長の権限て大きいんですね。
                         2012/1/22、1/25UP

17巻/
七峰の逆襲と目的。川口たろうと東の想い。七峰vs福田組再び。編集長交代。新作に取り組む亜城木とエイジ。

連載で読んでいて七峰の歪みとプライドとコンプレックスが強すぎて楽しくなかったの覚えている。同族嫌悪的執着。
「一話完結じゃない、一話完結」には唸った。
今はすっかり香耶ファン。彼女の蓄積ってすごい。
単行本まとめ読み推奨。
                         2012/3/04、3/06UP

【コミックセット】


【コミックス】

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2012年03月04日

のりりん 04巻まで

【のりりん】 04巻まで  /鬼頭 莫宏

「チャリ乗っているヤツは死ねばいい」
自転車嫌いを公言している丸子一典(まりこかずのり)は、自動車のスピード狂で短気、免停が多い。その日もうっかり自転車を轢きそうになる。ロードに乗っていた相手はそのままジャンプし、お互い人間は無傷。そんな離れ業を見せたのは織田輪(おだりん)。17歳のラーメン屋の娘。
それぞれ壊れた自動車と自転車の話し合いにラーメン屋を訪れた一典は、輪の母陽子に無理やりロードに乗せられる。キレて二度と関わりたくないと逃げ出したが、合コン途中の友人らに呼び出される。あげくにからかわれ、免取に。小さな町のイベント企画会社には一年乗れないのは大きな痛手。
一典が自転車を嫌うトラウマ、そして自転車部発足。28歳のりりん、自転車に魅せられていく。

イブニング。
「ぼくらの」で気になっていて、でもまだ読めていない。
マニアックな層に人気で、ずっと気になっていた作家さん。なので新刊出て、ここからスタート。

最初にのりりんと呼んだのは輪の母。
自転車カタログ的な「アオバ」では物足りなく、「弱虫ペダル」のような熱血スポーツ競技として自転車に向き合いたくない人には、特にオススメ。
もしかして生活の等身大に近いかも。入門にもベストかも。
ほんと、自転車ってブームなんですね。

とはいえ、内容も期待感溢れて面白い。
次巻も楽しみ。

うわー、いくら酔っているからといって合コン相手の女子、杏真理子最低〜。
後フォローあって良かった、でないと読んでてぶちギレてどーしよーもなかった。

この作家さん、気に病むタイプのとても優しい人なんだろうな。作品のはしばしに感じた。
                         2010/7/27

《こんなふうにおススメ》
等身大に自転車を楽しみたい人に特に。わくわくします。

2〜4巻/
2巻。陽子がけしかけた、一典と等々力潤とのスピード勝負約束。一週間の特訓。
3巻。いよいよ、一典と等々力潤の勝負。陽子の秘策。
4巻。自転車買うのに必要な物。丸子兄妹、揃ってマイ自転車デビュー。ロードバイク選び。ドマチの告白。小さい人の自転車。ロードを組む。

面白いのだけど、マニュアル漫画みたいになって考えさせられる。ドラマを読みたいのに、だんだん自転車趣味の人に面白い、蘊蓄満載のそんな漫画になってしまった。自転車に興味があるから入門の勉強になるけど、作品としてはどうなのよ? って思った。
BTOパソコンの面白さにも通じるんだろうな。
                         2012/3/03、3/04UP


ラベル:鬼頭莫宏
posted by zakuro at 20:07| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月03日

テルマエ・ロマエ 04巻まで

【テルマエ・ロマエ】 04巻まで  /ヤマザキ マリ

紀元128年ローマ。
建築技師のルシウス・モデストゥスはアテネで学び実力はあったが、ハドリアヌス皇帝の斬新な近代建築に街が変わっていくのに嫌気が差し、古き良き時代に懐古していく。そのために事務所を解雇、失業してしまう。
彼を慰めようとする友人のマルクスと連れだって公衆浴場に向かい、湯船に入ると変わった排水口を見つける。よく見ようと近づきその裂け目に吸い込まれてしまう。気づくとそこは現代日本の銭湯だった……。
ルシウスは日本の風呂文化からインスパイアされ、古代ローマ屈指の風呂専門の建築家になっていく。

月刊コミックビームにて不定期連載。この3月から連載化。
ローマ人と日本人の共通点の風呂好きをそのままテーマにしている。
今年(2010)のマンガ大賞受賞。マニアックな漫画読みの絶賛で、こすヨメγ2010でも見かけていた。
漫画を読まない人にも面白いはず。「マンガ大賞」が良いと思うのは、結果として、この「漫画読みでない人も面白いと感じて、漫画を好きになれる」作品を選んでいること。これって大事だと思う。漫画読みの人たちには候補基準は賛否両論かもしれない。でも私のように大人になってから読むようになった人には、その世界に誘われるきっかけとしてありがたいことだと思う。

作家さんは希有な経歴で現在はポルトガル在住らしい。自宅に浴槽がなく、それへの渇望から描き出したとあった。
タイトルは「ローマの公衆浴場」。日本語に直訳するとTHERMAEは温泉とされることが多いが、どうも意味は微細に表現される単語らしい。
話のきっかけは「マ王」のトイレに流されて異世界へ行き王になる主人公を思い出すが、こちらは大人の読み応えがあって面白い。

真面目な(?)ギャグが可笑しい。ルシウスの生真面目だけど、とんちんかんさが笑いを誘う。かなり笑った。
銭湯絵の富士山を見て「ボンベイのヴェスビオス火山ではないか!」に大ウケ。
キャラクターシャンプーの隣でロダンの“考える人”状態のルシウスのような対比だったり、ぴりっとしたギャグも秀逸。
ウォシュレットに感動するルシウスに声をあげて笑った。
いちごの布団にくるまっているところも。
「この男の勧める酒なら断れまい」にも。「快感追求の熟練度」に大爆笑した。

現代日本といっても、ルシウスが流される時代には幅がある。最初は設えからたぶん70年代半ばくらいで、高度成長に湧いている頃かも。それも楽しい。

作家さんが海外生活が長いせいか、日本文化を眺める視点が外から入って新鮮。
小ネタも面白い。当時のローマでは男色趣味は「ギリシャ的だ」とバカにされていたこと。なるほど。

月刊コミックビームで、連載化を記念して3月発売の号に特製てぬぐいが付録でついてくる。欲しくて悩んでいる。
                         2010/3/18

《こんなふうにおススメ》
笑います。楽しいです。大きなお風呂に入りたくなります。
日本の風呂文化にも感じ入りました。

2巻/
ルシウス、妻に逃げられる。
男根信仰で仕事する友人のマルクス。
弱った皇帝を元気づけたいルシウスはバナナワニ園に。
次の皇帝の人気取りのために新しい浴場を設計するのに悩むルシウスはスライダーを経験。スタンプラリーとラムネ。

最初から吹いた。男根信仰は日本にも多い。日本でのコンセイサマは東北に多い。温泉地とこの信仰が結びついているのは初めて知る。唐辛子もその変形だったとは!!
面白さのテンションが落ちないのが素晴らしい。
                         2010/10/09、2011/1/13UP

3〜4/
3巻。次期皇帝候補のアエリウス・カエサルの人気を妬む元老院は、ルシウス暗殺に乗り出す。ルシウスが招集されたのは治安の悪いヴェスビオスの麓。温泉街編。樽風呂。黄金風呂。
4巻。アエリウス逝く。ラテン語を話せる美女、小達さつき。ルシウス、温泉旅館で働く。

実写映画化も近々。ただ今、アニメ中。
ハドやんに笑った。古代ローマオタクのさつき、すごい!
合間のコラムは変わらず秀逸。日本語も美しい。
そんなわけで、積んである塩野七生に手を出すか悩み中。
                         2012/3/02、3/03UP


ラベル:ヤマザキマリ
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2012年03月02日

よつばと! 11巻まで

【よつばと!】 11巻まで  /あずま きよひこ

5歳の女の子よつばと、血は繋がらないが彼女を育てる“とうちゃん”の父親、気の優しい三姉妹のいる隣人宅、彼らを取り巻く大人たちの日常。
よつばの“初めて”がいっぱい詰まった毎日。

よつば、かわいすぎる。悶える。
大笑いした。癒された。そして、なんだかとっても泣けた。
子どもっていいな。よつばは無敵だ。こんな子いたら楽しいだろうけど、親の度量も試されるだろう。子どもだったかつての自分にも重なる。日々の発見が嬉しくて感動で。時間も空間も永遠にみえた。
いったい彼女は、これからどんな大人になるんだろう。それがとっても楽しみ。そしてその反面。彼女を取り巻く、そして彼女ら世代を迎える未来は明るいのだろうか?
4巻の、ブレーカー落ちたお父さんにはほんとに同情する。
少子化の時代、世界中の子どもを分け隔てなく育てるのは幸せなことだろうな。多くの大人たちに、これで癒されてほしい。
                         2008/3/4

《こんな人におススメ》
子ども心を憶いだしたい人に、是非。
《こんな時におススメ》
癒されたい時、日本の将来を真面目に考えたい時にも。
                         2008/7/19UP

8巻/
相変わらず楽しいよつばの日常。牧場に行った余韻に浸るよつば。あべこべごっこ。風香の文化祭に行く。
「子どもってそうだよねー!」と共感をすることありまくり。癒されるー。
台風に向かって両手を上げる父ちゃんに爆笑するも、気持ちがわかる! 隣りのお母さんのツッコミ最高。
子どもの好奇心てすごい。いまだに多少残っているけど、私の場合は自分のスペックの低さとそれがバランス取れていないのが問題(苦笑)。
テーブル下に隠れるジャンボ、最高。ちょっとした表現がうまい、感情が伝わってくる。どのキャラクターも面白い。
よつばの反応が面白いので、オトナたちがやたらとよつばを可愛がるのもおかしい。わかる。
そしてオトナたちが本気で子どもと向かい合っているのに感動する。
やっぱりこの作品、大好き。読めて幸せだ。ありがとう。
                         2008/9/25、10/1UP

9巻/
予定を立てる。初めてのぬいぐるみ。初めてのコーヒー。焼き肉。そして気球大会を観に行く。

よつばは毎日初めてだな。子育て中の人にプレゼントしたい。煮詰まっていたらとくに。辛い日々にも楽しさが見つかりそう。
よつぱ家族にジェラルミンがきた。
「ハゲてもハゲられるな」の台詞に爆笑した。意味わかんないけど、気持ちはわかる。負けちゃいけない。
気球に行けなくて拗ねる風香、可愛すぎる。
なんで子どもっていつまでも遊べるんだろう。ほんとに不思議で羨ましい。
一年に一冊は長すぎる。せめて二冊に……(わがまま)。
                         2009/12/17、12/19UP

UP追記>
amazonのレビューを読んで。
9巻の違和感を語っている方々が多い。主に、今までは“よつば”目線だったのが、大人の視点の解釈が入ってきて、これなら他の漫画作品と差別化にならないとの意見。
なるほど、数をこなすのがメインになっている身としては読み込みの足りなさは致し方無しですが勉強になります。面白い。
ちなみに私には面白く、その大人目線も楽しめました。
                         2009/12/19

10巻/
よつばと遊ぶとーちゃん。よつば、ホットケーキと格闘する。家電屋さんで。うそつき虫。みうらの家に。

なーごーむー。いろいろと疲れた時はやっぱよつばだな。

わかるわかる、子どもってそうだよね、が、随所に展開、気持ちいい。元のよつばの雰囲気に戻った。
真剣に遊ぶとーちゃんが偉すぎ。こういう人に育てられるとよつばが出来る。ジャンボもやんだも良い味出してる。みんな優しい。

ダンボーを動かそうと10円出したよつばの目に意思を感じたっ!
はー、幸せだった……。
                         2010/12/26、2011/1/05UP

11巻/
手打ちうどん。宅配ピザの注文。シャボン玉。栗拾い。よつばのマイデジカメ。ジェラルミンの手術。

お腹空いている時に読んではいけない巻。ピザ、子どもとふたりで2枚ってすご過ぎ。
ヨガボール、めっちゃ欲しい。置くとこないのに。最近マッサージクッション買ってマイブーム。
よつば、和む。育てるのは面白いけど大変そう。
                         2011/11/30、2012/3/02UP
【コミックセット】


【コミックス】

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2012年02月29日

きのう何食べた? 05巻まで

【きのう何食べた?】 05巻まで  /よしなが ふみ

弁護士で43歳、ハンサムと周囲に騒がれる、ちょっとナルシストでマイペース、倹約家の筧史朗は料理が趣味。それも日々のおうちごはんを出来るだけ安価にバランス良く食べることに執念を燃やす。
同居の恋人は美容師の矢吹賢二、41歳。人当たりが良くヤキモチ焼きで、史朗を大事に想う姿が滲み出る。
ふたりのゲイカップルの日常と日々の食事の記録。

モーニング連載。

面白いのはわかってた。でもあまりにもこの作者さんの作品ばかり読んでいるので、少し積んでおく。
久々に大きな読書スランプでリズムを崩したので手に取る。やっぱ面白いー。
大奥」みたいなしっかりストーリーを組み立てたのも良いけれど、この日々の雑文スタイルに人情が織り込まれているのには唸る。なんか、内田百閧ニか、池波正太郎らの文に触れているみたい。何気に癒されるのだ。

そして季節感たっぷりなレシピ本でもあるので、作りたくなってくる。
よしながさんの作品には美味しそうな料理が必ず出てきて、それはそれは幸せな気持ちにしてくれる。
良い食材の手に入る場所にすぐ越したいなー。と、すぐ影響された。史朗は主婦の鏡だ。
史朗の料理は、自分自身に戻るためのバランスを調整する時間だったり、リセットであり、集中することで安定する、大事なプロセス。だからどんな時でも料理する。
黒蜜って、けっこう簡単に作れるんだな。

ゲイの愛されファッションの説明に爆笑した。確かに!
ゲイの友人の中でも、もっとも仲良しの友だちはこのスタイル。オシャレには命かけているし、お金のかけ方は半端じゃない。確かに彼はモテると思う。
ゲイの友だちは、気が合いまくると女子の親友よりも、良い意味で厳しく的確な意見をくれ、熱い心で接する頼れる心友になる。心から信頼できる女の親友たちも、裏表が無くクールに付き合ってくれて感謝だけど、うざいほど相手のために熱くなってくれるゲイの親友もありがたいのだ。

賢二は女の子っぽい。こういうゲイの人、いるー。一緒にいたら、私も史朗みたいにちょっとめんどいって思いそう。だけど優しいんだよね。
                         2009/12/20

《こんなふうにおススメ》
料理したくなりますが、まずは自分を大事にしてあげたくなる優しい本。
                         2009/12/26UP

3巻/
史朗は乞われて正月に実家に。ふたりの生活も淡々と続く。

サッポロ一番のラーメンの話題はあちこちに登場してて、読んで納得。ラーメンだったから、電話に出なかったと言って納得し合うのはどれだけ理解し合っているんだと羨ましいほど。価値観がこれだけ合うといいよなー。
作ってみたいのはうなぎ混ぜご飯、ナスとトマトのサラダ、酸辣湯! 水炊きも良い。
ほんとにバター高くて買えないよね。
                         2010/4/18、4/20UP

4〜5巻/
4巻。テツさんとヨシさん、ゲイカップル友だち。史朗は苦手だが会食することになり。賢二の料理。苦手な天ぷら。テレビ出演を断る。リンゴづる。定年の佳代子の夫。お互いの大事さ。
5巻。富永さんのジルベール。指輪を買う。正月の実家。裁判員裁判。

タマネギ炒めてないハンバーグも良いんだよね〜。4巻のおもてなし料理はいくつかメモ。バナナケーキは私もよく作ります。
指輪に頬を染めたケンジさん、可愛い。

知り合いの経済学者の方から愛読書と聞く。娘さんに勧められたとのこと。ゲイ的なところは、まったくのファンタジーに捉えてらしたけど、レシピ本として作るのが楽しみなんだそう。仲良し父娘、嬉しくなった。
ただ、話を聞いていて確信したのは、お嬢さん、腐女子だと思います……。
                         2011/12/20、2012/2/29UP

【コミックスセット】


【コミックス】

ラベル:よしながふみ
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2012年02月28日

脳内ポイズンベリー 01巻まで

【脳内ポイズンベリー】 01巻まで  /水城 せとな

フェルト細工が趣味で思い込みの激しい30女櫻井いちこは、東急東横線のホームで、1ヶ月前に親友の川上礼子がセッティングしてくれた合コンで知り合い気になっていた青年、23歳の早乙女亮一を見かける。いつも頭の中が大騒ぎしているいちこは、逡巡した挙句に亮一に声をかけるが。
いちこ脳内会議のメンバーは、小心者でサプライズに弱い議長の吉田、ストイックな真面目女子の池田、やたらポジティブに妄想が突っ走る石橋とハトコ、記録係で年配男性の岸らで構成。彼らの大騒ぎがいちこを走らせ、恋を混乱させていく。
いちこの書く携帯小説の出版を希望する編集者の越智も巻き込み、間の悪い墓穴型波乱万丈女子の恋。

コーラス。

恋ってひとり脳内でじたばたしてしまって、傍から見るとかなり滑稽なもんだと思う。それをデフォルメさせた恋愛漫画。
なんて言うんでしょう、お布団被って「わーーーっっ!!!」って言いたくなる、あの凹んだ気持ち。それが全編に繰り広げられていて、読んでいてすっごく体力使うし、HP削られるのだ。
どうしてこの作家さんは、この隙間みたいな感覚描くのが上手いのか……。感心ばかり。
あとがきでは、「誤解で溢れている」戸惑いがテーマ、みたいです。

なんつーか、人生で隠しておきたい暗黒歴史、胸の触れられたくないところ、グリグリされちゃうんですよ。
面白いけど、キッツい。
続きも読むけどね、好きな作家さんだから。
                         2011/9/30、2012/2/28UP

《こんなふうにおススメ》
人間心理に興味があれば。


ラベル:水城せとな
posted by zakuro at 02:22| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月27日

NARUTO -ナルト- 59巻まで

【NARUTO -ナルト-】 59巻まで  /岸本 斉史

火の国である木ノ葉隠れの里に育った、身寄りのないうずまきナルト。
落ちこぼれで忍者アカデミーを落第しまくっていたが、里の人たちに嫌われている心の傷の方がずっと強かった。里一番の忍者になってみなを見返したい。
イルカ先生らわずかなナルトを支えてくれる人々の愛情でなんとか下忍になる。
ナルトが忌み嫌われているのは、かつて里を襲った妖狐の九尾を、生まれたばかりの赤子のナルトに封印したからだった。

下忍のナルトは、ライバルでもある天才忍者の家系出身のうちはサスケや、おませな春野サクラらと、上忍のはたけカカシの班に配属され、無鉄砲で根拠のない自信家から少しづつ成長をみせていく。
ナルトは木ノ葉のトップ忍者の“火影”の名を受け継ぐことができるのか?

第一部は、27巻半ばまで。
ナルトがアカデミーを卒業。下忍として任務を果たす。中忍試験。5代目火影。木ノ葉隠れの里を捨てたサスケを追う。
27巻には「カカシ外伝」も収録。カカシが写輪眼を持った理由。

第二部は、28巻より。
修行の旅に出たナルトが2年半ぶりに戻ってきた。成長したナルトたちが逞しくみえる。
抜けたサスケを追う木ノ葉、そしてナルト。大蛇丸、暁との戦い。サスケとイタチの戦い。

じき7,000万部になるであろう発行部数を誇る漫画。海外でも人気が高い。

うずまきナルトは最初からスーパーヒーローではない。どちらかといえば、背負うものがある貴種流離譚(主には高貴の血脈に生まれ本来ならば王子などの高い身分にあるべき者が、不幸の境遇に置かれ、その恵まれない境遇の中で旅や冒険をしたり巷間で正義を発揮すること)な不遇闊達型(不幸の境遇におかれても正義を発揮するタイプ)なのだ。
そのアーキテクチャーは日本の神話の基本にあたるが、それが今は新しく感じる。
もうひとりの主人公、サスケもこのタイプ。ちなみに彼は贖罪型(同じような高貴であっても、人類の背負った罪などをあがなうタイプ。サスケ的にはそのDNA)といえるかもしれない。

とっても読みやすい。絵で見せてくれる。上手い。
しかもどんどん演出もカメラワークも、絵そのものも上手くなっていくのだ。すごい。
「自在」、その言葉がもっとも合う。
そして随所に工夫が見られる、背景もすごい。オモチャ箱をひっくり返したよう。わくわくしてくる。パースペクティブが特に上手い。
ところどころ大友克洋っぽいと思ったら、やはりかなりの影響を受けていると作中にあった。
ダイナミックな構図には惚れ惚れする。漫画家じゃなくて良かった。こういうのを見ちゃうと嫉妬で苦しんだかもしれない。213話の見開きの扉は、まるで浮世絵のようで素晴らしい。構図も絶妙。
この作家さんにとってのライバルは、総合芸術である映画なのだと思う。

少年系をまだまだ読み慣れていない分、リズムに乗るまでに時間がかかったが、10巻を越えたあたりではかなり夢中になれた。20巻を過ぎたあたりからはもう手放せなかった。

最初はナルトがただの元気バカに見えて読んでて辛く、しばらく放置。
半年してもう一度読み直してみると、少年が主人公の漫画のスタイルというものがわかってきた。最初が面白くなかったわけではない、読者の私の問題なのだ。
この作品は現在の43巻までずっとテンションが変わらない、落ちずに惹き込んでくるくらいのパワーを持っている。つまり、漫画って読み手にも素養が必要だということだ。
イマドキの人たちはみんな子ども時代から読んでいるから、提供側の、そこの不親切はあるのかもしれない。オトナから鍛えるのは珍しいから、どこか子ども時代に洗脳していかないと、大人になってから漫画を習慣づける人はいなくなるのかも。でも、読み手に合わせてしまうと、この面白さは半減するかもしれない、難しいところ。

11巻目くらいから、ナルトが可愛くなってきた。ダメな子ほど可愛い。それでもナルトは一生懸命。
テーマは「自分を信じること」。
これがどれだけ難しいかは、大人の方が実感しているかもしれないね。
たまに落ち込むけど、自分を信じてひたすら進んで行くナルトを応援したくなる。
15巻くらいからナルトもどんどんカッコ良くなってきて小気味良い。

脇キャラもとても個性溢れ、ひとりひとりに丁寧に焦点を当てている。
もちろんそれは、人気漫画だからこそやらせてもらえるのだろうけど、嬉しい。
そして話が進むに連れてどんどんキャラクターの個性、面白さが際立ってくるのだ。そこは圧倒的。感動すらする。その遊び心がなんとも言えない。
シカマル、面白い。ネジも限界を知って、ますます強くなっていったり……。みんな努力の人たちなのだ。それは作者の生き方に繋がっているのだろう。
どんどんみんなが成長していって……もうね、可愛くて仕方なくなる。お母さんな気持ちになる。
31巻は泣いた。大泣きした。

チャクラという表現があるが、ヨガや東洋医学的意味合いのチャクラではなく、体内に温存されるエネルギーの使い方に近い。どちらかというと“気”?
ナルトと仲間との友情と成長物語だけど、完全なる作者の創作の中の忍者設定は面白い。
ここまでオリジナルって天晴。(ここはハガレンにもみられる傾向)
もちろん中世の忍者のあれこれだけでなく、神仙道や道教、古事記、易経までもから影響を受けていて、しかもまんまそれをその通りに使うのではなく、どれもオリジナルにもどいているのだ。そこがすごいし面白い。それらがとても良く出来ているのだ。この自由度はまるで子どもの発想……。唸った。
また、技のひとつひとつは、他に影響を受けているものもあって、例えばNLP(神経言語プログラミング)やコーチングのテクニックなどまで使われているのが、興味深かった。

火の国、木ノ葉隠れの里とは、まんま熊野じゃないか、と感じたが、深読みしすぎ?
この作者なら、そのくらいは設定していそう。

本編とは関係ない余談だが、作者の「生い立ちヒストリー」が為になる。
特に新人賞を取った後の、辛くて苦しい時期に努力したあれこれは、才能だけでなく頑張る指針を伝えてくれる。やれることってある。その勇気をくれる。
演出方法も、どんどん進化している。常に実験と練習を繰り返す人なのだとわかる。
そこが尊敬。この作者のコメントを読むだけでも価値がある。これからもこの作家さんを応援したいと思った。

余談もうひとつ。影分身術のメリットを知って、これ、習得したい。人生が倍になるよね。密度が濃くなる。いいなー。
43巻まで手元にあって良かった。ちょうどキリが良かった。
                         2008/9/15、9/16UP

44巻/
自来也の死。師匠を失ったナルトは、自来也を育てた師の元で修行を始める。
サスケは新たな目標に向かって動き出す。
次のステージに入った巻。

電車の中で新刊を読んでいる人がいて、つい覗き込んだ私は重症。
物語としては大きな話なので、本来は一区切りしてからまとめて読む方が分かりやすいんだと思う。
中の扉絵に、サスケとナルトがそれぞれの相手をペンダントとしている絵で、それってどんなに腐女子サービスなんだろうって思ってしまった。
                         2008/11/20、11/28UP

45巻/
暁と組んで八尾攻略に乗り出すサスケ。サスケらと、雷影の弟キラービーとの闘い。
ナルトは妙木山(みょうぼくざん)で修行の日々。いよいよ仙人モードに入る。
木の葉の里、暁に襲撃される。カカシの見せ場。

綱手、カッコいい。NARUTOは女子もカッコいいのだ。サクラもイイ女になったなー。
ナルトがナルトとして、人から信じられるようになっているのが嬉しい。
いよいよクライマックスに入ってきましたね。スピード感はなんともすごい。
                         2009/4/10、4/12UP

46巻/
カカシとペインの戦い。木の葉の忍は次々とやられていく。
ナルトは変わらずフカサクの元で修行中。
木の葉の里の窮地で、里が一体となる。ナルトを毛嫌いしていた人たちも、ナルトを守っていく心根が育っている。
木の葉の里、ペインによって崩壊。ナルト登場。

ナルトが登場するまでは読んでいて痛い。木の葉が崩壊していく様は、描いているのも辛いだろうな。
クライマックスへ向けての序章って感じ。ナルトへの信頼が一気に表現されている。綱手の言葉、木ノ葉丸の覚悟、そして里の人々が一丸となって戦う。
すごいなー。ここまで来るのに、45巻も……。涙。そして何年連載が……。読んできて良かった。

見開き、俯瞰で観た木の葉の里、圧巻。すごい。それが一瞬で崩壊する。ここまで粘ったからこそ、ナルトの登場にわくわくする。
カカシファンには辛い巻。
テンションは下がらない。どれだけすごい作品なんだろう。
カツユって喋れるんだ〜。
UP時現在、累計発行部数が9600万部らしい。
                         2009/5/30、6/02UP

47巻/
ナルトとペインの戦い。八尾まで顕現したナルト。
封印が解かれる手前で、四代目火影が登場する。父子の対面。

そろそろ終焉に向かっているという作者のコメント。すごい作品だよな。正直、「ドラゴンボール」を読み終えたからこそわかる、この作品の密度と充実度。
10周年記念に、作家さんからのお祝いイラストも収録。
                         2009/8/23、8/26UP

48巻/
六人目のペインを倒し、本体に単独で向かうナルト。ペイン本体の長門と対峙する。平和という概念が抱え持つ矛盾に悩み出すナルト。自分の行動が正しいのか、答えを見つけようとする。ナルトが初めて理解する自来也の言葉。そして相手を理解したいと長門の過去を受け止めていく。長門はナルトと理解をし合い、外道輪廻転生の術を使う。生き返る木の葉の人々。
木の葉ではダンゾウが新たな火影に。

バトルはないけど、ほんとの意味でクライマックス。
憎しみの連鎖を重く受け止め悩むナルトの成長が嬉しくなる。双方に「正義」がある。ここから抜け出すには善悪の概念を超えていかねばならないのだが、どこまで成長できるのか、ナルトたち未来を背負う彼ら。すべては対話からなのだ。
そーなんですよね、その場では決してわからない師の教え。でもきっといつかはわかるもの。師の立場になってみるとそれが理解できてくる。

重い話になってきたが読み応えがある。面白い作品で大人にも勧めたいけど、ここまでの巻数を読んでもらうのはかなり難。もったいないことだ。
バクマン。」の連載を読んでいて知ったのだけど、ジャンプでは「人が人を殺すシーンを描いてはいけない」成文律があるらしい。うーむ。すべての漫画にいえることだが敵を倒し続ける内容は、もうそろそろ限界なんだろう。それに対して、作者の答えはここにあるんだと思う。
                         2009/11/12、11/23UP

49巻/
五影会談が開かれる。ナルトは雷影と交渉を図る。
サスケも火影暗殺に動き出す。ナルトの恋心。ナルトとサスケの運命。

早売り見つけて読んでしまった。わーい。通常発売は、年明け4日。
テーマが語られていく巻。カカシとの会話で見せたナルトの笑顔にうっかり泣きそうになった。
大人の頭の固いのは現実も一緒。社会のルールを振りかざし、人をみない。子どもたちの未来に託すしかないのか。法は大事で守る基準だけど、それに囚われて芯を見失うのは怖いこと。ナルトのやり方は幼いけど、その行動は真だ。
作者の表紙裏のコメントから。私もながら族。どちらかといえば音楽。映画は集中しちゃって絶対ムリ!
                         2009/12/30、12/31UP

50巻/
風影の我愛羅、サスケを諭す。しかし。ダンゾウを追って五影会談に殴り込むサスケ。
うちはマダラが話す“月の眼計画”とは? マダラが仕掛ける第四次忍界大戦に向けて忍連合軍結成。
八尾のキラービーと暁の干柿鬼鮫。

まとめて読みたい。感心しきり。
                         2010/3/31、4/06UP

51巻/
木の葉が総意でサスケに向かうと決める。サクラの覚悟にナルトは。
風影の我愛羅はナルトを友と呼ぶ。
マダラは、サスケVSダンゾウを仕掛ける。そしてカカシ。

上手いなぁ、人気の乏しいダンゾウと、サスケを戦わせるとは。
ほんとによくこんな話思いつけると感心。絵、変わりましたね。
                         2010/4/30、UPも

52巻/
カカシとサスケ。サクラは…。そしてナルトとサスケは顔を合わせ、ナルトは想いを伝える。
忍連合軍動き出す。フカサクの予言から九尾と合一する鍵を渡されたナルト。導くのはタコ? ナルト、八尾の苦悩を知る。ナルトの敵は自分の中。

この物語は、ナルトとサスケの陽と陰の話なんだなぁ。そして巴のようにふたつが入れ替わり戻る。まさにこの世の理だ。
展開もまた楽しくなってきた。
                         2010/8/05、8/07UP

53〜55/
53巻。ナルトは自分の中の九尾を受け入れる。そして九尾の封印を解き戦う。ナルトは母クシナに会う。母の愛。ナルトの出生。
54巻。ナルトは九尾の力を手に入れる。54巻。ガイと干柿鬼鮫。鬼鮫の過去。月の眼計画とは。マダラに勝負をかける小南。土影動く。カブトとデイダラ。
55巻。ヤマトが人質に。

読みっぱなしで感想も途中にしてて、新刊出たので慌ててUP。

みんな元は愛だったという……。そして母の愛がもっとも強力な武器。ベタベタな王道内容なんだけど、泣けたなぁ。普遍。ミナトかっこいい。家族の風景を描いた503話の扉絵に涙。一見平和に見えるシーンがどれほど貴重か。

シリアスの中の笑いも変わらずに楽しい。セリフの粋さは健在。
ナルトの昼ドラツッコミに笑った。
この作品って回想が切なくて良いんだよねー。
気になるといえば、この絵。ラフすぎないか? 確かにこれも作風、言いたいことが伝わればとりあえずはいいんだよねモードだ。勢いというのも感じるけど、読者に疑問持たせていいのかな。とっても上手いし、個人的には好みの画風だけど。
                         2011/3/10(震災前日に読んでいた…)

56〜59/
56巻。暁との総決戦。大蛇丸の術、穢土転生。金銀兄弟。戦いの中でそれぞれの成長。ナルトは異変に気づく。
57巻。イルカの想い。マダラは月の眼計画の成就へ向かう。ナルトは参戦を決めて。キラービーの大切なもの。
58巻。我愛羅の母の愛。イタチと長門。
59巻。五影集結。ともに戦う。本物のマダラ。

前回は震災前日に読んでそのままにしてた。月日速し。
56巻にはこの作品らしからぬ戦略紹介。珍しいよね、でも確かに話が複雑にはなっている。

死者を蘇らせ戦わせる。師だったり家族だった大事な人たち。こういうのがもっとも深い罪と思う。愛や家族、仲間とはなにか、の、見せ場に沿っているけれど。
チョウジの活躍はこの作品ファンには格別なんだと思う。一作品づつちゃんと向き合うっていいよなーとノック中心読みだと寂しく感じることもしばしば。
                         2012/2/25、53巻からの分、2/27UP

《こんなふうにおススメ》
2,000年代を代表する作品。読むべし。

【コミックスセット】


【コミックス】


ラベル:岸本斉史
posted by zakuro at 23:02| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月26日

百姓貴族 02巻まで

【百姓貴族】 02巻まで  /荒川 弘

北海道の酪農農家の三女として育った作者の、リアル農家エッセイ。
自然の過酷さ、酪農の不条理と逞しさ。コミカルに描きながら、問題定義の作品。

新書館のウンポコが廃刊になり、ウィングスに移動。そちらで連載。
内容は全方位なのだが、雑誌は少女系なのでそちらにカテゴライズする。

荒川家の生き抜く力に感動し、大笑いしながらも、日本の食事情のバランスの悪さに憤り、考えさせられ、唸らせられる。
鋼の錬金術師」に感じた、生死が隣合わせで、この世は不条理であり理不尽である、それを描く度量は生まれ育ちなのだろうと想像していたが、まさにその通りだった。

搾乳から直に乳をキャッチするネコたち(テレビ出演して自分たちのえさ代も稼ぐ)や、食の感覚の違いには笑った。
台風で一掃されても大笑いして済ます家族、ケガは日常、生きていることが不思議な逞しさに頭が下がる。

医学部でクローンの勉強をして獣医になってから漫画家になろうとしていた作者だったことを知り、それも納得いった。
漫画家さんになってくださって感謝です。

特にハガレンと同じ作者かと思うくらい、気の抜けたフリーダムな作風も楽しくて好き。
応援してます。
これを日本国民の教科書にしたら良いよ。
                         2010/4/30、5/04UP

《こんなふうにおススメ》
漫画読み関係なく勧めている。食や環境に関心の高い方には特に読んでいただきたい。

2巻/
冬到来。依田勉三とは。大型特殊免許。牛の事情。もし北海道がロシアになっていたら。親父伝説。頼もしい犬たち。牛乳の味。自然からのお報せ。牛をペットにしてみる。

タイトルについての想いは同感。言葉狩りには憤懣やる方なし。

今回も笑った笑った。夜中に読んだり車中はめっちゃ注意。
なんかもう、とにかくすごい。なんで「銀の匙 Silver Spoon」が生まれたのかわかる気がする。もっと読みたいと思うもんね。
「なるほどね〜」「そうなのかっ!」どれだけ感心させられるかわからない。もう本気で国民の教科書にしたらいいよ。

かまくら作り最高。十勝開拓史凄過ぎる。頭下がる。牛乳豆腐食べてみたい。分割統治は知らなかった……。無知って怖い。角切りネタは身悶え……。
パラパラ漫画も堪能。

専業農家、憧れるけど、正直ムリ(涙)。
生きることについて自分の甘さを思い知る。人としての無能を思い知らされる。
                         2012/2/25、2/26UP


ラベル:荒川弘
posted by zakuro at 03:31| Comment(0) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月24日

夏目友人帳 13巻まで

【夏目友人帳】 13巻まで  /緑川 ゆき

夏目貴志は、両親を早くに亡くし親戚縁者を点々としていた。幼い頃から妖怪が見え、それらはたまにちょっかいを出してくる。ところが最近それが頻繁になってきていた。
彼らは夏目を「レイコ」と呼ぶ。母ですら記憶にない祖母の名前だ。
その日も妖しに追われて飛び込んだ神社の結界をうっかり破ってしまう。中から出てきたのは招き猫を長年依代にしていた化け物だった。「友人帳」と持っているかと尋ねてくる。その帳面はレイコのもので、悪意を持ってレイコが調伏した妖怪たちの名前が描いてあった。
夏目は事情がわかってくる中、その名前を妖怪たちに返してやろうと決意する。猫の姿をした化け物、斑(まだら)は「先生と呼べ」と強要、ニャンコ先生とともに始まる夏目の冒険物語。

形式は「蟲師」のように進んでいく。一話完結方式。
相変わらず、導入も何もかもうまい。姿態が美しく、読んでいて幸せな気持ちになる。面白い、早く続きを読みたい。くー!!
ツユカミさまが消えるときは思わず泣いた。燕の話も、泣かせるものが多い。とにかく妖怪たちがユニークでかわいらしい。どんどん感情移入していく夏目に同化してしまう。
藤原さん(夫)が謎だったけど、5巻でお目見え、嬉しかった(笑)。
孤独に生きていたレイコはなぜ様々な呪法を知っていたのか。死因は何だったのか。なぜ友人帳を作ったのか。夏目はどう成長していくのか。ニャンコ先生との関係はどうなっていくのか。楽しみが尽きない。
                         2008/4/18(2008/7/18UP)

6巻/
頑張った自分ご褒美にしようと読まずに取っておいた作品。そのくらい好き。
今回は小学生のカイとの出会い。廃墟から悲鳴が聴こえて夏目はそれを追っていく。棺桶のような箱に子どもが閉じ込められていた。しかしカイは自分を閉じ込めたのが夏目だと勘違いする。忘れ物を渡そうと夏目は小学校まで出向くが。カイと夏目を巡って、名取りやタキも登場する。
番外編でチビ狐が夏目に会いに街まで行く話。ヒノエとレイコの出逢いの話。

短篇は「まなびやの隅」 
野田かな子は、現国の教科係。現国の菅(すが)先生は無口でクール。生徒から鉄仮面と呼ばれていた。かな子はどんどん先生を好きになっていく。

カイの話もだけど、狐は泣けた。優しさだとか、人を想う気持ち、思い遣りについてとても考えさせられる。大事なものを大事と思うのは、自分の心で、その気持ちに対して責任を取る。でも、いつの間にか相手に期待していくんだよね。どんどん欲張りになっていく。そして大事な相手を傷つける。それでもどこかで、その素なる自分の気持ちに気づけていくといいなと思えた。
                         2008/8/18

UP追記>
アニメが2008年7月よりスタート。この情緒感たっぷり、行間に様々な感覚を埋めてしまう緑川作品を、はたしてどう創るのか、興味津々でしたが、想像以上に素晴らしかった。
スタッフ優秀。素直に作品をそのままアニメにしようという努力が伺えて、第一話から泣きそうになりました。しかも、一話より二話目の方が断然良かったという……すごいですね。期待です。
                         2008/7/18

UP追記2>
6巻を読んだ後、アニメの放映がすぐに始まりました。仔狐が夏目に会いに行く話で、もう泣けた泣けた。重ねて感情が迫ってきました。すごいタイミング。嬉しかったです。
                         2008/8/28UP

《こんなふうにおススメ》
おじいちゃんおばあちゃんの家の日なたの匂いがしてくるんですよ。あと、プールの後にバスタオルに包まれた時の感覚。懐かしさとか、大事な感覚、蘇ってきます。

7巻/
妖祓い人の的場家。同業者からも煙たがられる容赦ない存在。
夏目の街で、妖が次々と襲われ血を抜かれていく事件が多発。自分を助けてくれた羽の妖を放っておけなくて夏目も首を突っ込んでしまう。
名取周一も巻き込んで、的場家との因縁が始まっていく。
もうひとつの話は、夏目を慕う妖たちが酒飲み会を開く。未成年の夏目と楽しむ為に、影踏み遊びをするちょっとほろりとするホノボノ話。

短篇は「夏にはため息をつく」
矢島は炭酸飲料を飲むと身体能力が高くなり、跳躍力が上がる得意体質。幼馴染みの委員長に告白しようと想いを固めるが……。

この作品の感想は変わらない。胸をきゅっと突く切なさが、湧いてくる。
今回はいよいよ夏目も、いろんな意味で意思を持って決断を下していかざるを得ない序章のようなものだった。鬼ゴッコの和みとセットで読み応えあり。
短篇は初期の作品。なんだか読んだことがあるようなデジャヴを感じた。
                         2009/2/03

UP追記3>
アニメの2期。2009年1月からスタート。人気ありますね。
サウンドトラックですが、映画「バクダット・カフェ」の音楽によく似ています。音って耳につきますよねー。
                         2009/2/04UP

8巻/
学校での文化祭。ニャンコ先生は妖祓いの矢で怪我の療養中。その合間にも夏目は妖に襲われるが、周囲の理解もありいつの間にか夏目は救われている自分に気づく。
今更な気もするが田沼と多軌(たき)は初顔合わせ。夏目を庇って、田沼は妖に憑かれてしまう。多軌らも協力し、憑いた妖の“鏡”探しを手伝うことに。
藤原家に来る前に、夏目を取り込もうとした妖。辛うじて封印してきたのだが、夏目を追ってくる。
番外編は、ちょびからみた夏目の日々。

今までは傍観者であろうとしてきた夏目が「帰りたい場所ができた」と、周囲の人たちと積極的に交わろうとし始める。夏目の成長を感じる。
全編、夏目の話なのも嬉しい。
                         2009/8/16、8/24UP

9巻/
渡り妖怪の“ケマリ”と夏目、心通わせる。
猿面の妖に攫われた夏目。そこを仕切っていたのは。

「わたしのかわいい肉球がアスファルトでヤケドしてもいいのか!?」に笑った。
夏目が周囲に頼りだしているのが嬉しい。他の漫画だと、ここら辺までは2話くらいで消化されちゃう。「なんでそんな受け入れるのが早いの?」などの疑問を残して。これはじっくり描かれている分、気持ちもゆっくり追いつける。でもそろそろ次が見たい。
                         2010/2/09、2/13UP

10巻/
西村と北本といるところに、かつて小学校の時に一緒だったという榊西高の柴田が現れる。公園で出逢った女子高生の村崎を人間なのかと聞いてきて。
月分祭。名取は豊月神を探しに行く。

ここまでの設定であれば派手な話に展開できるのに、ゆったりとした物語運びは、作家さんの品の良さ。やっぱり良いなー。
                         2010/7/11、7/15UP

11巻/
田沼とタキ家の蔵掃除。人形の妖の仕返し。
両親の写真と、夏目家の売却。

友だちや大事な家族の絆がテーマになってきている。タキたちの、偉そうなにゃんこ先生の扱いに笑った。
ふんわりと切なくて、最後はいつも泣かされる。
アニメ3期が始まるらしい。
                         2011/4/20、4/21UP

12〜13巻/
12巻。古堂に想い出を持つ妖ヨビコ。老婆と影茶碗。瓶の中に閉じ込められた夏目はオミバシラ様の生贄に。それを助けに行ったのは田沼。
13巻。的場からの招待で会合に。西村、北本との出会い。

アニメもまたやっている。
自分なりの繋がり方を考え出す夏目の成長。友だち大事。振り返ってみると友情が人生を支えてくれたことに気づく。
12巻ラストのシルエットの名取さん、カッコイイ。
                         2012/1/29、2/24UP

【コミックセット】


【コミックス】

ラベル:緑川ゆき
posted by zakuro at 00:00| Comment(2) | 漫画-少女レディース系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月22日

ラブひな (完) 全14巻

【ラブひな】 全14巻  /赤松 健

浦島景太郎19歳。幼い頃に女の子と約束した「トーダイで再会しよう」を胸に東大受験するも、頭が悪すぎて2浪中。親に啖呵を切って祖母の経営するひなた旅館で受験勉強に勤しもうと向かったが、そこは男子禁制の女子寮ひなた荘に変わっていた。女子たちに叩き出されそうになるが、寮長の叔母に既に東大生と勘違いされ、女子たちの早とちりから東大生として寮に置いてもらうことになってしまう。しかし景太郎にやたらつっかかる成瀬川なるには嘘がバレて。追い出されたその日に、海外にいる祖母からFAXが届く。孫の景太郎にひなた荘を譲るという権利書だった。管理人として浪人生として、美女に囲まれた景太郎の日々が始まる。

週刊少年マガジン。
アニメにもなる。作者本人が電子書籍無料配信にもして最近でも話題に。
この作家さんの、コスプレ好きのアイドルみたいな奥様が有名すぎて、漫画を読んでなかった頃の私でさえ知っていた。そのイメージが強すぎてなんかなかなか手を出せなかった。
矢吹健太朗さんと同枠で良いですか?
「ねぎま」が気になるけどまずはこれから。

一言で言ってしまえば、運が悪くて裏目ばかりの冴えない男子を取り巻く様々な美女たちの、お約束のハーレム漫画。ギャルゲーのシナリオみたい。
98年から2001年連載。当時ってこういう傾向、まだ初期なんですかね? 今流行りの萌えの基礎盛りだくさん。
女の子は可愛いし、構成にもスピードやテンポがあって楽しい。高橋留美子の「うる星やつら」に似ていて、わくわくしながら読んでいた子どもの頃をちょっと思い出した。「うる星」も自分勝手なキャラばかりだけど、この作品は自分の恋愛感情押し付けの人物ばかりなので、そこが大きく違う。
ストーリよりお色気満載の、気楽に読めるジェットコースターみたいなドタバタラブコメ。

お色気セクシーショットは毎回あって、それを楽しむだけって気もしないでもないんですが。
元旅館なのも、お風呂シーンのためだけなんじゃないかと思う。
設定はめちゃくちゃありがちで見慣れたパターンなんだけど、センス良く、可愛らしい絵や面白おかしいキャラクターで魅せる。
女の子への憧れ満載。男子には、妄想が暴走していくさまは身近なのかも。女子目線だとこんなキャラたちが揃ったら、しかもこんな展開ならば、みんな仲悪くなりそうなのに、酷いことをしてすねても怒っても必ず許してくれ、女子同士でライバルでもとっても仲良しの女の子たち。これが男子の究極の理想なのだろうな。出てくる女子のアンドロイド的なプロポーションも男子の理想なんだろうな。二次元にしかありえん。究極の男の子の漫画、女子には若干イラっとしてくる。

30半ばで結婚するまで童貞だったという作家さんの告白をテレビで見てたのですけど、これ描いている時ってそんな憧れと妄想が詰まっていたのかな、見事に昇華されていると感心(どんな感想)。才能に転換されてる。

内容よりノリなので、単行本のまとめ読みは辛いかも。萌えが同調できないと飽きる。
頑張って何日もかけて読み終わった達成感ったらなかった。

芋煮会の鍋の大きさに爆笑した。何人分。
旅ばかりだなー。
11巻からしばらく主役がいないのも笑った。
                         2012/2/19

《こんなふうにおススメ》
現実逃避したい男子に。

【コミックセット】


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ラベル:赤松健
posted by zakuro at 14:12| Comment(0) | 漫画-少年青年系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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